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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2018.3/26~2014.4/1) 『ちはやふる―結び―』『ガルム・ウォーズ』

トガジンです。
例年通り、今年も春の繁忙期に突入してしまいました。
3月末からゴールデン・ウィークが終わるまでは、連日ほとんど休み無く仕事の予定で埋まっています。
フリーランスの身の上としてはそれはとても有難いことなので文句を言ったりしたらバチが当たってしまいますけどね。
でも、仕事一辺倒で好きな映画の一本も観られないのでは気持ちが渇いていけません。

3/26(月)
ちはやふる-結び-』🈠
(劇場:テアトルサンク)
『ちはやふる-結び-』poster
これまで何度も書いている事ですが、私はこの『ちはやふる-結び-』にエキストラとして参加させていただいております。
昨年5月31日から6月2日までの3日間、そして6月12日の合計4日間.
滋賀県大津市の近江神宮境内にある近江勧学館において、それぞれ競技かるたの試合の観客役とTVカメラマン役をやらせていただきました。
本当なら初日一番で観に行きたかったところですが、公開日の3月17日は「京都みなみ会館特撮オールナイト」の当日だったためその日は一夜限りのイベントを優先することにしました。
そのままズルズルと先延ばしにしてきた作品ですが、ようやく仕事帰りに観るに行くことが出来ました。

劇場入りしてみると、平日だというのにロビーには中高生の集団が大勢たむろしていました。
ああ、そういえばもう春休みなのですね。
彼等の会話を聞いていると、どうやら「かるた」に詳しい様子です。
ちはやふる』には福井かるた協会所属も協力していたそうなので、彼らもどこかのかるたチームの子たちだったのかも知れません。

正直なところ、映画の出来については全くと言っていいほど期待はしていませんでした。
私は、広瀬すずやら土屋太鳳やらいつも同じ顔触れの若手女優たちがやはり顔の見分けがつかない美少年俳優と恋愛ごっこを繰り広げるだけのティーン・エイジャー向け映画には興味が無いのです。
ちはやふる』も一部福井が舞台になっている事とエキストラに関わっていなければ決して観ることはなかったはずの映画でした。

私の興味は「自分の姿がどの程度映っているか?」の一点のみでありました。
その点に関しては近日中に単独記事として書くつもりなのでここでは触れずにおきます。

それよりも、(失礼ながら)この『ちはやふるー結び-』が青春映画として思った以上に良い出来だったことにとても驚いております。

千早 かるた
ただし、これから観ようという方は、前作の『上の句』と『下の句』(二部作)をご覧になったうえで映画館に行くことお薦めします。
『結び』は前2作のヒットを受けて制作が決定したものですが、その内容は決して「付け足し」などではありませんでした。
前作にあった伏線の全てを巧みに回収したうえに、ラストはきっちりと『上の句』ファースト・シーンに帰結するという実に見事な構成になっていました。

太一と新
更に、この三部作を通して観る場合の軸とするべき人物は、千早(広瀬すず)でも新(新田真剣佑)でもなく真島太一(野村周平)であることを申し上げておきたいと思います。
この三部作は主人公:千早の物語としては不完全燃焼の感があるものの、太一の青春ストーリーとして見た場合この上ない傑作であると思っています。


3/28(水)、30(金)
ガルム・ウォーズ
(ホームシアター:WOWOW)
ガルム・ウォーズ
2016年公開の押井守監督作品です。
以前レンタルDVDで観たことはありましたが、その時の印象はあまり芳しいものではありませんでした。
今回WOWOWでハイビジョン放映されるにあたっても、当初は観るつもりも録画するつもりも無かったのです。
しかし、先週観た『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ディレクターズカット』で感じたことが気になっていたことからもう一度観返してみることにしました。

ところがコレが大失敗!

ここまで眠気を誘う映画だったとは思っていませんでした。
セリフは専門用語を羅列するばかりの一方的な状況説明ばかり。
ブリガ、ウルム、バセ、セタ、ボルゾイ、ゼネン、クムタク、コルンバ・・・。
そんなもの、冒頭の解説だけで頭に入るわけがありません。
また、あまりのテンポの悪さに途中で何度かカクンッと意識を失ってしまうことがありました。
川井憲次さんの音楽(だけ)は本当に素晴らしいものでしたが、肝心の映画本編がこの体たらくでは聴き心地が良いだけにかえって睡魔を呼び寄せてしまいます。

幸い(?)この映画は第1章から第3章まで3つのパートに分かれていたので、第3章に差し掛かった時点で一旦鑑賞を中断し後日続きを観ることにしました。
鑑賞日が3/28(水)、30(金)の二日間になっているのはそのせいです。
いくら仕事が続いて疲れが溜まっているとはいえ、こんな事は私には珍しいことです。

『パトレイバー 首都決戦』で気になったこと。
それは押井監督が実写映画を撮る場合、生身の俳優の演技スピードやテンポといったものをコントロールし切れていないのではないか?、ということでした。
ストーリーや映像は支配していても、演技は役者にお任せという印象だったのです。

ガルム・ウォーズ 会話シーン
ガルム・ウォーズ』にも無駄な間が多い退屈な長尺芝居がありました。
例えば、コルンバの女パイロット・カラ(主人公)とブリガの兵士・スケリグが野営中に戦車の上で延々身の上話を語り合うシーン。
カットの切り返しがほとんど無く、2ショット固定映像のまま二人の会話が続きます。
この時スケリグが一言セリフを喋るたびいちいち何か考え込む仕草を見せるためなんともテンポが悪くて仕方ありません。
映像として長時間眺めても飽きないくらい見応えあるものだったらまだ耐えられたかも知れませんが、青のモノトーンに背景は戦車のボディと月夜だけというシンプルで面白みのないものです。
なんだか下手な舞台劇を見ているようでした。

これを見ていると、かつて自分も関わった自主制作映画の撮影現場を思い出してしまいました。
安いギャラ(酷い時は食費と移動費だけの場合も)で無理を言って出てもらっていたり、あるいは演技経験豊富な人の場合には気を悪くされないよう余計な気を使ったりと、監督でありながらも思うようにワガママを通せない環境の方が多かったものでした。
それが通訳を介さねば意思疎通も難しい外国人相手なら尚のことです。
アニメ作品においてなら自分の絵コンテ通りに絵を描かせ気心の知れた声優さんたちの演技に納得いくまでテイクを重ねさせることも出来たはずですが、『ガルム・ウォーズ』でも同じ演出を貫けていたようには思えません。
ガルム・ウォーズ』は英語+字幕版しか観ていないのですが、日本語吹替版だと印象が違うんですかねえ?。

ガルム・ウォーズ 無数のカラ
こんな残念すぎる『ガルム・ウォーズ』。
1996年に企画スタートした当初のメイン・スタッフには、共同原作・脚本に伊藤和典氏、特技監督に樋口真嗣(!)、メカデザインに竹内敦志、前田真宏、そして製作総指揮にジェームズ・キャメロン(!!)と錚々たる顔ぶれが揃っておりました。
96年といえばあのキャメロン監督も押井監督に対して深く敬意を抱いていた時代ですから、押井監督の発言力も相当なものだったと思います。
しかも総製作費60億円とのことでしたから、そのまま作っていたらさぞかし面白い映画になったことでしょうね~。

それが、一体どうしてこんな気の抜けた生ぬるいビールみたいな映画になってしまったのか・・・?。
押井監督や日本映画の行く末のためにも、この点をきちんと考え直してみることが大事ではないでしょうか。
そうでなければ、同じアニメ出身の庵野秀明監督作品『シン・ゴジラ』の成功さえ単なる偶然の産物ということになってしまうと思うのです。


3/31(土)
こちらは今週私が観た作品というわけではないのですが・・・。

『ザ・イリュージョニスト』
ザ・イリュージョニスト ポスター「これが最後の・・・」
今この映画を無性に観たくなっております。

ザ・イリュージョニスト マジシャン
老齢のしがないマジシャンが・・・

ザ・イリュージョニスト 少女とマジシャン
彼の手品を本物の奇跡と信じ込んでしまった少女を幸せにしたいと無理して頑張ってしまうお話です。

で、どうして急に『ザ・イリュージョニスト』なのかと言いますと・・・

こちらこそ!
この作品が、この日(一時)閉館となった京都みなみ会館の最終上映作品だったのです。
(情報源>「関西の映画・映像情報ウェブマガジン キネプレ」)
上映スケジュールにはず~っと「シークレット」としか書かれておらず、どんな作品が上映されるのかは秘密になっていました。
それでも、先々週行われた「超大怪獣大特撮大全集SDX NIGHT」の時点でチケットは完売だったそうです。

このストーリーと京都みなみ会館内部の雰囲気を思うと、吉田館長が最終作品としてこの作品をチョイスした気持ちが分かる気がします。

20180318 京都みなみ会館にて(2)
あの最高に楽しかった一夜からもう2週間も経ってしまったのですね。
ああ~、もう一度あのお祭り騒ぎの中に飛び込みたいなあ・・・。
再開を心待ちにしております。



外に気持ちを向けるとしましょう!。
福井でもぼちぼち桜が花を開き始めております。

0328敦賀の桜・アップ
こちらは28日(水曜日)の敦賀湾に咲く桜です。

0328敦賀の桜
この日の段階ではまだまだ満開とはいかない感じでしたが、ここ数日は晴天が続きましたのでこの週末あたり見頃になっていたかも知れません。
福井市内や私の住む辺りは今週半ばに見頃を迎えるとのことです。

0328敦賀の桜・アオリ
ちなみにこの日の出発時間は午前4時でした。
そりゃ『ガルム・ウォーズ』でなくても眠くもなりますわ(笑)。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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