『スター・トレック BEYOND』(ネタバレあり)
CATEGORY外国映画:サ行
トガジンです。
日曜日にまとめて映画鑑賞記を書いたのですが、大量の文章を書くのは大変ですしボリュームも膨大になってしまいます。
ボリュームを気にして書きたいことも書けないのでは本末転倒ですよね。
読んでくださる皆様にもご苦労をおかけしてしまいます。
今後は時間が許す限りその日のうちにアップするよう心がけます。
さて、今日は月曜日です。
映画館はメンズ・デーということで男性は一律1.100円。
仕事が午後からだったので、仕事前にこの作品を観てきました。
『スター・トレック BEYOND』🈠
(劇場:コロナワールド)

私は、怪獣映画と同じくらいに宇宙もの映画が大好物なのです。
何をおいても大スクリーンで観ることにしています。
リブート版『スター・トレック』シリーズの最新作。
監督がJ・J・エイブラムスから『ワイルド・スピード』シリーズのジャスティン・リンにバトンタッチしています。
そして脚本の一人にサイモン・ペッグの名前がありました。
スコッティ役の俳優さんです。
最初驚きましたが、彼が脚本を書いた『宇宙人ポール』がとても面白かったので不安は期待に変わりました。
【良かった点】
前作、前々作と比較して、クルーたちの絆が強まったと感じました。
そしてキャラクター一人一人のバックボーンも描かれて人物像に深みが増しています。
過去2作は、リブートしたケルヴィン・タイムライン『スター・トレック』の世界観を構築することが目的だったように思います。
そのためカーク・スポック・マッコイの主要3人が中心となり、その他のクルーはやや描写が薄かった印象でした。
今作では、「仲間たちの救出」が中盤のストーリーの主軸になっているため、各キャラクターが救出や脱出のために身体を張って戦う姿が描かれていています。
これはオリジナルシリーズでは見られなかった描写だったようにも思います。
テレビシリーズでは会話劇が主流でしたし、後の劇場版ではキャストの年齢もあって激しいアクションは少なかったです。
この『スター・トレック BEYOND』で、新しいカーク組がまとまったという印象です。

【イマイチだった点】
良くも悪くも堅実です。
伏線がいかにも伏線と分かりやすく、そのため簡単に展開が読めてしまいます。
冒頭に出てくる古代兵器やオートバイ、大音量の音楽、名のみ語られるかつての英雄の存在等々。
私はそのほとんどの活かされ方が想像した通りに展開するため、「あ、やっぱりそう来る?」と拍子抜けの連続でした。
脚本作りには一定のセオリーがあります。
例えば、映画開始10分くらいで主要登場人物と世界観を説明し15分くらいに最初の伏線を張る。
映画開始から30分目くらいに最初の盛り上がり=見せ場を用意し次の伏線を張る。
15分目あたりで最初の伏線を回収・・・。
この作品はこの教科書通りのストーリー構成をしていて意外性に乏しかったです。
もっとも、前述のキャラクターの掘り下げが出来ていたのはこの落ち着いた脚本のおかげなのかも知れません。
【それはちょっと・・・】
スールーがゲイであったという描写があり愕然としております。
本作で一番の衝撃的シーンといっても過言ではありません。
時流(アメリカでは合法化)とはいえ、歴史あるキャラクターにこの設定はいかがなものか。
ジョージ・タケイさんが演じたオリジナル版スールー(ミスター・カトウ)の見え方も変わってしまいそうです。
あと細かなことですが、最後のエンタープライズ再建シーンの早回しは、そこまでの演出タッチと異なりすぎていてかなり違和感がありました。
【オリジナルの背中】

映画の最後に『スター・トレック』オリジナルメンバーの集合写真が画面に現れます。
『スター・トレックVI 未知の世界』の時のものです。
このうち、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ドゥーアンは既に鬼籍に入られました。
そしてエンドクレジットが始まると、見覚えのある惑星やガジェットが次々と現れその中を新生エンタープライズが駆け抜けていくというイメージが展開します。
これらの描写は私のようなオールドファンにとっては嬉しいのですが、半面「今作でこれを出すのは違う気がする」とも思うのです。
もちろんオマージュを捧げているのは理解しています。
でも私には、親から自立出来ない子供のようにオリジナルから脱却出来ないでいる甘えのように見えてしまいました。
新しい『スター・トレック』シリーズはもう前だけを向いて進めば良いのではないでしょうか。
前作と前々作にレナード・ニモイが出演してくれたのは、その新しい出航の後押しをしてくれたものと思っています。
【追悼】
現実の出来事にリンクするように、スポック大佐(レナード・ニモイ)の訃報が若きスポック(ザカリー・クイント)に伝えられます。

「彼のように生きたい・・・」
若いスポックはこう呟きます。
この作品に関わった全員の言葉のようにも聞こえました。
エンドクレジットの最後には当然レナード・ニモイへの弔辞が出ます。
そしてアントン・・・。
え?アントンって、チェコフ役のアントン・イェルチンのこと?。

恥ずかしながら、私は今日までアントン・イェルチンの訃報を知りませんでした。
『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』という作品の霊が見える少年の役が印象に残っています。
とても切ないあのラストシーンは、彼の演技力によってこそもたらされたものだと思っております。
お二人のご冥福をお祈りいたします。
日曜日にまとめて映画鑑賞記を書いたのですが、大量の文章を書くのは大変ですしボリュームも膨大になってしまいます。
ボリュームを気にして書きたいことも書けないのでは本末転倒ですよね。
読んでくださる皆様にもご苦労をおかけしてしまいます。
今後は時間が許す限りその日のうちにアップするよう心がけます。
さて、今日は月曜日です。
映画館はメンズ・デーということで男性は一律1.100円。
仕事が午後からだったので、仕事前にこの作品を観てきました。
『スター・トレック BEYOND』🈠
(劇場:コロナワールド)

私は、怪獣映画と同じくらいに宇宙もの映画が大好物なのです。
何をおいても大スクリーンで観ることにしています。
リブート版『スター・トレック』シリーズの最新作。
監督がJ・J・エイブラムスから『ワイルド・スピード』シリーズのジャスティン・リンにバトンタッチしています。
そして脚本の一人にサイモン・ペッグの名前がありました。
スコッティ役の俳優さんです。
最初驚きましたが、彼が脚本を書いた『宇宙人ポール』がとても面白かったので不安は期待に変わりました。
【良かった点】
前作、前々作と比較して、クルーたちの絆が強まったと感じました。
そしてキャラクター一人一人のバックボーンも描かれて人物像に深みが増しています。
過去2作は、リブートしたケルヴィン・タイムライン『スター・トレック』の世界観を構築することが目的だったように思います。
そのためカーク・スポック・マッコイの主要3人が中心となり、その他のクルーはやや描写が薄かった印象でした。
今作では、「仲間たちの救出」が中盤のストーリーの主軸になっているため、各キャラクターが救出や脱出のために身体を張って戦う姿が描かれていています。
これはオリジナルシリーズでは見られなかった描写だったようにも思います。
テレビシリーズでは会話劇が主流でしたし、後の劇場版ではキャストの年齢もあって激しいアクションは少なかったです。
この『スター・トレック BEYOND』で、新しいカーク組がまとまったという印象です。

【イマイチだった点】
良くも悪くも堅実です。
伏線がいかにも伏線と分かりやすく、そのため簡単に展開が読めてしまいます。
冒頭に出てくる古代兵器やオートバイ、大音量の音楽、名のみ語られるかつての英雄の存在等々。
私はそのほとんどの活かされ方が想像した通りに展開するため、「あ、やっぱりそう来る?」と拍子抜けの連続でした。
脚本作りには一定のセオリーがあります。
例えば、映画開始10分くらいで主要登場人物と世界観を説明し15分くらいに最初の伏線を張る。
映画開始から30分目くらいに最初の盛り上がり=見せ場を用意し次の伏線を張る。
15分目あたりで最初の伏線を回収・・・。
この作品はこの教科書通りのストーリー構成をしていて意外性に乏しかったです。
もっとも、前述のキャラクターの掘り下げが出来ていたのはこの落ち着いた脚本のおかげなのかも知れません。
【それはちょっと・・・】
スールーがゲイであったという描写があり愕然としております。
本作で一番の衝撃的シーンといっても過言ではありません。
時流(アメリカでは合法化)とはいえ、歴史あるキャラクターにこの設定はいかがなものか。
ジョージ・タケイさんが演じたオリジナル版スールー(ミスター・カトウ)の見え方も変わってしまいそうです。
あと細かなことですが、最後のエンタープライズ再建シーンの早回しは、そこまでの演出タッチと異なりすぎていてかなり違和感がありました。
【オリジナルの背中】

映画の最後に『スター・トレック』オリジナルメンバーの集合写真が画面に現れます。
『スター・トレックVI 未知の世界』の時のものです。
このうち、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ドゥーアンは既に鬼籍に入られました。
そしてエンドクレジットが始まると、見覚えのある惑星やガジェットが次々と現れその中を新生エンタープライズが駆け抜けていくというイメージが展開します。
これらの描写は私のようなオールドファンにとっては嬉しいのですが、半面「今作でこれを出すのは違う気がする」とも思うのです。
もちろんオマージュを捧げているのは理解しています。
でも私には、親から自立出来ない子供のようにオリジナルから脱却出来ないでいる甘えのように見えてしまいました。
新しい『スター・トレック』シリーズはもう前だけを向いて進めば良いのではないでしょうか。
前作と前々作にレナード・ニモイが出演してくれたのは、その新しい出航の後押しをしてくれたものと思っています。
【追悼】
現実の出来事にリンクするように、スポック大佐(レナード・ニモイ)の訃報が若きスポック(ザカリー・クイント)に伝えられます。

「彼のように生きたい・・・」
若いスポックはこう呟きます。
この作品に関わった全員の言葉のようにも聞こえました。
エンドクレジットの最後には当然レナード・ニモイへの弔辞が出ます。
そしてアントン・・・。
え?アントンって、チェコフ役のアントン・イェルチンのこと?。

恥ずかしながら、私は今日までアントン・イェルチンの訃報を知りませんでした。
『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』という作品の霊が見える少年の役が印象に残っています。
とても切ないあのラストシーンは、彼の演技力によってこそもたらされたものだと思っております。
お二人のご冥福をお祈りいたします。
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