週刊映画鑑賞記(2018.5/21~2018.5/27) 『ランペイジ 巨獣大乱闘』『GODZILLA 決戦機動増殖都市』『ラブ&ピース』
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
今週は福井県内で行われるテレビドラマ版『チアダン』のエキストラ募集に応募していたのですが、残念なことにエントリーした全日程とも落選となってしまいました。
そのため、22日(火)、24日(木)、26日(土)と一日おきに休みになるという私としてはとても珍しい一週間となりました。
5/22(火)
『ランペイジ 巨獣大乱闘』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

お世辞にも頭の良いシナリオとは言い難いですが(笑)、怪獣映画好きにはしっぽの先まであんこが詰まった面白い映画でした。
大型スクリーン&大音響完備の劇場で、頭の中を空っぽにして音とビジュアルを浴びるように楽しむべき映画です。
怪獣の咆哮は重低音が物凄く、イオンシネマ新小松7番シアターでは適度なマッサージ効果もあったように思います(笑)。
でも、最初のうちは「どうせ最近流行りのアメリカ製怪獣映画の便乗企画だろう」と鼻で笑っていたのですよ。
先ごろ公開された『パシフィック・リム:アップライジング』
7月13日公開の『ジュラシック・ワールド:炎の王国』
来年公開の『Godzilla: King of the Monsters』
2020年公開予定の『Godzilla vs. Kong』
これらの人気や期待値にあやかろうとする、いわば『スター・ウォーズ』の時の『惑星大戦争』や『宇宙からのメッセージ』みたいなものと思っていたのです。
しかし予告編を見た瞬間、掌を返して物凄~く楽しみになってしまいました。

白いキングコング”ジョージ”は『キングコング:髑髏島の巨神』では見られなかった都市破壊を存分にやって見せてくれます。

巨大狼”ラルフ”は、翼を開いてバランのように空を飛び・・・

背中がトゲトゲだらけの巨大ワニ”リジ-”はまるでアンギラスです。
どうせなら、「『Godzilla: King of the Monsters』の前にこいつらとゴジラが戦う映画を作ってくれ」とさえ思ってしまいました(笑)。
それはもしかすると『パシフィック・リム:アップライジング』への落胆が大きすぎたせいだったかも知れませんが・・・。

実は私、最後はウェイン・ジョンソンも薬を浴びて巨大化するんじゃないか?なんて思いながら見てました。
巨大化した彼が巨大ワニと戦う姿を想像すると、えらくマッチョな『フランケンシュタイン対地底怪獣』になるな~、と(笑)。

怪獣映画ですから、人的被害は当然出ます。
軍隊にも一般市民にも犠牲者が続出しますが、去年の『キングコング:髑髏島の巨神』に感じたような不愉快さはありません。
私はたとえ怪獣映画であっても(いや、子供が見る怪獣映画だからこそ)、必然性も尊厳もない「人の死」とかB級ホラーみたいに「人を殺すこと」を楽しんでいるかのような幼稚で悪趣味な描写には強い嫌悪感を抱いてしまう人間です。
一度でも身近な人の”死”に向き合ったことのある人間ならば、あんな無神経な表現は出来ないはずです。
しかし、この映画にはそんな人の死を面白がって描くような幼児性は見受けられません。
「諸悪の根源」として徹底的にカリカチュアされた描き方をされていたワイデン姉弟だけは、狂暴化したジョージに●●られたり岩に●し●されたりと”天罰”とも言える悲惨な最期を遂げるのですが、こいつらに対してだけは(不謹慎をは承知のうえで)つい「ザマーミロ」と思ってしまったのも事実です。

これは絶対IMAX/3Dで観るべきだったああああ~
・・・と、軽く後悔するくらい満足した一本でした(悦)。
5/24(木)
『GODZILLA 決戦機動増殖都市』🈠
(劇場:テアトルサンク)

<前作のあらすじ>
2030年、度重なる核実験や環境汚染の影響でゴジラをはじめとする無数の怪獣たちが出現。
人類は破滅の危機に瀕していた。
異星人種・エクシフとビルサルドの助力も虚しく地球上に居場所を失った人類は、5000人を収容する恒星間移民船アラトラムにより「くじら座タウ星e」への移住計画を実施。
ところがようやくたどり着いた「くじら座タウ星e」は人類の生存には適していないことが判明。
やむなく地球に帰還するも2万年もの時間が経過していた。
そこで人類が見たものは、激変した環境と今も君臨する怪獣王ゴジラの姿だった。
前作『GODZILLA 怪獣惑星』は、このめんどくさい基礎設定の説明にずいぶん手間取っている印象でした。
ひたすらセリフによる状況説明を繰り返し、無数の伏線を駆け足で羅列するばかり。
結果として登場人物の掘り下げが不足してクライマックスへの感情移入が希薄になってしまったように思います。
シリーズ第一話として「掴み」が弱かった感は否めません。
しかし、アニメ版『ゴジラ』の本当のストーリーは今回の『決戦機動増殖都市』から始まります。
これから『決戦機動増殖都市』を観に行く方には、事前に前作を観返しておくことをお薦めします。
※以下ネタバレと個人的考察あり

今回の『決戦機動増殖都市』に抱いた違和感・・・というより裏切りと言っても良いとさえ思える事。
それは、ポスターに描かれたあのトゲトゲ・メカゴジラが全く活躍しなかったことでした。
活躍しないどころか「登場しなかった」と言っても過言ではありません。
地球脱出時に起動出来ないまま破棄されたメカゴジラ。
しかし、その構成物質であるナノメタルは2万年前の間に自己増殖を続け自らを一つの要塞都市として再構築していたのだった。
生き残った人類はここをメカゴジラ・シティと名付け、全高300メートルに成長したゴジラを誘い込んで最後の戦いを挑む。
これまで考えもしなかった新しい発想です。
原案・脚本の虚淵玄氏は、「ゴジラの「ゴ」の字も知らない人に向けて作っている」と仰っていたくらいですから、むしろここまで思い切ったストーリーにしなければならなかったと受け取るべきかも知れません。
しかしですね・・・。
やはりどうしても腑に落ちないのですよ。
動かないままのロボット兵器にしても、何かと便利すぎる機動増殖都市にしても、こいつに「メカゴジラ」という名称を与える必然性がどこにも見当たりません。
「メカゴジラ」という名前がただの記号になってしまっているのです。
ストーリーそのものは先の読めない面白いものでありましたが、メカゴジラ以外の名称であればもっと素直に「これまで無かったタイプのゴジラ作品」として楽しめたと思います。

せめて、途中で出てきたこのモビルスーツみたいな人型メカをジェットジャガーとでも名付けていたなら、我々オールドファンとしても吹っ切ることが出来たかも知れませんがね(笑)。

今作の冒頭では、ゴジラ(アース)に敗れ傷ついた主人公:ハルオ(声:宮野真守)を原住民(?)の少女が助けます。
彼女は双子の姉妹でテレパシストで、しかも住民たちは皆「卵を称えよ」とか言ってます。
ここまで引っ張っておいて次の第3章にモ●ラが出なかったらさすがに怒りますよ(笑)。

しかも、最後にはギ●ラの名前まで出てきました。
エクシフの星を滅ぼしたとされる怪獣ギ●ラ。
次回作のサブタイトルが『星を喰う者』となってることから、今回のメカゴジラと同じくギ●ラもまた我々オールドファンがよく知るあの姿(金色の三つ首竜)ではないかも知れません。
それはもしかすると天体サイズであるとか、あるいはブラックホールのようなものとか、もしかすると”幻魔”みたいな観念的なものである可能性も・・・?。
そんなギ●ラに対して、ゴジラ・モスラ・そして地球人たちはどう立ち向かうのか?。
そして、主人公のハルオはどう関わっていくのか?。

このハルオという名前ですが・・・

もしも、昨年逝去された初代ゴジラ俳優:中島春雄さんへのオマージュになっているのだとしたら?。
ハルオとゴジラが同化して桁違いのパワーを発揮することになるとか・・・。
考え過ぎですかね~(笑)。
とりあえず11月公開の完結編『星を喰う者』を楽しみに待つといたしましょう。
※ネタバレと個人的考察ここまで
5/26(土)
『ラブ&ピース』🈠
(ホームシアター:WOWOW)

私が”園子温監督”と聞いてまず最初に浮かぶのはなんといってもパンチラであります。
男だったら当然です!。
『みんな!エスパーだよ!』や『愛のむきだし』で、夏帆さん(『小さき勇者たち~ガメラ~』や満島ひかりさん(『ウルトラマンマックス』『モスラ2』)といった特撮作品にも縁のある若い女優さんの豪快な開脚パンチラキックを拝ませてくれた監督さんです。
この日は、およそ2年前にWOWOWで録画しておいたこの特撮怪獣映画を見ることにしました。
実はその頃、園子温監督が『シン・ゴジラ』に対して暴言を吐いた事件があったため、私はこれを見ることを長らく封印していたのです。
「二度と怪獣映画のリメイクごときで現代の311を語るな、クズども」
「何か言った気になるなクズども戦後や311を安易に暗喩にしたてんな言葉を使うな」
「自主映画ならまだしもお金儲け映画ごときで現代は語れない。特にリメイク怪獣映画ごときで」
(以上、原文のまま)
『シン・ゴジラ』は私にとって怪獣映画の傑作であり、同時にわずかながら自分も参加させてもらった作品でもあります。
その『シン・ゴジラ』を作った人たち、いわばいて同業者を口汚く罵り、挙句の果てに「クズ」呼ばわりした園監督に嫌悪感を抱いていたのです。
「じゃあ『希望の国』はどれだけご立派なんだ?。金払って観てやった『ひそひそ星』は眠くて眠くて仕方なかったぞ!。てめーはおとなしくパンチラ映画だけ撮ってろ!」
売り言葉に買い言葉でそんな気分になっていたため、同じ長谷川博己さん主演の特撮怪獣映画『ラブ&ピース』を素直に楽しむには時間を置く必要があったのです。

で、観た感想はどうだったかと言いますと・・・。
良かった~!
掌返しもいいとこですが(笑)、終盤は思わずホロリとさせられてしまいました。
気弱な良一(演:長谷川博己)が虐められるシーンはやりすぎだと思いましたが、テレビの討論番組で出演者たちがカメラ目線で彼を名指しして嘲笑うシーンはまるで筒井康隆の『おれに関する噂』みたいでした。

もう一つのストーリーラインとして、捨てられたオモチャやペットを再生してする下水溝の片隅に住む謎の老人(演:西田敏行)が登場します。
彼は不思議な能力の持ち主で、壊れたオモチャやペットたちに自分の意思を与え喋る事が出来るようにしています。
良一が可愛がっていた亀:ピカドンはとあるアクシデントでここに流れ着きますが、与える薬を間違えて主人の願い事に合わせて巨大化していくことになってしまいます。

この映画で私をボロボロに泣かせてくれたのは、持ち主に捨てられた人形:マリア(声:中川翔子)の健気さでした。
ピカドンを助けて地上に出たマリアは、かつての持ち主である少女が自分に代わる新しい人形を買ってもらっているところを目撃してしまいます。
「待って!」と必死に追いすがるマリア。
その足が地面に接していないことなどもはや問題ではありません。
ここで私の涙腺は決壊しました。
こういったお話は以前『トイ・ストーリー2』や『3』にもあってやはりボロ泣きした記憶があります。
しかし、『ラブ&ピース』の脚本が書かれたのは『トイ・ストーリー2』の10年前、園監督がまだ無名だった1990年頃だったのです。

特撮シーンはアナログ撮影がほとんどでCGは最小限に抑えている印象です。
そのミニチュアワークや合成精度は低予算作品とは思えないくらい良く出来ていて、ピカドン(亀)が周囲を破壊しながら都内をつき進むシーンではミニチュアと実景との判別がつかないくらいでした。
ところで。

なぜか資料にもエンドクレジットにも名前が出ていないこちらの女子アナについてご存知でしょうか。
実は彼女、10年ほど前まで福井ローカルTV局のアナウンサーだった名越涼子さんです。
私も何度か仕事でご一緒したことがあるのですが、東京出身ということで原稿読みもクセが無くお上手で、それでいてコスプレやコントなどをやらせても非常に勘が良くギャグも恥ずかしがらずに最後までやり切ってくれるプロ意識の高い子でした。
(地方局の女子アナって「私アナウンサーなのでそんな真似出来ません」とお高くとまってる勘違い女が多いのですよ)
案の定2年ほどで名古屋の局へ移籍してしまいその後フリーになったと聞きましたが、ローカル局の女子アナにしておくには勿体ないほどの逸材でした。
今週はなんと怪獣映画3連発でした。
しかも全部初鑑賞です。
う~む、なんだか「私らしさ」が戻ってきたような気がしますね~(笑)。
この勢いで長らく中断したままのゴジラ全作品レビュー(平成ガメラも含む)を再開させましょうかね。
それともうひとつ。

この記事をアップする直前のアクセスカウンターです。
あと14で10,932(トクサツ)ヒットなんですよね~(笑)。
5,000とか7,000とか10,000ヒットとかいったキリ番も「いつの間にか」通り過ぎた感じでしたが、この数字だけはなぜか気にしてます。
でも多分、月曜の仕事中に通り過ぎてしまいそうですけどね。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
今週は福井県内で行われるテレビドラマ版『チアダン』のエキストラ募集に応募していたのですが、残念なことにエントリーした全日程とも落選となってしまいました。
そのため、22日(火)、24日(木)、26日(土)と一日おきに休みになるという私としてはとても珍しい一週間となりました。
5/22(火)
『ランペイジ 巨獣大乱闘』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

お世辞にも頭の良いシナリオとは言い難いですが(笑)、怪獣映画好きにはしっぽの先まであんこが詰まった面白い映画でした。
大型スクリーン&大音響完備の劇場で、頭の中を空っぽにして音とビジュアルを浴びるように楽しむべき映画です。
怪獣の咆哮は重低音が物凄く、イオンシネマ新小松7番シアターでは適度なマッサージ効果もあったように思います(笑)。
でも、最初のうちは「どうせ最近流行りのアメリカ製怪獣映画の便乗企画だろう」と鼻で笑っていたのですよ。
先ごろ公開された『パシフィック・リム:アップライジング』
7月13日公開の『ジュラシック・ワールド:炎の王国』
来年公開の『Godzilla: King of the Monsters』
2020年公開予定の『Godzilla vs. Kong』
これらの人気や期待値にあやかろうとする、いわば『スター・ウォーズ』の時の『惑星大戦争』や『宇宙からのメッセージ』みたいなものと思っていたのです。
しかし予告編を見た瞬間、掌を返して物凄~く楽しみになってしまいました。

白いキングコング”ジョージ”は『キングコング:髑髏島の巨神』では見られなかった都市破壊を存分にやって見せてくれます。

巨大狼”ラルフ”は、翼を開いてバランのように空を飛び・・・

背中がトゲトゲだらけの巨大ワニ”リジ-”はまるでアンギラスです。
どうせなら、「『Godzilla: King of the Monsters』の前にこいつらとゴジラが戦う映画を作ってくれ」とさえ思ってしまいました(笑)。
それはもしかすると『パシフィック・リム:アップライジング』への落胆が大きすぎたせいだったかも知れませんが・・・。

実は私、最後はウェイン・ジョンソンも薬を浴びて巨大化するんじゃないか?なんて思いながら見てました。
巨大化した彼が巨大ワニと戦う姿を想像すると、えらくマッチョな『フランケンシュタイン対地底怪獣』になるな~、と(笑)。

怪獣映画ですから、人的被害は当然出ます。
軍隊にも一般市民にも犠牲者が続出しますが、去年の『キングコング:髑髏島の巨神』に感じたような不愉快さはありません。
私はたとえ怪獣映画であっても(いや、子供が見る怪獣映画だからこそ)、必然性も尊厳もない「人の死」とかB級ホラーみたいに「人を殺すこと」を楽しんでいるかのような幼稚で悪趣味な描写には強い嫌悪感を抱いてしまう人間です。
一度でも身近な人の”死”に向き合ったことのある人間ならば、あんな無神経な表現は出来ないはずです。
しかし、この映画にはそんな人の死を面白がって描くような幼児性は見受けられません。
「諸悪の根源」として徹底的にカリカチュアされた描き方をされていたワイデン姉弟だけは、狂暴化したジョージに●●られたり岩に●し●されたりと”天罰”とも言える悲惨な最期を遂げるのですが、こいつらに対してだけは(不謹慎をは承知のうえで)つい「ザマーミロ」と思ってしまったのも事実です。

これは絶対IMAX/3Dで観るべきだったああああ~
・・・と、軽く後悔するくらい満足した一本でした(悦)。
5/24(木)
『GODZILLA 決戦機動増殖都市』🈠
(劇場:テアトルサンク)

<前作のあらすじ>
2030年、度重なる核実験や環境汚染の影響でゴジラをはじめとする無数の怪獣たちが出現。
人類は破滅の危機に瀕していた。
異星人種・エクシフとビルサルドの助力も虚しく地球上に居場所を失った人類は、5000人を収容する恒星間移民船アラトラムにより「くじら座タウ星e」への移住計画を実施。
ところがようやくたどり着いた「くじら座タウ星e」は人類の生存には適していないことが判明。
やむなく地球に帰還するも2万年もの時間が経過していた。
そこで人類が見たものは、激変した環境と今も君臨する怪獣王ゴジラの姿だった。
前作『GODZILLA 怪獣惑星』は、このめんどくさい基礎設定の説明にずいぶん手間取っている印象でした。
ひたすらセリフによる状況説明を繰り返し、無数の伏線を駆け足で羅列するばかり。
結果として登場人物の掘り下げが不足してクライマックスへの感情移入が希薄になってしまったように思います。
シリーズ第一話として「掴み」が弱かった感は否めません。
しかし、アニメ版『ゴジラ』の本当のストーリーは今回の『決戦機動増殖都市』から始まります。
これから『決戦機動増殖都市』を観に行く方には、事前に前作を観返しておくことをお薦めします。
※以下ネタバレと個人的考察あり

今回の『決戦機動増殖都市』に抱いた違和感・・・というより裏切りと言っても良いとさえ思える事。
それは、ポスターに描かれたあのトゲトゲ・メカゴジラが全く活躍しなかったことでした。
活躍しないどころか「登場しなかった」と言っても過言ではありません。
地球脱出時に起動出来ないまま破棄されたメカゴジラ。
しかし、その構成物質であるナノメタルは2万年前の間に自己増殖を続け自らを一つの要塞都市として再構築していたのだった。
生き残った人類はここをメカゴジラ・シティと名付け、全高300メートルに成長したゴジラを誘い込んで最後の戦いを挑む。
これまで考えもしなかった新しい発想です。
原案・脚本の虚淵玄氏は、「ゴジラの「ゴ」の字も知らない人に向けて作っている」と仰っていたくらいですから、むしろここまで思い切ったストーリーにしなければならなかったと受け取るべきかも知れません。
しかしですね・・・。
やはりどうしても腑に落ちないのですよ。
動かないままのロボット兵器にしても、何かと便利すぎる機動増殖都市にしても、こいつに「メカゴジラ」という名称を与える必然性がどこにも見当たりません。
「メカゴジラ」という名前がただの記号になってしまっているのです。
ストーリーそのものは先の読めない面白いものでありましたが、メカゴジラ以外の名称であればもっと素直に「これまで無かったタイプのゴジラ作品」として楽しめたと思います。

せめて、途中で出てきたこのモビルスーツみたいな人型メカをジェットジャガーとでも名付けていたなら、我々オールドファンとしても吹っ切ることが出来たかも知れませんがね(笑)。

今作の冒頭では、ゴジラ(アース)に敗れ傷ついた主人公:ハルオ(声:宮野真守)を原住民(?)の少女が助けます。
彼女は双子の姉妹でテレパシストで、しかも住民たちは皆「卵を称えよ」とか言ってます。
ここまで引っ張っておいて次の第3章にモ●ラが出なかったらさすがに怒りますよ(笑)。

しかも、最後にはギ●ラの名前まで出てきました。
エクシフの星を滅ぼしたとされる怪獣ギ●ラ。
次回作のサブタイトルが『星を喰う者』となってることから、今回のメカゴジラと同じくギ●ラもまた我々オールドファンがよく知るあの姿(金色の三つ首竜)ではないかも知れません。
それはもしかすると天体サイズであるとか、あるいはブラックホールのようなものとか、もしかすると”幻魔”みたいな観念的なものである可能性も・・・?。
そんなギ●ラに対して、ゴジラ・モスラ・そして地球人たちはどう立ち向かうのか?。
そして、主人公のハルオはどう関わっていくのか?。

このハルオという名前ですが・・・

もしも、昨年逝去された初代ゴジラ俳優:中島春雄さんへのオマージュになっているのだとしたら?。
ハルオとゴジラが同化して桁違いのパワーを発揮することになるとか・・・。
考え過ぎですかね~(笑)。
とりあえず11月公開の完結編『星を喰う者』を楽しみに待つといたしましょう。
※ネタバレと個人的考察ここまで
5/26(土)
『ラブ&ピース』🈠
(ホームシアター:WOWOW)

私が”園子温監督”と聞いてまず最初に浮かぶのはなんといってもパンチラであります。
男だったら当然です!。
『みんな!エスパーだよ!』や『愛のむきだし』で、夏帆さん(『小さき勇者たち~ガメラ~』や満島ひかりさん(『ウルトラマンマックス』『モスラ2』)といった特撮作品にも縁のある若い女優さんの豪快な開脚パンチラキックを拝ませてくれた監督さんです。
この日は、およそ2年前にWOWOWで録画しておいたこの特撮怪獣映画を見ることにしました。
実はその頃、園子温監督が『シン・ゴジラ』に対して暴言を吐いた事件があったため、私はこれを見ることを長らく封印していたのです。
「二度と怪獣映画のリメイクごときで現代の311を語るな、クズども」
「何か言った気になるなクズども戦後や311を安易に暗喩にしたてんな言葉を使うな」
「自主映画ならまだしもお金儲け映画ごときで現代は語れない。特にリメイク怪獣映画ごときで」
(以上、原文のまま)
『シン・ゴジラ』は私にとって怪獣映画の傑作であり、同時にわずかながら自分も参加させてもらった作品でもあります。
その『シン・ゴジラ』を作った人たち、いわばいて同業者を口汚く罵り、挙句の果てに「クズ」呼ばわりした園監督に嫌悪感を抱いていたのです。
「じゃあ『希望の国』はどれだけご立派なんだ?。金払って観てやった『ひそひそ星』は眠くて眠くて仕方なかったぞ!。てめーはおとなしくパンチラ映画だけ撮ってろ!」
売り言葉に買い言葉でそんな気分になっていたため、同じ長谷川博己さん主演の特撮怪獣映画『ラブ&ピース』を素直に楽しむには時間を置く必要があったのです。

で、観た感想はどうだったかと言いますと・・・。
良かった~!
掌返しもいいとこですが(笑)、終盤は思わずホロリとさせられてしまいました。
気弱な良一(演:長谷川博己)が虐められるシーンはやりすぎだと思いましたが、テレビの討論番組で出演者たちがカメラ目線で彼を名指しして嘲笑うシーンはまるで筒井康隆の『おれに関する噂』みたいでした。

もう一つのストーリーラインとして、捨てられたオモチャやペットを再生してする下水溝の片隅に住む謎の老人(演:西田敏行)が登場します。
彼は不思議な能力の持ち主で、壊れたオモチャやペットたちに自分の意思を与え喋る事が出来るようにしています。
良一が可愛がっていた亀:ピカドンはとあるアクシデントでここに流れ着きますが、与える薬を間違えて主人の願い事に合わせて巨大化していくことになってしまいます。

この映画で私をボロボロに泣かせてくれたのは、持ち主に捨てられた人形:マリア(声:中川翔子)の健気さでした。
ピカドンを助けて地上に出たマリアは、かつての持ち主である少女が自分に代わる新しい人形を買ってもらっているところを目撃してしまいます。
「待って!」と必死に追いすがるマリア。
その足が地面に接していないことなどもはや問題ではありません。
ここで私の涙腺は決壊しました。
こういったお話は以前『トイ・ストーリー2』や『3』にもあってやはりボロ泣きした記憶があります。
しかし、『ラブ&ピース』の脚本が書かれたのは『トイ・ストーリー2』の10年前、園監督がまだ無名だった1990年頃だったのです。

特撮シーンはアナログ撮影がほとんどでCGは最小限に抑えている印象です。
そのミニチュアワークや合成精度は低予算作品とは思えないくらい良く出来ていて、ピカドン(亀)が周囲を破壊しながら都内をつき進むシーンではミニチュアと実景との判別がつかないくらいでした。
ところで。

なぜか資料にもエンドクレジットにも名前が出ていないこちらの女子アナについてご存知でしょうか。
実は彼女、10年ほど前まで福井ローカルTV局のアナウンサーだった名越涼子さんです。
私も何度か仕事でご一緒したことがあるのですが、東京出身ということで原稿読みもクセが無くお上手で、それでいてコスプレやコントなどをやらせても非常に勘が良くギャグも恥ずかしがらずに最後までやり切ってくれるプロ意識の高い子でした。
(地方局の女子アナって「私アナウンサーなのでそんな真似出来ません」とお高くとまってる勘違い女が多いのですよ)
案の定2年ほどで名古屋の局へ移籍してしまいその後フリーになったと聞きましたが、ローカル局の女子アナにしておくには勿体ないほどの逸材でした。
今週はなんと怪獣映画3連発でした。
しかも全部初鑑賞です。
う~む、なんだか「私らしさ」が戻ってきたような気がしますね~(笑)。
この勢いで長らく中断したままのゴジラ全作品レビュー(平成ガメラも含む)を再開させましょうかね。
それともうひとつ。

この記事をアップする直前のアクセスカウンターです。
あと14で10,932(トクサツ)ヒットなんですよね~(笑)。
5,000とか7,000とか10,000ヒットとかいったキリ番も「いつの間にか」通り過ぎた感じでしたが、この数字だけはなぜか気にしてます。
でも多分、月曜の仕事中に通り過ぎてしまいそうですけどね。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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