祝『シェイプ・オブ・ウォーター』アカデミー作品賞受賞
第90回アカデミー賞授賞式は私にとって・・・いや、世界中の特撮映画ファンにとってまさしく大事件でありました。
「こうなって欲しい」と願ってはいたものの、まさかそれが現実のものになろうとは・・・!。

『シェイプ・オブ・ウォーター』
『キングコング』や『ゴジラ』から連綿と受け継がれてきたモンスター映画の一種であるこの作品が、なんとアカデミー作品賞を受賞したのです。
この作品に移民(特にメキシコ人)に対して差別的態度を取り続けるトランプ大統領への皮肉が込められているのは確かです。
もしかしたら、アカデミー会員の現政権への批判票がこの作品に集まったというだけのことだったのかも知れません。
でも、そんなことはもうどうでも良いのです。
町山智浩さんがWOWOWの生番組の中で「これまで馬鹿にされてきた特撮映画もこれからはアカデミー賞で対等に戦える。もう差別されることはない。」と涙ながらに喜びを語っておられました。
私もこの意見に100%賛同します。
昨年、怪獣映画である『シン・ゴジラ』を最優秀作品賞に選出した日本アカデミー賞と同じように、今回の本家アカデミー賞の選択は自らの土壌をより豊かにするための良い選択であったと思います。

監督賞も合わせて受賞されたギレルモ・デル・トロ監督。
本当におめでとうございます。
幼いころから日本の怪獣映画やロボットアニメを観て育ったと公言されていたデル・トロ監督。
しかも、1964年10月生まれの53歳ということで実は私と同い年なのです。
同じ年頃に同じものを観て育ってきた”仲間”の晴れの姿は、まるで我が事のように嬉しいものでした。
こんな気持ちでアカデミー賞授賞式を見たのは初めてです。
ところで・・・。
壇上でスピーチするデル・トロ監督の姿を見ていてふと思ったのですが・・・。

なんだか『シン・ゴジラ』の庵野秀明総監督と樋口真嗣監督を足して2で割ったような風貌ですね(笑)。
やっぱり同じものが好きな人間同士って顔つきも似てくるものなんでしょうか?。
そしてもう一つ、日本の特撮映画ファンにはとても嬉しい一幕がありました。

授賞式の中で昨年逝去された世界の映画人の姿が走馬灯のように流れる追悼コーナーが設けられていました。
その中に、昨年8月に亡くなられた”ミスター・ゴジラ”こと中島春雄さんのお姿があったのです!。
作品賞受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人はCGやアニマトロクスではなく着ぐるみを着た俳優(ダグ・ジョーンズ)が演技をしています。
その先駆者である中島さんへのリスペクトと、同じ技術で作られた『シェイプ・オブ・ウォーター』の受賞が同じ席上で行われているのを見るのはなんだか不思議な気分でもありました。
特撮映画ファンの一人として、改めて『シェイプ・オブ・ウォーター』のオスカー受賞を喜びたいと思います。
私の勝手なお祝い気分にお付き合いいただきありがとうございました。