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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2017.5/1~2017.5/7)

トガジンです。

毎週日曜の夜は、この一週間に観た映画の感想をまとめて書き連ねています。

5/1(月)
この日は急遽仕事がキャンセルになって一日ヒマになったため、3月にお隣石川県の小松市にオープンしたばかりの「イオンモール新小松/イオンシネマ」に行ってきました。
観たのはこの作品です。

『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)
ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 ポスター
『ドラえもん』の劇場版新作ですが、そのストーリーの骨格はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの古典SF『狂気の山脈にて』を下敷きにしたもので、その内容や感想は金曜日に書いた通りです。
ここでは、見ていてちょっと嬉しかったことをもう一つ。

ドラえもんにジャングル黒べえ
映画の冒頭でパオパオに乗った「ジャングル黒べえ」が出てきたのには驚きました。
黒べえは、「ちびくろサンボ」や「ダッコちゃん」などと同じく黒人差別にあたるとされて封印されてしまったキャラクターで、原作漫画は長い間絶版状態にあり、TVアニメは再放送はおろかパッケージソフト化もされていないというのが現状なのです。
(もっとも、『ジャングル黒べえ』そのものは直接糾弾されていたわけではなく、出版社側が世論をおそれて勝手に自主規制したというのが本当のところのようです。)

ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険 ゲスト
今回、何故か南極を舞台に再登場を果たした黒べえ・・・と思いきや、その正体は南極の遺跡を調査に来たヒョーガヒョーガ星のカーラとヒャッコイ博士の防寒服のデザインでした。
黒べえ役の肝付兼太さんは既に亡く、あの「ウラウラベッカンコ!」が聞けないのは残念でしたが、形を変えてでも黒べえの姿を画面に出したスタッフの遊び心と藤子作品への愛に嬉しくなった一幕でした。


5/2(火)
アンフレンデッド』🈠
ホームシアター PCディスプレイにて鑑賞:レンタルBlu-ray)
アンフレンデッド
『パラノーマル・アクティビティ』の発展形ともいえるモキュメンタリーの新種。
どこが新しいかというと、映画全編がフェイスブックみたいなSNSの固定画面内でのやり取りだけで全編が語られていることです。
(私はSNSはやっていませんのでリアリティがどうなのかは分かりませんが・・・)

いつものメンバーでチャットを楽しむグループに、友達外(アンフレンデッド)の謎の人物が勝手に参入してくる。
彼らが思い当たったのは、ネットいじめを苦に自殺した少女であり、SNSを通して彼女の死に関わった友人たちに呪いがかけられていくというストーリー。

プロジェクターの大画面で観るよりパソコンの27インチ・モニターで近接視聴したほうがより楽しめる映画でした。
内容的にもピッタリですし、なにより周囲が明るい状態で観られるので怖さも半減します(笑)。

アンフレンデッド 画面
本当にこの画面のみでほぼ全編を描き切っていて、その構成力と役者の演技には感心しました
6人の男女を実際にパソコンの前に座らせて演技させたのでしょうが、言うなればほぼ全員が一定時間カットなしの長回しだったわけです。
それはつまり、舞台と同じくらい高密度な演技の持続が必要ということであり、俳優各自が画面への映りも考慮しなければならないということです。
本作の出演者はほとんど無名の若い俳優ばかりでしたから、アメリカの俳優の層の厚さってとんでもなくぶ厚いのですね。

残酷シーンもごく一部のみでそれも分割画面の中の一つでしたから目をそらすのも容易です。
必ず本当のことを言わなければならないゲームで、互いの性体験を暴露し合うくだりはもはやギャグ
ただ、恐怖のあまり錯乱して部屋から逃げ出した男が、テレビ電話を継続するためにわざわざPCを持って走るところだけは作為が見えてしまって残念ではありました。

私はホラー映画は苦手なのですが、『ドント・ブリーズ』や『イット・フォローズ』みたいにアイデアが冴える作品が多いジャンルでもあるので、惨いスプラッタシーンさえ無いのであれば「面白い」と思える作品は観るようにしています。


5/3(水)
映画鑑賞無し


5/4(木)
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(3D版)
(ホームシアター:Blu-ray)
毎年5月4日は『スター・ウォーズ』の日です。
何故ならば、毎作必ず誰かが口にする台詞「フォースと主にあらんことを」"May the Force be with you"と“5月4日”(May the 4th)をかけているから・・・な~んて事はファンなら先刻ご承知ですよね。

ローグ・ワンBD 3D盤
この日は先日買ったブルーレイセットのうち3D版を鑑賞しました。
大阪エキスポシティで最初に観たのがIMAX3Dバージョンでしたから、3Dブルーレイはどうしても欲しかったのです。

ローグ・ワンBD セット
ディズニーの販売形式は変わっていて、3D盤は一つのパッケージに封入せず単独商品との抱き合わせという形で売っていました。
『フォースの覚醒』の時は後から3D盤だけをネット販売していましたが、今回は最初からセット商品として買ったのですからパッケージングにも気を使ってもらいたいものです。

先週2D版を観たばかりだというのに、今回も最初から最後まで一喜一憂しながら鑑賞することが出来ました。
好きな映画なら視点を変えて何十回でも楽しめるというのは私の美徳でありますが、今回は少し構成や演出について考えながら見ていました。

例えば、公開当時から前半部分の舞台があちこちに散らばっていて分かりづらく、しかもヤヴィンが二度出てくるため「行ったり来たり」感があるのが気になっていました。
惑星ウォバニから救出されたジンがキャシアンや反乱軍幹部に会って、彼らからジェダへ向かう指示を受けるシーンは移動中の宇宙船内でもいいんじゃないか?とか。
また、イードゥやスカリフへ向かうシーンは何故船内シーンばかりで、ミレニアム・ファルコンみたいに飛行する宇宙船の姿をガッツリ見せてくれないのか?とか。

若干の不満や疑問はありますが、それでもエピソード1~3を観るよりは飽きが来ません。
なにせあの新三部作ときたら、毎回必ずタトウィーンとコルサントが出てきて代り映えが無かったですから!。


5/5(金)
美女と野獣』🈠
(劇場:福井コロナシネマワールド)
美女と野獣 実写版
仕事帰りに観てきました。

もとより、エマ・ワトソンによる『美女と野獣』のコスプレ・ショー以外のなにものでもないと期待はしていませんでしたが、それにしてもコレは酷いです。
エマ・ワトソンのファン・ムービーの価値すら無いのではないでしょうか・。

美女と野獣 アニメ版朝のシーン
アニメならではの完璧なタイミングで朝の賑わいとベルやガストンたちキャラクターの紹介を描いてみせた「朝の風景」のシーンも、実写版では原曲の合間ごとに付け足した余計なシークエンスが流れを断ち切りリズムが狂います。
おそらく生身の人間の動きではあの曲のテンポについていけない部分もあり、間を取るために新しいシチュエーションを付け加えたのでしょうが、原曲を知る者にとっては完全に蛇足であり水増しとしか感じられません。

美女と野獣 アニメ版ビー・アワ・ゲスト
中盤の食事シーン「ビー・アワー・ゲスト」も違和感が強いです。
アニメではベルがルミエールや食器たちの歌や踊りに一緒になって手拍子して楽しんでいましたが、実写版のベルはじっと座って見ているだけで心から楽しんではいない様に見えてしまいます。

エマ・ワトソンは『ハリー・ポッター』シリーズでCGキャラクターとの共演も手馴れているはずだと思っていたのですが、全体的に画面内で浮いた存在に見えて仕方がありませんでした。

美女と野獣 実写版 父娘
唯一、アニメ版より良かったと思えたのはケヴィン・クラインが演じた父親の描写です。
精神年齢が低くかった印象のアニメ版に比べると、実写版では愛娘ベルと亡き妻への想いの深い人物になっていました。
ガストンに対しても毅然とした対応を見せますし、檻からの脱出時の見せ場も痛快でした。

あと、エマ・ワトソンの胸元!(笑)。
何故かやたらと谷間を強調する斜め上からのアングルが多かったように思います。
ベルというアニメ出身のキャラクターを生身の女性として認識させるには、これはこれで良い演出なのかも知れません。

美女と野獣 実写版 意外にいい奴
より卑劣でクソ野郎ぶりが増したガストンに対して、その子分ル・フゥのキャラクターが微妙に変わっていて面白かったです。
今どきの風潮を汲んでガストンに対してゲイっぽい表情や仕草を見せるのはいかがなものかと思いますが、そのル・フゥがガストンの卑劣さに対し「別の化け物がここにいる」とオリジナル楽曲にさりげなく差し込んでいました。
新要素が蛇足にしか見えない演出が多い作品ですが、ここだけは面白い改変だと思いました。
ただ彼の性格設定の変更がその語のストーリー展開に何一つ関与しなかったのは残念でした。

美女と野獣 実写版 黒人の貴族??
黒人が異様に多いのもやはり昨今の風潮を鑑みてのことでしょうか?。
しかし、この時代のフランスに黒人の貴族が存在したとは到底考えられません。
確かにアフリカ系フランス人というのは多いですが、それは世界大戦後にアフリカ移民にもフランス国籍を与えるようになってからのことです。
この時代のフランス国内にいた黒人といえば奴隷以外には考えられません。

今の時代に奴隷としての黒人を描くのもどうかとは思いますが、このような黒人女性に貴族の恰好をさせるのは滑稽でしかなく、むしろ有色人種全体に対する侮辱的行為とさえ思います。

美女と野獣 実写版 中華風ポット夫人

美女と野獣 実写版 中華風チップ
さすがに中国人は居ませんでしたが、その代わりポット夫人とチップが中国の陶器みたいなデザインになっていました。
中途半端なリアルさが不気味以外のなにものでもなく、デザイナーのセンスを疑います。

ゲイに黒人、さらには中国市場への目配せばかりにご執心で、元のアニメ版の良さを根こそぎ捨て去った愚作です。
ディズニーさえもこの調子で、今のアメリカ映画は確実におかしな方向に向かっているように思います。
『スター・ウォーズ』は大丈夫なのか・・・?。


5/6(土)
映画鑑賞無し


5/7(日)
少女は異世界で戦った』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
少女は異世界で戦った
まるでライトノベルのようなタイトルとストーリーですが、これは平成『ガメラ』3部作や『ゴジラ・モスラ・キングギドラ・大怪獣総攻撃』の金子修介監督によるオリジナル作品です。
金子監督は、日活ロマンポルノ時代に『エースをねらえ!』のパロディ映画を撮っていて、それがこんな感じの作品だったような気がします。
低予算ということは分かったうえで観ていましたが、河崎実監督のような開き直りや弾けたパワーは感じられませんでした。

少女は異世界で戦った アイ・ドール
パラレル・ワールドものです。
ある世界では4人組人気アイドルとして活躍する少女たちが、別の世界では刀剣を振りかざし命がけで異世界の侵略者と戦い続けているという設定。
しかしその二つの世界をつなぐ時空の接点が発見され、双方の世界の少女たちが互いの世界の存在を知ることになります。
更に、侵略者と信じ込んで殺してきた相手の正体は意外なものでした。

アクションシーンは吹替なしで本人たちが演じています。
武田梨奈さんのアクションはさすがに見ごたえがありましたし、榮倉奈々に似た清野菜名さんも動きのキレが良かったです。
しかし、アイドルとしてのステージシーンは歌も動きも全く揃わずドタバタした印象で、しかも観客席込みのロングショットが無いため非常に狭い場所でのライブという印象です。
まるで温泉施設やカラオケのステージで歌い踊るご当地アイドルで、「世界を笑顔でいっぱいに」とか言われても切なくなってしまいます。

そして致命的なのが、榮倉奈々に似た清野菜名以外あまり可愛くない、ということです(失礼)。

少女は異世界で戦った 4人の胸元と紗倉まな
冒頭、AV女優の紗倉まなが戦いの巻き添えになる巫女さん役で出ていたのですが、正直言って主役メンバー4人よりも彼女のほうが可愛いと思ってしまった時点で結果は見えていたのかも知れません。

金子監督にはまた尖った怪獣映画を撮って欲しいと切に願っております。



お付き合いいただきありがとうございました。

今週はGWで連日忙しく疲れ気味だったためか、少し酷評寄りになってしまった気がします。
反省。
『ゴジラ』レビューもぼちぼち書き進めていますが、『ビオランテ』以降の平成VSシリーズは・・・・う~む。
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