週刊映画鑑賞記(2017.12/18~2017.12/24)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
12月24日。
今日はクリスマス・イブです。
・・・が、しかし!。
そんなもの、今の私は全くどーでもよいことであります。
当ブログ『映像学科22番』はいつもと変わらず、この一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
それにしても、私が最後にクリスマスに浮かれた時からもう何年くらい経つんだろう・・・?。
12/18(月)
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』🈠
(劇場:109シネマ大阪エキスポシティ)

わざわざ福井から大阪まで、一泊二日かけてまでIMAX版を観に行ったこの作品。
レイ、ルーク、カイロ・レンといったフォースを操る人たちのパートだけに限れば、100点満点のうち90点は付けてあげたいくらい満足しております。
でも、レジスタンスのパートは0点です。
理由は先日の記事(『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』(その2)「3PO、不安な顔はやめなさい!」 )に書いた通りで、シナリオがあまりに稚拙で映画全体の足を引っ張っていました。
私は今、この作品の出来不出来とは関係なく、自分の気持ちが『スター・ウォーズ』から離れつつあることを感じています。
今回の『最後のジェダイ』ではスター・ウォーズ世界のあらゆる面が世代交代をしたと感じています。
旧作以来の登場人物は全員表舞台から姿を消し、フォースの解釈もこれまでと違ったものになっていきそうな気配です。
それでも今回の作品全体が面白いものであればすんなり受け入れることも出来たのかもしれませんが、その新しい解釈を性急に盛り込もうとする作為が見えてしまって素直に楽しむことが出来ませんでした。
今後もこのシリーズは欠かさず見続けていきますが、もうこれまでのような熱量は保てない気がしています。
プロ野球に例えるならば、自分と同世代の選手が出ている頃までは我が分身の如く応援したものの、彼らが皆引退して若い年齢層に入れ替わって気持ちが離れてしまったようなものです。
現在『スター・ウォーズ』に対して思うことはそんなところです。
それでも、「近日中に3D吹替版を観に行こう」と考えてる自分がいることもまた事実なのですがね(笑)。
12/19(火)
『オリエント急行殺人事件』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

先に結論を述べるならば、1974年のシドニー・ルメット監督版『オリエント急行殺人事件』を観たほうが何倍も面白いと思います。
特定の出演者のファン以外にはお勧めしません。
オチを知っているミステリーってこうもつまらないものなのでしょうか?。
そんなことはないはずです。
市川崑監督の『犬神家の一族』や『悪魔の手毬唄』のように、見せ方やキャラクター付けで何度見ても楽しめるものにする方法もあると思うのです。
しかし舞台出身のケネス・ブラナーはあくまで”再現”を至上目的としていたようで、原作や旧作以上のものは何も感じることは出来ませんでした
更にこの映画で納得いかないのは、この犯罪のベースとなる「5年前のアームストロング事件」に関する伏線が全く無かったことです。
アームストロング事件とは1932年に実際に起きたリンドバーグ愛児誘拐事件をモチーフにしたもので、その出来事と関係者が本作の事件の全ての発端となっています。
最初は「ネタバレ防止の意図で削除したのか?」とも思いましたが、これではストーリーテリングとして全く成立しません。
前述のシドニー・ルメット監督版は映画の冒頭10分近くを費やしてこの伏線が描いていましたが、アガサ・クリスティの原作を読んでいない限りそれでオチが分かってしまうことはありませんでした。
この映画でアームストロング事件が語られ始めるのは、死体と一緒にあった紙に書かれていた「デイジー・アームストロング」の名前にポアロが反応したところからです。
非常に唐突な印象で、原作を知らない観客は置いてけぼりにされてしまうのではないか心配です。
だからといって先に原作や旧作を見てしまうとオチが分かってしまうわけですから、それではこの映画を作った意味がありません。
12/21(木)
『皇帝のいない八月』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

『新幹線大爆破』と同じく以前WOWOWで放映されていた作品です。
こちらは自衛隊の一部が国家に対してクーデターを企てる話でした。
クーデターのリーダー藤崎陸尉(演:渡瀬恒彦)のアジテーションは、昭和45年11月に三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地に立て籠もった時の演説と酷似していますが、私にはその言動も行動もまるで理解出来ません。
少なくとも、無抵抗の一般人を平然と射殺するような奴の演説に耳を貸すことは不可能です。
そんな極右な連中の硬派な政治劇かと思いきや、藤崎の妻(演:吉永小百合!)とその元カレ(演:山本圭)を交えての三角関係メロドラマの要素も加わって映画全体のイメージが非常にアンバランスです。
コメディリリーフ的に出てくる寅さん渥美清の役柄も中途半端で緩和には繋がらず、それよりもっと他の一般乗客のリアクションを見せてくれたほうがまだ良かった気がします。
さらに最悪なのがラストシーン。
鎮圧に当たる自衛隊特殊部隊が、車両に立てこもる反乱部隊はもちろん命からがら脱出した乗客をも片っ端から射殺(虐殺)してしまいます。
もしかして、渥美清も殺されてしまったことになっているのでしょうか?。
この作品からは不快感以外に得るものは何もありませんでした。

でもこの作品にオマージュを捧げた作品もあるのですね。
それは、押井守監督の『機動警察パトレイバー』最初のビデオ版最終回「二課のいちばん長い日」。
冒頭の自衛隊車両発砲シーンなどそっくりそのままいっていいくらいです。
1951年生まれの押井監督は「高校時代に学生運動やクーデターに憧れていものの、いざ大学に入った時にはそれらは沈静化していてエネルギーをぶつける場所が無くなっていた」と述懐していましたから、『皇帝のいない八月』に感化された部分も多々あったのでしょう。
12/23(土)
『ダンケルク』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

迂闊にも劇場で見そびれてしまった作品です。
クリストファー・ノーラン作品ということでIMAXで鑑賞したいと思っていて、先送りしてるうちに気が付くと上映が終わってしまいました。
『ダークナイト』以降のノーラン作品は、家庭用で見るとIMAX(1.44:1)とシネスコ(2.35:1)の二つのアスペクト比がパカパカ入れ変わって見苦しいのが難点です。
しかも今回、昼間のシーンと夜のシーンがごっちゃになっているのに困惑し、時間軸をシャッフルしている構成だと気付くのに時間がかかってしまいました。
画質はとてつもなく綺麗でしたが、そういった気持ちのノイズが多くて、登場人物のどれが誰やら分からなくなったりシチュエーションごとの没入感が薄かったりとあまり強い印象は残っていません。
上映時間が100分程度だったのがせめてもの救いでしたが、これが2時間越えだったらかなりキツイと思います。
ところで・・・。
映画の冒頭、主人公はず~っとウ●コしたがっていましたが、彼はいつどこでその生理的欲求を開放したのでありましょうか?。
断じて”そういうシーン”を見たいわけではないですが気になります(笑)。
『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』へのガッカリ感からか、今週は全体にマイナス思考に傾いてしまった気がします。
これも「暗黒面に引き込まれた」ってことなのでしょうかね(笑)。
来週からは気を取り直してもっと前向きに映画を楽しんでいきたいと思います。
ところで・・・。
来週の日曜日は12月31日、つまり大晦日であります。
昨年は元旦が日曜日であるにもかかわらずこの「週刊映画鑑賞記」を書いたものでしたが、さて今年はどうしたものか・・・。
大みそかには「年間ベスト10」とかも書きたいんですがねえ。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
12月24日。
今日はクリスマス・イブです。
・・・が、しかし!。
そんなもの、今の私は全くどーでもよいことであります。
当ブログ『映像学科22番』はいつもと変わらず、この一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
それにしても、私が最後にクリスマスに浮かれた時からもう何年くらい経つんだろう・・・?。
12/18(月)
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』🈠
(劇場:109シネマ大阪エキスポシティ)

わざわざ福井から大阪まで、一泊二日かけてまでIMAX版を観に行ったこの作品。
レイ、ルーク、カイロ・レンといったフォースを操る人たちのパートだけに限れば、100点満点のうち90点は付けてあげたいくらい満足しております。
でも、レジスタンスのパートは0点です。
理由は先日の記事(『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』(その2)「3PO、不安な顔はやめなさい!」 )に書いた通りで、シナリオがあまりに稚拙で映画全体の足を引っ張っていました。
私は今、この作品の出来不出来とは関係なく、自分の気持ちが『スター・ウォーズ』から離れつつあることを感じています。
今回の『最後のジェダイ』ではスター・ウォーズ世界のあらゆる面が世代交代をしたと感じています。
旧作以来の登場人物は全員表舞台から姿を消し、フォースの解釈もこれまでと違ったものになっていきそうな気配です。
それでも今回の作品全体が面白いものであればすんなり受け入れることも出来たのかもしれませんが、その新しい解釈を性急に盛り込もうとする作為が見えてしまって素直に楽しむことが出来ませんでした。
今後もこのシリーズは欠かさず見続けていきますが、もうこれまでのような熱量は保てない気がしています。
プロ野球に例えるならば、自分と同世代の選手が出ている頃までは我が分身の如く応援したものの、彼らが皆引退して若い年齢層に入れ替わって気持ちが離れてしまったようなものです。
現在『スター・ウォーズ』に対して思うことはそんなところです。
それでも、「近日中に3D吹替版を観に行こう」と考えてる自分がいることもまた事実なのですがね(笑)。
12/19(火)
『オリエント急行殺人事件』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

先に結論を述べるならば、1974年のシドニー・ルメット監督版『オリエント急行殺人事件』を観たほうが何倍も面白いと思います。
特定の出演者のファン以外にはお勧めしません。
オチを知っているミステリーってこうもつまらないものなのでしょうか?。
そんなことはないはずです。
市川崑監督の『犬神家の一族』や『悪魔の手毬唄』のように、見せ方やキャラクター付けで何度見ても楽しめるものにする方法もあると思うのです。
しかし舞台出身のケネス・ブラナーはあくまで”再現”を至上目的としていたようで、原作や旧作以上のものは何も感じることは出来ませんでした
更にこの映画で納得いかないのは、この犯罪のベースとなる「5年前のアームストロング事件」に関する伏線が全く無かったことです。
アームストロング事件とは1932年に実際に起きたリンドバーグ愛児誘拐事件をモチーフにしたもので、その出来事と関係者が本作の事件の全ての発端となっています。
最初は「ネタバレ防止の意図で削除したのか?」とも思いましたが、これではストーリーテリングとして全く成立しません。
前述のシドニー・ルメット監督版は映画の冒頭10分近くを費やしてこの伏線が描いていましたが、アガサ・クリスティの原作を読んでいない限りそれでオチが分かってしまうことはありませんでした。
この映画でアームストロング事件が語られ始めるのは、死体と一緒にあった紙に書かれていた「デイジー・アームストロング」の名前にポアロが反応したところからです。
非常に唐突な印象で、原作を知らない観客は置いてけぼりにされてしまうのではないか心配です。
だからといって先に原作や旧作を見てしまうとオチが分かってしまうわけですから、それではこの映画を作った意味がありません。
12/21(木)
『皇帝のいない八月』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

『新幹線大爆破』と同じく以前WOWOWで放映されていた作品です。
こちらは自衛隊の一部が国家に対してクーデターを企てる話でした。
クーデターのリーダー藤崎陸尉(演:渡瀬恒彦)のアジテーションは、昭和45年11月に三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地に立て籠もった時の演説と酷似していますが、私にはその言動も行動もまるで理解出来ません。
少なくとも、無抵抗の一般人を平然と射殺するような奴の演説に耳を貸すことは不可能です。
そんな極右な連中の硬派な政治劇かと思いきや、藤崎の妻(演:吉永小百合!)とその元カレ(演:山本圭)を交えての三角関係メロドラマの要素も加わって映画全体のイメージが非常にアンバランスです。
コメディリリーフ的に出てくる
さらに最悪なのがラストシーン。
鎮圧に当たる自衛隊特殊部隊が、車両に立てこもる反乱部隊はもちろん命からがら脱出した乗客をも片っ端から射殺(虐殺)してしまいます。
もしかして、渥美清も殺されてしまったことになっているのでしょうか?。
この作品からは不快感以外に得るものは何もありませんでした。

でもこの作品にオマージュを捧げた作品もあるのですね。
それは、押井守監督の『機動警察パトレイバー』最初のビデオ版最終回「二課のいちばん長い日」。
冒頭の自衛隊車両発砲シーンなどそっくりそのままいっていいくらいです。
1951年生まれの押井監督は「高校時代に学生運動やクーデターに憧れていものの、いざ大学に入った時にはそれらは沈静化していてエネルギーをぶつける場所が無くなっていた」と述懐していましたから、『皇帝のいない八月』に感化された部分も多々あったのでしょう。
12/23(土)
『ダンケルク』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

迂闊にも劇場で見そびれてしまった作品です。
クリストファー・ノーラン作品ということでIMAXで鑑賞したいと思っていて、先送りしてるうちに気が付くと上映が終わってしまいました。
『ダークナイト』以降のノーラン作品は、家庭用で見るとIMAX(1.44:1)とシネスコ(2.35:1)の二つのアスペクト比がパカパカ入れ変わって見苦しいのが難点です。
しかも今回、昼間のシーンと夜のシーンがごっちゃになっているのに困惑し、時間軸をシャッフルしている構成だと気付くのに時間がかかってしまいました。
画質はとてつもなく綺麗でしたが、そういった気持ちのノイズが多くて、登場人物のどれが誰やら分からなくなったりシチュエーションごとの没入感が薄かったりとあまり強い印象は残っていません。
上映時間が100分程度だったのがせめてもの救いでしたが、これが2時間越えだったらかなりキツイと思います。
ところで・・・。
映画の冒頭、主人公はず~っとウ●コしたがっていましたが、彼はいつどこでその生理的欲求を開放したのでありましょうか?。
断じて”そういうシーン”を見たいわけではないですが気になります(笑)。
『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』へのガッカリ感からか、今週は全体にマイナス思考に傾いてしまった気がします。
これも「暗黒面に引き込まれた」ってことなのでしょうかね(笑)。
来週からは気を取り直してもっと前向きに映画を楽しんでいきたいと思います。
ところで・・・。
来週の日曜日は12月31日、つまり大晦日であります。
昨年は元旦が日曜日であるにもかかわらずこの「週刊映画鑑賞記」を書いたものでしたが、さて今年はどうしたものか・・・。
大みそかには「年間ベスト10」とかも書きたいんですがねえ。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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