週刊映画鑑賞記(2017.6/12~2017.6/18)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜日の夜は、この一週間に観た映像作品について徒然に書き連ねております。
ここ最近は『ゴジラ』と『ちはやふる』のことばかり考えていたことと、『ゴジラ対ヘドラ』の板野義文監督の訃報を知ってしまったこととで少し日本映画から離れたい気分がありました。
そのため、今週は洋画を・・・それも尺が短めで少し毛色の違ったSF作品ばかりをチョイスしています。
複数台のレコーダーに貯まってきたWOWOW録画番組を消化するという目的もありました。
6/12(月))

この日は滋賀県大津市で通算4回目となる『ちはやふる―結びー』のエキストラ参加をして来ました。

この日の撮影では私の本職であるテレビカメラマン役をやらせてもらうことが出来ました。
失礼ながら、先日の撮影時には他の方が演じるカメラマン役を見ていて心底歯がゆい思いをしていたのです。
「ビューファインダーを持ちながら撮るカメラマンなんか絶対におらん!」
「そのリングはズームじゃなくてフォーカスや、あんた今ピンボケで撮ってるよ!」
等々・・・。
この日の撮影で、少しだけ胸のつかえが取れた気がします(笑)。
撮影内容は詳しく書けませんが、私がカメラを構えている背後に二人の女優さんが配置されていて本編のカメラがこちらの方向を向いていることが多かったことから(カットされていなければ)しっかり映れたように思います。
この日は午後からの参加で5時前には終わってしまいましたが、短い時間ながらも満足のいく一日でありました。
6/15(木)
15日と16日も『ちはやふる』のエキストラに応募していたのですが、残念ながら選に漏れてしまいました。
後になって分かったことなのですが、15日から18日までの四日間の当選条件は「四日間とも連続参加出来る人」が最優先だったようです。
それはつまり、この四日間の撮影こそが『ちはやふる-結び-』の本当のクライマックスシーンだったということです。
最も大事な場面に参加出来なかったのは残念ですが、いずれにせよ土日は仕事が決まっていたため参加は不可能だったということです。
15・16の両日は『ちはやふる』用に予定を空けておいたため、結局普通の2連休ということになりました。
『タイム・ループ』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

セルビア映画って初めて観た気がします。
それもSF映画。
見慣れた日本やアメリカ・イギリスとは違う、少し珍しいお国のセンス・オブ・ワンダーを楽しんでみました。
見知らぬ街のベンチで目覚めた男が「ここは何処?」「俺は何故ここにいる?」「ていうか俺は誰?」と困惑しているところへ、白いマスクを付けた数人の男が彼の命を狙ってきます。
街中を必死に逃げるがやがては追い詰められて射殺されてしまいます。
そして死の瞬間、再び元のベンチで目覚める場面に戻り同じ状況が何度も繰り返されていきます。
この序盤の展開は、トム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を思い出しながら見ていました。
ネタバレしますが、記憶を失った主人公が記憶喪失前の自分自身がしかけたトラップに翻弄されるという展開からは『トータル・リコール』も連想させられます。
タイムリープものに不可欠な「同じ状況が何度も繰り返し描かれつつ主人公の行動によってその細部が変化していく」という面白さは、大勢のエキストラ達の計算された動きによってうまく表現されています。
派手な破壊シーンやCG合成などは皆無ですが、低予算ながらも演出と演技だけで不可思議な状況を見せ切ったことには感心しました。
しかし、「なぜその過程が何度もタイム・ループして繰り返されるのか?」というSF映画としての根幹部分がすっぽり抜け落ちているため、観終わっても釈然としなかったことだけが残念です。
セルビアというと17~18年前のコソボ紛争の時によく聞いた国名です。
もしかすると、制作者たちの真意はSF映画を撮ることではなく、ユーゴスラビア時代のセルビアの恐怖政治を寓話化して描くことにあったのかも知れません。
6/16(金)
『ほんとにあった!呪いのビデオ72』🈠
(自室32インチ液晶テレビで鑑賞:レンタルDVD)

ホラーは苦手だがオカルトは好きという私は、この投稿ビデオシリーズを欠かさず見ております。
前巻で監督が交代したことでビデオの見せ方がスマートになり演出のしつこさや無神経さが薄らいだと思っていたのですが、どうやら今回は元の演出パターンに戻っている印象です。
単発の投稿映像はそれぞれ(本物かフェイクかを問わず)興味深く見られますが、『おくりもの』という次巻へ続く長尺ものの話が演出過剰気味な気がするのと、『存在しない友達』の投稿者として出てきた挙動不審な廃墟マニアが鬱陶しいことでマイナス2点です。
『おくりもの』は次でどんなオチを見せてくれるのかという楽しみがありますが、挙動不審君は予告編を見るとどうやら『みん呪』のスタッフになるみたいで少々先行き不安です。

このシリーズで活躍されている女性演出助手の川居尚美さんと、前巻から参加している寒川聖美さん。

寒川さんは学生さんっぽい顔立ちでおぼこい印象ですが、『おくりもの』での録音機材の扱いを見ているとかなり手慣れた感じがします。
もしかして、彼女は映画やドラマの音声スタッフとして名前を見かける寒川聖美さんと同一人物でしょうか?。

川居尚美さんはその幸薄いお顔つき(失礼)がこのシリーズにピッタリの女性です。
常識をわきまえた取材姿勢と、相手の話を真摯に聞きつつ懐に入り込むディレクター手腕は見ていて安心感を覚える存在です。
・・・が、実は私は彼女がとある劇団の女優さんであることを知っています。
しかし、その認識がこのビデオへのが不信につながることはありません。
本物(多分)の投稿映像の怖さを和らげてくれて、それを基にしたフェイク・ドキュメンタリーも一歩下がった目線で楽しむという粋な見方が出来るようになっています。
このように『ほんとにあった!呪いのビデオ』は、私のような臆病者にも程よくフィットする心霊ビデオなのであります。
『ほん呪』は昼間の明るいうちに鑑賞しましたが、夜はWOWOW録画した映画を鑑賞です。
先日はセルビアという珍しい国のSF映画を観ましたが、この日はドイツとオーストリアの合作によるSF作品です。
エンドロールの簡素さから見て劇場用ではなくテレビかビデオ用作品のようでした。
『ザ・グラビティ・前編』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

スイスとドイツの国境付近の研究施設で行われたビッグ・バンの実験中にトラブルが発生しブラックホールが出現してしまう。
その事故のため実験関係者と見学に来ていた子供たちとその引率が地下16階に閉じ込められてしまった。
重力異常のためドイツを中心に巨大災害が相次ぎ、やがてはブラックホールに地球そのものが飲み込まれる危機に陥る。
阻止するためには直接研究施設へ行って装置を停止させるしかないが、そのためにはまず停止用プログラムを手に入れる必要があった。
SFという想像の世界に人間を放り込んで描くジャンルでは、そのお国柄が如実に表れるように思います。
アメリカ映画もそうですが、この映画にも実に身勝手ですぐに感情的に喚き散らす登場人物が多くて疲れます。
しかも、ストーリーの根幹部分にいる人物たち以外にも、様々な立場のキャラクターが次から次へと登場してどう収拾をつけるのかと心配になってしまいます。
ところで、最後まで前向きに子供たちや主人公の娘を助ける研究所の科学者チームの一人として中国人がキャスティングされていました。
今はこんなB級テレビ映画までもが中国市場を意識しているのですね。
6/17(土)
『ザ・グラビティ・後編』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

前編の人間描写のあまりの稚拙さにウンザリして見るのをやめようかと思った後編でしたが、このまま放置するのも寝覚めが悪い気がして見届けることにしました。
結果として、B級らしい大雑把さとご都合主義はあるものの、大量に登場した人物たちにはそれぞれちゃんと見せ場が用意されていて、意外性は皆無でしたが強引ながらもそれなりの着地をしてみせた気がします。
最初は自分の都合や身勝手な感情をぶちまけるばかりだった人間が、危機に直面することで人間愛やチームワークに目覚めることとの素晴らしさを描こうとしていたのでしょうが、その落差が激しすぎて説得力が感じられないキャラクターが多かったです。
膨張を続けるブラックホールに対して、EUは核ミサイルを撃ち込んで強制的に終結させることを決定してしまうのですが、その一番の強行派だったのがイギリスだったというのが面白いところです。
昨年イギリスがEUを離脱したことを考えると、なんだかこの時期のヨーロッパ諸国の関係図が反映されているように感じました。
6/18(日)
『カリキュレーター』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

ドイツ・オーストリア製SFの翌日はロシア製SF映画です。
遠い未来、地球人類が移住した惑星XT-59の都市はコンピューターシステムによって全てが管理されていた。
そこでの犯罪者への処刑方法は、未開拓の荒野や沼地に放り出されて奇怪な原住生物の餌食にされるという過酷なものだった。
受刑者たちは生き延びるためにエゴむき出しで諍い合うが、その中にあってただ一人、全てを知っているかのように冷静に行動する男がいた。
敵である国家体制側の描写が貧相なことと、人物設定が一貫していないのでストーリー面では評価出来かねますが、映像面では低予算映画とは思えない良さがありました。
未知の原住生物が巣食う荒涼たる風景はロシア作品ならではの映像ではなかったかと思います。
先日劇場で観た『メッセージ』もそうでしたが、このロシアの『カリキュレーター』やドイツの『ザ・グラビティ』、セルビアの『タイム・ループ』など、どれも自国の美しい(あるいは厳しい)風景をしっかりと映像に反映させている点は称賛に価します。
対して日本のSF映画はというと、何故か自国の風景を出そうとはせずに宇宙や異世界を舞台にしたものが多い気がします。
無国籍なものばかりでなく、日本の風土と国民性を作品内容に反映したSF映画を見せてもらいたいものです。
そういう意味では、昨年異常なまでに大ヒットした『君の名は。』が(ストーリー面では不満があるものの)岐阜の田舎町と東京の街並みを「美しい風景」としてきちんと描いていたことは正しいアプローチだったのかも知れません。
今週もお付き合いいだきありがとうございました。
毎週日曜日の夜は、この一週間に観た映像作品について徒然に書き連ねております。
ここ最近は『ゴジラ』と『ちはやふる』のことばかり考えていたことと、『ゴジラ対ヘドラ』の板野義文監督の訃報を知ってしまったこととで少し日本映画から離れたい気分がありました。
そのため、今週は洋画を・・・それも尺が短めで少し毛色の違ったSF作品ばかりをチョイスしています。
複数台のレコーダーに貯まってきたWOWOW録画番組を消化するという目的もありました。
6/12(月))

この日は滋賀県大津市で通算4回目となる『ちはやふる―結びー』のエキストラ参加をして来ました。

この日の撮影では私の本職であるテレビカメラマン役をやらせてもらうことが出来ました。
失礼ながら、先日の撮影時には他の方が演じるカメラマン役を見ていて心底歯がゆい思いをしていたのです。
「ビューファインダーを持ちながら撮るカメラマンなんか絶対におらん!」
「そのリングはズームじゃなくてフォーカスや、あんた今ピンボケで撮ってるよ!」
等々・・・。
この日の撮影で、少しだけ胸のつかえが取れた気がします(笑)。
撮影内容は詳しく書けませんが、私がカメラを構えている背後に二人の女優さんが配置されていて本編のカメラがこちらの方向を向いていることが多かったことから(カットされていなければ)しっかり映れたように思います。
この日は午後からの参加で5時前には終わってしまいましたが、短い時間ながらも満足のいく一日でありました。
6/15(木)
15日と16日も『ちはやふる』のエキストラに応募していたのですが、残念ながら選に漏れてしまいました。
後になって分かったことなのですが、15日から18日までの四日間の当選条件は「四日間とも連続参加出来る人」が最優先だったようです。
それはつまり、この四日間の撮影こそが『ちはやふる-結び-』の本当のクライマックスシーンだったということです。
最も大事な場面に参加出来なかったのは残念ですが、いずれにせよ土日は仕事が決まっていたため参加は不可能だったということです。
15・16の両日は『ちはやふる』用に予定を空けておいたため、結局普通の2連休ということになりました。
『タイム・ループ』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

セルビア映画って初めて観た気がします。
それもSF映画。
見慣れた日本やアメリカ・イギリスとは違う、少し珍しいお国のセンス・オブ・ワンダーを楽しんでみました。
見知らぬ街のベンチで目覚めた男が「ここは何処?」「俺は何故ここにいる?」「ていうか俺は誰?」と困惑しているところへ、白いマスクを付けた数人の男が彼の命を狙ってきます。
街中を必死に逃げるがやがては追い詰められて射殺されてしまいます。
そして死の瞬間、再び元のベンチで目覚める場面に戻り同じ状況が何度も繰り返されていきます。
この序盤の展開は、トム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を思い出しながら見ていました。
ネタバレしますが、記憶を失った主人公が記憶喪失前の自分自身がしかけたトラップに翻弄されるという展開からは『トータル・リコール』も連想させられます。
タイムリープものに不可欠な「同じ状況が何度も繰り返し描かれつつ主人公の行動によってその細部が変化していく」という面白さは、大勢のエキストラ達の計算された動きによってうまく表現されています。
派手な破壊シーンやCG合成などは皆無ですが、低予算ながらも演出と演技だけで不可思議な状況を見せ切ったことには感心しました。
しかし、「なぜその過程が何度もタイム・ループして繰り返されるのか?」というSF映画としての根幹部分がすっぽり抜け落ちているため、観終わっても釈然としなかったことだけが残念です。
セルビアというと17~18年前のコソボ紛争の時によく聞いた国名です。
もしかすると、制作者たちの真意はSF映画を撮ることではなく、ユーゴスラビア時代のセルビアの恐怖政治を寓話化して描くことにあったのかも知れません。
6/16(金)
『ほんとにあった!呪いのビデオ72』🈠
(自室32インチ液晶テレビで鑑賞:レンタルDVD)

ホラーは苦手だがオカルトは好きという私は、この投稿ビデオシリーズを欠かさず見ております。
前巻で監督が交代したことでビデオの見せ方がスマートになり演出のしつこさや無神経さが薄らいだと思っていたのですが、どうやら今回は元の演出パターンに戻っている印象です。
単発の投稿映像はそれぞれ(本物かフェイクかを問わず)興味深く見られますが、『おくりもの』という次巻へ続く長尺ものの話が演出過剰気味な気がするのと、『存在しない友達』の投稿者として出てきた挙動不審な廃墟マニアが鬱陶しいことでマイナス2点です。
『おくりもの』は次でどんなオチを見せてくれるのかという楽しみがありますが、挙動不審君は予告編を見るとどうやら『みん呪』のスタッフになるみたいで少々先行き不安です。

このシリーズで活躍されている女性演出助手の川居尚美さんと、前巻から参加している寒川聖美さん。

寒川さんは学生さんっぽい顔立ちでおぼこい印象ですが、『おくりもの』での録音機材の扱いを見ているとかなり手慣れた感じがします。
もしかして、彼女は映画やドラマの音声スタッフとして名前を見かける寒川聖美さんと同一人物でしょうか?。

川居尚美さんはその幸薄いお顔つき(失礼)がこのシリーズにピッタリの女性です。
常識をわきまえた取材姿勢と、相手の話を真摯に聞きつつ懐に入り込むディレクター手腕は見ていて安心感を覚える存在です。
・・・が、実は私は彼女がとある劇団の女優さんであることを知っています。
しかし、その認識がこのビデオへのが不信につながることはありません。
本物(多分)の投稿映像の怖さを和らげてくれて、それを基にしたフェイク・ドキュメンタリーも一歩下がった目線で楽しむという粋な見方が出来るようになっています。
このように『ほんとにあった!呪いのビデオ』は、私のような臆病者にも程よくフィットする心霊ビデオなのであります。
『ほん呪』は昼間の明るいうちに鑑賞しましたが、夜はWOWOW録画した映画を鑑賞です。
先日はセルビアという珍しい国のSF映画を観ましたが、この日はドイツとオーストリアの合作によるSF作品です。
エンドロールの簡素さから見て劇場用ではなくテレビかビデオ用作品のようでした。
『ザ・グラビティ・前編』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

スイスとドイツの国境付近の研究施設で行われたビッグ・バンの実験中にトラブルが発生しブラックホールが出現してしまう。
その事故のため実験関係者と見学に来ていた子供たちとその引率が地下16階に閉じ込められてしまった。
重力異常のためドイツを中心に巨大災害が相次ぎ、やがてはブラックホールに地球そのものが飲み込まれる危機に陥る。
阻止するためには直接研究施設へ行って装置を停止させるしかないが、そのためにはまず停止用プログラムを手に入れる必要があった。
SFという想像の世界に人間を放り込んで描くジャンルでは、そのお国柄が如実に表れるように思います。
アメリカ映画もそうですが、この映画にも実に身勝手ですぐに感情的に喚き散らす登場人物が多くて疲れます。
しかも、ストーリーの根幹部分にいる人物たち以外にも、様々な立場のキャラクターが次から次へと登場してどう収拾をつけるのかと心配になってしまいます。
ところで、最後まで前向きに子供たちや主人公の娘を助ける研究所の科学者チームの一人として中国人がキャスティングされていました。
今はこんなB級テレビ映画までもが中国市場を意識しているのですね。
6/17(土)
『ザ・グラビティ・後編』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

前編の人間描写のあまりの稚拙さにウンザリして見るのをやめようかと思った後編でしたが、このまま放置するのも寝覚めが悪い気がして見届けることにしました。
結果として、B級らしい大雑把さとご都合主義はあるものの、大量に登場した人物たちにはそれぞれちゃんと見せ場が用意されていて、意外性は皆無でしたが強引ながらもそれなりの着地をしてみせた気がします。
最初は自分の都合や身勝手な感情をぶちまけるばかりだった人間が、危機に直面することで人間愛やチームワークに目覚めることとの素晴らしさを描こうとしていたのでしょうが、その落差が激しすぎて説得力が感じられないキャラクターが多かったです。
膨張を続けるブラックホールに対して、EUは核ミサイルを撃ち込んで強制的に終結させることを決定してしまうのですが、その一番の強行派だったのがイギリスだったというのが面白いところです。
昨年イギリスがEUを離脱したことを考えると、なんだかこの時期のヨーロッパ諸国の関係図が反映されているように感じました。
6/18(日)
『カリキュレーター』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

ドイツ・オーストリア製SFの翌日はロシア製SF映画です。
遠い未来、地球人類が移住した惑星XT-59の都市はコンピューターシステムによって全てが管理されていた。
そこでの犯罪者への処刑方法は、未開拓の荒野や沼地に放り出されて奇怪な原住生物の餌食にされるという過酷なものだった。
受刑者たちは生き延びるためにエゴむき出しで諍い合うが、その中にあってただ一人、全てを知っているかのように冷静に行動する男がいた。
敵である国家体制側の描写が貧相なことと、人物設定が一貫していないのでストーリー面では評価出来かねますが、映像面では低予算映画とは思えない良さがありました。
未知の原住生物が巣食う荒涼たる風景はロシア作品ならではの映像ではなかったかと思います。
先日劇場で観た『メッセージ』もそうでしたが、このロシアの『カリキュレーター』やドイツの『ザ・グラビティ』、セルビアの『タイム・ループ』など、どれも自国の美しい(あるいは厳しい)風景をしっかりと映像に反映させている点は称賛に価します。
対して日本のSF映画はというと、何故か自国の風景を出そうとはせずに宇宙や異世界を舞台にしたものが多い気がします。
無国籍なものばかりでなく、日本の風土と国民性を作品内容に反映したSF映画を見せてもらいたいものです。
そういう意味では、昨年異常なまでに大ヒットした『君の名は。』が(ストーリー面では不満があるものの)岐阜の田舎町と東京の街並みを「美しい風景」としてきちんと描いていたことは正しいアプローチだったのかも知れません。
今週もお付き合いいだきありがとうございました。
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