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映画と日常

見たか君は♪『マジンガーZ / INFINITY』

トガジンです。
第一報を聞いて以来ずっと楽しみにしていた映画です。
大雪とお仕事ラッシュに阻まれて公開から2週間以上過ぎてしまいましたが、昨日(2月1日)映画の日を利用してようやく観に行くことが出来ました。

マジンガーZ INFINITY
(劇場:イオンシネマ御経塚)
マジンガーZ / INFINITY ポスター
TVアニメ版『マジンガーZ』とその続編『グレート・マジンガー』の10年後を描いた正当な後日譚。
なぜか『UFOロボ・グレンダイザー』は「無かったこと」にされているのが気になりましたが、その後の兜甲児の状況が”研究者”になっていたりマジンガーがロボット博物館に飾られているといった点から、世界観を同じくするパラレル・ワールドと見てよさそうです。

MZ2018 マジンガーZ
<あらすじ>
あの戦いから10年。
科学者となっていた兜甲児はある日、富士山地中に埋まった超巨大遺跡インフィニティと、そこから現れた謎の生命体リサに遭遇する。
時を同じくして謎の復活を遂げたDr.ヘルも、無限の可能性を秘めるインフィニティでかつての野望を完遂しようとしていた。
有史以来最大の危機的状況の中、マジンガーZが再び立ち上がる。



う~ん。
不満点を挙げ始めたら、それこそ”空にそびえる”くらいいっぱいあるのですよ(笑)。

▼ドクターヘル復活の謎とか、リサが生体コンピューターだと判明した時の経緯など、お話を端折りすぎていて基本設定がよく分からないままストーリーに付き合わされる。

▼リサのデザインがまるで『エヴァンゲリオン』の綾波レイみたいでこの世界観から浮いている。

▼「自分はマジンガー世代じゃない」と公言する脚本家に書かせるくらいなら、桜多吾作先生の『グレート・マジンガー』から『グレンダイザー』に連なる「ラーガ」編をやって欲しかった。

▼リアル志向で描かれたマジンガー(CG)の接合部分が多すぎて超合金Zの堅牢感が損なわれている。

▼終盤は人物のデッサンが変になっている画が多くてかなり作画崩壊気味だった。

▼オリジナルキャストの石丸博也さんや松島みのりさんにゲスト出演してもらえたのなら、他にも大竹宏さんや野田圭一さんや富田耕生さんや柴田秀勝さんなど今も現役の声優さんたちのお声を聴かせていただきたかった。

▼吉川晃司の歌なんかいらんから、「Zのテーマ」(♪人のいのちは尽きるとも~)か「ぼくらのマジンガーZ(♪見たか君は~)をエンディングに流すべきだ。


と、これだけ不満点をずらずら並べておいて書くのもなんですが・・・。
私はイベントムービーとして十二分に楽しませてもらいました!(喜)。

そう、これは最初っから作品としての出来をあれこれ論じるような映画ではないのです。

MZ1972 マジンガーZ
これは『マジンガーZ』リアルタイム体験世代の同窓会のようなものなのです。
私は、たとえ東京まで足を運んででも「大“Z”叫応援上映会」に参加してこの映画を全力で楽しむべきでした。

MZ2018 マジンガーZ ブレストファイヤー
「パイルダーオ~ン!」とか「ロケットパ~ンチ!」とか「ブレストファイヤー!」と、かつて同じものを観て育った仲間たちと一緒に大声を張り上げてガキんちょ時代に帰るためのツールなのです。
だからこそ、エンディング曲は皆で合唱出来る「Zのテーマ」か「ぼくらのマジンガーZ 」でなければならなかったと思うのです!。


【キャラクターたち】
10年経っているのですから旧作と変わっていて当然なのです。
「え~?お前が科学者だって?」とか「声変わった?」とか「結婚おめでとう!」とか、ここは素直にリアル同窓会と同じ気分で楽しんだ者の勝ちです。
 
■兜甲児
MZ2018 兜甲児
マジンガー初搭乗時には「イヤッホー!こいつはいいや!」と奇声を上げていたあのやんちゃな少年も、29歳の落ち着いた青年科学者になっておりました。
しかし、こと女に関しては絵にかいたような朴念仁で、10年もの間ずっとさやかを袖にし続けていた様子です。
インフィニティを前にさやかをガン無視しながら夢中で持論を語る姿からは、祖父の兜十蔵博士からマッドサイエンティストの血をしっかり受け継いだことが窺われます。

■弓さやか
MZ2018 弓さやか
政治家へ転身した父の跡を継いで光子力研究所の新所長に就任していました。
経営の才能は父親のそれを遥かに上回っていたらしく、光子力エネルギーを原子力や化石燃料に変わるクリーン・エネルギーとして世界に広めた女傑となっています
三十路を目前にしてかなり焦っているらしく、つれない素振りの甲児に愛想を尽かし始めているご様子です。

■兜シロー
MZ2018 兜シロー
『マジンガーZ対暗黒大将軍』では大ケガをして兄の窮地に拍車をかけたシローも、10年経って量産型マジンガーのイケメンパイロットになっていました。

今回の映画に欠けていたものの一つに、かつてのシローのような”少年”のキャラクターがあると思います。
つまり、マジンガーZを足元から見上げる者の視点が全く無いのです。
シローは今回、”腐女子”と呼称されるお姉様方向けの美形キャラとなって登場しました。
そして、その代わりに登場したのはリサという美少女キャラです。
そのことはまさしく、当時と現在のアニメファンの嗜好の違いを如実に表すものであったと思います。

■リサ
MZ2018 甲児とさやかの●●●
今回の作品に登場する唯一の新キャラクター。
富士山麓で発掘されたインフィニティの生体コンピューターということで、最初はラインX1のエピソードにおけるローレライのようなものかと思ったのですが全然違ってました。
やはり『マジンガー』に思い入れの無い脚本家からそういう物語は生まれなかったみたいです。
その正体は甲児とさやかの未来の●●●ということらしいのですが、その辺の設定も伏線もまるで描けていないためにせっかくの感動ポイントも???なまま過ぎ去ってしまいました。
残念!。

■剣鉄矢と剣(旧姓:炎)ジュン
MZ2018 グレートマジンガー
実は私、TVアニメ版『グレート・マジンガー』はほとんど見ておりませんでした。
劇場版『マジンガーZ対暗黒大将軍』のZの敗北がショックすぎたことと、「冒険王」誌に連載されていた桜多吾作先生のマンガ版『グレートマジンガー』『グレンダイザー』があまりにも面白かったためです。
(この当時の私は、『ゲッターロボ』もTVアニメより石川賢先生のマンガ版のほうに夢中になっていました。)

MZ2018 実に東映動画的なイメージシーン
で、その桜多先生のマンガでは鉄矢は最後に死んでしまうのですよ。
だから10年後のこの世界に鉄矢が生きていて、グレート・マジンガーを駆って大活躍している姿というのは私にはとても奇異なもの感じておりました。
しかも、ジュンと結婚してもうすぐパパになるという鉄也のリア充ぶりに私の脳みそは追いつくことが出来ずじまいでした。

MZ2018 身重のジュン
でも、ジュンは良かったですね。
身重の身体を押してビューナスAに乗ろうとするも、「お腹がつかえてペダルが踏めない」と涙する彼女に思わずグッときました。
さやかとの女同士の関係も見ていて心地よく、TVアニメ版『グレート・マジンガー』を見ていなかったことを少しだけ後悔しておりました。

■ボスと愉快な仲間たち
MZ2018 ボスと子分たち
今回の映画で最高だったのがこいつらでした。
「何があろうと俺は、お前のやることを信じてるぜ。」
今どきこんなセリフを本気で聞けるとは思いもしませんでした(笑)。

あとボス・ラーメンの作画が異様に気合が入っていて凄く美味しそうだったのですよ。
この映画の帰りにラーメン屋に立ち寄ったことは言うまでもありません。

■光子力研究所の皆さん
MZ2018 弓教授(現:総理大臣)ゲンドウさん?
光子力研究所を娘に譲り、自らは政治家に転身した弓教授。
そりゃあ、ドクターヘルやミケーネの侵略攻撃を退けた第一人者ですから選挙に出れば当選だって楽勝でしょう。
現に初当選から10年も経たないうちに日本の総理大臣にまで登り詰めておりました。
映画では政治の世界と気丈な愛娘との板挟みに苦悩するあまり、ポーズが碇ゲンドウ状態になることもしばしばのようです。

MZ2018 三博士
のっそり博士、せわし博士、お元気そうで何よりです!。
そして、もりもり博士の遺影からはスタッフの”マジンガー愛”がビシビシ伝わってきました。
旧作でいつもコンピューターのデータシートを読み上げていた所員さんがそのままの風貌で登場していたのにも感激です。
(声がキートン山田さんだったら完璧でした)

■ドクター・ヘルと手下たち
MZ2018 ドクター・ヘル
今さら全く新しい敵に出て来てもらっても困るのは確かなんですが、せめてこの連中が蘇ってきた経緯くらいは見せて欲しかったと思います。
本作品は単体上映作品でありながらも上映時間が92分と短めなことと、序盤のストーリー展開がかなり駆け足な印象であることから、ブルーレイやDVD発売時には「ディレクターズ・カット版」を出してくる可能性が高い気がします。
その時にはドクターヘル一味の復活シーンが描かれるのでしょうかね?。

MZ2018 あしゅら男爵 MZ2018 ブロッケン伯爵
駆け足展開のためか、アシュラ男爵男女のシンクロ話芸がゆっくり楽しめなかったのは残念。
せっかく宮迫博之さんを起用したのに勿体無いなあ。
ブロッケン伯爵の声優さんは『クレヨンしんちゃん』のとーちゃんの人だったと思いますが全然違和感が無かったですね。

MZ2018 主題歌
なんか『マジンガーZ INFINITY』なんて気取ったタイトルじゃなくて
『マジンガーZ対地獄大元帥』でも良かったんじゃないかと思いますね。
だってこの映画、ぶっちゃけ2018年版「東映まんがまつり」なんですから!。


昨日からずっと「そっらに、そびえるっ、くろがねのしろぉ~」と脳内リフレインが止まりません(笑)。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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