ワン・ナイト・オブ・京都みなみ会館
今回は、先週土日にオールナイトで参加してきた「超大怪獣大特撮大全集SDX NIGHT ありがとう 京都みなみ会館 スペシャル」のレポートです。
出発から日曜朝に現地を離れるまでを時系列に沿って、出来るだけ詳細かつ馬鹿正直に書き残しておこうと思います。

(この画像は「京都みなみ会館 (@minamikaikan) Twitter」より拝借させていただいております)
この日に至る経緯については以下の過去記事をご参照下さい。
京都みなみ会館を初めて知った時の事を書いた記事
>『マンハント』エキストラ参加記録~君はあの青い空に溶け込むことができるんだ~ (2018/2/27)
チケット購入時の記事
>「超大怪獣大特撮大全集SDX NIGHT ありがとう 京都みなみ会館 スペシャル」に参加決定(2018/2/23)
出発前夜のソワソワなど
>明日は古都でオールナイト!(2018/3/16)
【福井から京都へ】

3月17日(土)の福井は朝から快晴です。
せっかくなので、少し早め(7時半頃)に家を出て久しぶりに海岸線ドライブを楽しみながら行くことにしました。
国道8号線を南下し、河野桜橋総合運動公園から305号線へと入って敦賀まで「しおかぜライン」を走ります。
好きな音楽やラジオなど聞きながら時々窓を開けて潮風に当たる・・・こんな気持ちのいいドライブは久し振りです。

敦賀からは161号線に入り、琵琶湖を左に眺めながら滋賀県湖西部を走ります。
琵琶湖と言えばまずこの風景ですね。
白髭神社で車を止めて、大勢の観光客に混じって写真を撮ったりなんかしてみました。

161号線(バイパス線)を皇子山ランプで降り大津京駅に向かいます。
駅周辺の安い駐車場(一日料金500円)に車を置いて駅前のお蕎麦屋さんで昼食を取り、薬局で眠気覚ましのドリンク剤「激強打破」を買い込みました。
そして再び車内に戻り、夕方までしばしの仮眠を取ります。
なにしろ明朝まで完全徹夜で映画3本とトークイベントを楽しみ尽くし、その後再び車を運転して福井に帰るという無茶な計画です。
今のうちに寝ておかないと来た意味が無くなってしまう虞があります。

夜9時過ぎ、JRで大津京から京都へ移動。
夕食は駅ホームの立ち食いうどんで軽く済ませ、コンビニでお茶と夜食のおにぎりを買い込んで徒歩で京都みなみ会館に向かいます。

到着したのは10時過ぎだったと思いますが、このように続々と人が集まって来ています。
まだ前のプログラムの途中だったらしく、表の張り紙には「怪獣ナイトの方は1階でお待ち下さい」という張り紙がありました。
実はこれ、裏口から入って建物内部の一階(旧パチンコ屋部分)に入って待てとの事だったようですが、私を含めて初めて参加する者にはそれが分からずしばらくの間入り口階段で寒さに震えながらぼーっと待っておりました。

ショーケース内に張り出された当日出し物の数々。
来館するゲストのお名前が2枚張り出されていました・・・あれ?。

中野昭慶特技監督のお名前がどこにもありません。
樋口真嗣監督の隣に張り出されているのは、前のプログラムで来館中のミュージシャンの名前です。
残念ながら、中野監督は体調不良のため参加を見合わせることになったのだそうです。

裏口から建物内に案内されて、スマホに表示したPeatix画面を見せて整理券を受け取りました。
正規の客席チケットは発売開始後わずか4時間で完売だったそうで、なるほど私が買えなかったのも頷けます。
私は補助席Peatixの15番。
全参加者の中で一番最後の番号になりますが、これを確保出来ただけでも幸運でした。

劇場窓口でチケットを買った人から優先的に入場案内が始まり、私も一番最後に中に入ることが出来ました。
両脇の通路には小さな折りたたみ椅子が並べられており、その中から自由に選んでよいとのことです。
他の皆さんは遠慮してるのか後方の席に集中していましたが、私はいつも中央より前寄りの席を好むため下手側に並べられた椅子の一番前に座りました。
(パンフレットやリュックサックが置いてある椅子です)

椅子の写真を撮り忘れてしまいましたが、普通のパイプ椅子より一回り小さい直径30センチくらいの椅子でした。
硬いうえに、そのまま座ると私のお尻だと肉がはみ出てしまって長時間座り続けると苦痛を伴うことになりそうな椅子です。
幸い私は、これまで何度かこのイベントに参加しているしろくろShowさんから「補助席なら座布団を持っていくと良い」というアドバイスを頂いておりました。
実際に座布団を敷いて座ったところ、お尻の問題は解消することが出来ました。
後になって劇場側から四角くて分厚い硬めのクッションが配布されましたが、あれをお尻の下に敷くとバランスが悪すぎて余計疲れてしまいます。
しろくろShowさん、ありがとうございました!。
本当に助かりました。

かねてから「可愛い」と聞き及んでいた吉田館長と、企画会社キャストの藤村さんによるオープニングトークでいよいよイベントの開始です。
お二人は「今回の閉館はあくまでも一時的なもので、必ず近いうちに新・京都みなみ会館を再開する」と力強く宣言しておられました。
吉田館長は噂に違わぬ美人さんでした。
なるほど、怪獣ファン・・・だけじゃなくてあらゆる映画ファンが足繫くこの劇場に集う気持ちが分かった気がします(笑)。
帰宅後、彼女の写真をちゃんと撮っていなかったことに気が付いてしまいました。
なんという不覚!。
この事は、来たるべき新・京都みなみ会館オープンの時までの宿題にしておきましょう。
【トークショー】

そして、待ちに待った樋口真嗣監督のご登壇です。
超満員の客席に少し驚いた様子の監督は、最初の挨拶で少ししどろもどろになっていた様子でした。
その時、外からけたたましい消防車のサイレンが鳴り響いてきました。
かなりの大火事が近所で起こっていたのでしょう。
入り口ドアは閉めてあるはずなのに館内でもはっきりと聞こえ、その数も次から次へと増える一方です。
「さっきからサイレンが鳴って・・・火事、怖いなあ」と監督は話をはぐらかそうとします。
そこに聞き手の木原さんが「『ガメラ3』で京都を火の海にしたのは誰や!?」と突っ込んだところからこの爆笑トークイベントが走り出しました。
事前注意として「トークの内容は絶対に非公開」と言われていたため詳しく書けないのが残念でなりません。
樋口監督は、自分が中野監督にどうしても頭が上がらない理由を披露してくれたのですが、その面白いことといったらなかったです。
我々観客の熱いリアクションも手伝って、監督も話が止まらなくなったり脱線したりで最後まで笑いが絶えることがありませんでした。
時間は大幅にオーバーしたものの初めて聞いた話もいっぱいあって、このトークイベントだけでも十分元が取れた気がしました。

ちなみに監督が胸に付けている缶バッジは、入場時にパンフレット類と一緒にもらったこれと同じものです。
これも中野監督に頭が上がらない理由の一つだったそうですが、決まりのため書くことが出来ません。
残念!。
【樋口監督サイン会】

続いて樋口監督のサイン会に移ります。
順番は入場した時と同じチケットの優先順位に沿ったもので、並んだ通路でブロマイドを購入せよ、とのアナウンスが。
「え?金取るの?」と思いましたが、これは樋口監督にお声かけさせていただく唯一のチャンスなのです。
2千円を用意して自分の番を待つことにしました。
不安だったのは私の順番が一番最後だということです。
アナウンスで「ブロマイドが無くなり次第サイン会を締め切ります」と言っていたので、私まで回って来ない可能性もあるのです。
しかし、キャストの藤村さんの計らいで予備のブロマイドを用意してくれたおかげで私も無事サイン会に参加することが出来ました。

監督にブロマイドを差し出しながら、短くお声かけさせていただきました。
トガジン「僕、『シン・ゴジラ』のエキストラに行かせていただきました。」
すると監督は顔を上げ、私の顔を真っすぐ見て聞き返してくれたのです!。
樋口監督「おっ? どこでですか?」
トガジン「有明(防災センター)です。」
樋口監督「ああ~、どうもありがとうございました!」
トガジン「もう、目茶目茶楽しかったです!」
樋口監督「では、特別に・・・」
そう言うと、監督はサインを書き終えたブロマイドをまるで卒業証書を渡す校長先生のようにうやうやしく両手で手渡してくれたのです。
そして私も、思わず卒業生のように両手で受け取ったのでした。
トガジン「恐縮です!、ありがとうございます!。」
それだけ言うのがやっとでした。
でも、私の大好きな映画を作ってくれた人に、自分自身の口で感謝の気持ちを伝えることが出来たのです。
ゴジラファン、怪獣映画ファンとして最高の一瞬でありました!。

その後の記念撮影では、私も(補助席の分際でありながら)樋口監督の後方に満面の笑顔で写っております(笑)。
この時の写真は「京都みなみ会館」と「特撮大百科の株式会社キャスト」のツイッター(3月18日付)で見ることが出来ます。
【上映開始】
そしていよいよというか、やっとというか(笑)、映画上映の始まりです。
ここまで楽しい時間を過ごしてきましたが、だからといって駄目な映画が良く見えることはあり得ません。
・・・と、実際に3本続けて見るまではそう思っておりました。
『連合艦隊』(昭和56年8月公開作品)

監督:松林宗恵、特技監督:中野昭慶。
上映時間145分。
昔レンタルビデオで見たことはありましたが、劇場のスクリーンで鑑賞するのは今回が初めてです。
それも30年以上前のことですから細かな内容は全くと言ってよいほど記憶に残っておりません。
ただ、見覚えがあるシーンはいくつかありました。
特攻隊の少年兵が整備班に挨拶に行くシーン。
その少年兵が辛うじて発艦に成功し、整備班員たちが大喜びするシーン。
そして「お母さーん」と叫びながらその子が敵に突っ込んでいくシーン。
日本の戦争映画は最後は必ず「敗戦」に繋がるわけですから、途中どんなに血沸き肉躍る戦闘シーンがあったとしても結局最後は死あるのみ。
そこに映画的カタルシスを求めようとするなら、もう特攻賛美しか残されていません。
昭和56年(1981年)というと、戦争が終わってまだ36年しか経っていません。
生き残った兵隊さんたちも終戦時に20歳だったとするとまだ56歳。
戦争で息子さんを亡くした親御さんにしても80歳くらいで、まだお元気な方が大勢いらっしゃた頃の映画です。
それに加えて、松林宗恵監督はご自身も元海軍士官だった方です。
主題歌「群青」の歌詞を見れば明らかなように映画『連合艦隊』のメインターゲットはこういった「戦争を知る世代の人たち」に限定されているわけで、今の私たちがこれを観て感動することはまず不可能です。
父親(演:財津一郎)が乗艦している大和の轟沈を見届けて、「これで親より先に逝く不幸は避けられた」と特攻に向かうパイロット(演:中井貴一)の心情など異常としか思えません。
京都みなみ会館最後の特撮オールナイトイベントの構成が、どうしてよりによって『連合艦隊』から始まるのか?。
次の『84ゴジラ』と同様、理解に苦しみます。
しかし・・・。
今は、この理不尽とも呼べる構成こそが次の『84ゴジラ』の解釈を押し広げる呼び水であったに違いないと思っています。
【休憩時間①】
上映終了後、約15分のトイレ休憩に入りました。
あの救いのない2時間25分もの戦争映画を最後まで鑑賞し抜いた自分を褒めてやりたいです。
しかし、トークショーの時間延長も影響して時刻は既に午前4時を過ぎておりました。
眠気はすでに限界に達し、ついにこの最終兵器を使う時がやってきたようであります。

激強打破!

見て下さい、この強烈な成分表を!。
高麗人参・スッポン・赤マムシ・サソリ・蟻・ニンニク・ウミヘビ・馬の心臓・・・。
普段コーヒー党ということもあって普通の眠眠打破などまるで効かない私ですが、この成分表を見る限り期待できそうです。
空きっ腹で飲むのは避けたかったので、コンビニで買ったおにぎりを食べて一気に飲み干しました。
効き目が出るまではおそらく30分程度。
ゴジラ登場までが我慢のしどころです。
『ゴジラ』(昭和59年12月公開作品)

監督:橋本幸治、特技監督:中野昭慶。
上映時間103分。
正直なところ、真面目に作りすぎて怪獣映画としてのカタルシスに欠けるこの『84ゴジラ』を、私は今まで一度も「面白い」と感じたことがありません。
「いっそ『連合艦隊』の艦隊戦シーンとこのゴジラをごちゃ混ぜに編集して、大和の46センチ主砲でゴジラを攻撃するMAD映像でも作ったらどうだろう・・・」
そんな不謹慎なことも考えていたのです。
しかしその時、ふとゴジラに関する”あの説”を思い出しました。
「ゴジラには太平洋戦争戦没者の魂が乗り移っている」という「ゴジラ英霊説」です。
そういえば『連合艦隊』で軍人の兄:本郷英一が弟:眞二に「お前は生きて日本の将来の役に立て」と言い残すシーンがありました。
結果的にはその弟も死んでしまいますが、彼の忘れ形見である息子は昭和59年には36歳の働き盛りになっているはずなのです。
そんな息子たち世代が築いた昭和59年の日本に、英霊となった父や伯父が異形のものとなって訪れたのが『84ゴジラ』だとも考えられます。
そして、ゴジラの断末魔を聞いて涙を流していた三田村総理は、年齢的に太平洋戦争で散った兵隊たちと同世代ではなかったかとも思うのです。
うむ!。
この夜、私は初めて『84ゴジラ』という作品を理解出来たような気がします。
『連合艦隊』に続いて『ゴジラ』を観るとこんな化学反応が起きるのだな、というのが今回の新たな発見でありました。
ただし、どんなに見方を変えようとも武田鉄矢の鬱陶しさだけは変わりませんが(笑)。

ところが、映画が始まってから75分目あたりで上映画面がとんでもないことになりました。
突然画面が逆さになり、しかも牧と尚子が崩れかけのビルから脱出しようとするシーンに飛んで、しかもそこからなんと逆転再生になってしまったのです。
ご丁寧に、音声もギュルギュルと逆転状態で聞こえておりました。
どうやらこの部分のリールが逆巻きになった状態で納品されていたようです。
激強打破に頼らずとも眠気が吹っ飛んでしまいましたね(笑)。
途中でフィルムが切れるトラブルは昔何度か遭遇したことがありましたが、天地も時間軸も逆転した上映を見たのは生まれて初めてです(笑)。
2~3分はそのまま上映が続いていましたが、おもむろに上映が中断されると何故か拍手が沸き起こって場内は笑いや口笛で大騒ぎとなりました。
木原さんと藤原さんが前に出てきて、状況説明とリール修正の時間稼ぎのために延々30分ほど漫才トークを披露しておりました。
いやあ、お二人とも見上げたショーマン・シップです。
その後なんとかフィルムの修繕が終わり上映再開しましたが、実に得難い体験をさせていただきました(笑)。
【休憩時間②】
『84ゴジラ』を観終わってロビーに出ると、窓の外はもうすっかり明るくなっておりました。
しかし、逆転上映事件と激強打破の相乗効果で眠気は全く感じていません。

トイレに続く廊下には、これまでこの劇場で上映されてきた全てのプログラムが壁一面に張り出されておりました。
私は今回が初めての訪問だったので普段からこういうディスプレイをしているものと思っていましたが、聞けば吉田館長がこの日のために一枚一枚手作業で飾り付けをしたのだそうです。
可愛いうえに素敵過ぎます!、吉田館長。
廊下の奥にはトイレがありましたが、休憩に入った直後はズラリと行列が入り口付近まで伸びていて、15分で全員用を足せるのか?と変な心配をしてしまうほどです。
吉田館長をはじめ女性スタッフの方が、「女性用を使っていただいて結構です」と言ってはくれましたが、男にとっての「聖域」に足を踏み入れる度胸は私にはありませんでした。

下手側のドアには、こんな見事なゴジラと三式機龍のイラストが描かれていました。
正面ドアにはこれまでこの劇場に関わった大勢の方々のサインがびっしり書き込まれていて、樋口真嗣監督もこの日ドアの取っ手部分にサインして帰られたそうです。
『シン・ゴジラ』(平成28年7月公開作品)

総監督:庵野秀明、監督:樋口真嗣。
上映時間120分。
『シン・ゴジラ』が始まってすぐ、隣に座っていた観客の一人がそそくさと会場を出て行きました。
時間が大幅に押しているため、帰りの電車やバスの時間が決まっている人は出なくてはならなくなったようです。
おかげで私は、その空いた通常シートに座って観ることが出来ました。
京都みなみ会館のシートは非常に柔らかくて身体が深く沈み込む座り心地の良い椅子でした。
激強打破を飲んでいなければ速攻で眠ってしまったかも知れません。
映画が始まって約2分後、私も映っている防災センターの場面になりました。
いつもならここは一人でニンマリしながら見ているだけだったのですが、今回だけは違っていました。
私はこの時、大勢のお仲間の前で「見てくれ、あの画面真ん中で電話しているのは俺だ!」とスクリーンを指さして叫び出したい衝動に駆られていたのです。
これも激強打破で興奮状態になっていたせいかも知れません(笑)。
東日本大震災と福島原発事故をモチーフとして、初代『ゴジラ』(昭和29年)を現代にリファインして見せてくれた『シン・ゴジラ』。
いつまでも怪獣プロレスから離れようとしない平成ゴジラに不満を抱いていた私が、ようやく心の底から満足し得た日本の特撮怪獣映画の最高峰です。
ただし、クライマックスのヤシオリ作戦シーンで宇宙大戦争マーチが盛大に鳴り響くことだけはずっと不満に思っていました。
それまでのオリジナリティ溢れる映画が、伊福部マーチが流れることで単なるファン・ムービーになってしまったような気がしていたのです。
しかし、今回は『連合艦隊』『84ゴジラ』から続けて『シン・ゴジラ』を見たためこの部分がまるで違って見えて(聞こえて)きました。
ターゲットとする客層が戦争体験者に限定されている『連合艦隊』。
真面目に初代をリスペクトしようとするあまり、どこかにカタルシスを置き去りにしてしまった『84ゴジラ』。
そして、会議シーンがやたらと多く自衛隊の攻撃一つするにも様々な段取りを必要とするカッチリとした描写の『シン・ゴジラ』前半。
しかし、ヤシオリ作戦発動シーンから「はい、めんどくさい話はここまで。ここからは人の英知とゴジラとの戦いを楽しんでちょうだい!」とばかり、ガラリとトーンが変わります。
『連合艦隊』の辛気臭さを吹き飛ばし、『84ゴジラ』では最後まで得られなかったカタルシスがここにあります。
この三本の特撮映画を続けてみた場合、この伊福部マーチが映画3本分のクライマックスを一手に引き受けているかのようです。
この時、ふと思い出した光景がありました。
昨年夏初めて『シン・ゴジラ』を見せた親戚の子供たちのリアクションです。
>『シン・ゴジラ』と子どもたち―我が家のプチ絶叫上映会ー (2017/8/17)
彼らは観終わったあとも「タタタタタ―ンタンタンタンタタタタタンタタタンタンタン」とあのメロディを口ずさんでいたのです。
子供たちは私なんかより遥かに素直に『シン・ゴジラ』の真価を受け止めていたのですね。
また、今回のラインナップにはもう一つ別の視点もありました。
実は樋口監督の半生を表現していたのです。
中学時代に初めて現場を見学した『連合艦隊』。
見習いスタッフとして初めて参加した『84ゴジラ』
そして自ら監督として映像作りに関わった『シン・ゴジラ』
なるほど、言われてみれば今回の上映作品3本は樋口真嗣監督ヒストリーにもなっています。
まったく、考えれば考えるほどよく出来たプログラムでした。

『シン・ゴジラ』の上映が終わり、木原さんの音頭で一本締めをして解散となりました。
ロビーには別れを惜しむかのようにウロウロしている常連さんや、グッズを買いあさる人達でごったがえしています。
そんな中、私も名残惜しさを押し隠してスタッフさんの見送りを受けて建物を出ました。
一つ心残りだったのは、常連さんたちの輪の中に入り込めなかったことです。
長年この劇場を支えてきた皆さんに対し、今回初参加だった私は心のどこかで遠慮をしていた気がします。
もっと沢山のお仲間に声をかけて、もっと馬鹿になって楽しめば良かった。
いつか新・京都みなみ会館がオープンした暁には、もっと可能な限り足を運びたいと思っております

本当に色々なことがあった一夜でありました。
最初に京都みなみ会館を教えてくれたKさん。
補助席でも快適に楽しむためのアドバイスを下さったしろくろShowさん。
10時間の長丁場を最後まで飽きさせず楽しませてくれた木原さん。
サイン会に全員参加出来るよう取り計らってくれた藤村さん。
末端のエキストラ参加者に対して笑顔で「ありがとう」と言ってくれた樋口監督。
噂以上に可愛かった吉田館長。
そして、最高に乗りが良かった全ての参加者の皆さん。
いつか新・京都みなみ会館でお会いできることを楽しみにしております。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。