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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2017.11/13~2017.11/19)

トガジンです。
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について徒然なるままに書き留めております。

早くも街中やショッピングセンターにクリスマスソングが鳴り響くようになってきました。
仕事面では、秋の繁忙期もどうやら今週いっぱいで終わりのようです。

ちょうど一か月前、ブログ開設一周年を機に改装を企画したものの、ずっと手つかずのままでしたがそれもようやく始動することが出来そうです。
溜まりに溜まった下書きの数々も年内に記事にしてアップしておきたいですし、そろそろ2017年のベスト10リストアップなんかもしたいところです。
年内はゴジラ全作品レビューをお休みして『スター・ウォーズ Episode VIII 最後のジェダイ』に向けての復習も始めたいと考えています。


11/13(月)
『ブレードランナー2049』(吹替版)
(劇場:福井コロナシネマワールド)
ブレードランナー2049 アナ・デ・アルマス
2度目の鑑賞として、この日は吹替版を選択しました。
キャストはプロの声優さんで固められていて、声のイメージ・演技とも不満は感じませんでした。

今回はストーリーを既に知っていることと字幕を目で追う必要が無いことから、『ブレードランナー』の続編というよりもドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作としてその映像美を堪能することに集中しました。
ドゥニ監督に対しては、前作『メッセージ』で見せたそのSFセンスに深く感服していたのです。
「逆行する時間」という非常に難しい概念を映像として見ぜてくれた手腕と、美しい自然に異性文明を組み合わせたビジュアルセンスは嫉妬を感じるほどに見事なものでした。
正直なところ、『ブレードランナー2049』の監督がドゥニ・ヴィルヌーヴであると知ったときには、安堵すると同時に期待を膨らませていました。
『エイリアン』第一作から33年後に『プロメテウス』しか作れなかったリドリー・スコット御大が作るより、ドゥニ監督のセンスが『ブレードランナー』と融合することへの期待値が大きかったのです。
結果としてストーリー面ではあまり満足出来ませんでしたが、映像に関してだけ言えば「IMAXで観たかった!」と悔やむくらい良かったです。

初見時(字幕版)は、デッカードが娘を手放した理由とその過程がセリフで語られたのみで少々分かりにくかったのですが、今回日本語吹き替えで観たことでようやく理解しました。
このあたりの前日譚も映像として見せてもらいたかったところです。
CG技術で30年前と同じ姿のレイチェルを再登場させていましたが、あの技術の使いどころは昔のデッカードとレイチェルの逃避行を描くことではなかったかと思います。
ハリソン・フォードに関しては、前作のファイナルカット版で起用した彼の息子が影武者として使えそうでもあります(笑)。

後半で強引な展開があったり終盤グダグダになるなど脚本の弱さが目についたことと、音楽担当がヴァンゲリスでなかったことだけが本当に残念でした。


11/14(火)
残り152時間
この春、改造を施して内臓HDDを6TBに増量した我が家のBDレコーダー、パナソニック:DMR-BZT720
増設当初は555時間分もあった容量も、ふと気が付いてみれば残り150時間ほどになっておりました。
その貯まりに貯まった録画物を少しづつでも消化しようと、これからしばらく比較的長尺の作品からドンドン観ていくことにしました。

・・・というワケで、この日観たのはこの作品。
ずいぶん前に録画したまま、ず~っとHDDの肥やし状態だった作品です。

『八甲田山』 
(ホームシアター:WOWOW録画)
八甲田山 チラシ
脚本:橋本忍、監督:森谷司郎による1977年公開作品。
このお二人、実は1973年版『日本沈没』のコンビでもあります。
先日観たばかりの『八つ墓村』も橋本氏による脚本で、この時期の大作映画には欠かせない存在だったようです。
元々黒澤明監督の脚本チームの一員だったこともあり、登場人物一人一人に見せ場を用意しつつ長尺のストーリーをダレずにまとめ上げる手腕はまさしく「映画脚本のお手本」です。

多少の創作が加えられそれによる矛盾も生じてはいるものの、現実に起きた出来事が下敷きになっています。
映画では弘前と青森のそれぞれの指揮官(演:高倉健と北大路欣也)が顔見知りになっていますが、実際はお互い面識は無かったそうです。
また、青森側の上官(演:三国連太郎)が非常に横暴で無能な人物でありまるで遭難の元凶であるかのように描かれていましたが、モデルとなった方は決してあんな無理解な人物では無く、原因はむしろ若い将校の油断と傲慢にあったと言われています。

しかし、それ以上にこの撮影が実際に極寒の八甲田で敢行されたという事実にこそ驚かされます。

『八甲田山』矛盾脱衣する原田君事さん
有名な場面ですが、発狂した兵士が突然奇声を上げて服を脱ぎフンドシ一丁で雪原に倒れ込むこのシーン。
これも零下十数度の現地で俳優の原田君事さんが本当にやって見せた命がけの演技だったそうです。
原田さんが倒れてすぐ唐突に画面が静止画になってしまいますが、おそらくこれ以上雪に埋もれさせては原田さんが死んでしまうということで極めて短時間で救出する必要があったためと思われます。

邦画が斜陽と言われて久しいこの頃の日本映画は、この作品のような超大作かATG等のインディーズ映画やポルノといった低予算映画の両極端しかありませんでした。
それだけに一本の大作に賭ける集中投資の物量も大きかったと思われますし、端役の俳優さんも滅多にない超大作への出演ということで文字通り身体を張って演じていたものと思います。


11/17(金)
『本能寺ホテル』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
本能寺ホテル
織田信長とタイムスリップの映画ってこれまで何本みたことでしょう。
ざっと思い出してみただけでも、『時空の旅人』『戦国自衛隊1549』『信長協奏曲』etc・・・。
あと、(観てはいませんが)平成仮面ライダーの劇場版にもそんな話があったような気がします。
信長とタイムスリップの相性が良いのか、織田信長という歴史上の人物が「歴史を変えてでも生きていて欲しかった」と願うほどに魅力的なのか?。
いずれにせよ、この時代・人物・出来事を「歴史のターニングポイント」と捉えている日本人が多いのは確かのようです。

しかし、この映画の致命的な欠陥は主演の綾瀬はるかにありました。
「突然、戦国時代にタイムスリップする」という異常事態に遭遇しながら、彼女が全然驚いているように見えないのです。
それならば「何かのイベント」か「映画の撮影」と思い込んでの行動として描けばよいものを、本物の戦国時代と分かってからも彼女のペースは変わりません。
どうしようもなく頭の悪い女で主体性も無く、案の定この映画を最後まで引っ張る牽引車には成り得ませんでした。
この映画を引っ張ったのは、信長を演じた堤真一さんと、婚約者の父親を演じた近藤正臣さんでした。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主人公マーティー役は、当初マイケル・J・フォックスではなく別の俳優で撮影がスタートしていました。
その俳優は演技力は申し分ないものの、30年前にタイムスリップしてしまう異常事態に対しての驚き感が感じられないかったことから、製作のスピルバーグとゼメキス監督は主役を急遽Tマイケルに後退させて撮り直しを敢行してあの傑作を作り上げました。
綾瀬はるかを降板させることは不可能でしょうが、せめて演出で何とか出来なかったものかと思います。
この監督にはセンス・オブ・ワンダーが絶望的に欠如しているようです。

エレベーターを出たらそこは本能寺!。
カメラがグル~ッと回り込むと彼女の背後にはもうエレベーターが無い!。

この手品みたいなシチュエーションを「どうだ、この特撮(CG)凄いだろ!」と言わんばかり2度も3度もしつこく繰り返し見せられても困ってしまいます。
タイムスリップと信長と本能寺を組み合わせたストーリーにもうひとひねりあれば、監督次第でもっと面白くなった気がします。


11/18(土)
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
(ホームシアター:Blu-ray)
ローグ・ワン P2J
来るべき『最後のジェダイ』に向けての復習開始です。
当初は『スター・ウォーズ』シリーズを観る順番として以下の流れを考えておりました。

①『スター・ウォーズ』(オリジナル公開版)→②『帝国の逆襲』(オリジナル公開版)→③『ジェダイの復讐』(オリジナル公開版)
→④『ファントム・メナス』→⑤『クローンの攻撃』→⑥『シスの復讐』
→⑦『ローグ・ワン』→⑧『新たなる希望』(特別編)→⑨『帝国の逆襲』(特別編)→⑨『ジェダイの復讐帰還』
→⑩『フォースの覚醒』→そして最新作へ!

しかし、12月15日までの間に2時間強の映画を10本も見る時間が確保出来る保証はありません。
今回は⑦の昨年公開されたスピン・オフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』から始めることにしました。
(プリクエル・トリロジーは内容を記憶していればそれで十分で、あんなものに時間を割く余裕は無いのです。)

観たのはこのブルーレイを買って以来ですから、約半年ぶりの鑑賞になりますが・・・。

やっぱり泣けます。
ローグ・ワンの生還は不可能と知ったラダス提督が喉の奥から絞り出すような声で言った「ローグ・ワン、フォースと共にあれ!。」
ここで思わず身体が震えて目元がウルウルしてしまいます。
この映画のラストシーンは『新たなる希望』の冒頭に直結していますが、私はこの『ローグ・ワン』を観るたびに『帝国の逆襲』に登場するローグ・2部隊へと思いが飛ぶのであります。

ローグ・ワンのベイダー
そして、本当に残虐非道で怖いダース・ベイダーをこの作品で観ておくことは後々大事なことだと思います。
オリジナル・トリロジーでは息子のルークに対する迷いもあってか、意外にベイダーの強さとか凄みの表現はソフトな描かれ方をされていたように思います。
『ジェダイの復讐(帰還)』では皇帝以外は一人も人を殺していないほどです。
『フォースの覚醒』を観る以前にダース・ベイダーの恐怖をしっかり感じ取っておかないと、カイロ・レンがベイダーに心頭する気持ちが理解出来ないと思うのです。

軟弱なアナキンの青年時代はすっ飛ばして、この作品から始めるのがこれからの正しい『スター・ウォーズ・サーガ』の鑑賞法です。


17日(金)からゴジラシリーズ最新作、アニメ『GODZILLA 怪獣惑星』の公開が始まっております。
この金・土・日は仕事が入ったため観に行けませんでしたが、基本今ヒマなので(笑)週明けにでも観に行くつもりです。
監督と制作会社が『ブラム/BLAME!』とほぼ同じということで、内心かなり期待しているのですが果たしてどうなりますことやら。

今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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