『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』
CATEGORY『スター・ウォーズ』シリーズ
トガジンです。
『スター・ウォーズ』のスピンオフ作品『ローグ・ワン』の公開が来月に迫ってきました。
今週末からはWOWOWで『スター・ウォーズ』7作品一挙放映が始まりますし、ブルーレイ版のレンタルも解禁になっています。
喜ばしいことです。
そこで当ブログにおいても『スター・ウォーズ』を数回に分けて取り上げていきます。
まず取り上げるのはこちらの作品です。

『スター・ウォーズ エピソード5:帝国の逆襲』です。
大ヒットを記録した作品の続編というプレッシャーをはねのけたどころか、シリーズ中最高傑作と称されるほど見応えのある作品になっています。
映像の迫力や緻密さもさることながら、キャラクター描写にも人間味のあるユーモアが散りばめられています。
新キャラクターが多数登場するなか、ルーク・ハン・レイアの人間関係も掘り下げられていきます。
【セカンド・インパクト】

”巨大な宇宙船が延々と頭上を通り過ぎていく”
あまりにも有名なあの前作の冒頭シーンのような脳裏に焼き付くほどの映像インパクトは今回は感じられません。

しかし2作目である今回は、ハッタリはもう必要ありません。
多数のスター・デストロイヤーや新型兵器が次々と繰り出されて、「帝国はデス・スターだけじゃないぞ」という底知れぬ恐ろしさが表現されています。
【主人公ルークの受難】

前作では若く情熱的なヒーローの卵といった役どころで、エンディングでは「前途揚々」を絵に描いたような笑顔でした。
ところがどっこい、今作ではロクな目に遭いません。

ホスではワンパに襲われて遭難し、あわや凍死寸前というところをハン・ソロに助けられました。

これはその後パンツ一丁で水槽に入れられて治療を受けているところです。
しかしレイアまで見に来ることないだろうに・・・。

かつての美少年も台無しです。
もっともこれは、ルーク役のマーク・ハミルが事故で顔に大怪我を負ったためにこのような設定が付加されたとのことです。

その後、仲間と別れたルークは惑星ダゴバでジェダイ・マスターのヨーダにシゴかれます。
本来もっと幼少の頃から始めるべきジェダイの修行は、歳をとって雑念が多いルークには理解困難なものでした。
さらに、血の気が多かったという彼の”父親”の話を事あるごとに引き合いに出されます。

そんな折、ルークは覚醒したフォースによって仲間たちのピンチを感じ取ります。
動揺するルークにヨーダと零体となった師匠オビ・ワンは「彼らの意思を尊重するなら行くな」と諭しますが、ルークは仲間を助けたい一心で修行途中のままベイダーと対決します。

しかし、今のルークにはとても敵う相手ではありません。
苦闘の末、ベイダーに右手首を切り落とされてしまいます。
これが宇宙SF冒険活劇の主人公に対する仕打ちでしょうか?。

さらにショックな事実が語られます。
ベイダー:「私がお前の父親だ」
今や誰でも知っているであろう、あまりにも有名な衝撃的シーンです。
(もし36年前だったらネタバレの罪で私は殺されていますね)

ルークの絶体絶命のピンチに感づいたレイアの機転で助けられます。
まったくいいところ無しの主人公ですね。
でも改めて考えてみてください。
彼は2度も死に至るピンチに陥っていながら、どちらも自分のために命を懸けてくれた友達に救われているのです。
このことは、今作の受難の連続によりルークが得たフォースとは別の力ではないでしょうか。
【めんどくさい二人】

『帝国の逆襲』は、惑星ホス脱出のあと3つのストーリー・ラインに分岐します。
ルークの受難をその一つとするなら、もう一つの軸としてハンとレイアのラブ・ストーリーがあります。
それはもう、どこかユーモラスで中学生並みにめんどくさいお話です。

冗談めかしてモーションをかけるハンに対し、これ見よがしにルークにキスしてみせるレイア。

お互い顔を合わせれば口喧嘩ばかりです。
私は前作においてレイア姫のことはどうしても好きにはなれませんでした。
先天的に高飛車な態度の女性がキライなのです。
しかし何故でしょう。
『帝国の逆襲』においてのレイアは、ハンに対してどんなに嫌味を言っても反抗的な態度をとっていても可愛く見えてしまいます。
見せ方の巧さなのかストーリーの流れがそうさせるのか。
映画って不思議です。

タイミングを狙ってキスするところまで漕ぎつけますが、空気を読めないC3POに邪魔されてしまいます。
もっともドロイド(ロボット)のC3POに「空気読め」と言っても仕方ありません。
不幸な事故でした。

そんな二人も、クラウド・シティで死別の危機に直面します。
ベイダーがルーク捕獲用のカーボナイト凍結装置の実験台にハンを使うというのです。
失敗すれば死んでしまいますし、成功しても賞金稼ぎに引き渡されてしまいます。

「愛してる」
ここにきてようやく本音が口をついて出ます。
ホントにめんどくさい娘です。

それに対してハンが返した一言。
「知ってる」
カッコイイ!。
このシーンを観た瞬間から、私にとってハリソン・フォードは「カッコ良さ」の基準になりました。
【帝国側の語り部?、ピエット提督】
ホス星以降分岐する3つのストーリー・ライン、最後の一つは帝国側です。

もちろんダース・ベイダーが軸になります。
しかし、ベイダーは黒いマスクで顔を隠しているうえに多くの謎を秘めた存在です。
積極的に展開を語らせるわけにはいきません。

そこで狂言回しともいうべきキャラクターが配置されています。
右側の人がそのピエット提督です。
元はこの宇宙艦の艦長だった彼は、作戦でミスをした前任者が処刑されるその横で新任の提督に任命されてしまします。
この時のベイダーは凄いです。
モニターの通信越しに相手をフォースで絞め殺してしまうのです。
ピエットさんの心中たるや、想像しただけでも気の毒になります。


ピエットは懸命に任務を遂行します。
そのさ中、ベイダーに状況報告に行った際に偶然ベイダーのヘルメットの中身を見てしまします。
これは観客にとっても重要な映像です。
この場面がピエットの視点で描写されたことで、私は彼を「影の主役」に認定しております。

ダース・ベイダーはこの『帝国の逆襲』の劇中で微妙に揺れ動いて変化していきます。
冒頭では失敗した部下を片っ端から絞め殺していたのが、終盤でミレニアム・ファルコンを逃がしてしまったピエットの前を物思いにふけりながら素通りしていきます。
ピエット提督は次回作『ジェダイの復讐(帰還)』にも引き続き登場しますから、どうやら処刑は免れたようですね。
ベイダーの微妙な変化をピエットの目を通してうかがい知ることが出来るという、実に巧みな脚本と演出なのです。

ホス脱出から3つに分かれた物語は、それぞれの展開で大きく膨らまされてクラウド・シティで一つになります。
オリジナル・キャラクターの更なる成長、新しい登場人物、新しい状況、次への布石。
これら全部を、どの流れも全くダレることない面白さで分かりやすく描いています。
凄い脚本構成と演出力です。
この構成は『ジェダイの復讐(帰還)』や『ファントム・メナス』でも取り入れられていますが、この『帝国の逆襲』ほどに上手く活かされているとは言い難いです。
流石に分量が多くなりすぎましたので、ひとまずこの辺で一区切りします。
まだまだ語り足りません。
何故最初に取り上げたのがこの『帝国の逆襲』で、最初の『スター・ウォーズ』ではないのか。
制作者であるジョージ・ルーカスやゲイリー・カーツ、監督のアーヴィン・カーシュナーのこと。
そして『特別篇』における修正と改悪についてと、新三部作も含めたシリーズ全体との関連ポイントについて。
これらはまた次の機会に・・・。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
『スター・ウォーズ』のスピンオフ作品『ローグ・ワン』の公開が来月に迫ってきました。
今週末からはWOWOWで『スター・ウォーズ』7作品一挙放映が始まりますし、ブルーレイ版のレンタルも解禁になっています。
喜ばしいことです。
そこで当ブログにおいても『スター・ウォーズ』を数回に分けて取り上げていきます。
まず取り上げるのはこちらの作品です。

『スター・ウォーズ エピソード5:帝国の逆襲』です。
大ヒットを記録した作品の続編というプレッシャーをはねのけたどころか、シリーズ中最高傑作と称されるほど見応えのある作品になっています。
映像の迫力や緻密さもさることながら、キャラクター描写にも人間味のあるユーモアが散りばめられています。
新キャラクターが多数登場するなか、ルーク・ハン・レイアの人間関係も掘り下げられていきます。
【セカンド・インパクト】

”巨大な宇宙船が延々と頭上を通り過ぎていく”
あまりにも有名なあの前作の冒頭シーンのような脳裏に焼き付くほどの映像インパクトは今回は感じられません。

しかし2作目である今回は、ハッタリはもう必要ありません。
多数のスター・デストロイヤーや新型兵器が次々と繰り出されて、「帝国はデス・スターだけじゃないぞ」という底知れぬ恐ろしさが表現されています。
【主人公ルークの受難】

前作では若く情熱的なヒーローの卵といった役どころで、エンディングでは「前途揚々」を絵に描いたような笑顔でした。
ところがどっこい、今作ではロクな目に遭いません。

ホスではワンパに襲われて遭難し、あわや凍死寸前というところをハン・ソロに助けられました。

これはその後パンツ一丁で水槽に入れられて治療を受けているところです。
しかしレイアまで見に来ることないだろうに・・・。

かつての美少年も台無しです。
もっともこれは、ルーク役のマーク・ハミルが事故で顔に大怪我を負ったためにこのような設定が付加されたとのことです。

その後、仲間と別れたルークは惑星ダゴバでジェダイ・マスターのヨーダにシゴかれます。
本来もっと幼少の頃から始めるべきジェダイの修行は、歳をとって雑念が多いルークには理解困難なものでした。
さらに、血の気が多かったという彼の”父親”の話を事あるごとに引き合いに出されます。

そんな折、ルークは覚醒したフォースによって仲間たちのピンチを感じ取ります。
動揺するルークにヨーダと零体となった師匠オビ・ワンは「彼らの意思を尊重するなら行くな」と諭しますが、ルークは仲間を助けたい一心で修行途中のままベイダーと対決します。

しかし、今のルークにはとても敵う相手ではありません。
苦闘の末、ベイダーに右手首を切り落とされてしまいます。
これが宇宙SF冒険活劇の主人公に対する仕打ちでしょうか?。

さらにショックな事実が語られます。
ベイダー:「私がお前の父親だ」
今や誰でも知っているであろう、あまりにも有名な衝撃的シーンです。
(もし36年前だったらネタバレの罪で私は殺されていますね)

ルークの絶体絶命のピンチに感づいたレイアの機転で助けられます。
まったくいいところ無しの主人公ですね。
でも改めて考えてみてください。
彼は2度も死に至るピンチに陥っていながら、どちらも自分のために命を懸けてくれた友達に救われているのです。
このことは、今作の受難の連続によりルークが得たフォースとは別の力ではないでしょうか。
【めんどくさい二人】

『帝国の逆襲』は、惑星ホス脱出のあと3つのストーリー・ラインに分岐します。
ルークの受難をその一つとするなら、もう一つの軸としてハンとレイアのラブ・ストーリーがあります。
それはもう、どこかユーモラスで中学生並みにめんどくさいお話です。

冗談めかしてモーションをかけるハンに対し、これ見よがしにルークにキスしてみせるレイア。

お互い顔を合わせれば口喧嘩ばかりです。
私は前作においてレイア姫のことはどうしても好きにはなれませんでした。
先天的に高飛車な態度の女性がキライなのです。
しかし何故でしょう。
『帝国の逆襲』においてのレイアは、ハンに対してどんなに嫌味を言っても反抗的な態度をとっていても可愛く見えてしまいます。
見せ方の巧さなのかストーリーの流れがそうさせるのか。
映画って不思議です。

タイミングを狙ってキスするところまで漕ぎつけますが、空気を読めないC3POに邪魔されてしまいます。
もっともドロイド(ロボット)のC3POに「空気読め」と言っても仕方ありません。
不幸な事故でした。

そんな二人も、クラウド・シティで死別の危機に直面します。
ベイダーがルーク捕獲用のカーボナイト凍結装置の実験台にハンを使うというのです。
失敗すれば死んでしまいますし、成功しても賞金稼ぎに引き渡されてしまいます。

「愛してる」
ここにきてようやく本音が口をついて出ます。
ホントにめんどくさい娘です。

それに対してハンが返した一言。
「知ってる」
カッコイイ!。
このシーンを観た瞬間から、私にとってハリソン・フォードは「カッコ良さ」の基準になりました。
【帝国側の語り部?、ピエット提督】
ホス星以降分岐する3つのストーリー・ライン、最後の一つは帝国側です。

もちろんダース・ベイダーが軸になります。
しかし、ベイダーは黒いマスクで顔を隠しているうえに多くの謎を秘めた存在です。
積極的に展開を語らせるわけにはいきません。

そこで狂言回しともいうべきキャラクターが配置されています。
右側の人がそのピエット提督です。
元はこの宇宙艦の艦長だった彼は、作戦でミスをした前任者が処刑されるその横で新任の提督に任命されてしまします。
この時のベイダーは凄いです。
モニターの通信越しに相手をフォースで絞め殺してしまうのです。
ピエットさんの心中たるや、想像しただけでも気の毒になります。


ピエットは懸命に任務を遂行します。
そのさ中、ベイダーに状況報告に行った際に偶然ベイダーのヘルメットの中身を見てしまします。
これは観客にとっても重要な映像です。
この場面がピエットの視点で描写されたことで、私は彼を「影の主役」に認定しております。

ダース・ベイダーはこの『帝国の逆襲』の劇中で微妙に揺れ動いて変化していきます。
冒頭では失敗した部下を片っ端から絞め殺していたのが、終盤でミレニアム・ファルコンを逃がしてしまったピエットの前を物思いにふけりながら素通りしていきます。
ピエット提督は次回作『ジェダイの復讐(帰還)』にも引き続き登場しますから、どうやら処刑は免れたようですね。
ベイダーの微妙な変化をピエットの目を通してうかがい知ることが出来るという、実に巧みな脚本と演出なのです。

ホス脱出から3つに分かれた物語は、それぞれの展開で大きく膨らまされてクラウド・シティで一つになります。
オリジナル・キャラクターの更なる成長、新しい登場人物、新しい状況、次への布石。
これら全部を、どの流れも全くダレることない面白さで分かりやすく描いています。
凄い脚本構成と演出力です。
この構成は『ジェダイの復讐(帰還)』や『ファントム・メナス』でも取り入れられていますが、この『帝国の逆襲』ほどに上手く活かされているとは言い難いです。
流石に分量が多くなりすぎましたので、ひとまずこの辺で一区切りします。
まだまだ語り足りません。
何故最初に取り上げたのがこの『帝国の逆襲』で、最初の『スター・ウォーズ』ではないのか。
制作者であるジョージ・ルーカスやゲイリー・カーツ、監督のアーヴィン・カーシュナーのこと。
そして『特別篇』における修正と改悪についてと、新三部作も含めたシリーズ全体との関連ポイントについて。
これらはまた次の機会に・・・。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
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