『スター・ウォーズ』<特別篇>
CATEGORY『スター・ウォーズ』シリーズ
トガジンです。

一日、間を置いて再び『スター・ウォーズ』ネタです。
今回は<特別篇>の修正・追加シーンについてです。
制作当時の予算やSFX技術では成し得なかった合成やキャラクターの動きを、CG技術を駆使して実現しました。
書き割りやハリボテだったクリーチャーが生き生きと動き回り、物語世界がより深みを増して楽しいものになりました。
合成も原始的なものからデジタル技術を駆使したものになり、背景と一体化して合成のつなぎ目が判別できなくなっています。
爆発などのエフェクトも迫力のあるものになりました。
【閑散としていたモス・アイズリーは賑わいのある街に】

【デス・スターのトルーパーも大増量】

【端っこのモブキャラが書き割りからCG合成に】



【閉鎖的だったクラウド・シティの建物が街並みを展望出来るオープンな建物に】

【通信映像の皇帝は誰だか分からない奴からパルパティーン本人に】

【サルラックはただの穴ボコから恐怖の人食い生物に】

いいことずくめのような<特別篇>ではありますが、調子に乗って余計なことをしたために映画としての完成度を著しく損ねてしまった部分も多数あります。
ここからは、むしろ「悪くなった変更」を中心に取り上げていきます。
『エピソード4:新たなる希望』
【ハン・ソロがグリードを撃ち殺すシーン】

ハン・ソロが一方的に撃つのでなく撃ち合いになっています。
オリジナルでは発泡と同時に爆炎が起こりどちらが先に撃ったかは分からないようになっていました。
<特別篇>ではグリードが先に撃ったことを明確化し、ハンの正当防衛であることを強調したかったようです。
そのことは別に構わないのですが編集がお粗末すぎます。
非常に短いカット内で双方の光線がパパッと瞬くのですが、短すぎて一瞥しただけでは何が起こったのか分かりにくいです。
不自然な編集が無理矢理挿入されるため、この映画の自然な流れが失われました。
完全に作者の自己満足のためだけの変更で、以前のままで十分だったと思います。
流れが変わったといえば、このシーンの追加は許せないレベルです。
【ジャバの顔見せ】

ジャバ役を普通の人間の俳優で撮影していたものの、オリジナルでは完全にカットされていた場面です。
「このシーンは無いもの」ということを前提にして後に続くシーンは撮影・編集されていました。
エピソード1から順番に見る分には、ここでジャバを出すことはあながち間違いではありません。
しかし場所が悪い!
【ファルコン号が見えてしまっている】

このタイミングでファルコン号の姿を観客に見られてしまっては、この後のシーンが間抜けに見えてしまいます。
音楽のトーンもその都度コロコロ変わるので観ているリズム感が変調してしまいます。
【本来ならこの後がファルコン初登場だった】

ルークたちを正面から捉えたカメラが・・・

彼らをフォローして送り込むと、そこには薄汚くて傷だらけの老巧宇宙船が・・・。
【えっ、これ?】

「ガラクタじゃないか!」
ルークの失望はそのまま我々観客の期待へと繋がるものでもありました。
しかし<特別篇>では、この数秒前にミレニアム・ファルコンの一部を観客に見られてしまっています。
初めて観たときの高揚感はもう感じられません。
また、似たようなシーンが2度立て続けに表れるため、映画としてのリズム感がちぐはぐなものになっています。
この【ジャバの顔見世シーン】の挿入は明らかに蛇足です。
どうしてもというなら、ジャバと会う場面の背景を全部CGでファルコンが見えない反対側にでも描き換えてしまうべきでした。
『エピソード5:帝国の逆襲』
元々完成度が高かった『帝国の逆襲』は前作ほどの大きな変更はありませんでした。
雪原での合成シーンで背景が透けて見えたのを修正したり、クラウド・シティの市民や街の景色が描かれたりと、正統なグレードアップが施されていました。
最後に、この余計なシーンを割り込ませることさえしなければ完璧だったはずでした。
【ベイダーが旗艦に到着するシーン】

ミレニアム・ファルコンが追撃をかわしながら逃走するエキサイティングなシーンのさ中に、突然この場面が差し込まれます。
ベイダーが旗艦に移動したことが分かるシーンが無いということで追加されたとのことですが、よりによってこのタイミングでこんな説明的なシーンが必要でしょうか?。
先にベイダーが「旗艦に戻るぞ」というセリフを言っているのですからそれで充分でしょう。
観客はそういった最小限の情報からも展開を想像して観ているものなのです。
作り手が受け手のセンスを信じられないようではお終いです。
また、音楽もそれまでのスリリングな曲調から重厚な「帝国のテーマ」に変調してしまい、映画終盤の高揚感に水を差すブレーキになってしまっています。
ジョン・ウィリアムスの楽曲は素晴らしいものですが、こんな使われ方をされては台無しですね。
【しかも映像は『ジェダイの帰還』未使用フィルムを流用】

ベイダーが降り立った先にいる士官をよく見ると、『ジェダイの帰還』冒頭でベイダーに督促されていた新デス・スターの技術担当の男ではありませんか!。
↓こいつです(『ジェダイの帰還』より)

無駄な説明シーンを無理矢理ねじ込んでテンポを狂わせ作品の質を貶めただけでなく、それを未使用フィルムを再利用して済ませようというケチくさい根性が許せません。
<特別篇>と<新三部作>におけるルーカスのセンスの無さは特筆すべきものがあります。
『エピソード6:ジェダイ帰還(復讐)』
タイトルまで修正された(笑)と揶揄されたエピソード6ですが、この変更にはれっきとした理由があります。
『ジェダイの復讐』が当初の題名でしたが、「ジェダイは復讐なんて考えない」ということで公開直前になって『ジェダイの帰還』に変更されました。
しかし、日本では『復讐』のタイトルで既に宣伝が進行していたため対応が間に合わずそのまま公開に至ったのだそうです。
ここまでは文句ばかりでしたが、『ジェダイの帰還』についてはささやかなご提案をしてみたいと思います。
【どちら様ですか?】

このショットでは、マスクを取った老アナキンの瞳の色を青年時代を演じたヘイデン・クリステンセンと同じ色に変更したそうです。
しかし、その程度ではこの人物がアナキンとは即座に認識しづらいですね。
顔つきが違いすぎます。
この老アナキンを演じたセバスチャン・ショウには申し訳ないですが、このベイダーの素顔をヘイデンの老け顔に差し替えてしまうくらいのことはするべきだったと思います。
<特別篇>では映画の流れを無視してまで大胆なことをやっているくせに、ここだけは遠慮がちで中途半端な印象ですね。
ダース・ベイダーの中の人が確かにあのアナキン(ヘイデン・クリステンセン)と認識させたうえで、ラストの霊体の見せ方をこう変えてはどうでしょう?。
【霊体アナキン】

過ちを犯した若い頃のアナキンから・・・

善の心を取り戻した老アナキン(ヘイデンの老け顔に差し替え)へとじわーっとモーフィングさせていけば、エピソード順に観た人も制作順に観た人も納得のいくシーンになるものと思います。
【そしてこの人も】

それと、あの<新三部作>を正史とするならば、この場面にはクワイ=ガン・ジンも加わって良いのではないでしょうか。
クワイ=ガンが少年時代のアナキンを見い出さなければこの状況はあり得なかったのですから。
私もこのブログにおいて、気になるところを後からちょこちょこ修正・加筆することはあります。
こっそり写真を差し替えることもあります。
でも内容が変わったり流れが悪くなるようならやりません。
それは、曲がりなりにも他人様にお見せするものを出すうえでの礼儀だと思っています。
『エピソード1:ファントム・メナス』
最後に『ファントム・メナス』つながりでおまけです。
これはブルーレイ版での変更点で良くなった類のものです。
【劇場公開版/DVD版】

ヨーダがまるでジャック・ニコルソンみたいな顔になってます。
もはや脳内補完不可能なレベルです。
【ブルーレイ版】

ブレ―レイ版でやっと私たちの知ってるヨーダの顔になりました。
公開当時からずっと気になっていた点なのでようやく胸の閊えが取れた気がします。
いや、しかし・・・。
そもそも制作していた時点で「おかしい」と思わなかったのでしょうか?。
フランク・オズも何とか言えばいいのに。
そして・・・
【削除希望】

どうせならコイツも修正(抹消)してくれればよかったのに・・・。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
『スター・ウォーズ』ネタは明日も続きます。

一日、間を置いて再び『スター・ウォーズ』ネタです。
今回は<特別篇>の修正・追加シーンについてです。
制作当時の予算やSFX技術では成し得なかった合成やキャラクターの動きを、CG技術を駆使して実現しました。
書き割りやハリボテだったクリーチャーが生き生きと動き回り、物語世界がより深みを増して楽しいものになりました。
合成も原始的なものからデジタル技術を駆使したものになり、背景と一体化して合成のつなぎ目が判別できなくなっています。
爆発などのエフェクトも迫力のあるものになりました。
【閑散としていたモス・アイズリーは賑わいのある街に】

【デス・スターのトルーパーも大増量】

【端っこのモブキャラが書き割りからCG合成に】



【閉鎖的だったクラウド・シティの建物が街並みを展望出来るオープンな建物に】

【通信映像の皇帝は誰だか分からない奴からパルパティーン本人に】

【サルラックはただの穴ボコから恐怖の人食い生物に】

いいことずくめのような<特別篇>ではありますが、調子に乗って余計なことをしたために映画としての完成度を著しく損ねてしまった部分も多数あります。
ここからは、むしろ「悪くなった変更」を中心に取り上げていきます。
『エピソード4:新たなる希望』
【ハン・ソロがグリードを撃ち殺すシーン】

ハン・ソロが一方的に撃つのでなく撃ち合いになっています。
オリジナルでは発泡と同時に爆炎が起こりどちらが先に撃ったかは分からないようになっていました。
<特別篇>ではグリードが先に撃ったことを明確化し、ハンの正当防衛であることを強調したかったようです。
そのことは別に構わないのですが編集がお粗末すぎます。
非常に短いカット内で双方の光線がパパッと瞬くのですが、短すぎて一瞥しただけでは何が起こったのか分かりにくいです。
不自然な編集が無理矢理挿入されるため、この映画の自然な流れが失われました。
完全に作者の自己満足のためだけの変更で、以前のままで十分だったと思います。
流れが変わったといえば、このシーンの追加は許せないレベルです。
【ジャバの顔見せ】

ジャバ役を普通の人間の俳優で撮影していたものの、オリジナルでは完全にカットされていた場面です。
「このシーンは無いもの」ということを前提にして後に続くシーンは撮影・編集されていました。
エピソード1から順番に見る分には、ここでジャバを出すことはあながち間違いではありません。
しかし場所が悪い!
【ファルコン号が見えてしまっている】

このタイミングでファルコン号の姿を観客に見られてしまっては、この後のシーンが間抜けに見えてしまいます。
音楽のトーンもその都度コロコロ変わるので観ているリズム感が変調してしまいます。
【本来ならこの後がファルコン初登場だった】

ルークたちを正面から捉えたカメラが・・・

彼らをフォローして送り込むと、そこには薄汚くて傷だらけの老巧宇宙船が・・・。
【えっ、これ?】

「ガラクタじゃないか!」
ルークの失望はそのまま我々観客の期待へと繋がるものでもありました。
しかし<特別篇>では、この数秒前にミレニアム・ファルコンの一部を観客に見られてしまっています。
初めて観たときの高揚感はもう感じられません。
また、似たようなシーンが2度立て続けに表れるため、映画としてのリズム感がちぐはぐなものになっています。
この【ジャバの顔見世シーン】の挿入は明らかに蛇足です。
どうしてもというなら、ジャバと会う場面の背景を全部CGでファルコンが見えない反対側にでも描き換えてしまうべきでした。
『エピソード5:帝国の逆襲』
元々完成度が高かった『帝国の逆襲』は前作ほどの大きな変更はありませんでした。
雪原での合成シーンで背景が透けて見えたのを修正したり、クラウド・シティの市民や街の景色が描かれたりと、正統なグレードアップが施されていました。
最後に、この余計なシーンを割り込ませることさえしなければ完璧だったはずでした。
【ベイダーが旗艦に到着するシーン】

ミレニアム・ファルコンが追撃をかわしながら逃走するエキサイティングなシーンのさ中に、突然この場面が差し込まれます。
ベイダーが旗艦に移動したことが分かるシーンが無いということで追加されたとのことですが、よりによってこのタイミングでこんな説明的なシーンが必要でしょうか?。
先にベイダーが「旗艦に戻るぞ」というセリフを言っているのですからそれで充分でしょう。
観客はそういった最小限の情報からも展開を想像して観ているものなのです。
作り手が受け手のセンスを信じられないようではお終いです。
また、音楽もそれまでのスリリングな曲調から重厚な「帝国のテーマ」に変調してしまい、映画終盤の高揚感に水を差すブレーキになってしまっています。
ジョン・ウィリアムスの楽曲は素晴らしいものですが、こんな使われ方をされては台無しですね。
【しかも映像は『ジェダイの帰還』未使用フィルムを流用】

ベイダーが降り立った先にいる士官をよく見ると、『ジェダイの帰還』冒頭でベイダーに督促されていた新デス・スターの技術担当の男ではありませんか!。
↓こいつです(『ジェダイの帰還』より)

無駄な説明シーンを無理矢理ねじ込んでテンポを狂わせ作品の質を貶めただけでなく、それを未使用フィルムを再利用して済ませようというケチくさい根性が許せません。
<特別篇>と<新三部作>におけるルーカスのセンスの無さは特筆すべきものがあります。
『エピソード6:ジェダイ帰還(復讐)』
タイトルまで修正された(笑)と揶揄されたエピソード6ですが、この変更にはれっきとした理由があります。
『ジェダイの復讐』が当初の題名でしたが、「ジェダイは復讐なんて考えない」ということで公開直前になって『ジェダイの帰還』に変更されました。
しかし、日本では『復讐』のタイトルで既に宣伝が進行していたため対応が間に合わずそのまま公開に至ったのだそうです。
ここまでは文句ばかりでしたが、『ジェダイの帰還』についてはささやかなご提案をしてみたいと思います。
【どちら様ですか?】

このショットでは、マスクを取った老アナキンの瞳の色を青年時代を演じたヘイデン・クリステンセンと同じ色に変更したそうです。
しかし、その程度ではこの人物がアナキンとは即座に認識しづらいですね。
顔つきが違いすぎます。
この老アナキンを演じたセバスチャン・ショウには申し訳ないですが、このベイダーの素顔をヘイデンの老け顔に差し替えてしまうくらいのことはするべきだったと思います。
<特別篇>では映画の流れを無視してまで大胆なことをやっているくせに、ここだけは遠慮がちで中途半端な印象ですね。
ダース・ベイダーの中の人が確かにあのアナキン(ヘイデン・クリステンセン)と認識させたうえで、ラストの霊体の見せ方をこう変えてはどうでしょう?。
【霊体アナキン】

過ちを犯した若い頃のアナキンから・・・

善の心を取り戻した老アナキン(ヘイデンの老け顔に差し替え)へとじわーっとモーフィングさせていけば、エピソード順に観た人も制作順に観た人も納得のいくシーンになるものと思います。
【そしてこの人も】

それと、あの<新三部作>を正史とするならば、この場面にはクワイ=ガン・ジンも加わって良いのではないでしょうか。
クワイ=ガンが少年時代のアナキンを見い出さなければこの状況はあり得なかったのですから。
私もこのブログにおいて、気になるところを後からちょこちょこ修正・加筆することはあります。
こっそり写真を差し替えることもあります。
でも内容が変わったり流れが悪くなるようならやりません。
それは、曲がりなりにも他人様にお見せするものを出すうえでの礼儀だと思っています。
『エピソード1:ファントム・メナス』
最後に『ファントム・メナス』つながりでおまけです。
これはブルーレイ版での変更点で良くなった類のものです。
【劇場公開版/DVD版】

ヨーダがまるでジャック・ニコルソンみたいな顔になってます。
もはや脳内補完不可能なレベルです。
【ブルーレイ版】

ブレ―レイ版でやっと私たちの知ってるヨーダの顔になりました。
公開当時からずっと気になっていた点なのでようやく胸の閊えが取れた気がします。
いや、しかし・・・。
そもそも制作していた時点で「おかしい」と思わなかったのでしょうか?。
フランク・オズも何とか言えばいいのに。
そして・・・
【削除希望】

どうせならコイツも修正(抹消)してくれればよかったのに・・・。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
『スター・ウォーズ』ネタは明日も続きます。
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