『パシフィック・リム アップライジング』(IMAX/3D 字幕版)
昨日(19日)は実に32日ぶりの完全休日になりました。
しかも、天気は快晴そのもので絶好のドライブ日和です。
「よし、映画観に行こう!」
「なんでやねん?」と、ツッコむ声が四方八方からサラウンドで聞こえてくるようです。
もちろん福井県内の映画館ではありませんよ(笑)。

ドライブを兼ねて、京都までIMAX/3D版『パシフィック・リム アップライジング』を観に行ったのです。

5年前の前作『パシフィック・リム』は、字幕版と吹替版合わせて10回以上劇場に足を運んだくらい大好きな映画です。
もちろん、ブルーレイも買って何度も観返しています。
そして、『パシフィック・リム』は私のIMAX/3Dと4DXの初体験映画でもありました。
IMAX/3Dは109シネマズ名古屋へ、4DXはオープン直後の中川コロナ(愛知県)へそれぞれ県外遠征をしております。
それはもちろん、嫁や母から冷ややかな視線を浴びながらの出発だったことは言うまでもありません(笑)。
今回急いでIMAX鑑賞を決めたのにはもう一つ理由がありました。
翌日(つまり今日)からスピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』が公開となるため、IMAX上映もそちらに切り替わってしまう可能性が高いのです。
来週・再来週の予定は全日すでに仕事で埋まっているため、この日を逃すと『パシフィック・リム:アップライジング』をIMAXで楽しむ機会は永遠に失われてしまうかも知れません。
【TOHOシネマズ二条】

本当は大阪のエキスポ・シティに行きたかったのですが、あちらは中心部の良い席がすでに売り切れてしまっていました。
そこで、今回は少し立ち寄って行きたい場所もあったことから京都のTOHOシネマズ二条にしました。

現在のところ、ここが私の家(福井県)から最も近いIMAX劇場ということになります(笑)。
ここでIMAX上映を観るのは『シン・ゴジラ』(2016年8月)『君の名は。』(2017年1月)に続いて3回目ですが、3D作品を観るのは今回が初めてです。

購入したのは16時50分開映の回です。
C-18番はスクリーンに対してセンターライン上のやや前寄りの席になります。
翌日(つまり今日)の仕事が早朝開始だったので本当はもっと早い時間に行きたかったのですが、『パシフィック・リム:アップライジング』のIMAX上映はこの時間からしかありません。
ちなみに大阪の109シネマ:エキスポ・シティでも似たような状況でした。
公開からまだ一週間しか経っていないというのにこの扱いの悪さは一体どうしたことでしょう?。
客入り悪いんですかねえ。

こちらがTOHOシネマズIMAX専用の3D偏光メガネです。
一般的な3D映画のメガネは3D機能付き液晶テレビでも使える共用タイプですが、ここのIMAX用メガネは同じ偏光方式でも仕組みが違うようです。
次にTOHOシネマズで3D映画を観るときはこのメガネを忘れないようにしましょう。
【乗れない理由】

こうして無事IMAXで鑑賞した『パシフィック・リム:アップライジング』。
視野一杯に広がる鮮明な映像はやはり圧巻でした。

しかし、何か物足りません。
怪獣と巨大ロボットが大好物の私としてはとても面白かったものの、どうしても前作みたいに血沸き肉躍らないのです。
帰路につくおよそ3時間、運転しながらずっとその原因を考えていたところ、前作にあった2つの重要な要素が欠けていたことに気が付きました。
それは、「パイロットの搭乗シーン」と、そのシーンで流れていたあの「超絶カッコいいテーマ曲」です。

前作『パシフィック・リム』で私が一発で魅入られてしまったあのアバン・タイトル。
パイロットのベケット兄弟が専用スーツに身を包み、コックピットである頭部に乗り込んで本体にドッキング。
管制官のテンドーと軽口を叩きながら神経接続”ドリフト”を実行、そして嵐の海へと出撃して行く。
今回の『アップライジング』では、あの重量感と高揚感を構築していった「手順」が省かれてしまっているのです。
理論上どんなに効率が悪かろうと、こういった「お約束」はちゃんと守っていただかないと日本人としては気持ちが乗ってきません。

例えるならば、本シリーズの原典と呼ぶべき『マジンガーZ』。
兜甲児がパイルダーに乗り込み、『十戒』や『大魔神怒る』の如く割れたプールからせり上がってくる本体とドッキングして見せて初めてマジンガーZたり得ます。
そして、そこに流れるBGMは渡辺宙明先生の曲であらねばなりません。
声優さんの変更やCGによるロボット描写など何かと批判が多かった『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』が、それでもちゃんと『マジンガーZ』の続編として受け入れることが出来たのはこうした「お約束」をきちんと守っていたからです。

映画の前半には怪獣は現れません。
代わりに、ヤプールみたいな敵の異次元人に操られた無人イェーガーが人類を襲います。
この辺りのイメージがまるで『新世紀エヴァンゲリオン』だったり『機動警察パトレイバー 劇場版』だったりと、既視感が半端無かったです。
リスペクトやオマージュはいいのですが、前作のように消化し切れていない印象であまりにも分かり易すぎです。
【色分け希望】

残念なのは若い訓練生たちの個性の描き分けが不十分だったことです。
終盤は4体のイェーガーによるチーム戦という美味しいシチュエーションであったにも関わらず、誰がどのイェーガーに乗っているのかよく分からないまま戦闘シーンに付き合わされた気がしました。
実は私、あの中でただ一人戦死した少年兵が誰だったのか分からないままでしたし、『ちはやふる』にも出演していた新田真剣佑もどれに乗っているのか判別出来ていませんでした。
せめて各々のイェーガーに準じた色やデザインのパイロットスーツを着せてくれれば、終盤の大ピンチも逆転劇ももっと楽しめたはずだと思っています。
【別嬪さんは正義である】

もう一つ気になったのは、あからさまな中国ヨイショです。
もっとも、レジェンダリー・ピクチャーズ社は一昨年中国企業に買収されていますので、今更文句を言っても始まらないのですがね。
まあ、そのおかげで『グレート・ウォール』に引き続きジン・ティエンさんの美顔を拝めたのですから良しとしましょう。
それにしてもこのジン・ティエンさん。
レジェンダリー・ピクチャーズ作品の顔になりつつありますね。
『グレート・ウォール』のリン・メイ隊長の子孫、そして『キングコング: 髑髏島の巨神』のサン・リンの孫娘とかいった設定で次の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にも出て来そうな気がします。
さて・・・
少し時間を遡ります。
【祗園精舎の鐘の声・・・】
冒頭に書いた「立ち寄りたかった場所」とは此処の事です。

先月いっぱいで惜しまれながら閉館を迎えた京都みなみ会館です。
せっかく京都へ来たのですから、あれからどうなっているか様子を見に行くことにしました。

連日出し物が貼られていた入り口階段横のショーケースも空っぽです。
こうやって周りをウロウロしていると中から吉田館長がひょっこり顔を出したりしないか、なんて考えてました。
これじゃまるでス●ーカーみたいですね(笑)。

こうやって写真を撮っていると、隣の雑貨屋さんの前で見知らぬ男の人に声を掛けられました。
「兄ちゃんもここ(みなみ会館)の常連さんやったんか?」
どうやら、閉館した今でも私と同じくこの建物に名残を惜しむ人が後を絶たないようですね。
私がこの建物で映画を楽しんだのは一か月前のオールナイトただ一度きりですが、そんな私でさえあの楽しさが忘れられずにこうして跡地を訪れているのです。
常連さんにしてみればその寂しさは私なんかの比ではないのでしょうね。
この一か月間、私は日曜日を迎える度に「あのオールナイトからもう●週間か・・・」と振り返ってばかりいたものでした。
今回のセンチメンタル・ジャーニー(笑)はそれを吹っ切るための儀式でもあったのです。
今年の春の繁忙期はようやく一区切り付きましたが、来週からまたゴールデン・ウィーク地獄に突入です。
『レディ・プレイヤー1』はなんとしてでもエキスポシティのIMAX3Dで観たいのですが、どう頑張っても5月中旬になるでしょうねえ・・・。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。