週刊映画鑑賞記(2017.7/3~2017.7/9)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜日の夜は、この一週間に観た映像作品について徒然に書き連ねております。
7/3(月))
『運動靴と赤い金魚』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

FM東京系ラジオ番組『スカパー!日曜シネマテーク』で紹介されていたのを聴いて「観たい!」と思っていた作品です。

<あらすじ>
イランの貧しい一家の兄妹の物語。
妹のたった一足の靴を不注意で失くしてしまった兄。
「これじゃ学校に行けない」と泣く妹のために自分の靴を交代で履くことにするのだが、そのせいで彼は遅刻の常習犯になってしまう。
やがて学校対抗のマラソン大会で3位の商品が運動靴だと知った兄は、妹の新しい靴のために出場するが・・・。

私にも3歳年下の妹がいたのですが、「自分はこれほど妹に優しくはなかったな」と身につまされます。
それどころか、幼い妹を泣かせてしまった時の罪悪感とか自己嫌悪といった感情がモーレツに蘇ってくる作品です。

妹思いで頑張り屋ですぐにベソをかく泣き虫なお兄ちゃん。
あの大きな瞳で涙を浮かべられたら大の大人もイチコロです。
でもよく考えてみると、成績優秀でスポーツ万能な出来杉くんでもありました(笑)。
妹の靴を失くしたことを両親に隠そうとする兄の行動は感心しませんが、彼らの家庭事情を考えればそれもやむなしといったところかも知れません。
教頭先生に連続遅刻を厳しく咎められる場面などは、そんな彼へのささやかな罰として描かれたものでしょう。
この兄妹に対して周囲の大人たちは基本的に優しく、悪意を向けることは決してありません。

最後、「結局妹の靴はどうなるの?」というオチ部分とタイトルにある「赤い金魚」のシーンはとても粋な演出で描かれていて、思わずグッとこみ上げてくるものがありました。
7/5(水)
『モアナと伝説の海』
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

劇場公開時は字幕版上映が無く、やむなく吹替え版で観たこの作品。
やはりミュージカル映画を日本語吹き替えで観るのは、歌詞の不自然な言い回しや聴き心地の悪い間延びがあったりしてしっくり来ません。
しかし現実問題として、地方ではディズニーやドリームワークス等の海外アニメは吹替え版しか上映してくれないことが多いので困ります。
今回のブルーレイは当然原語+日本語字幕で鑑賞しました。
内容については、以前劇場で観たときと同じく「宮崎アニメへのオマージュの集合体」といった印象です。
↑のイメージ・ショットも、私にはコナンとジムシィとウマソーに見えて仕方がありません。

宮崎アニメ以外にも『アビス』や『十戒』(あるいは『大魔神怒る』)など、見覚えのあるシチュエーションが多いのが気になります。
さらにクレジット・ロール後のおまけネタにしても、本作の監督の過去作品のセルフ・パロディでした。
ディズニーの次回作は『カーズ』パート3とのことですが、昨今のディズニーからオリジナリティが失われつつある気がするのは私だけでしょうか?。
7/7(金)
『宇宙戦艦ヤマト2202-愛の戦士たち- 第二章(発進篇)』🈠
(ホームシアター:Amazonビデオ)

この日までは劇場でイベント上映されていて京都(MOVIX京都)へ行けばスクリーンで観ることも出来たのですが、あいにく仕事の予定が立て込んできたこととパソコンの故障という一大トラブルに見舞われたこともあってそれどころではありませんでした。
結局、前回と同じくAmazonビデオで動画購入しての視聴となりました。
購入価格は3,888円。
劇場上映なら2回見られるこの値段ですが、これに見合う内容だったかというと・・・。
う~~~~ん。

非常に中途半端なボリュームだった第一章から4か月待たされてようやくヤマト発進です。
満を持しての発進シーンはさすがに気合が入っていて見応えあるものでしたが、この第一章と第二章の区切り方と構成には大いに疑問が残ります。

ヤマト発進シーンは今回の第二章の中盤あたりで描かれますが、当然ながらボルテージが最高潮に達していて事実上のクライマックスになっています。
なぜあのヤマト発進まで(TVシリーズとしては第4話まで)を第一章としなかったのでしょうか。
あれでは、このあとの旧ヤマトクルー集結やアンドロメダとの対決、そして第11番惑星の攻防などが蛇足に見えてしまいます。
商売としても作品鑑賞としてもしっくりこない構成です。

また、第一章の時にも感じたことですが、本作の演出方針は『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編というより『さらば宇宙戦艦ヤマト‐愛の戦士たち‐』のリメイクという点に主眼が置かれているように感じます。
旧作と全く同じ構図のショットがやたら多いのもその一例ですが、直接の前作にあたる『2199』オリジナルのキャラクターが冷遇されているのも同様の理由によるものでしょう。
新見薫・桐生美影・原田(加藤)真琴・星名透・岬百合亜といった、『2199』で登場し活躍したキャラクターのほとんどが怪我や発進前のいざこざで体よく退場させられており、この作者が『2199』キャラを邪魔に感じているようにすら思えます。
『さらば宇宙戦艦ヤマト―愛の戦士たちー』へのリスペクトは溢れんばかりなのですが、本作の土台である『2199』に対しては「自分たちが作ったものではないから」とばかりまるで愛が感じられません。
そうした部分が露骨に見えてしまうのが今シリーズの残念なところです。

とはいえ、前作『2199』では見ることが出来なかった「アステロイド防御」をやって見せてくれたことだけは高評価です。
あれは最初の『宇宙戦艦ヤマト』企画当初からのアイデアを生かした設定なのですから、ヤマトの戦術プランとして一度は盛り込むべきシークエンスなのです。
あとは全身に反射膜を張り巡らして敵のビームを撥ね返す「空間磁力メッキ」ですね。
意外と、最終回にはこれで形成逆転したりするのかも知れませんが。
ところで。

劇中でテレザート星のテレサのことを「人間の意志力の集合体エネルギー」と説明していましたが・・・。

これって『禁断の惑星』のイドの怪物そのものじゃないですか?。
さらに言うなら、『伝説巨神イデオン』のイデでもあります。

『イデオン』は、バッフ・クランがイデの無限エネルギーを求めてソロ星にやってきて地球と全面戦争に陥るというストーリーでした。
それを地球(ヤマト)とガトランティスに置き換えてやろうとしているだけではないのか?と思えてきました。

脚本・シリーズ構成の福井晴敏という人はこれまでにも『亡国のイージス』で『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と『ザ・ロック』を自衛隊に置き換えてパクッていた前科があり、私にとってはクリエーターと呼ぶことには抵抗ある人物です。
私の中高時代の聖典『ガンダム』『ヤマト』のみならず、『イデオン』までも安易なパクリの材料にされている気がしてなんだか不愉快です。
次の第三章は10月公開、また4か月後です。
前作『宇宙戦艦ヤマト2199』が3か月ごとだったことを考えるとかなり遅く感じますし、何よりこの薄っぺらな内容では興味の持続も難しい気がします。
(けど、やっぱり最後まで見届けてしまうんだろうな・・・。)
7/8(土)
『シン・ゴジラ』
(ホームシアター:WOWOW録画)

森友学園問題に加計学園問題。
豊田真由子議員サマの「ちがうだろー、このハゲ」の暴言問題に、稲田防衛大臣の「防衛大臣、自衛隊としてお願い」発言。
果ては総理大臣自らが、ヤジを飛ばす自国民に対して「こんな人たち」呼ばわりする始末。
こんな昨今のリアル政治家の醜聞続きに辟易していた私の瞳には、この映画の中の政治家や官僚たちの姿がなんとも凛々しく映ったものでした(笑)。
架空の厄災に対するシミュレーションとして観た場合、「政治家たちを美化しすぎではないか?」という疑問もあったこの作品ですが、現実の政治家どもの体たらくを考えると、これはこれである意味良質のファンタジーではなかったかと思われます。
危機管理能力に欠ける大河内総理(演:大杉蓮)ですら、「自衛隊の弾を国民に向けることは出来ない!」と攻撃中止を命じる姿は異様にカッコ良く見えたものです。
久しぶりに観た『シン・ゴジラ』でしたが、今回そんなことを考えながら楽しんでおりました。
ちなみに・・・。

「防衛大臣、自衛隊としてお願いしたい」失言の直後、その防衛大臣でありながら先日の豪雨災害対応中に一時不在となるという失態続きの稲田朋美女史。
実は彼女は、我が福井県選出の議員だったりします。
しかも私が属する選挙区の・・・。
あああ、お恥ずかしい!。
今週もお付き合いいだきありがとうございました。
毎週日曜日の夜は、この一週間に観た映像作品について徒然に書き連ねております。
7/3(月))
『運動靴と赤い金魚』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

FM東京系ラジオ番組『スカパー!日曜シネマテーク』で紹介されていたのを聴いて「観たい!」と思っていた作品です。

<あらすじ>
イランの貧しい一家の兄妹の物語。
妹のたった一足の靴を不注意で失くしてしまった兄。
「これじゃ学校に行けない」と泣く妹のために自分の靴を交代で履くことにするのだが、そのせいで彼は遅刻の常習犯になってしまう。
やがて学校対抗のマラソン大会で3位の商品が運動靴だと知った兄は、妹の新しい靴のために出場するが・・・。

私にも3歳年下の妹がいたのですが、「自分はこれほど妹に優しくはなかったな」と身につまされます。
それどころか、幼い妹を泣かせてしまった時の罪悪感とか自己嫌悪といった感情がモーレツに蘇ってくる作品です。

妹思いで頑張り屋ですぐにベソをかく泣き虫なお兄ちゃん。
あの大きな瞳で涙を浮かべられたら大の大人もイチコロです。
でもよく考えてみると、成績優秀でスポーツ万能な出来杉くんでもありました(笑)。
妹の靴を失くしたことを両親に隠そうとする兄の行動は感心しませんが、彼らの家庭事情を考えればそれもやむなしといったところかも知れません。
教頭先生に連続遅刻を厳しく咎められる場面などは、そんな彼へのささやかな罰として描かれたものでしょう。
この兄妹に対して周囲の大人たちは基本的に優しく、悪意を向けることは決してありません。

最後、「結局妹の靴はどうなるの?」というオチ部分とタイトルにある「赤い金魚」のシーンはとても粋な演出で描かれていて、思わずグッとこみ上げてくるものがありました。
7/5(水)
『モアナと伝説の海』
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

劇場公開時は字幕版上映が無く、やむなく吹替え版で観たこの作品。
やはりミュージカル映画を日本語吹き替えで観るのは、歌詞の不自然な言い回しや聴き心地の悪い間延びがあったりしてしっくり来ません。
しかし現実問題として、地方ではディズニーやドリームワークス等の海外アニメは吹替え版しか上映してくれないことが多いので困ります。
今回のブルーレイは当然原語+日本語字幕で鑑賞しました。
内容については、以前劇場で観たときと同じく「宮崎アニメへのオマージュの集合体」といった印象です。
↑のイメージ・ショットも、私にはコナンとジムシィとウマソーに見えて仕方がありません。


宮崎アニメ以外にも『アビス』や『十戒』(あるいは『大魔神怒る』)など、見覚えのあるシチュエーションが多いのが気になります。
さらにクレジット・ロール後のおまけネタにしても、本作の監督の過去作品のセルフ・パロディでした。
ディズニーの次回作は『カーズ』パート3とのことですが、昨今のディズニーからオリジナリティが失われつつある気がするのは私だけでしょうか?。
7/7(金)
『宇宙戦艦ヤマト2202-愛の戦士たち- 第二章(発進篇)』🈠
(ホームシアター:Amazonビデオ)

この日までは劇場でイベント上映されていて京都(MOVIX京都)へ行けばスクリーンで観ることも出来たのですが、あいにく仕事の予定が立て込んできたこととパソコンの故障という一大トラブルに見舞われたこともあってそれどころではありませんでした。
結局、前回と同じくAmazonビデオで動画購入しての視聴となりました。
購入価格は3,888円。
劇場上映なら2回見られるこの値段ですが、これに見合う内容だったかというと・・・。
う~~~~ん。

非常に中途半端なボリュームだった第一章から4か月待たされてようやくヤマト発進です。
満を持しての発進シーンはさすがに気合が入っていて見応えあるものでしたが、この第一章と第二章の区切り方と構成には大いに疑問が残ります。


ヤマト発進シーンは今回の第二章の中盤あたりで描かれますが、当然ながらボルテージが最高潮に達していて事実上のクライマックスになっています。
なぜあのヤマト発進まで(TVシリーズとしては第4話まで)を第一章としなかったのでしょうか。
あれでは、このあとの旧ヤマトクルー集結やアンドロメダとの対決、そして第11番惑星の攻防などが蛇足に見えてしまいます。
商売としても作品鑑賞としてもしっくりこない構成です。

また、第一章の時にも感じたことですが、本作の演出方針は『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編というより『さらば宇宙戦艦ヤマト‐愛の戦士たち‐』のリメイクという点に主眼が置かれているように感じます。
旧作と全く同じ構図のショットがやたら多いのもその一例ですが、直接の前作にあたる『2199』オリジナルのキャラクターが冷遇されているのも同様の理由によるものでしょう。
新見薫・桐生美影・原田(加藤)真琴・星名透・岬百合亜といった、『2199』で登場し活躍したキャラクターのほとんどが怪我や発進前のいざこざで体よく退場させられており、この作者が『2199』キャラを邪魔に感じているようにすら思えます。
『さらば宇宙戦艦ヤマト―愛の戦士たちー』へのリスペクトは溢れんばかりなのですが、本作の土台である『2199』に対しては「自分たちが作ったものではないから」とばかりまるで愛が感じられません。
そうした部分が露骨に見えてしまうのが今シリーズの残念なところです。

とはいえ、前作『2199』では見ることが出来なかった「アステロイド防御」をやって見せてくれたことだけは高評価です。
あれは最初の『宇宙戦艦ヤマト』企画当初からのアイデアを生かした設定なのですから、ヤマトの戦術プランとして一度は盛り込むべきシークエンスなのです。
あとは全身に反射膜を張り巡らして敵のビームを撥ね返す「空間磁力メッキ」ですね。
意外と、最終回にはこれで形成逆転したりするのかも知れませんが。
ところで。

劇中でテレザート星のテレサのことを「人間の意志力の集合体エネルギー」と説明していましたが・・・。

これって『禁断の惑星』のイドの怪物そのものじゃないですか?。
さらに言うなら、『伝説巨神イデオン』のイデでもあります。

『イデオン』は、バッフ・クランがイデの無限エネルギーを求めてソロ星にやってきて地球と全面戦争に陥るというストーリーでした。
それを地球(ヤマト)とガトランティスに置き換えてやろうとしているだけではないのか?と思えてきました。


脚本・シリーズ構成の福井晴敏という人はこれまでにも『亡国のイージス』で『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と『ザ・ロック』を自衛隊に置き換えてパクッていた前科があり、私にとってはクリエーターと呼ぶことには抵抗ある人物です。
私の中高時代の聖典『ガンダム』『ヤマト』のみならず、『イデオン』までも安易なパクリの材料にされている気がしてなんだか不愉快です。
次の第三章は10月公開、また4か月後です。
前作『宇宙戦艦ヤマト2199』が3か月ごとだったことを考えるとかなり遅く感じますし、何よりこの薄っぺらな内容では興味の持続も難しい気がします。
(けど、やっぱり最後まで見届けてしまうんだろうな・・・。)
7/8(土)
『シン・ゴジラ』
(ホームシアター:WOWOW録画)

森友学園問題に加計学園問題。
豊田真由子議員サマの「ちがうだろー、このハゲ」の暴言問題に、稲田防衛大臣の「防衛大臣、自衛隊としてお願い」発言。
果ては総理大臣自らが、ヤジを飛ばす自国民に対して「こんな人たち」呼ばわりする始末。
こんな昨今のリアル政治家の醜聞続きに辟易していた私の瞳には、この映画の中の政治家や官僚たちの姿がなんとも凛々しく映ったものでした(笑)。
架空の厄災に対するシミュレーションとして観た場合、「政治家たちを美化しすぎではないか?」という疑問もあったこの作品ですが、現実の政治家どもの体たらくを考えると、これはこれである意味良質のファンタジーではなかったかと思われます。
危機管理能力に欠ける大河内総理(演:大杉蓮)ですら、「自衛隊の弾を国民に向けることは出来ない!」と攻撃中止を命じる姿は異様にカッコ良く見えたものです。
久しぶりに観た『シン・ゴジラ』でしたが、今回そんなことを考えながら楽しんでおりました。
ちなみに・・・。

「防衛大臣、自衛隊としてお願いしたい」失言の直後、その防衛大臣でありながら先日の豪雨災害対応中に一時不在となるという失態続きの稲田朋美女史。
実は彼女は、我が福井県選出の議員だったりします。
しかも私が属する選挙区の・・・。
あああ、お恥ずかしい!。
今週もお付き合いいだきありがとうございました。
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