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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2018.8/13~2017.8/19)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。

7月中旬頃ら連日続いた猛暑もここ数日は小休止となったみたいです。
金曜日から今日にかけては30度を超えることもなく、久しぶりにエアコンを点けずに夜寝ることが出来ました。
お盆休みで我が家に宿泊していた客人(親戚)たちも帰って行き、私も約10日ぶりに自宅で映画を楽しむ時間が持てました。



8/13(月)
『チア☆ダン』(第1話)
(居間37インチ液晶テレビ:北陸放送録画)
金曜ドラマ『チア☆ダン』
この日のドラマ視聴については先日の記事(↓)をご参照ください。

>「夏の夜の鑑賞会 ~「実は俺、『チア☆ダン』にチラッと映ってるんや」~」

現在のところ『チア☆ダン』は惰性で観ている状況になりつつありますが(笑)、それでも時折挿入される地元の風景ショットを楽しみに毎回見ております。
最終回までにまた福井ロケやってくれないかな~。



8/16(木)
この世界の片隅に』(第5話)
(自室32インチ液晶テレビ:北陸放送録画)
『この世界の片隅に』ドラマ版
7月から福井が舞台となっている『チア☆ダン』と、原作・アニメ映画がいずれも素晴らしかったこの世界の片隅にの2本のテレビドラマを欠かさず観ています。
それぞれ(特に私自身もロケに参加した『チア☆ダン』)の第1話に関してはこのブログでも取り上げましたが、2話以降はいちいち感想を書くのも大変なので最終回まで観終わった後にまとめて書くつもりでおりました。

・・・が、しかし。
今回の『この世界の片隅に』(第6話)のラストシーンにはどうしても看過できない重大なオリジナル要素が付加されていたのです。

ドラマ版『この世界の片隅に』は、松本穂香さんをはじめとする俳優さんたちの好演と昭和20年の呉を再現した丁寧な演出がとても気に入ってはいるのですが、唯一、ドラマ独自に付け足した現代シーンの存在が目障りでした。
このまま行くと、「93歳になった老齢のすずさん」や「すずさんの遺影」なんかが出て来てしまいそうな気がして不安に思っていたのです。

今回、その心配が現実のものとなってしまいました。
すずさんのその後を語る(と思われる)人物が現代シーンに登場してきたのです。

『この世界の片隅に』(第5話)北条姓を名乗る女性
「初めまして、北条です」
北条姓を名乗るこの女性。
私が思うに、この人は原作・アニメ版のラストに登場したあの女の子ではないのでしょうか?。

『この世界の片隅に』戦災孤児
広島の原爆被害から奇跡的に生き延びて子供のいない北条夫妻に引き取られた戦災孤児です。

北条と名乗るこの女性が、本当にあの女の子だったとすると・・・?。
彼女の口から「93歳になった現在のすずさん」の話や、最悪の場合「すずさんの死」などが語られてしまいそうな気がします。
私としては、そんな余計な付け足しは到底受け入れ難いものでありました。

この時点で、私はドラマ版『この世界の片隅に』視聴を中止することに決めました。
とりあえず録画だけはしておいて、年末公開のアニメ『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』鑑賞後にゆっくり楽しむことにいたしましょう。
それまではこのドラマ版の情報は一切シャットアウトします。

『この世界の片隅に』(第5話)香川京子
しかし、この女性を演じた品の良い女優さんには思わず目が釘付けになりました。
なんと、香川京子さんではありませんか!。
円熟期の黒澤明監督作品や小津安二郎監督の『東京物語』今井正監督の『ひめゆりの塔』など、名だたる名匠の映画に起用されてきた名女優です。

香川京子さん『モスラ』より
「この頃のギロチンは音がしませんのよ」
香川さんは特撮映画にはあまり出演されていませんが、1961年の『モスラ』に女性カメラマン役で出演されています。
私にとっては、河内桃子さん、白川由美さん、水野久美さん、星百合子さんたちと並ぶ東宝特撮ヒロインのお一人でもあるのです。

お年を召してもなお衰えることのない知性と気品。
昭和の名女優の演技をリアルタイムで見たいのはやまやまですが、やはり不要な原作改変には拒絶反応が働いてしまうのです。


8/17(金)
緯度0大作戦
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
『緯度0大作戦』ポスター
私が『緯度0大作戦』を初めて観たのは比較的最近のことです。
本多猪四郎監督&円谷英特技監督コンビ最後の作品としてその存在だけは知っていましたが、残念ながらテレビで観た記憶も無く版権問題のせいかビデオソフトも一向に出なかったのです。
結局、10年ほど前DVDがレンタル解禁になった時に借りて見たのが最初でした。
2度目は前回の「東宝特撮王国」の時、今回が3度目の鑑賞になります。

この映画が公開された1969年7月といえば、東宝特撮映画が「チャンピオンまつり」へと移行する直前です。
そして、『緯度0大作戦』公開のちょうど半年後(1970年1月)に円谷英二特技監督はお亡くなりになっています。

そう思ってみるとなんだか感慨深い作品ではあります。
・・・が、それでも何度見ても構成のちぐはぐさとラストの難解さ(を通り越している!)のために頭が混乱してしまいます。

『緯度0大作戦』何も映ってない?
ラストで記者のロートン一人が元の世界に戻るものの、緯度0の存在を実証する写真も証拠の品物も全て失われていました。
まるで浦島太郎」みたいな終わり方ですが、それにしては全編通してロートンの視点で貫かれていないのが気になります。
途中、緯度0の説明がナレーションで語られますが、その声の主がなぜか緯度0の住人であるマッケンジー艦長なのです。
本多猪四郎監督の談によれば「緯度0はパラレルワールド」とのことですが、それでも視点に一貫性が無いのは困ります。
日本版より上映時間が16分長いという海外版ならもっと納得のいく話になっているのでしょうか?。
緯度0大作戦』は1969年7月公開作品ですから、前年に公開された『2001年宇宙の旅』の影響を受けた可能性もあります。

今回も日本映画専門チャンネルによる高画質HDリマスター版の効能は、特に女優さんの美しさに如実に現れているようです。

『緯度0大作戦』お医者さん?
バートン先生。
この映画は肌色が多めなので、さぞかしリマスターのし甲斐があったことでしょう(笑)。

『緯度0大作戦』マリクとルクレチア
マリクの服の質感。
ルクレチアの唇。

『緯度0大作戦』アルファ号
そしてα号をはじめとするメカの質感。

『緯度0大作戦』蝙蝠男
鮮明に見えすぎるせいか、コウモリ人間が初期ショッカーの怪人以下だったのはちょっとアレでしたが・・・(笑)。


ところで、日本映画専門チャンネルの「東宝特撮王国」でちょっと気がかりなことが・・・。

日本映画専門チャンネル「10月は?」
それは、いつまでたっても10月以降のオンエア予定が出てこないことです。
まさか9月で終わりじゃないでしょうね?、日本映画専門チャンネルさん!。



8/18(土)
『この世界の片隅に』
(ホームシアター:Blu-ray)
『この世界の片隅に』ブルーレイ
一昨年の秋、劇場に4回観に行ったうえに普段滅多に買わないパンフレットや原作本まで買ってしまったほど魅了されてしまった作品です。
テレビドラマ版の方向性が少し怪しくなってきたため観るのを中断し、口直しにもう一度この傑作映画を観返すことにしました。

この世界の片隅に(2016年)
『この世界の片隅に』は2016年11月12日の公開日から現在まで、日本のどこかの劇場で一日も途切れることなく上映され続けている作品です。
(ちなみに今日の時点で646日連続ロングラン継続中!)。
初公開時からこの作品に魅入られ続けている者としては嬉しいやら誇らしいやら。

ドラマ版は(現代のシーンが挿入されていたせいか)現代人の客観的な視点で昭和20年の呉市を眺めている印象でした。
それに対してこのアニメ版では、ごく自然に物語世界に入り込みすずさんのご近所の一人となって戦時の庶民生活と戦争の脅威を身近に感じることが出来ます。
この没入感は「原作を超えている」と言っても過言ではないでしょう。

メトロ劇場でコノセカ
その『この世界の片隅に』再上映は今週末まで福井でも開催されていたのですが、残念ながら仕事と盆休みで泊まりに来ている親戚の対応で自分の時間が確保できなかったため劇場での再鑑賞は叶いませんでした。
15日夜には劇場(メトロ劇場)でファンミーティングなるイベントが開催されたようです。
同じ映画を好きな者同士で語り合える滅多に無いチャンスということで是非参加したかったのですが残念です。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』ポスター
さらに今年12月には予算不足のために泣く泣くカットされた30分のシーンを追加した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開予定です。
旧バージョンでは泣く泣くカットされた遊女:白木リンやテルとのエピソード、リンと夫・周作との関係などもきちんと描かれるようで、オリジナルバージョンに感じた舌足らずな部分も補完できるものと思います。
個人的には花見のシーンが映像化されることが嬉しいですね。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』という新しいタイトルも片淵監督の想いの強さが感じられて良いです。
<完全版>とか<ディレクターズカット版>では、皆に愛されてきた現在の版が<不完全版>ということになってしまいますから。


今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

2 Comments

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しろくろshow  

メルマガの方でも

こんばんは。

ニッセンチャンネルのメルマガで10月の案内が届いてましたが、こちらにも「特撮王国」の告知はありませんでした。おそらく9月でいったん終了という感じになってますね~、ホントに残念です。

私は「セレクト5」で契約しているのですがあの枠がなくなると今のニッセンってあんまり見るモノがないんですよね(^_^;)そうなると10月からは「ファイヤーマン」をやっているチャンネルNECOか今月末からHD化になるザ・シネマあたりに変更しようかなと思っています。

けっきょく4月から全部で12本ですか。ありがたいプログラムではありましたけど、本音を言うともうちょと色々見たかったですよね(わたしは「マタンゴ」と「モスラ」を楽しみに待っていたのですが来年以降にお預けに・・・(ノД`) 半年後くらいに再開してくれたら良いんですけど)

2018/08/20 (Mon) 21:43 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

この「おあずけ」状態はキツいですね〜

しろくろshowさん、コメントありがとうございます。

少なくとも以前の特撮王国で放映されたものは当然今回もやってくれるものと思っていたのですがね〜。
リマスター作業が放送に追いつかなくなってしまったのでしょうか?。
あるいは、あまりの高画質ぶりに東宝から「こんなものを放送されてはウチのブルーレイが売れなくなってしまう。営業妨害だ。」とクレーム付けられたとか?(笑)。

今回のリマスター版は画面のクリアさと安定度の向上に加えて、色彩がとても鮮やかで立体感が増していたのが印象的でした。
私もマタンゴを食った水野久美がどれだけ妖艶さを増して見えるのかを楽しみにしていたのですがね(笑)。

いつかまた復活してくれるものと信じていますが、これまでの放送が市販BDを凌駕するほど高品質だっただけにこの突然の「おあずけ!」は余計残念です。

2018/08/21 (Tue) 12:27 | EDIT | REPLY |   

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