週刊映画鑑賞記(2018.3/5~2018.3/11)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
3/5(月)
この日は朝から昼過ぎまでずっとこの番組を見ていました。
『独占生中継!第90回アカデミー賞授賞式』
(リビング37型液晶テレビ:WOWOW生放送)

この日が休みでラッキーでした。
今年のアカデミー賞授賞式だけはなんとかしてリアルタイムで見たかったのです。
各賞の行方ももちろん気になりますが、昨年の誤発表トラブルをどう扱っているかが楽しみでした(笑)。
さすがはアメリカ、攻めてましたね~。

司会者はあのトラブルをジョークのネタにしていましたし、プレゼンターが昨年と同じ『俺たちに明日はない』コンビだったのも日本では考えにくいことです。
同時通訳のたどたどしさには閉口したものの、それでもあの感激の瞬間をリアルタイムで見られたのは大きかったです。
毎週月曜日はメンズ・デーということで、午後からは映画館へ・・・といきたいところでしたが、この日の私には大事な大事な用事がありました。
確定申告です。

毎年この時期は大量の領収書やレシートと格闘したり「●●の納税証明書はどこへ行ったぁ~?」と家探ししたりと大変なのです。
しかし、今年は2月のあの大雪のせいで家にいる時間が多かった(仕事が減った)ことで暇つぶしに伝票計算はほとんど済ませていたのでかなり楽でした。
平日はなかなか税務署に持っていく時間が取れなくて結局この日になってしまいましたが、年に一度の申告期間なのですから税務署も土日に開けてくれればいいのに、と思ってしまいます。
今はネットで申告することも可能ですが、やはりお金が関わることですので係員に直接見てもらうほうが安心出来るのです。
3/7(水)
『宇宙戦艦ヤマト2202 第4章 天命編』🈠
(ホームシアター:レンタルDVD)

テレサ・・・文明発達の極致として肉体を捨てて精神体となったテレザート人の集合知→『伝説巨神イデオン』のイデ。
ガトランティス・・・古代アケーリアス文明が遺した、悪しき道へ進んだ人類を抹殺するための破壊装置→『無敵超人ザンボット3』のガイゾック。
ズォーダー・・・ガトランティスを構成する人造人間たちのリーダー→『無敵超人ザンボット3』のブッチャー。
人間爆弾・・・これも『無敵超人ザンボット3』そのまんま。
脚本の福井晴敏氏は『ヤマト』に往年の富野作品を持ち込んで一体何がしたいんでしょうか?。
しかもパクリ元が『ザンボット3』と『イデオン』って、どちらも最後は・・・。
前作『2199』でリファインされたキャラの魅力もオリジナルキャラも皆どこへ消えたのやら。
かつて『亡国のイージス』が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の丸パクリだと分かった時、「楽な商売してるな~」と嘲笑ったものですが彼はあの時から何ひとつ変わっていませんね(笑)。
ところで、この基本設定の元ネタにはもう一つ思い当たるものがあります。
石津嵐さんによる小説『宇宙戦艦ヤマト』のガミラスの設定が確かこんな内容でした。

イスカンダルは既に絶滅した高度文明を持つ惑星で、スターシャはそのマスターコンピューター。
ガミラスはイスカンダルを守護するために作られた人造人間集団で、近い将来地球人類が宇宙に害を成すと見做して攻撃を開始。
スターシャはそのガミラスの行動を止めることが出来ないため、地球にメッセージを送ってヤマトをイスカンダル(ガミラス)に来させて自らを破壊させるよう仕向けていた。
あと凄かったのが島大介で、雪に振られて宇宙空間に身投げしたところを敵にサイボーグ化されて送り込まれてきて、破壊工作はするわ、それに気付いた真田さんを殺すわ、乗組員を大量毒殺するわ・・・。
石津版『宇宙戦艦ヤマト』は1975年刊行で『無敵超人ザンボット3』よりも先だったわけですが、この両者には設定や展開に共通点が多くみられます。
いずれにせよ『宇宙戦艦2202』の各設定が福井晴敏センセイのオリジナルでないことは確かです。
なんだか、お金を払って福井センセイと羽原カントクの『さらば宇宙戦艦ヤマト』ごっこに付き合わされてるだけのような気がします。
前作『2199』は全7章+劇場版2本(総集編とオリジナル)全部を劇場(MOVIX京都)まで観に行ったくらい好きだったのに残念です。
3/9(金)
『ゼイラム』
(ホームシアター:NETFLIX)

NETFLIXを立ち上げて『オクジャ』を観ようと探していたところ、いきなりこの懐かしい低予算特撮映画と再会です。
なんだか運命のようなものを感じて鑑賞作品を変更することにしました。
この無軌道さ・いい加減さがネット配信の良さであり、尚且つ私らしさでもあるのでしょう(笑)。
見えないシールドに囲まれた無人の街がちゃんと異世界に見えるから不思議です。
深夜に人気の無い場所で撮影しているだけですが、『必殺』みたいな逆光とスモーク演出と俳優さん(特に螢雪次朗さん)の演技力だけで世界観を構築しているのが見事です。
予算が3千万円程度ということで手作り感満載の映画ではありますが、そこを特撮好きのスタッフたちの愛と技量で安普請とは感じさせません。
ゼイラムの攻撃をイリアが弾き飛ばし、その跳弾が後方の塔を破壊するシーンのタイミングは鳥肌が立つほど見事なものでした。
イリアの鉄面皮ぶりも森山裕子さんの演技力不足をカバーするためだったとは思いますが、それもラストの笑顔を思えばオールOKです。
1と2がセットになったブルーレイBOXを買おうかどうしようかウジウジ悩んできた私ですが、月額950円でこうしてHD画質の『ゼイラム』を楽しめるのなら十分かも知れません。
でも、NETFLIX内をもっと探してみたのですが続編『ゼイラム2』も『タオの月』も『仮面ライダーZO』も『ハカイダー』も無いんですよね。
う~む、ちょっと残念。
3/10(土)
『ドラえもん のび太の恐竜』
(ホームシアター:WOWOW録画)

今月からWOWOWで「一挙放送だよ!史上最大の映画ドラえもんまつり」が始まりました。
私は長い間これを待っていたのです。
昨年はラヴクラフトの『狂気の山脈』を下敷きにした『のび太の南極カチコチ大冒険』がどうしても観たくて、このいい歳したおっさんが一人でドラえもん映画を観に行ったのですが、その肩身の狭さと言ったらもう半端無かったですね(笑)。
ホームシアターならそんな気苦労もなくゆっくり思い出と感動に浸れます。
映画版『ドラえもん』はレンタルでDVDしか扱われていないため、こうしてフルHD画質で楽しめるのもありがたいです。
37作品全部を観る余裕があるとも思えませんが、故・藤子F不二雄先生が自らストーリーを作られた初期8作品とそのリメイク版、そして昨年の『南極カチコチ大冒険』だけは押さえておきたいと思います。
原作の『ドラえもん』は、小学生の頃祖母が毎月買ってくれた小学館の学習雑誌「小学○年生」を6年間(妹の3歳年下分も含めると+3年)ずっと読んでいました。
あの「さようならドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」の連作をリアルタイムで読んだ世代の一人です。
幼いころから『ドラえもん』に親しんだおかげで、タイムパラドックスやパラレルワールドといった難解なはずのSFも即座に理解することが出来る柔軟な頭に育ちました。
実は私、この『のび太の恐竜』は公開当時に劇場で観ております。
しかも高校入試を突破して間もない最初の春休みに(笑)。
本来のお目当ては同時上映の『モスラ対ゴジラ(再編集版)』のほうでしたが、内心馬鹿にしていた『ドラえもん』が予想を遥かに上回る面白さだったため結局最後まで手に汗握って観てしまいました。
WOWOWで5月まで毎週4本づつ放送される映画『ドラえもん』。
お次は順番通り『のび太の宇宙開拓史』を見ましょうかね。
ロップル君たちとの別れのシーンは今見ても泣ける自信があります。
3/11(日)
『オクジャ』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)

ついさっきまで見ていたのがこちらです。
観終わったばかりでまだ考えがまとまっていませんが、とりあえず見ながら感じたことを箇条書きしておきます。

■風景映像が凄く綺麗
オクジャとミジャが暮らす川や森の映像が非常に綺麗で奥行きがあり、見とれているうちに自然と物語に引き込まれます。
技術的な話をするとビットレートは一般的なブルーレイの7分の1程度でしたが、木の葉の細かな揺らぎも森の空気感もきちんと描写されていました。
そのきめ細かな背景にCGのオクジャが違和感なく存在している点も良かったです。
技術的な問題で鑑賞中に興を削がれるようなことは皆無でした。
■主人公ミジャがパワフル過ぎる
幼い頃からの友達であるオクジャを助けようとする少女ミジャの猪突猛進ぶりが凄いです。
ミランド社のドアガラスを体当たりでぶち破り、オクジャを乗せたトラックを走って追いかけて飛び乗ったり。
山育ちの野生児ということで納得出来ますが、その姿はまるで・・・。

まるでラナを追いかけてファルコに飛び乗るコナンを見ているようでした(笑)。
いや、このお話の構造そのものが『未来少年コナン』や『天空の城ラピュタ』を踏襲していたような気がします。
ミジャ→コナン/パズー
オクジャ→ラナ/シータ
ミランド社長→レプカ/ムスカ
ALF→ダイス船長とバラクーダ号乗組員/ドーラ一家。
それならそれで、最後まで血沸き肉躍る冒険活劇を貫いてくれれば良かったのにと思うのですが・・・。
■この作品のレーティングはどうなっているのか?
実験場でオクジャが受ける仕打ちは、もしオクジャが人間の女の子だったらとても耐えられないほど残酷なものでした。
冒頭の心温まる山の生活シーンからは考えられない顛末です。
もしもシータがムスカや他の男にあんなことされたとしたらパズーは二度と立ち直れなくなってしまうのではないでしょうか。
終盤の屠殺場と精肉工場の描写なども、とても小さな子供には見せられない内容です。
■ミジャとALFの面子以外は生理的に理解し辛い
孫思いの優しいおじいちゃんと思っていたら、案じているのはお金のことばかりだったとか。
結果的にはミジャに味方することになるものの、そのやる気のなさにイライラする運転手とか。
「父は酷い人だった」「姉も・・・」と身内の悪態ばかりをつく女社長。
物語終盤で唐突に姉とラスボス交代しますがこれが同じ女優による一人二役で、ストーリーの必然とは思えずデジタル合成技術を使いたかっただけのような気もして興覚めでした。
韓国映画にはいい作品が多いのですが、お国柄の違いのせいかこうした末端の人物描写が理解に苦しむことが多くて残念です。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。