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映画と日常

トガジン的「映画オールタイムベストテン:2017」

CATEGORY映画全般
トガジンです。
ワッシュ様のブログ『男の魂に火をつけろ!』さんにおいて「映画オールタイムベストテン:2017」なる企画が開催されております(〆切は12/17)。

「”オールタイム映画ベスト10”なんてまだまだ決められない。そんなものは今際の際にでも考えればいい。」
昔はそう考えていた私でしたが、この歳になって少しづつ考えが変わってきました。
「自分はこれまで何を観て育ってきたのか?。」
「自分が何で出来ているのか?。」
映画の嗜好を客観的に見ることで、そんなことを考えてみるのも悪くありません。
それに、死ぬ間際に映画のベスト10なんて考える余裕があるわけないですしね(笑)。
というワケで、今回(あくまでも2017年11月現在のマイベストとして)10本選んで参加させていただくことにしました。


第1位『七人の侍』(1954年/日本、監督:黒澤明)

第2位『ダーククリスタル』(1982/アメリカ監督:ジム・ヘンソン&フランク・オズ)

第3位『シン・ゴジラ』(2016年/日本、監督:庵野秀明)

第4位『この世界の片隅に』(2016年/日本、監督:片渕須直)

第5位『初恋のきた道』(1999年/中国、監督:チャン・イーモウ)

第6位『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年/日本、監督:金子修介)

第7位『パコと魔法の絵本』(2008年/日本、監督:中島哲也)

第8位『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年/日本、監督:宮崎駿)

第9位『パシフィック・リム』(2013年/アメリカ、監督:ギレルモ・デル・トロ)

第10位『ゴジラ対へドラ』(1971年/日本、監督:坂野義光)


まず「好きだッ」という作品を思いつくまま50本ほどリストアップ、そこから特定の選定基準でふるいにかけてどうにかこうにか10本に絞ったものです。
その選定基準とは「自分とのシンクロ率」
どれだけその作品世界に入り浸り、溶け込んでしまえるか?。
自分が隠し持っている願望や悔恨を、映像作品としてどれだけ具現化してくれているか?。
すなわち「私の一部となっている作品たち」です。
選定基準が違えばこのラインナップも変わるでしょうが、今回これでエントリーさせていただきます。



以下、作品ごとに選考理由(シンクロポイント)を述べておきます。

七人の侍(1954年)
第1位『七人の侍』(1954年/日本)
最初に観たのはテレビのノーカット放映の時でした。
ここ20年、年に一回は必ず観返している「座右の映画」です。
私も新人時代には勝四郎や七郎次の如くとにかく大声を出して現場を走り回ったものでした。
久蔵のように自分のスキルアップに夢中だった時期を経て、やがては平八や五郎兵衛のように後輩の面倒を見る立場へと・・・。
そして50歳を過ぎた今、勘兵衛の言葉が身に沁みます。
「腕を磨く、そして戦に出て手柄を立てる、それから一国一城の主になる・・・。しかしな、そう考えているうちに何時の間にかほれ、このように髪が白くなる。 そしてな、そのときはもう親もなければ身内もない・・・。」
会社員の道を捨て、専らフリーランスとして生きてきた私には重く響いてくる台詞です。


ダーククリスタル(1983年)
第2位『ダーククリスタル』(1982年/アメリカ)
架空の惑星、架空の生き物、架空の摂理。
加えて人間が一人も出て来ない、おそらく世界初にして唯一無二のファンタジー映画。
キャラクターは全て人形=アニマトロクスですが、映画に没入するうちまるで彼らが生きているかのような錯覚に陥ります。
トレヴァー・ジョーンズの音楽も素晴らしい。
現在に至るも『ダーククリスタル』に置き換わる作品は現れていません。


シン・ゴジラ(2016年)
第3位『シン・ゴジラ』(2016年/日本)
ゴジラファンとしてはいわゆる「東宝チャンピオンまつり」世代に当たる私ですが、高校生の頃から次第に昭和29年の初代『ゴジラ』に対して憧れというかコンプレックスのようなものを抱くようになっていました。
「お前たちが見てきたゴジラは本当のゴジラじゃない。」
初代『ゴジラ』をリアルタイム体験した大人達から浴びせられる嘲笑に、私たち若輩は諍う術も持てないまま内心臍を噛む思いをしていたものです。
『84年版ゴジラ』も2本のハリウッド版もこの思いを満たしてはくれませんでしたが、昨年ついにその溜飲を下げさせてくれたのがこの『シン・ゴジラ』でした。
また、私自身もエキストラの一人として撮影に参加したことから、内容とは別の意味でシンクロ率の高さを合わせ持つ作品でもあります。
>実は私、『シン・ゴジラ』に映ってます


この世界の片隅に(2016年)
第4位『この世界の片隅に』(2016年/日本)
『シン・ゴジラ』と並んで昨年のベスト1に据えた作品です。
手描きアニメーションでありながら、その作品世界や登場人物と私のシンクロ率はまさに「溶け込んだ」と言って良いほど高いものでした。
観ている間の私は、戦争末期の広島に生きたおおらかで前向きな主婦:すずさんのご近所さんになっていました。
それは、人物の挙動やセリフ、背景の隅々にまで至る丁寧な演出の賜物です。
予算の都合で泣く泣くオミットされたシーンを加えた「完全版」の制作も正式決定したとのことで実に喜ばしい限りであります。
>category: 『この世界の片隅に』


初恋のきた道(1999年)
第5位『初恋のきた道』(1999年/中国)
知人に勧められてレンタルDVDで観たのが最初でした。
以来、何度観ても涙が溢れてしまう映画です。
特にラストの朗読シーンでは大粒の涙がこぼれてしまうので困ります。
私には、あれが両親の意に添わなかった主人公の贖罪のようにも思えて、長男でありながら自分のやりたい仕事を求めて家を出た自分自身の姿が重なってしまうのです。
今年に入って初めて劇場(「午前10時の映画祭」)で鑑賞することが出来たものの、真っ赤に泣き腫らした目元を隠してロビーを通り抜けるのにひと苦労でした(笑)。
>レビュー『初恋のきた道』


ガメラ2 レギオン襲来(1996年)
第6位『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年/日本)
常に傷だらけで戦うガメラの姿を見ているとついつい涙目になってしまいます。
ガメラ復活を信じる子どもたちの願いに応え、瓦礫の中から飛び立つその絶妙なタイミング。
そしてスライディング着陸しつつプラズマ火球3連発を放つカッコ良さ。
レギオンに鞭打たれ体中を切り裂かれようとも、仁王立ちで絶対防衛線を守ろうとする姿。
そして、満身創痍の躯体から放つ元気玉・・・もとい、ウルティメイト・プラズマの神々しさ。
「ガメラ、あんた漢(おとこ)や!。」
『ガメラ2』を観ている間の私は、藤谷文子より強くガメラとシンクロしていたのであります(笑)。


パコと魔法の絵本(2008年)
第7位『パコと魔法の絵本』(2008年/日本)
「なんでこんなふざけた映画を?。」と思われるでしょうが、私には何度観ても泣けて泣けて仕方がない作品です。
事故で両親を失ったショックで記憶が一日でリセットされてしまう薄幸の美少女パコ。
彼女の笑顔のためだけに、いい歳こいた大人たちが全身全霊でバカをやる。
変な連中ばかりだけれど、これがまた粋でカッコいいのです。


ルパン三世 カリオストロの城(1979年)
第8位『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年/日本)
バリバリの受験生だった中学3年の冬休みに、己の立場もわきまえず封切で観に行きました。
そのあまりの面白さに同時上映の『ミスターBOO』を挟んで一日に2回観たほどです。
アホ呼ばわりされるほどに何度も何度も繰り返し観て、大公屋敷の焼け跡に行くまでの流れは今でも空で絵コンテに描けるほどカット割りを暗記してしまっております。
「気に入った映画は納得いくまで何度も観る。」
そんな私の鑑賞スタイルの先駆けとなった作品です。


パシフィック・リム(2013年)
第9位『パシフィック・リム』(2013年/アメリカ)
『マジンガーZ』をはじめとするロボットアニメを見て育った日本男児なら、一度は巨大ロボットの操縦席に座って世のため人のために悪と戦う自分の姿を夢見たことがあるはずです。
そんな少年時代の夢想を、そのまま極上の映画にして見せてくれたのがこの作品。
冒頭のジプシー・デンジャー出撃シーンを見ているだけで、思わず身体中の血が沸騰し子供時代に還ってしまうのは私だけではないはずです。


ゴジラ対へドラ(1971年)
第10位『ゴジラ対へドラ』(1971年/日本)
所詮は子供向け時代のゴジラだとか、安普請が画に現れてるとか、ゴジラが空を飛ぶとはけしからんとか、そんなことはどうでもよろしい。
なぜならば、私が生まれて初めて映画館で仰ぎ見た映画がこの『ゴジラ対へドラ』なのですから。
観返すたびに、スクリーン上に展開する不思議と恐怖とカタルシスを必死に目に焼き付けようとしていた7歳の自分に立ち返ります。
高度経済成長で日本中が浮かれ踊っていたあの時代に、公害問題という日本の社会悪を容赦なく暴き立てた問題作でした。
子供相手に、大の大人が本気で語ってくれた物語です。
『シン・ゴジラ』を観た今も、私にとってのこの作品の価値は微塵も揺らいではおりません。
>レビュー『ゴジラ対ヘドラ』


そして、以下は泣く泣く選外とした作品たちです。
選定基準が違えば、これらのうちのどれかが上位に来たかも知れません。

『ゴジラ』(1954年/日本)
東宝チャンピオンまつりで育った私には、「昔のゴジラは凄く怖かった。」と言われてもまるでピンと来ませんでした。
大学生になって初めて見た第一作には、それまで脳内にあったゴジラのイメージを根こそぎ書き換えてしまうほどの衝撃と感動がありました。
以来、私がゴジラシリーズに求め続けてきたものとはただ怖いだけのゴジラでも強いゴジラでもなく、この第一作の精神への「原点回帰」だったように思います。
>レビュー『ゴジラ』(昭和29年版)

『大魔神』(1966年/日本)
大魔神の全高は約4.5メートル。
地元のお祭りで街中を練り歩く山車の武者人形がこれに近いサイズなので、私には大きさをイメージしやすい怪獣(?)です。
あの高さから見下ろされたとすると大魔神(橋本力さん)としっかり目が合ってしまうことになりますから、その怖さたるや尋常ではないと思われます。
>地元のお祭りに行ってきました

『日本沈没』(1973年/日本)
初めて見た大人の映画。
海辺の街に住む当時9歳の少年にとって、漁港の津波シーンは明日にも起こり得ることに思えて本当に怖かったものです。
難解で凄惨なこの映画をそれでも最後まで見届けられたのは、本郷猛こと藤岡弘さんのおかげに他なりません。

『マジンガーZ対暗黒大将軍』(1974年/日本)
ヒーローの敗北という衝撃。
巨大ロボットを駆る兜甲児に嫉妬と憧れを抱いてきた男の子にはショックが強すぎました。
そのため続編『グレートマジンガー』はほとんど見ることが出来ませんでした。

『グロリア』(1980年/アメリカ)
同じストーリーラインとして『レオン』も思い浮かんだのですが、元ネタであるこの映画のほうを最後まで検討しておりました。
身を守ることすら出来ない弱き者のために無償で戦う者の物語。
ベスト10入りした七人の侍もガメラも姫を助ける泥棒も、そしてへドラと戦ってくれたゴジラもパコのために奮闘する大人たちも皆同じです。
どうやら私は、こういう「弱気を助け強きを挫く」ちょっと「ええカッコしい」な連中に弱いようです。

『転校生』(1982年/日本)
「自分と同年代の女の子が堂々とおっぱい見せてる?。しかも一般映画!。」
そんな不純な動機で観に行ったものの、私は男性主人公:一夫の趣味に強いシンパシーを感じていました。
8ミリで映画を撮る、というそれは当時の私が最もやりたかった事であったからです。
とはいえ、一美が惜しげもなくおっぱいを晒す場面になると、前のめりになってスクリーンを凝視したことは言うまでもありません。


きりが無いのでこの辺で終わりにします。
お付き合いいただきありがとうございました。
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