週刊映画鑑賞記(2018.4/23~2018.4/29) 『レディ・プレイヤー1』
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
当分は休みも無く、家でレンタルブルーレイやWOWOWの録画を観る時間すら無いと覚悟していましたが、ひょんなことからゴールデン・ウィーク初日に一日空きが出来てしまいました。
4/28(土)

受注先の不手際で急にポッカリ予定が空いてしまったこの日。
せっかく自分の時間が持てたということで、京都の映画館に『レディ・プレイヤー1』IMAX/3D版を観に行ってきました。
通常の2D版なら福井でも上映していますが、これだけはなんとしてでもIMAXの大画面で観たかったのです。
『レディ・プレイヤー1』🈠
(劇場:TOHOシネマズ二条)

既成の映画やアニメのキャラクターが大勢出てくることは知っていましたが、この日はとにかくストーリーとIMAXの大画面を楽しむことに専念しました。
めっちゃ楽しい!
私はオンライン・ゲームというものをやったことが無いのでその面での良さは分かりませんが、映画好きなら誰でも楽しめる要素がてんこ盛りです。
吹替版や2D字幕版も、あと4DX版も観に行きたいと思っているくらいです。
『ジョーズ』や『レイダース』のような肩の凝らない娯楽作品、そして『1941』『フック』みたいな玩具箱をひっくり返したような映画を作ってた頃のお茶目なスピルバーグが帰って来てくれました。
御年71歳とはとても思えない柔軟さです。
ストーリーそのものは率直に言うとお子様ランチです。
主人公のウェイド(演:タイ・シェリダン)がやたら幸運に恵まれますし、敵のボス(演:ベン・メンデルソーン)もその部下も間抜け揃いで話がスムーズに進み過ぎです。
でも、別に息詰まるストーリー展開を期待するような映画ではないのでそこは特に問題ありません。
なぜなら、これはオマケてんこ盛りの超豪華絢爛お子様ランチなのですから。
四の五の言わず、素直に楽しんだ者が勝ちなのです。

この映画の本当の軸はウェイドやサマンサたち若いプレイヤーの活躍ではなく、このバーチャル世界<オアシス>を作った二人の男の物語でした。
鍵となるゲーム・マスター:ハリデー(演:マーク・ライランス)のキャラクター設定にはアップル社のスティーブ・ジョブズ(故人)やフェイス・ブックのマーク・ザッカーバーグのイメージが投影されているようです。
ジョブズもザッカーバーグも天才的な思考と行動力を持っていましたが、その反面、周囲に配慮する能力の欠如が著しく友達や協力者を大勢ないがしろにしてきたという負の側面も強い人物です。
この二人に「親友と袂を分かってしまったことを悔やみ続けている」という”人間性”を加味したのがハリデーではないかと・・・(笑)。
そんな視点で見ていたせいか、ラストでハリデーの親友:モロー(演:サイモン・ペグ)が登場して自分の正体を明かすところで思わず泣き出しそうになってしまいました。
この映画はただウェイドたちの冒険を追うだけでなく、実はハリデーとモローの物語だと思って観てみるとまた違った側面が見えてくると思います。

さらにこのハリデー、実は幼少時代アスペルガー症候群だったと公表しているスピルバーグ監督が自分自身を投影したキャラクターでもあったのではないかと思います。
幼い頃から学習障害に苦しんできたというスピルバーグ少年は、映画作りに没頭しその道に才能を開花させて世界的名声を得るに至りました。
自分が作った作品世界に観客を引き込んで楽しませると同時に、心の奥にしまい込んだ悔恨の念をそれとなく感じ取ってもらえるような映画の世界と、この仮想現実世界<オアシス>は同じものです。
ラストの「私のゲームで遊んでくれてありがとう」というハリデーのセリフは、スピルバーグが「私の映画を楽しんでくれてありがとう」と言っているようにも聞こえます。

何が楽しいって、やはり続々と登場する既知のキャラクター(アバター)たちです。
嬉しかったのは、アイアン・ジャイアントやガンダム、そしてメカゴジラといった私が愛してやまないキャラクターやメカニックを決して一瞬の顔見せだけでなく重要な役割を持って活躍させてくれていたことでした。
でも、キャラクターの数が多いうえに動きや画面転換がメチャクチャ早くて、一体何回観れば全体を掌握出来るんでしょうかね?。
今からブルーレイ発売が待ち遠しい作品です(笑)。

あと、キャラクターだけじゃなく映画のシーンの再現性も凄かったです。
これから観に行く人には、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』を観返しておくことをお薦めします。
私は思わず「おおっ?」と声を上げ、身体を乗り出して見入ってしまいましたよ。

登場キャラクターの多さもさることながら、5人の主人公チームにもご注目!。
実は『秘密戦隊ゴレンジャー』や『超電磁ロボコンバトラーV』などのメンバー構成をしっかり踏襲しています。
1:主人公(レッド)→パーシヴァル
2:クールガイ(ブルー)→ダイトウ
3:大男(イエロー)→エイチ
4:ヒロイン(ピンク)→アルテミス
5:最年少(グリーン)→ショウ
ついでに言うと、最近の戦隊ものには大男は登場せず代わりにもう一人女性が加わるようになっていますが、そんな部分も「エイチの正体は実は女性だった」という設定で完全フォローしています(笑)。
こんな細かいところにまで日本の特撮やアニメへのリスペクトがありました。

Wikipediaによると、どこかにガイガンも出ていたらしいのですが気が付かなかったなあ。
あと、原作ではウルトラマンも登場していてポスターには科特隊の制服が描かれたものもありましたが、残念ながら我らが”光の巨人”の姿はどこにもありませんでした。
製作当時、円谷プロと中国との版権訴訟問題で揉めてた最中だったため使えなった模様です。
本作のガンダムには何故か変身に時間制限が設けられていましたが、もしかすると最初は「俺はガンダムで行く!」ではなく「俺はウルトラマンで行く!」だったのかも知れませんね。

私がこの世界(オアシス)で巨大化出来るとしたら、絶対”彼”を選ぶと思います。

もし怪獣化するなら当然・・・(笑)。
デザインは、初代でも『シン・ゴジラ』でもレジェンダリー版でもなく『ゴジラ対ヘドラ』時のこの姿に限ります。
オアシスにはいろいろなデザインのゴジラが闊歩しているのかも知れませんが、私には初めて出会った時のこのゴジラが一番です。
左目が潰れ、右手が白骨しても戦うぞ!。
空だって飛べるぞ!(笑)。

巨大ロボットに乗るなら原作版ゲッター1。
いざとなったら自分の胸からゲッター炉心を掴みだして・・・、いや、やっぱりそれは嫌かも(笑)。

等身大の普段使いアバターは『カリオストロの城』のルパン。
この場合、頭の包帯がマスト・アイテムです(笑)。
車の運転も女性の扱いもお手のものですから最初のレースゲームもキーラのお相手も難なくこなせるはず(笑)。
貴重な休みを映画鑑賞のための京都遠征に使ってしまいましたが、「朝から晩まで寝て過ごす」よりは有意義な一日だったと思います。
何より、これで「ああ、やっぱり『レディ・プレイヤー1』をIMAXで観ておけば良かった・・・」なんて後で後悔することだけは無くなりました(笑)。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。