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映画と日常

『スター・ウォーズ』<新三部作>さあ、脳内補完を始めよう

トガジンです。

新三部作
今回は『スター・ウォーズ』のエピソード1から3<プリクエル・トリロジー>を取り上げます。
この<新三部作>がいかにオリジナルの気高い志を台無しにしたかというネガティブなお話です。



ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー ポスター
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』公開まであと33日。

これを機に、過去のシリーズ作品を観てみようと思われる方も多いと思います。
私は『スター・ウォーズ』シリーズを新鮮な気持ちで初めて観る事が出来る人たちが心底羨ましくて仕方ありません。
そして、そんな皆さんに『スター・ウォーズ』歴38年の私からアドバイスを送ります。

スター・ウォーズ』を観る順番は、
4→5→6→1→2→3→4→5→6→7
です。
最初の4→5→6は、可能であれば<特別篇>ではなく<オリジナル版>を観ていただきたい。

間違っても、1→2→3→4→5→6→7とエピソード順で観てはいけません。
ダース・ベイダーの正体がネタバレ状態になり、後のエピソードが間抜けに見えてしまいます。
ジョージ・ルーカスがどういうつもりであろうとも必ず制作順で観てください。

大事なことなのでもう一度
『スター・ウォーズ』を観る順番は、
4→5→6→1→2→3→4→5→6→7
です。

時間が無いという方は4→5→6→7だけで良いかと思います。
この場合も4→5→6は、可能であれば<オリジナル版>のほうをお薦めします。
更に正直を申せば1、2、3は蛇足です。

スター・ウォーズ
今日はその『スター・ウォーズ』シリーズ全般について取り上げます。

【あの<新三部作>はあり得ない】

上記の如く、私はエピソード1~3<プリクエル・トリロジー>は蛇足と考えております。
商業主義に陥ったジョージ・ルーカスが、当初の構想を捻じ曲げて「人気が出そう」「グッズが売れる」「誰にでも分かりやすい」要素をねじ込んだためにオリジナルにあった雰囲気をぶち壊しにしてしまいました。
さらに、旧作で人気があったものを無理矢理再登場させたりその出生をでっち上げたりして、物語の世界感を非常に狭いものにしてしまっています。
そして捻じ曲げた設定をごまかすために、エピソード3では身もフタもないこのセリフで強引にケツをまくります。

シスの復讐 記憶を消せ
「外交ドロイドの記憶は消せ」
ああ、なんて可愛そうなC3PO。
でも、本来はこんなセンスのない帰結の仕方ではなかったはずなのです。

これは私の勝手な妄想によるものではありません。
エピソード4~6<オリジナル・トリロジー>には、3作を通して実に緻密な伏線が貼られています。
その一部を紹介します。

【C-3POとR2-D2】

スター・ウォーズ C3POとR2-D2
シリーズ全作品を通して登場するという2体のドロイド、C-3POとR2-D2の凸凹コンビ。
彼らを通してみると、本来構想されていたであろうエピソード1~3を想像することが出来そうです。

スター・ウォーズ C3PO休止モードに
疑問なのはこの演出の存在です。
オビ=ワンがルークの父・アナキンの話を聞かせようというその時にC-3POは自ら電源を切るのです。
これは明らかに作者が意図したこのタイミングで切らせています。

スター・ウォーズ C3PO聞いてない
オビ=ワンは、ルークの父は裏切った自分の弟子に殺されたのだと嘘を言います。
電源を切ったC-3POはこの話を全く聞いていません。
しかし、記憶を消されているのならこんな演出は全く必要ありません。
ルークと一緒にオビ=ワンの作り話を聞いていればよいのです。
もし記憶が消えていないなら、おしゃべりなC-3POは「そのお話には間違いが・・・」と口を挟んでしまうことでしょう。
ですから電源を切らせる必要があったのです。
『新たなる希望』制作の時点では、C-3POはアナキンのことをある程度は知っていたことになります。

そして、C-3POは決してダース・ベイダーと顔を合わせることがありません。

スター・ウォーズ 師弟対決
デス・スター脱出時は少し離れた場所にいました。
ベイダーもオビ=ワンの相手に手がいっぱいでドロイドを気にしてる場合ではありません。

帝国の逆襲 ベイダーの招待C3POはいない
『帝国の逆襲』でも、C-3POとベイダーの接触は巧みに避けられています。
このシーンの時には、C-3POはバラバラにされていたためこの場にいません。

帝国の逆襲 C3PO首が逆
その後チューバッカが直してくれるのですが、首を前後逆に付けられてしまいます。
これは単なるギャグではありません。

帝国の逆襲 見えない
カーボナイトフリーズ室で、ただ一度C-3POとベイダーが同室になる瞬間があります。
しかしチューバッカの背中で後ろ向きのC-3POは、やはりベイダーと顔を合わせることは無かったのです。

C-3POは、ベイダー(アナキン)に関する話題やその接触の機会から意図的に隔離されていることが分かります。
ちなみに『ジェダイの帰還』ではC-3POとベイダーが同じ空間に居ることは一切ありませんでした。

これらから考えてみると、C-3POの記憶を消す必要が無いまったく違うエピソード1~3があったに違いないと思えるのです。
少なくとも、「アナキンがC-3POを作った」などという与太話は子供に媚びた思い付きでしかないと断言します

【スカイウォーカー兄妹の母】

もうひとつ、合点のいかない描写が『ジェダイの帰還』にあります。

ジェダイの復讐 本当のお母さん
ベイダーとの対決を前に、ルークは妹であるレイアにこう尋ねます。
「本当のお母さんを覚えてる?」

ジェダイの復讐 レイアの母
レイアは「優しくて悲しげな人だったが、小さい頃に死んだ」と答えます。
しかしエピソード3を正史とするなら、実母パドメは二人を産み落としてすぐに亡くなっているのです。
レイアが知っているはずはありません。

シスの復讐 オーガナ夫妻
この時レイアが語ったのは養母ブレハ・オーガナのことだという意見もあるようですがそれもおかしいです。

ジェダイの復讐 ルークは知らない
ルークはレイアとの共通意識として母(パドメ)のことを聞きたかったはずなのです。
レイアが養母のことを言ったとしたら、このシーンの存在自体が全くチグハグなものでしかありません。
このルークの姿が哀しすぎます。

このシーンを前提に考えるなら、パドメは二人を産んだあとも生きていてベイル・オーガナと再婚したのではないでしょうか。
(表向きは子供も一緒に死んだことにする、またこの場合ブレハ・オーガナは存在しない)
父親並みの強いフォースを持っていた男の子はオビ=ワンによってオウエン夫妻に預けられ、女の子はパドメの連れ子としてオルデランのプリンセスになります。
『ジェダイの帰還』でこのシーンを作って見せた以上、それを活かした前日談にしてもらわねばファンは納得しません。

【エピソード3でベイダーを見せてしまう?】

新三部作で最も愚劣な描写がこれです。
ジャージャー・ビンクスの存在より愚劣です。

シスの復讐 ベイダーマスク
『シスの復讐』の公開当時に最大の話題となったシーンです。
しかしシリーズを通してみた場合、アナキンがベイダーになる具体的な場面が存在することは作劇のセオリーでは考えられないことです。

シスの復讐 ベイダー誕生
『スター・ウォーズ』をエピソード順に観ることを考えた場合、エピソード3でこれを見てしまったら・・・

スター・ウォーズ ベイダー初
エピソード4のこの初登場シーンも「あ、アナキンや」で終わりです。

帝国の逆襲 私が父親だ
『帝国の逆襲』のあの名場面も「既に知ってる」わけですから驚きもしません。

このように注意深く観ていくと、新三部作がいかにオリジナルの良さをないがしろにしているかが窺えますね。

見るべきところがあるとすれば・・・

ファントムメナス ダースモール
ライトセーバー・アクションと・・・

クローンの攻撃 パドメ
パドメ(演:ナタリー・ポートマン)の美しさしか思いつきません。


鑑賞のご参考になれれば幸いでございます。
フォースが共にあらんことを・・・
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