トガジン的「お酒映画ベストテン」
現在、washburn1975 様のブログ「男の魂に火をつけろ!」にて、「お酒映画ベストテン」企画が開催されております。
昨年秋の「映画オールタイムベストテン:2017」が想像以上に楽しかったことから私も次の機会を待っていたのですが・・・。
「う~ん、お酒かあ・・・」
実は私、酒にはてんで弱いせいか映画を観ていても酒を呑むシーンが特に印象に残ることは少ないのです。
そのため、一時は今回の参加を見合わせようかとも考えておりました。
しかし、毎日つらつらと考えているうちいつの間にか10本貯まっておりましたので、今回もエントリーさせていただくことにしました。
<以下、順位不同>
『七人の侍』
1954年/監督:黒澤明 ※どぶろく?
『ジョーズ』
1975年/監督:スティーブン・スピルバーグ ※ビール?
『ドランクモンキー酔拳』
1978年 監督:ユエン・ウーピン ※三鞭酒
『銀河鉄道999』
1979年/監督:りんたろう ※清酒「美少年」
『ルパン三世 カリオストロの城』
1979年/監督:宮崎駿 ※ワイン
『レイダース 失われた聖櫃<アーク>』
1981年/監督:スティーブン・スピルバーグ ※べロック家自家製酒
『老人Z』
1991年/監督:北久保弘之 ※ビール
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
2007年/監督:庵野秀明 ※ビール
『ゼロ・グラビティ』
2013年/監督:アルフォンソ・キュアロン ※ウォッカ
『夜は短し歩けよ乙女』
2017年/監督:湯浅政明 ※偽電気ブラン
ここに挙げた作品たちは「酒が美味そう」とか「飲みたくなる」といったものではなく、酒というものを一種のエネルギー源や回復アイテムのようなものと捉えているものが多いです。
やはり、日常的に酒を飲まない人間が選ぶとこうなりますね(笑)。
以下、選定理由など・・・
『七人の侍』
1954年/監督:黒澤明 ※焼酎?
''93年にビデオソフト(LD)を入手してから四半世紀の間、年に1〜2回は必ず観返している映画です。
若い頃は侍集めや合戦のシーンに興味が集中していましたが、ここ数年は村への出発前夜と最終決戦前夜のシーンが特に味わい深く感じるようになってきています。
そのどちらのシーンでも菊千代(演:三船敏郎)が酒を呑んでいますが、特に印象深いのは終盤の決戦前夜のシーンです。

自分のスタンド・プレイのせいで五郎兵衛や与平たちを死に追いやってしまった菊千代は、彼らの墓前でうなだれるばかり。
勘兵衛(演:志村喬)は、「なんだ、お前らしくもない!」と村人からもらった酒を手渡します。
それは、菊千代が言うところの「正直ヅラしてペコペコ頭下げては嘘をつく、ケチでズルくて泣き虫で意地悪で間抜けで人殺しな」百姓たちが隠し持っていた酒でした。
菊千代はそれを一気に飲み干し、気持ちをリセットして翌朝の戦いのエネルギーに変えたのです。
『ジョーズ』
1975年/監督:スティーブン・スピルバーグ ※ビール?

クイント船長と、ブロディ署長とフーパ―の3人が船内で酒を酌み交わして打ち解けるシーン。
そこでクイントが語った巡洋艦インディアナポリス号のエピソードは劇中のサメ襲撃シーンよりも恐ろしかった気がします。
このインディアナポリス号の話は原作には無いもので、スピルバーグ監督と脚本家が勝手に付け加えたものだったそうです。
『ドランクモンキー酔拳』
1978年/監督:ユエン・ウーピン ※三鞭酒

お酒絡みの映画といえば、誰もがこの作品を最初に思い浮かべるんじゃないでしょうか?。
この映画、私はテレビで放映された石丸博也さんによる吹替版しか観たことが無いんですよね~。
一度だけDVDでオリジナル音声版を観ようとしたものの、その違和感にどうしても耐えられず数分で再生を中止したのでした。
本人の声で違和感なく観れたジャッキー映画は『ベストキッド』(2010年版)くらいじゃないですかねえ。
お酒のエピソードじゃなくてスミマセン。
『銀河鉄道999』
1979年/監督:りんたろう ※清酒「美少年」

惑星ヘビーメルダーでくすぶっている大山トチローが飲んでいた酒の銘柄が「清酒・美少年」。
当時まだ中学生だった私の深層意識に強烈に刷り込まれた銘柄です。

この「美少年」、松本零士先生の創作かと思っていたら実在する銘柄だったんですね。
当時、それと知らずに「美少年」という名のお酒を漫画に使ってしまった松本先生が慌てて杜氏に謝ったところ、「いいですよ」と快諾してくれたうえに事務所やアニメスタジオに大量に差し入れが届き今も交流が続いているそうです。
なんだか心温まるエピソードですね。
『ルパン三世 カリオストロの城』
1979年/監督:宮崎駿 ※ワイン

「ウルへー、12時間もありゃジェット機だって直らあ!」
銃弾貫通して昏睡状態だった身体を、やけ食いとワインのがぶ飲みで一夜で動けるようにしてみせたルパン。
これを観てからというもの、風邪をひいたり怪我をしたときはよくこの真似をしてみたものです。
もちろん、中高生の時の話ですから酒は飲んでませんけどね(笑)。
『レイダース 失われた聖櫃<アーク>』
1981年/監督:スティーブン・スピルバーグ ※べロック家自家製ワイン

『レイダース』の酒のシーンといえば、冒頭のマリオン(演:カレン・アレン)対大男のウォッカ飲み比べを挙げる方は多いでしょう。
でも、私が好きなのはインディの仇敵べロックとの白ワイン対決です。
まるで水でも飲むかのようにグラス一杯のワインを飲み干すマリオンに対し・・・。

マリオンを酔わせてイイ事しようと企んだべロックはこの通り。
狡猾な敵役ではありましたが、この愛嬌のある姿のせいでどうしても嫌いにはなれないんですよね。
『老人Z』
1991年/監督:北久保弘之 ※ビール

「暗い酒は身体に毒なのよー!」
呑み会で記憶を失うほどベロンベロンに酔っ払い・・・

翌朝目が覚めると、隣には全裸でスッピンの女友達・・・。
うっかりするとこれで人生が決まってしまいかねない忌々しき事態です。
おー怖っ。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
2007年/監督:庵野秀明 ※ビール

「ぷはーーーーーっ」
まさに絵に描いたような「ビールあるある場面」ですな(笑)。

1997年のTVシリーズ版から繰り返し描かれ続けているギャグシーンですが、作品ごとに微妙な差異が生じています。
私は「TVシリーズ版」「旧劇場版」「漫画版」「新劇場版」の4種は全てパラレルワールドのようなものであり、渚カヲルによって何度も何度も繰り返される碇シンジの「やり直し人生」だと捉えています。
次にこのシークエンスが描かれる時、何がシンジの股間を隠すのでしょうか?(笑)。
『ゼロ・グラビティ』
2013年/監督:アルフォンソ・キュアロン ※ウォッカ

燃料不足で起動できないソユーズの中で死を覚悟したライアン(演:サンドラ・ブロック)。
そこに今はもう絶対に生きているはずの無いマット(演:ジョージ・クルーニー)が窓をこじ開けて入って来ます。
マットはソユーズのコンソールパネルに隠しておいた酒瓶を取り出し、一杯やりながら逆噴射装置が推進力に使えることをライアンに教えるのでした。
このマットはライアンの夢に出てきた幻でしたが逆噴射装置の話は本当で、ライアンはなんとか生還に成功します。
でも、今も気になっていることがあるのですよ。
映画の中では、最後まであの酒瓶が本当にあの場所にあったのかどうかをライアンが確かめるシーンが無かったのです。
マットの助言が夢であったことを理解した彼女が、それでもコンソールパネルの下を探してみるシーンがあっても良かったような気がします。
些細なことですが、妙に印象に残っている「お酒絡みのシーン」でした(笑)。
『夜は短し歩けよ乙女』
2017年/監督:湯浅政明 ※偽電気ブラン、他多数

『老人Z』と同じく、大学時代のコンパを思い出させてくれる映画です。
私はコップ一杯のビールだけで顔が真っ赤になってしまうほど酒には弱いのでとてもこのアニメのようには飲めませんでしたが、それでも仲間たちと一緒に大阪ミナミ界隈で大騒ぎしながら夜を明かすことは大好きでした。
でも・・・。
好きだった子が実は蟒蛇みたいな酒豪と知った時、ろくに飲めない自分にコンプレックスを抱いたことを思い出します。
最後に、惜しくも選外としたこの作品も・・・。
『キングコング対ゴジラ』
1962年/監督:本多猪四郎 ※赤い汁

コングに呑ませて眠らせたファロ島の”赤い汁”。
あれって絶対お酒ですよね?。
つまりあのシーンは、キングコング版「ヤシオリ作戦」だったわけです(笑)。
最後までお付き合いいただきありがとうごいざいました。