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映画と日常

ヒラリーとドナルドとワンダーウーマン

トガジンです。
最近は観た映画の感想は毎週日曜日の「週刊映画鑑賞記」にまとめて書くパターンが定着している当ブログですが、今回は少し思い付いたことがありましたので久し振りに一本の映画の感想を単体記事としてアップすることにします。
終盤にネタバレを含んでいますので、映画を未見の方はご注意願います。


ワンダーウーマン』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)
ワンダーウーマン
監督は、前作『モンスター』から(長編映画としては)実に14年ぶりのメガホンとなる女性監督パティ・ジェンキンス。
主演は元ミス・イスラエルのガル・ガドット。
1984年の『スーパーガール』以来、久々の女性スーパーヒーロー(ヒロイン)が主役となる映画作品です。

この企画、実は昨年のアメリカ大統領選選挙の影響が大きいのではないか?と思っております。

大統領 クリントン&トランプ
昨年秋の投開票の日までは、「なんだかんだ言っても最後はヒラリー・クリントンが勝つに決まってる」と誰もが思っていたはずです。
それはつまり、史上初の女性アメリカ大統領が誕生することを意味します。
”女性”がキーワードとなる巨額の経済効果が期待されていて、映画・テレビ・出版など各界で「女性の活躍」を描く「女性の女性による女性のための」作品企画が目白押しだったはずです。
例えばジョン・F・ケネディ夫人を描いた映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』などはその最たるもので、本作『ワンダーウーマン』もこの公開のタイミング的から見て明らかにそうした一本であることは間違いありません。

ワンダーウーマン リンダ・カーター版
だって、昔の『ワンダーウーマン』ってこんな格好だったんですから!。
『バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生』でダークホースの如く登場し後半の見せ場を一人でかっさらっていったのも、初の女性大統領誕生後に公開する本作の存在を見込んでのことではなかったかと穿った見方をしておりました。

しかし、フタを開けてみればまさかのドナルド・トランプ勝利
「女性の躍進・活躍を描く映画」を準備していた関係者たちは、さぞかしトランプと彼に投票した者たちを呪ったことでありましょう。
テレビや週刊誌なら方向転換も可能でしょうが、映画となるとそうもいきません。
今年は、(誕生するはずだった)ヒラリー・クリントン大統領にあやかろうとして作られた「女性が主役の映画がいっぱい世に出てくるものと踏んでおります。


ワンダーウーマン ご尊顔
で、この映画そのものがどうだったかと言うと・・・。

アマゾネス
序盤の女だらけのパラダイス・・・じゃなくてセミッシラ島のシーンは最高でした。
肌も露わなアマゾネスたちの開脚も厭わぬキャット・ファイトが展開しますが、監督が女性であるせいかいやらしさを感じることは全くありません。

幼ダイアナ
特に冒頭の幼いダイアナ(演:リリー・アスペル)を見るだけでも価値のある映画です。
「自分も戦士になりたい」と、お姉様方の訓練を見ながら一人チャンバラをする姿が可愛くて可愛くて仕方がありません。(*´~`*)

ダイアナ12歳 ワンダーウーマン=ダイアナ
その幼子が12歳の多感な少女期(演: エミリー・キャリー)を経て、なぜか濃い目のガル・ガドットへと成長していく様は若干の違和感を禁じえませんが・・・。

マレフィセント この子が・・・ マレフィセント 諸行無常・・・
そんな時はこの『マレフィセント』の「諸行無常」ぶりを思い出しましょう。
救われます。

パシフィック・リムの芦田愛奈 パシフィック・リム 元・芦田愛奈
それが言い過ぎであるならば、あるいは芦田愛菜が成長するとなぜか菊地凛子になってしまうという『パシフィック・リム』とか(笑)。
(個人的に、これが『パシフィック・リム』唯一の欠点だと思っております。)

<閑話休題>
ワンダーウーマン 戦場
目下の敵は第一次世界大戦時のドイツ帝国であり、毒ガス爆弾という非人道的な兵器を喜々として開発するマッド・サイエンティストと狂信的指揮官という設定になっています。
そのおかげで、倫理観とか気にすることなくバッサバッサと敵をなぎ倒していくダイアナの姿にためらうことなく拍手を送ることが出来る作りになっています。

残念だったのは、ダイアナ=ワンダーウーマンの出生(?)の秘密です。
粘土で作った人形にゼウスが命を与えたという話を母が語って聞かせますが、原作通りとはいえ映画冒頭でこれを語られてしまってはせっかくの美人さんが台無しです。
この辺はもう少しオブラートに包んだ表現にとどめて、男の夢を壊さないでいただきたいものです(笑)。

美人すぎるガル・ガドットが実はあまり好みではないこと、人間社会へ出てからの映像がやたら暗くて寒色系の色使いが多く失速感があること、そしてラストのある人物の自己犠牲などから最終的に爽快感は薄目の印象です。
クライマックスの戦闘シーンでトレバー(演:クリス・パイン)以外の仲間に見せ場が無いのも消化不良です。
何よりPTSDを思わせる伏線が描かれていたスナイパーに全然活躍の機会が与えられないまま終わったのは腑に落ちません。
また、真の敵である軍神アレスも、その正体である人物を演じたのがお馴染みの悪役俳優であったことで先が読めてしまいます。
そのせいもあってか、クライマックスで鎧を身に着けたアレスもラスボスとしての貫禄に欠けて見えました。

ワンダーウーマン ロマンス
それでも思わずホロリとさせられたのは、最後に覚悟を決めたトレバーのこのセリフです。
「僕は明日を守る。君は未来を守れ。」

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』など、このところアメリカ映画の自己犠牲シーンに泣かされることが多いのですが、この映画もそうでした。

ジャスティスリーグ
11月公開の『ジャスティス・リーグ』や、既に発表されてる『ワンダーウーマン』続編でトレバーのこのセリフが活かされるのならば観てみたいと思います。


本日もお付き合いいただきありがとうございました。
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