ただいま松本零士ブーム再燃中!
先週「松本零士」展と『銀河鉄道999』リバイバル上映を見てきたことで、私の中ではこの一週間ほどプチ松本零士ブームが到来しております。
【松本零士シンボルロード】

先日、敦賀市(福井県嶺南地方)の松本零士シンボルロードを見物してきました。
敦賀駅から気比神宮へと繋がる旧8号線(敦賀街道)に沿って、なぜか『999』と『ヤマト』のキャラクターブロンズ銅像が飾られているのです。
その存在は以前から知ってはいましたが、全部のモニュメントを見て歩いたのは今回が初めてでした。

鉄郎の初登場シーン。

手を差し伸べるメーテル。

車掌さん。

ガラスのクレア。

キャプテン・ハーロック。

これらの銅像は全て1999年に制作されたもののようです。
『ヤマト』のキャラクター像も作られていますが、これらはあの原作裁判が起こる直前に制作されたもののようです。

「どうじゃ、呑まんか?。」
故・永井一郎さんの声が聞こえてくるようです。

なんでこんなものまで?。
暗黒星団帝国母星デザリアム。
ヤマトキャラクターは何故か'80年公開の『ヤマトよ永遠に』のものばかりでした。
ということは、敵の総大将はデスラー総統でもズォーダー大帝でもなく、このお方です。

暗黒星団帝国のグレート・エンペラー:スカルダート聖総統様です。
ジュディ・オングを思わせる衣装には、古代たちに見せたフェイク映像(ヤマトの最期)が描かれています(笑)。
しかし・・・
どうして九州出身の松本零士先生のキャラクターが福井県の敦賀市に並んでいるのか?。
これは鳥取県境港市の水木しげるロードや富山県高岡市の藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー等とは意味合いが全く違います。
実は、敦賀市は「鉄道」と「港」の両方を備えた日本有数の街なのです。
「鉄道といえば『銀河鉄道999』、港といえば船、船といえば『宇宙戦艦ヤマト』」ということで、1999年に敦賀港開港100周年を記念して「ヤマト」と「999」の合計28体のブロンズ像を敦賀駅から気比神宮までのシンボルロードに設置したのだそうです。
松本キャラの敦賀侵攻はブロンズ像だけではありません。

街を走るコミュニティバスも・・・

バス停の時刻表もご覧の通り。

そしてお昼を食べたこちらのラーメン屋さんでも・・・

鉄郎とメーテルがラーメンをすすっておりました(笑)。

なんでも松本先生がこの店のラーメンを気に入ってオリジナルイラストを描いてくれたのだそうです。
凄いよ、中華そば一力さん!。
【福井市美術館「松本零士展」と『銀河鉄道999』再上映】

今回の松本零士マイブームのキッカケとなった「松本零士展」と、劇場版『銀河鉄道999』のリバイバル上映。
こちらは先週記事にしていますので今回は省略します。
今週は続編『さよなら銀河鉄道999』を見てきました。
『さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅-』(昭和56年作品)
原作・構成:松本零士/脚本:山浦弘靖/監督:りんたろう

・・・が。
実は私、このパート2はどうしても好きになれなくて封切り当時から今までちゃんと観返したことは無かったのですよ。

このLD-BOXを買った時も『さよなら~』は検盤チェック程度にしか見ていませんでした。
『ヤマト』シリーズが無理な設定を継ぎ足しながら強引に続編を作り続けていたのと同じ嫌悪感を持っていて、当時自分の中で「無かったこと」にしていた気がします。
でも今回はせっかくの劇場再公開、しかもフィルム上映です。
37年ぶりに観返すことで何か新しい発見があるかも知れません。
そんな気持ちで再びメトロ劇場に足を運んだのでありました。
『さよなら銀河鉄道999』で気に入らない点はいっぱいあるのです。
■鉄郎がパルチザンの少年兵になっていたり999が軍用列車のような扱いになっているなど、全編通して戦争ばかりで前作やTVシリーズのような大らかさが失われていること。
■鉄郎たちパルチザンが敗走する場面から始まり、さらに敵将の正体が実は父親だったというストーリーが前年('80年)に公開された『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』のコピーでしかないこと。
黒騎士とプロメシュームの対話シーンは、ダースベイダーと銀河皇帝の通信シーンそのものです。
■「私は、あなたの想い出の中にだけいる女。」
そう言い切って綺麗に去っていきながら、臆面もなく再登場するメーテル。
■メタルメナの唐突な改心と自己犠牲。
等々・・・
残念ながら、今回の再上映でもその印象が覆ることはありませんでした。
しかし、帰宅してから妻と『999』の話をしたとき、彼女の口から意外な言葉を聞いたのです。
妻「あたし、『999』は2本目の方がいい。」
私「え?。マジで?。」
「SFは難しい」「アクションもの=暴力だからイヤ」「古い日本映画をお金払ってまで見ようとは思わない」等々、私とは見たい映画の趣味がなかなか合わない嫁ではありますが、まさか『銀河鉄道999』でも意見が分かれるとは思いませんでした(笑)。
でも今回の彼女の意見には「おー、なるほど!」と膝を打つものがあったのです。
妻「1本目は鉄郎が失恋した相手を未練たらしく追いかけているように見えたけど、2本目のラストはきっぱり吹っ切った感じで男らしかったと思う。」
うむ、確かに!。
そういえば、私も前作ラストの「去っていくメーテルに追いすがる鉄郎」に違和感を覚えた記憶があります。
鉄郎の失恋ムービーで終わってしまったのではないか?
あのままでは、鉄郎はまだ一歩も前へ進めないままなのではないか?。
『さよなら銀河鉄道999』の主題は「鉄郎を前に歩ませる」というただ一点のみに集約されていたように思います。

そう考えてみると、ラストでメーテルと別れた鉄郎がカメラ目線で微笑んだカットの意味が分かります。
前作『銀河鉄道999』のラストはこんな鉄郎の表情で締めくくるべきでした。
松本先生とりん・たろう監督はこの1カットのためだけに、蛇足としか思えない2時間10分もの続編を作ったのかも知れません。
私より4歳下の妻は、映画版『999』は2本ともテレビ放映でしか見ていません。
一作目を観た時の彼女は小学5年生。
好きな相手が去っていく姿を泣きながら追いかける男の子にガッカリしても不思議はない年頃です。
そして『さよなら~』の時は中学1年生。
明確な目的を持ち、その実現のために銃をとる年上の男性に惹かれるのもこれまた納得いく話であります。
さらに、私のように映画公開当時のアニメブーム・松本零士ブームに熱狂した体験が無いため、ある意味純粋に作品内容そのものを受け止めていたとも言えます。
私は一作目の『銀河鉄道999』を無意識に神格化していて、『さよなら~』を色眼鏡で見ていたのかも知れません。
思いもよらない相手から面白い話が聞けましたが、出来れば映画を観る前にこれ聞きたかったですねえ。
そうしたら今回37年ぶりに観る『さよなら銀河鉄道999』をもっと新鮮な気持ちで楽しめたかも知れません。
惜しいことをしました。
【メトロ劇場】

昔ながらのフィルム上映で『銀河鉄道999』を楽しませてくれた劇場は、福井市繁華街の一角に位置する雑居ビルの4階にあるメトロ劇場さんです。
ここに来たのは昨年末の『シンクロナイズド・モンスター』の時以来ですからおよそ半年ぶりになりますね。
あの時は映画を観終わって外に出てみたら、近所で火事が起こっていて辺りが騒然となっていたのを思い出しました。
>週刊映画鑑賞記(2017.12/25~2017.12/31)

エレベーターから出ると、正面には『ヤマト』『999』のポスターがお出迎えです。
劇場スタッフの中にかつて松本アニメのファンだった人がいるのでしょうか?。
是非お友達になりたいです(笑)。

これは『さよなら銀河鉄道999』を観に行ったときのロビーの様子です。
前の作品の上映が終わるまでロビーで待たねばならないためかなり混雑しています。
やはり私と同年代の方が多かった気がしますが、何人か先週一作目を観に来た時もいた方がいらっしゃいました。

劇場入口ドアには『銀河鉄道999』(TVアニメ版)のLDBOXジャケットが飾られていました。
どうせやるなら表側だけでなく裏面も見えるようにして欲しかったですね。
裏面には収録されている各エピソードのあらすじや場面写真が載っているはずなのですから。

一角には『銀河鉄道999』『わが青春のアルカディア』や『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの当時の資料が張り出されていました。
よく見ると、『宇宙戦艦ヤマト』&『地底王国』とか『銀河鉄道999』&『ウルトラマン』とか・・・。
あと『スティング』&『タクシー・ドライバー』など、ここで初めて観た映画もたくさんありました。

私は高校時代から老けて見える顔つきだったので、それを悪用して『カリギュラ』&『エマニエル夫人』を観に行ったことがありました(もう時効です)。

そういえば『宇宙怪獣ガメラ』と『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』と『鉄腕アトム』という超豪華プログラム(?)を体験したのもここでした(笑)。
>『昭和ガメラ』といえば・・・?

奥の掲示板には「あなたが選ぶ上映映画」と題して無数の映画タイトルが張り出されています。
劇場スタッフが選んだノミネート作品の中から来場者が見たい作品を選んで投票することで上映作品を選ぶシステムです。

上映決定した作品の中には、先日私が金沢まで出向いて観てきた『犬ヶ島』も含まれていました。

あと、この劇場にはもう一つ昭和を感じさせてくれるアイテムがあります。
メトロシネマノート
来場した客が感想やリクエストを書き込むためのもので、36年も受け継がれてきたものです。
今ではネットの掲示板やブログやツイッターで十分事足りるものですが、それでもこんな昭和のアナログ回覧システムを今も大事に続けているのですね。
私も映画終了後に書き込みして帰ろうと思っていたのですが、熱心に読んでいる方がいらっしゃったため残念ながら今回は諦めました。
日本の特撮怪獣映画をリクエストしておこうと思っていたのですがね(笑)。
という感じで松本零士な一週間ではありましたが・・・
あれ?。
でも何か足りないような・・・?。

今回のイベントでは『1000年女王』が無視されていたような気がしました。
原作者ではないことにされてしまった『宇宙戦艦ヤマト』は前面に押し出しているのにこれでは片手落ちです。
もっとも、『1000年女王』に触れてしまうと『999』の作品世界をぶち壊しにしてしまいかねないので、これはこれで当然の措置かもしれませんがね(笑)。
なぜなら、女王プロメシュームの正体は・・・(以下自粛)
最後までお付き合いいただきありがとうございました。