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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2017.6/5~2017.6/11)

トガジンです。
毎週日曜日の夜は、この一週間に観た映像作品について徒然に書き連ねております。

6/5(月)
真田十勇士』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)
真田十勇士ポスター
中村勘九郎主演の同名舞台の映画化作品です。
劇場公開当時に観るタイミングを逸してしまい気なっていた作品でしたが、残念ながらお金を払ってまで観るほどの映画とは思えませんでした。
むしろ堤幸彦監督の悪いところばかりが出ていて、最後まで観るのが苦痛に感じるほどでした。

いきなり戸惑うのは、主要メンバーのうち9人が集まるまでの冒頭シーン約10分間が全て手描きのアニメーションだったことです。
最初は、集結シーンをテンポよく見せるための演出だと思って観ていましたがそれにしても10分は長すぎます。
途中で「当作品はアニメ映画ではありません」とテロップが出てくる始末で、これさえもジョークなのか苦肉の策なのかわからないくらいでした。

真田十勇士 勢揃い
元が舞台作品ということもあってか、役者の演技がことごとく大げさで見ていて疲れてしまいます。
それに加えて、堤監督の「笑えないギャグ」「下らないおふざけ」が随所で観客の集中力を寸断し、ストーリー展開の足を引っ張ってしまうのです。
終盤の幸村や勇士たちの討ち死にシーンもグダグダのうちに流れ去ってしまい、俳優さんたちの頑張りも大規模なロケーションも全く映画に生かされていません。
また、ラストにどんでん返しが用意されてはいますが、その伏線があまりにも露骨にセリフで語られていたために簡単に読めてしまいます。

真田十勇士 大島優子
結局、元AKB48:大島優子のくノ一姿くらいしか見るべきところの無い映画でありました。

では、今回私がこの映画を観ようと思ったきっかけが何だったかと言いますと・・・。

真田十勇士 大阪城ロケ
実は昨年の年明け頃に、この映画の大阪城集結シーンと和歌山県某所での合戦シーンのエキストラ募集があったのです。
時代劇は未体験で「一度やってみたい」と思っていた私はこれに何度か応募をしていました。

しかし残念ながらことごとく落選し、結局一度も参加出来ずじまいでした。
もっとも、撮影時期は昨年の1月頃という極寒の季節であり、しかも役柄は足軽役とのことでしたから真冬に軽装で外を駆け回らなければならないのは確実です。
そう思うと、落選はしたものの内心ホッとしていたのもまた事実でありました。

では、どうして急にこの作品を観ようと思い立ったのかといいますと・・・。

真田十勇士和歌山ロケ
それは、先日(5/31~6/2)参加してきた『ちはやふる-結びー』の撮影現場で、この『真田十勇士』に参加したというベテランのエキストラさんにお会いして話を聞かせてもらったからであります。
自分が参加することが出来なかった現場の話はとても興味深く、しかも全く未体験の時代劇のことですからとても参考になりました。
撮影の思い出については「とにかく寒かったことしか覚えてないよ」と笑っておられましたが、移動手段や宿泊費を安く済ませる工夫、さらには当選しやすくする応募の仕方まで色々面白いアイデアを教えてもらうことが出来ました。

今回の鑑賞中、合戦シーンの中にその方の姿を探してみましたが見つけることは出来ませんでした。
仮に私がこの映画に参加出来たとしても、あのモブシーンの中で自分の姿を判別するのは難しいでしょう。
はるばる遠征して撮影に参加しても、「自分がどこに写っているか分からない」とか「せっかく参加したのにカットされていた」なんてことはよくあることです。
それでもエキストラ出演という趣味をやめられないのは、映画制作の現場に参加出来る喜びと、こうして他のエキストラさんたちと知り合って話が出来るの楽しさ故です。


6/7(火)
ゴジラvsモスラ
(ホームシアター:WOWOW録画)
1992 ゴジラvsモスラ
水曜日にアップしたレビューを仕上げるために再度見直しました。
ゴジラ好き、怪獣映画好きを自認する私ですが、実はこの作品から数本の平成vsシリーズ作品は好きではありません。
特にこの『ゴジラvsモスラ』は興行成績アップのみを至上目的としている傾向があり、ストーリーやキャラクターの表現が薄っぺらで大味な特撮シーンを延々見せ続けられるというまるで遊園地のアトラクションみたいな映画でした。


さて、以下は本記でカットしたネタの一つです。
エキストラ関連のネタとイメージが被っていたため泣く泣く落としましたが、せっかく撮った写真を披露できないのも勿体ないのでここに採録します。

今回の『ゴジラvsモスラ』と1964年の『モスラ対ゴジラ』はともに名古屋城が登場しています。
川北特技監督はいくつかのショットを旧作とよく似たアングルで描いていますが、それは師匠である円谷英二監督へのオマージュだったのかも知れません。

実は私、数年前に名古屋へ遊びに行ったときに名古屋城を見物してきました。
その時、映画で見覚えある場所をいくつか写真に収めたのですが、その写真と映画2作の同ポジスチルを見比べてみます。

vsモスラ 名古屋城(実景)
①名古屋城天守と西南隅櫓(2009年6月)。
新緑の季節だったこともあり、鬱蒼と茂る周辺の緑と青空とのコントラストが鮮やかで気持ちの良い日でありました。

vsモスラ 名古屋城(旧作)
②名古屋城天守と西南隅櫓『モスラ対ゴジラ』(1964年)より
撮影時期が冬場だったため周辺の植込みや石垣の上の樹木がまばらで、画面奥の名古屋城天守が↑の写真よりかなり大きく見えます。
私は最初ミニチュア模型を合成したものかと思っていたくらいでしたが、同じカット内でパン(カメラを左右に振ること)していることから思い過ごしだったようです。
でも、そう勘違いさせてしまうほどに全盛期の東宝特撮のミニチュアワークは素晴らしいものでありました。

vsモスラ 名古屋城
③名古屋城天守と西南隅櫓『ゴジラvsモスラ』(1992年)より
こちらは①と季節が近いせいか天守のサイズは変わりなく見えます。

ゴジラvsモスラ』で気になるのはこの後のバトラの行動です。
この直後のカットでバトラは画面手前の西南隅櫓を派手に破壊しますが、どうして櫓なんかより壊し甲斐がある(&絵になる)奥の天守を襲わなかったのでしょうか?。
旧作ではゴジラ(演:中島春夫さん)がセットの段差に足を滑らせてしまうアクシデントがあったものの、それをそのまま天守の破壊シーンとして使うという力業を見せてくれていました。
その28年後の技術を駆使して、より見応えのある名古屋城破壊シーンを見せてもらいたかったものです。


vsモスラ 名古屋城門(実景)
①名古屋城正門(2009年6月)。
画面右側にある案内板は現在は撤去されているようです。

vsモスラ 名古屋城門(旧作)
②名古屋城正門『モスラ対ゴジラ』(1964年)より
画面左側の建物以外は、ほとんど変化ありません。
違いは53年前の人々の服装で、和装の女性が非常に多いのが目につきます。
幼い頃の私を映画や買い物に連れて行ってくれた祖母も、「よそ行き」の時はいつもこのような訪問着を着ていたことを思い出します。
この場面に関して言えば、皆さん「映画に映る」ということで気合を入れて正装してきたのかも知れませんが、それはそれで昔の日本人の慎み深さを感じさせてくれる一幕でもあります。

vsモスラ 名古屋城門
③名古屋城正門『ゴジラvsモスラ』(1992年)より
この場面の城門は、実は石垣より上が破壊用のミニチュアとの合成になっています。
破壊が始まるまでは合成カットとは気付かないくらい一体感に優れたショットでした。
しかし、その後落下してきた屋根の残骸が逃げる人々の上に落ちてくる個所で不自然な重なり方になってしまうのが残念です。
このように『ゴジラvsモスラ】は特撮の詰めの甘さが多く目につく作品です。


現地を実際に見聞することで期せずして映画のアラに気付いてしまうことも多々ありますが、総じてロケ地探訪(聖地巡礼とも云う)は楽しいものです。
そういえば、次の『ゴジラvsメカゴジラ』は京都が舞台になっていましたっけ。
このところ滋賀県へ行く機会が多いので、もし時間に余裕があれば京都まで足を延ばして『vsメカゴジラ』のロケ地探訪をしてみるのもいいかも知れません。


6/8(木)
『コウノトリ大作戦!』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)
コウノトリ大作戦!
『真田十勇士』等と一緒に借りたブルーレイの一つです。
ツタヤの「新作・準新作でも5枚で1,000円」の新作コーナーにあった中から数合わせとして適当に借りたものに一枚です。

実は、この文章を書きつつ自分でも困惑しているのですが、ほんの3日前に観たこの映画の内容も感じたことも全く思い出すことが出来ません。
いよいよ私も痴呆の仲間入りか?と焦りましたが決してそうではなく、このアニメがそれだけつまらない作品だったというだけのことです。
これは例えば、食事するお店が近くに無くて仕方なくコンビニで適当に買った弁当の内容物などいちいち覚えていないのと同じことです。
「5枚で1,000円」の穴埋め映画を借りるとき、稀に掘り出し物の傑作・佳作に出会えることも多いのですが、こういう駄作にぶち当たってしまうことのほうが圧倒的に多いです。


6/9(金)
夜明け告げるルーのうた』🈠
(劇場:テアトルサンク)
夜明け告げるルーのうた
湯浅政明監督の最新作です。
テアトルサンクさんのサービスデーを利用して観てきました。
湯浅監督の前作『夜は短かし歩けよ乙女』も、劇場を変えてロングラン中でこのような個性的な監督の作品に陽の目が当たるのは喜ばしいことです。

しかし、この『夜明け告げるルーのうた』ではあの独特の湯浅監督らしさは薄められており、むしろスタジオ・ジブリっぽい作品でした。
人魚の女の子ルーは『崖の上のポニョ』のポニョそのものですし、ルーの父親はトトロや『パンダコパンダ』のパパンダみたいな外見です。
大きな違いは、ポニョのような寓話的な世界ではなく過疎化が進む漁師町を舞台に人間のエゴや偏見も織り交ぜて描いていることと、あの3.11を思わせる街の水没からそれまで人魚を敵視していた住民たちを救うというクライマックスです。
人魚たちによる水難救助のシーンには、3.11の忌まわしい記憶に対する悔恨と自浄の念を感じます。
これは『君の名は。』で、タイムリープ現象を利用して壊滅した街の人的被害を「無かったこと」にした表現とも共通するものです。

ここ最近、ジブリを離れた優れたアニメーターによって良質なアニメ作品が世に出る機会が増えて喜ばしい限りではあります。
しかし、出資者たちの真の思惑はアニメ業界の発展にあるのではなく、新海誠や細田守といった「ポスト宮崎駿」となる次世代クリエーターを我が手に押さえたいということにあるような気がします。

これは私の想像ですが、湯浅政明監督に対しても「宮崎アニメっぽい作品にしてくれ」という出資者の要望があったのではないでしょうか?。
スタジオ・ジブリ解散(再始動の報もありましたが)の余波は、全く方向性の違う優れたクリエイターの肩にものしかかっているような気がします。


6/11(日)
現場近くの神社
先週お知らせした通り、明日(12日)は通算四回目となる『ちはやふる-結びー』のエキストラ参加のために再び滋賀県へ行って参ります。
先日メールで詳細連絡が届き、当初朝7時半集合だった予定がお昼12時集合に変更になりました。
今回は早朝4時に家を出る必要が無くなりましたので気が楽です。


さて・・・。
先週の『週刊映画鑑賞記』において「『ちはやふる』エキストラ参加の模様を今週中にレポートする」と書いたのですが、実は色々と難しい部分が多くてまとめるのに難儀しております。

その理由の一つは、現場の写真が全く無い(撮影不可)ことです。
いつもブログを書くにあたりビジュアル・イメージに頼ることが多い私としては、文章だけであの状況や楽しさを表現し書き残すことはかなり敷居が高く感じます。
絵日記しか書いたことがない子供が文章だけの日記を書こうとしてダラダラ脂汗を流しているようなものです。

もう一つは、迂闊なことを書くとエキストラ募集上の規定に反する恐れがあることです。
当選メールには以下のような注意事項が明記されており、映画『ちはやふる』に関するサイトやツイッターはスタッフによって随時チェックされているらしいです。
現に5月31日の撮影時にはツイッターで撮影状況をつぶやき続けていた不届き者がいたらしく、現場ではちょっとした騒ぎになっていました。

【注意事項】(一部抜粋)
本撮影で知りえた一切の情報をSNS、ブログを含むインターネット上に記載することは厳禁です。
本撮影に関わる一切の情報がわかる写真(撮影現場の撮影、キャスト、スタッフ、エキストラが写っている写真)の撮影は厳禁です。
(中略)
これらの事項に違反する行為を見かけた場合には、直ちに撮影現場から退去して頂きます。
スタッフの指示に従わないなど悪質な行為を繰り返す場合には法的手段を講じる場合がございます。


トガジンとしては、ネタバレを控えることは重々承知のうえですが、あの現場での楽しくも貴重な体験は是非とも自分のブログに書き残しておきたいところであります。
そこで拙いながらもこんなものを描き始めてみました。

ラクガキ(の下書き) ラクガキの一つ(の下書き)
先日、プロフィール画を描いた時以来ハマっている自作イラストによる紹介に挑戦してみようと思います。
もちろん、詳細な撮影場所や現場で知り得た内容に関すること(原作との相違点など)は避けて書くつもりですし、知り合ったエキストラの皆さんの個人情報などは私の胸だけにしまっておきます。

このあとも6月22日撮影分まで何回か応募していますので、全ての出番が終了した後にまとめてアップします。
気が向いたら覗きに来てやってくださいませ。


長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいだきありがとうございました。
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