ロマンポルノ・リブート・プロジェクト『ジムノペディに乱れる』🈠
CATEGORY日本映画:さ行
トガジンです。
今日、福井県は午後から大雪になりましたが、今日で上映が終了というこの映画を無理して観て帰りました。
『ジムノペディに乱れる』🈠
(劇場:テアトルサンク)

『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督作品。
ロマンポルノ・リブート・プロジェクトのうちの一本です。

仕事も名声も妻も失った映画監督が、それでも毎日違う女性と関係を持つというなんともうらやましいお話でした。
いや、もっと深いテーマが秘められていることは分かるのですが、鑑賞している間は全く別のことを考えていました。
【日活ロマンポルノ】
かつて映画大手5社の一つであった日活が、映画産業斜陽化の波を受けて1971年にポルノ路線へ転向したときの名称が「日活ロマンポルノ」でした。
極端に低予算ながらも、「10分に1回絡みのシーンを作る」「上映時間は70分程度」「モザイク・ボカシの後処理はしない」などといった規定を守っていれば、現場側は比較的自由度の高い映画作品作りが許されていました。
映画産業が低迷していた時期だったこともあり、監督デビューの機会に恵まれなかった若い作家たちの多くがこの「ロマンポルノ」からキャリアをスタートさせています。
特撮映画ファンにはお馴染みの金子修介監督をはじめ、崔洋一、周防正行、相米慎二、滝田洋二郎、中原俊、根岸吉太郎、森田芳光(敬称略)といったそうそうたる面子が「ロマンポルノ」出身監督として名を連ねています。
福井県で「日活ロマンポルノ」を上映していたのは、今はもう閉館されてしまった福宝会館という成人映画専門館でした。
もう時効ですから白状します。
私は高校一年生の頃から、何度か福宝会館へロマンポルノを観に行ったことがあります。
もっとも、最初は『おさな妻』という当時人気のポルノ女優・原悦子さん主演の一般映画(それでも濡れ場はありました)でした。
更に調子に乗って、次からは美保純さん、畑中葉子さん、寺島まゆみさんといった人気女優の成人映画も観に行くようになりました。
幸い(?)私も一緒に行った悪友も、年齢よりも老けて見えるほうだったため一度も怪しまれることなく入館出来たのですが、「補導員に見つかったらヤバい」という背徳感は常につきまとっていました。
【ロマンポルノ・リブート・プロジェクト】

その後アダルトビデオの台頭に押されて1988年に終了した「日活ロマンポルノ」ですが、28年ぶりに5本の完全オリジナル新作映画が制作されました。
それが今回の「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」です。
参加監督は本作の行定勲監督の他、園子温、中田秀夫、白石和彌、塩田明彦(敬称略)といった、ポルノ映画は初演出ではあるものの一定以上の評価を得ている作家ばかりです。
しかし、シネマスコープの大画面いっぱいに横たわる女優の裸体を眺めながら「何かが違う」と思っていました。
【背徳感のないポルノ映画なんて・・・】
今回上映館となっているテアトルサンクは、福宝会館が存在した頃には常に『スター・ウォーズ』や『007』といった大作を中心に上映していた老舗の映画館であり、ポルノを観る小屋というアングラな印象は全くありません。
私も今回は年齢を気にすることなく合法的に入館しましたし、他のお客さんも普通の会社員という雰囲気の方ばかりで老夫婦も一組いらっしゃいました。
酒とタバコとトイレの臭いが充満し、観客は一日中居座ってイビキをかいているオッサンばかりだった福宝会館とは全く違います。
また、今回参加した監督たちはすでに一定の評価を受けている人たちばかりで、ここからスタートを切るというような若く無名の作家さんではありません。
かつて限られた条件の中で若手監督たちが競って面白いもの・作りたいものを作り、それぞれがキャリアの土台を築いていった「日活ロマンポルノ」とはかなり内容が違うように感じます。
もし6作目以降があるなら、無名でも才能ある監督や脚本家たちが作品発表のチャンスを得られる機会にしてあげて欲しいです。
とはいえ、残りの4本も時間さえ許せば観に行きますよ。
劇場の大スクリーンに映し出されるヌードや濡れ場はやはり圧巻です。
それは、たとえアダルトビデオをプロジェクターで100インチ映写したとしても得られることの無いエロ体験でした。
【映画とは関係ないけれど】

本日20:00頃の福井駅前
それにしても、今日の寒波には参りました。
道路のほとんどがアイスバーン化していてノロノロ運転する車も多く、いつもなら40分で帰れるところが1時間半もかかってしまいました。
明日・明後日はさらに大雪警報ということで、仕事より移動の方が疲れそうです。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
今日、福井県は午後から大雪になりましたが、今日で上映が終了というこの映画を無理して観て帰りました。
『ジムノペディに乱れる』🈠
(劇場:テアトルサンク)

『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督作品。
ロマンポルノ・リブート・プロジェクトのうちの一本です。

仕事も名声も妻も失った映画監督が、それでも毎日違う女性と関係を持つというなんともうらやましいお話でした。
いや、もっと深いテーマが秘められていることは分かるのですが、鑑賞している間は全く別のことを考えていました。
【日活ロマンポルノ】
かつて映画大手5社の一つであった日活が、映画産業斜陽化の波を受けて1971年にポルノ路線へ転向したときの名称が「日活ロマンポルノ」でした。
極端に低予算ながらも、「10分に1回絡みのシーンを作る」「上映時間は70分程度」「モザイク・ボカシの後処理はしない」などといった規定を守っていれば、現場側は比較的自由度の高い映画作品作りが許されていました。
映画産業が低迷していた時期だったこともあり、監督デビューの機会に恵まれなかった若い作家たちの多くがこの「ロマンポルノ」からキャリアをスタートさせています。
特撮映画ファンにはお馴染みの金子修介監督をはじめ、崔洋一、周防正行、相米慎二、滝田洋二郎、中原俊、根岸吉太郎、森田芳光(敬称略)といったそうそうたる面子が「ロマンポルノ」出身監督として名を連ねています。
福井県で「日活ロマンポルノ」を上映していたのは、今はもう閉館されてしまった福宝会館という成人映画専門館でした。
もう時効ですから白状します。
私は高校一年生の頃から、何度か福宝会館へロマンポルノを観に行ったことがあります。
もっとも、最初は『おさな妻』という当時人気のポルノ女優・原悦子さん主演の一般映画(それでも濡れ場はありました)でした。
更に調子に乗って、次からは美保純さん、畑中葉子さん、寺島まゆみさんといった人気女優の成人映画も観に行くようになりました。
幸い(?)私も一緒に行った悪友も、年齢よりも老けて見えるほうだったため一度も怪しまれることなく入館出来たのですが、「補導員に見つかったらヤバい」という背徳感は常につきまとっていました。
【ロマンポルノ・リブート・プロジェクト】

その後アダルトビデオの台頭に押されて1988年に終了した「日活ロマンポルノ」ですが、28年ぶりに5本の完全オリジナル新作映画が制作されました。
それが今回の「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」です。
参加監督は本作の行定勲監督の他、園子温、中田秀夫、白石和彌、塩田明彦(敬称略)といった、ポルノ映画は初演出ではあるものの一定以上の評価を得ている作家ばかりです。
しかし、シネマスコープの大画面いっぱいに横たわる女優の裸体を眺めながら「何かが違う」と思っていました。
【背徳感のないポルノ映画なんて・・・】
今回上映館となっているテアトルサンクは、福宝会館が存在した頃には常に『スター・ウォーズ』や『007』といった大作を中心に上映していた老舗の映画館であり、ポルノを観る小屋というアングラな印象は全くありません。
私も今回は年齢を気にすることなく合法的に入館しましたし、他のお客さんも普通の会社員という雰囲気の方ばかりで老夫婦も一組いらっしゃいました。
酒とタバコとトイレの臭いが充満し、観客は一日中居座ってイビキをかいているオッサンばかりだった福宝会館とは全く違います。
また、今回参加した監督たちはすでに一定の評価を受けている人たちばかりで、ここからスタートを切るというような若く無名の作家さんではありません。
かつて限られた条件の中で若手監督たちが競って面白いもの・作りたいものを作り、それぞれがキャリアの土台を築いていった「日活ロマンポルノ」とはかなり内容が違うように感じます。
もし6作目以降があるなら、無名でも才能ある監督や脚本家たちが作品発表のチャンスを得られる機会にしてあげて欲しいです。
とはいえ、残りの4本も時間さえ許せば観に行きますよ。
劇場の大スクリーンに映し出されるヌードや濡れ場はやはり圧巻です。
それは、たとえアダルトビデオをプロジェクターで100インチ映写したとしても得られることの無いエロ体験でした。
【映画とは関係ないけれど】

本日20:00頃の福井駅前
それにしても、今日の寒波には参りました。
道路のほとんどがアイスバーン化していてノロノロ運転する車も多く、いつもなら40分で帰れるところが1時間半もかかってしまいました。
明日・明後日はさらに大雪警報ということで、仕事より移動の方が疲れそうです。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
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