週刊映画鑑賞記(2020.6/1~2020.6/7)
毎週日曜は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。
いつもお世話になっている某社では「例のウィルス禍」対策として社員・外注スタッフ(私もその一人)をいくつかの混合チームに分けて、一週間ごとに交代しながら勤務に当たっています。
そうすることによってスタッフ間の接触を最小限にしています。
そんなわけで先週は1週間全日仕事が入ってひどく疲れたものですが、今週は月曜から木曜までいきなり4連休!。
自由時間がタップリあったので映画鑑賞とマンガ一気読みで心身ともにリフレッシュ。
久し振りに映画館にも行けたので、「元の生活」というやつにまた一歩近づいた気がします。
ところが金曜だけ別班の人の都合で急遽現場に出ることに。
「これじゃローテーション組んだ意味ないやん。」とか文句言いつつ、正月でもないのに4日も5日も休みが続くと身体も頭も鈍ってしまうので内心ウキウキしながら仕事しておりました。
6/1(月)
『タイムトラベラー』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

個人的見解ですが、タイムトラベルものには大きなハズレはありません。
そこで、レコーダー内の録画済データの中からなんとなく選んだのがこの『タイムトラベラー』という作品です。
ストーリーの斬新さだとか派手な見せ場などはありませんが、本作もまた約1時間半の間十分以上に楽しませてくれました。
・・・が、しかし。
この作品には一つだけ文句を言わなければなりません。
パッケージ詐欺だ!

主演のリンジー・フォンセカさんは確かにパケ写通りの別嬪さんです。
しかし、劇中の彼女はほとんどこの青い服しか着ていません。
パッケージやポスターに写ってる峰不二子みたいなボンテージ姿は一度も登場しません。
当初の予定では、別の時間軸の彼女があんな恰好で登場するはずだったのか?。
それとも、本当に単なるパケ写詐欺か?。
6月3日(水)
『囚われた国家』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

2月23日に『1917 命をかけた伝令』を観て以来、ちょうど100日ぶりの映画館でした。
「映画館復帰一発目は絶対新作映画を観に行く!」と決めていたので、わざわざお隣石川県小松市まで足を運んでこのSF映画を観てきました。
ポスター画像には異星人の宇宙船とそれに対峙するかのようなロボット兵器が写っています。
事前情報を全く仕入れていなかったため、てっきり『インデペンデンス・デイ』+『宇宙戦争』+『パシフィック・リム』みたいな侵略SFアクションものに違いないと思い込んでおりました・・・が。

地球人レジスタンスと地球を支配する異星人との闘いが描かれているのは確かですが、思っていたのと違って主眼は主人公たちのゲリラ戦に置かれていて地味なストーリーです。
ただ、状況や登場人物の紹介を駆け足で済ませてしまって、性急にストーリーを進めようとするので困ります。
状況が呑み込めないまま目まぐるしくストーリーが進んでいきますが、私としてはどれが主人公なのかさえ判断つかないまま引っ張りまわされた気がします。
しかもストーリーにも登場人物にも華がありません。
爆弾テロで敵に痛打を浴びせたと思いきや、すかさず反撃を食って味方はほぼ全滅、リーダーも射殺されるという実になんとも救いのない終わり方・・・。
また、ガンキャノンみたいなロボット兵器もほとんど動くシーンがありませんでした。
まだ回収されていない伏線がいくつかあったのでどうやらシリーズ化を前提にしているみたいですが・・・。

客は私一人だけ。
まさに貸し切り状態でした(笑)。
この客入りでは続編作れるほどの興行成績は難しそうです。
『シン・ゴジラ』
(劇場:イオンシネマ新小松)

ウィルス禍を経た現在、改めて『シン・ゴジラ』を見ているうち今までになかった視点に気が付きました。
『シン・ゴジラ』の主な登場人物は政治家や官僚がほとんどで、あとは科学者と自衛隊関係者ばかりです。
劇場公開当時、議会や野党が描かれていないという批判があったことを思い出しました。
しかし、現在のウィルス禍において「緊急事態宣言」下の政府与党の政策に対して野党や部外者が大きく口を挿む場面はほとんど無かったように思います。
そりゃそうです。
この非常時に野党がごちゃごちゃ口を出したのでは国家が立ち行かなりますから。
国家の非常時には与党が迅速に行動できることが大事なのでしょう。
もっとも、現実の総理殿が自ら音頭を取って行った政策といえば「全国民にマスク2枚づつ配ります」というトンチンカンなアレしか思い浮かびません(笑)。
『シン・ゴジラ』は3.11福島原発事故と当時の民主党政権をイメージして作られたと聞きましたが、もし現行の安●政権をモチーフにして『シン・ゴジラ2』が作られるとしたら?。

いっそのこと河崎実監督にパロディ映画として作ってもらいたいですね(笑)。
『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』にも出てた安●総理のソックリさん芸人を使えば出来そうです。
ていうか、河崎監督なら本当にやりかねない・・・。
6月4日(木)
『瞳の中の訪問者』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

昨年夏にWOWOWで録画しておいたこの作品。
先ごろお亡くなりになられた大林宣彦監督への追悼観賞というわけでは決してありません。

実は先月末からまんが・電子書籍販売サイト「ebookjapan」で『ブラック・ジャック』最終巻以外全部無料というサービスをやっていたのです。
(現在は終了しています)
無料で読めるのは全部で21巻までですから一日5~6冊読んでいけば期日までに全部読むことが可能です。
そんなわけで今週前半は、自宅で映画鑑賞と『ブラック・ジャック』一気読みに明け暮れておりました。

そのうち、角膜移植手術を受けた少女の目にドナーとなった故人が最後に見た人物の姿が映るという「春一番」というエピソードに行きつきました。
この話は中学時代にも(多分リアルタイムで)読んでいますが、ふとこの話を原作にした実写映画版があったことを思い出して観賞に踏み切ったのでありました。

タイトル画面はまるでアニメのようです。
・・・しかし。

実写版ブラック・ジャック登場!。
う~む。
ここから先は心を空っぽにして、しし・どじょう・・・じゃなくて宍戸錠さんと峰岸徹さんの怪演合戦を楽しむだけです。

もう一つの見どころはビジンダーこと若き日の志穂美悦子サマのお姿を心ゆくまで愛でられることであります。
入浴シーンもあったりなんかして眼福眼福。
それだけでもブルーレイに焼いて永久保存する価値がある作品です。

『ブラック・ジャック』については近く記事にまとめようと考えています。
6月6日(土)
『風と共に去りぬ』
(ホームシアター:BSプレミアム録画)

こうも毎日時間が余ると、急にこんな長尺映画を観てみようという気になったりなんかするものです。
レコーダーのHDD残量も心許なくなってきたので、思い切って再生スタートしてみました。
この名作を初めて見たのは確か中学2年か3年の時です。
「水曜ロードショー」かなにかで放送された時で、2週に分けてのノーカット放送でした。
普段は映画番組など滅多に見ない母も「懐かしい~。これ子供のころにおばあちゃん(私の母方の祖母)に連れて行ってもらった映画や。」と言ってしっかりテレビの前に座っていて、私も母に釣られて一緒に見始めたのでした。

しかし、私にはあの特異すぎるあのキャラクターたちにはどうしても馴染めませんでした。
特に主人公のスカーレット・オハラ!。
片想いの相手アシュレーに「あなたは私を愛してるんでしょ?」と一方的に決めつけ、彼が他の女性:メラニーと結婚すると知るやいなや急遽メラニーの弟との結婚を決めてしまうという、とんでもないサイコパス女なのであります。
母や妹をはじめ世の中の女性たちにとってこの女のどこが魅力的なのか、十代の男の子には全く理解不能でありました。
そんな状態でしたから、中学時代の初見時は「自分には縁の無い作品」と切り捨てて翌週の後編は見ることなく綺麗サッパリ忘れ去っておりました。
そんな私が『風と共に去りぬ』を初めて全編通して観たのは今からほんの7~8年前のこと。
何回目かの「午前10時の映画祭」の時でした。
(石川県の劇場へ観に行った記憶があるので、福井での開催が無くなった3回目以降だと思います)

やはりスカーレットの自己中ぶりに辟易しながら観てましたが、物語が進むにつれてライバル(?)のメラニーにばかり目が向いている自分に気が付きました。
メラニーは優しさと純真さを併せ持つ世の男性諸氏にとって理想の女性像と言って良いキャラクターです
サイコパス・・・もとい奔放な性格のスカーレットとは正反対の女性ですが、スカーレットとメラニーという相対する性格を持つ2人の女性像が長い長いこの映画を最後まで一気に見させてくれる原動力だったことに気が付きました。
それは、数年前に「午前十時」で観た時も今回ホームシアターで観た時も全く同じです。

あと、にやけ顔のレット・バトラーに対しては魅力はおろか存在意義さえ感じられません。
ていうか、男の目からはただひたすら鬱陶しいだけです。
『風と共に去りぬ』はスカーレットとメラニーという二人の女性の対比を描く映画だったのだと思います。
母は子供の頃これを見て何を思ったのだろうか?。

あと、黒人の女性召使マミーが実にいい味を出してくれていて、時折彼女が見せてくれるコメディ要素がこの長くて辛い映画のアクセントになっていた気がします。
演じたハティ・マクダニエルさんはこのマミー役で史上初の黒人オスカー女優となりましたが、アカデミー授賞式会場では他の白人キャスト・スタッフとは同席させてもらえなかったそうです。
現在アメリカでは人種差別に抗議するデモが続いていますが、今『風と共に去りぬ』を見返してふとそんなことも考えてしまいました。
南北戦争時代を舞台にした作品であるにも関わらず、人種差別を感じさせるシーンは比較的少ない気がするのですが・・・。

今回の観賞で特に目に留まったのは、駅前広場に所せましと並んだ負傷兵の数です。
CGなど無い時代の映画ですから彼らは皆生きた人間、つまりエキストラです。
これだけの人数を集めるのは、いかに映画産業絶頂期だったとはいえ大変だったと思います。
前回「午前十時の映画祭」で観た頃はまだエキストラ出演の趣味に目覚めていなかったためあまり気に留めることは無かったですが、何度か映画のモブシーン撮影を経験した今ではここに横たわっているエキストラ一人一人の動きを見て取ろうと無意識に目を凝らしておりました。
時間があればこうした旧い映画を観てみるのもいいですね。
HDDには『クレオパトラ』とか『十戒』とか『スパルタカス』なんかも残っているので、次の連休時にでも見てみましょうかね。
連日
『エール』
(居間49インチ液晶テレビ:NHK総合)

今週も毎日リアルタイムで見ておりました。
でも、お話が予定調和的すぎて似たパターンが続いている気がしますね。
自分でもちょっと飽きつつあるのかも?。
でも今後戦争時代に突入した時彼らがどうなるのかはとても気になっています。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。