真夏の夜の鑑賞会 ~「実は俺、『チア☆ダン』にチラッと映ってるんや」~

平成最後のお盆が過ぎました。
我が家のお盆は例年に比べると少々寂しい状況だったように思います。
去年は多くの親戚がお盆(8/15)を目がけて集中的に休みを取ったため、我が家には一晩に4家族が宿泊しておりました。
そのため、中学生以下の子供が7人もいるという大所帯となり母と嫁はてんてこ舞いになっていたのです。
しかし今年は、Uターン渋滞を避けたかったのか今年は皆が「休みを分散して取った」ようなのです。
お盆を前に14日までに墓参りを済ませて帰ってしまった家族や、15日に日帰りで墓参りだけをしに来た京都の従兄弟など、結局昨年みたいに一晩に十数人も集まるようなことはありませんでした。
子供の減少には理由がありました。
去年来ていた子供たちのうち二人が来年受験のために来ておらず、その一人は来年高校受験とのことでした。
その長男と母親を東京に残して、従兄弟が下の子だけを連れて来てました。
お兄ちゃんは受験勉強で海(福井)に行けないのに弟や妹だけタップリ遊んで帰るのを見せては可哀そうだとのことで、その下の子たちも結局1~2日程度しか海に行けませんでした。
私には下の子たちが兄の受験の巻き添えを喰ったようにしか見えず、「遊べるときに思いっきり遊ばせてあげればいいのに」と思っておりました。
そして、もう一人はなんと中学お受験のために夏休み中もずっと塾通いとのことでした。
福井のド田舎に生まれ育った私にはとても考えられない話です。
中学受験のために来られなかったその男の子は、去年うちで『シン・ゴジラ』を見せてあげたときに「もう一回見たい」と呟いていた子でした。
昨年11月のテレビ放映で、彼が2度目の『シン・ゴジラ』を観ることが出来ていればよいのですが・・・。
去年と比べて今年はちょっと寂しいお盆でありましたが、それでも13日(月曜)の夜には気のおけない親戚縁者が集まってワイワイガヤガヤ思い出話で盛り上がりました。
参加者は、私と嫁、妹夫婦とその息子たち(大学2年と高校1年)、東京の叔母(母の妹)とその娘(従姉妹)。
母と従姉妹の子供たちは夜遅かったため既に寝ておりました。
リビングでビールをちびちび飲みながら子供の頃の話などで盛り上がっているうち、
従姉妹が「そういえば、今、福井が舞台のドラマやってるよね!」と切り出してきました。
内心「待ってました」とばかり、私と嫁は「それって『チア☆ダン』のこと?」と切り返しました。
そして続けざまに私はドヤ顔でこう言ったのです。
私「実は俺、『チア☆ダン』の一話目にチラッと映ってるんや。」
皆(嫁以外)「えええええええええええええ!?」
去年の『シン・ゴジラ』の時もそうでしたが、この「●●に映ってる」というネタは皆のリアクションが凄いです。
『チア☆ダン』は福井が舞台のドラマとあって、福井在住の妹夫婦はもとより東京の従姉妹たちも見ていたとのことでした。
以下は我が家での会話のほぼ完全再現です。
さらに『チア☆ダン』にちなんでオール福井弁です(笑)。
妹 「私見たんにゃけど全然分らんかった。お兄ちゃんどこ映ってたんにゃ?。」
私 「最後のほう。駅前で土屋太鳳が踊るとこ。」
義弟 「ということは土屋太鳳に会ったんけ?。」
私 「当然や!。何べんか目が合ってもたわ。」
一同 「いいなあぁ~~~~~~」
従姉妹 「オダギリジョーにも?。」
私 「おう!、踊ってるシーンのとき俺のすぐ横に待機してた」
甥 「おんちゃん(伯父さん)、広瀬すずは?」
私 「あの撮影の時はおらなんだな。多分別の日に撮ったんやろ。」
甥 「な~んや」
私 「でも『ちはやふる』の時は俺の目の前にいたんやぞ。」
一同「えええええええええええ!?」
妹 「ちょ、ちょっと待って。お兄ちゃん『ちはやふる』の撮影も行ってたんけ?。」
私 「ほや。」
従姉妹 「『ちはやふる』って福井で撮影してたの?。」
私 「少しだけ福井のシーンもあったけど、俺が行ったのはかるたの試合シーンや。」
叔母 「それは福井で撮ったの?。」
私 「いや、滋賀県。近江神宮。」
妹 「それ出演料とかは?。」
私 「そんなもんあるわけない。ボランティアや。」
妹 「旅費は?。」
私 「そんなもん、自腹に決まってるが。」
妹 「わざわざ自腹で滋賀県まで行ったんけ?。あほでねんか。」
嫁 「ほやって!。この人、東京(シン・ゴジラ)とか神戸(マンハント)とか、「映画映りに行く!」ってもうめちゃめちゃ嬉しそーに行ってまうんですよ。それも2泊とか3泊とか泊りがけで!。」
妹 「お義姉さん、大変やの~、ごめんの~。」
嫁 「あと、「この映画だけは絶対”あいまっくす”で観なあかん」とか言って大阪行ってまうし、わざわざ京都の潰れかけの映画館へオールナイト見に行ってもたりするし・・・。」
妹 「ほんっとにごめんのぉ~。」
なぜか私の道楽が責め立てられてしまいました。
う~ん、困ったなあ。

実は来週あたり、↑コレを見に明石へ行こうと思っていたのですがね~。
ちょっと言い出しにくくなってしまいました(笑)。
・・・とか考えていたら、ナイスタイミングで従姉妹が助け舟を出してくれました。
「ねえ、当然『チア☆ダン』録画してあるんでしょ。観てみようよ。」
リビングのテレビにはこれまで録画した『チア☆ダン』5話分が全部残っています。
夜も遅いので第一話クライマックスの福井駅前恐竜広場のシーンだけでいいかと思ったのですが、伯母と甥っ子はまだ一度も見たことがないとのこと。
結局第一話全編を最初から観ることになりました。
最初の方ではやはり
「福井弁が変!」
という話題で盛り上がりました(笑)。
語尾を伸ばすのが福井弁の特徴ではあるのですが、その伸び方が違和感があるというか気持ち悪いのです。
少し関西弁風になっている子もいたような気もします。
その違和感は東京に住む叔母や従姉妹も感じたようでした。
元JETSのメンバーが方言指導も兼ねてアドバイザーとして参加しているはずですが、俳優さんたちもこんなマイナーな方言を即席で使いこなすのは難しいのでしょう。
しかし、そのイントネーションの違いを文章で表現することは不可能なのでここでは割愛します。
それに言葉を気にしていたら楽しむべきものも楽しめません。
私としては多少(いや、かなり)変だったとしても、全国放送のドラマで福井弁を全編に渡って使ってくれたという、そのチャレンジ精神と福井へのリスペクトを嬉しく思っているのです。

私が撮影に参加したラストのダンスシーン。
面白いもので、「身内が映ってる」と聞いただけで画面を見つめる皆の視線が真剣です。
この踊り始めの辺りでは私はまだこの人混みの中にはいないのですがね(笑)。

まずこのカットで一時停止・コマ送りしながら、奥のピンボケ通行人が私であると言ったのですが・・・
妹「そんなもん、絶対わからんわ。」
の一言でした。
そりゃそうや・・・。

そして、私が名(迷)演技を披露しているこの場面が出てきました。
さすがは我が血族、全員一斉に気付いてくれました。
妹「あっ、いたいた。女子高生の向こうで誰かと喋ってるがし!」
叔母「ちゃんと演技してるね~(笑)」
従姉妹「ほんとだ、オダギリジョーに近~い」
いやあ、ちょっと照れ臭いながらも実にいい気分でありました(笑)。
あとはラストカットの後ろ姿だけ・・・と思いながら見ていたところ、ふとあるカットに目が止まりました。
私「あっ、今の・・・俺?。」

それは警官や駅係員に注意される生徒を見かねて漆戸先生(オダギリジョー)が飛び出す一瞬のカットでした。
巻き戻してコマ送りで見てみます。
すると・・・

初放送時には全く気付かなかったのですが、カット尻の2~3コマ分に先生の奥に立っている私の姿が映っていました。
残念ながらピンボケで顔の判別は出来ません。
しかし、オダギリさんと私との位置関係、そして服装から見てこれが私であることは間違いありません。

そしてラストシーン。
甥と義弟はすぐに画面手前の私の姿に気付いたようでしたが、妹と従姉妹たち女性陣は画面の奥ばかりを探していて一向に気付く様子がありません。
妹「これ?」
私「違う」
従兄妹「これ?」
私「違う、そもそも方向違いや。さっきの画で東横イン(ホテル)をバックに映ってたはずやが。」
どうやら我が一族の女たちには、空間把握能力が著しく欠けているようであります。
そういえば思い出しました。
妹は昔から極度の方向音痴だったことを・・・。
こうして今年のお盆の上映会は終了となりました。

もし時間があれば先日届いた『マンハント』のブルーレイ鑑賞会もやりたかったのですがね。
『マンハント』はたった一日のロケだったにも関わらず、私は後姿も含めると4カットも映っていたのです。
ちょっと残念でしたが、『マンハント』と10月発売の『ちはやふる―結び―』の親族声出し可能上映会は来年夏のお楽しみにとっておくことにします。
そして今日(8月16日)。
最後まで宿泊していた東京の叔母と従姉妹親子が帰っていきました。
母は今年のお盆がよほど寂しかったのか、叔母に「来年は15日に集まってみんなで墓参りしよう。」と何度も言っていました。
子供たちは年々大きくなる一方で、来年も再来年も受験のために来られなくなる子が増えていくと思います。
こうして夏に遊びにくる子供たちの数が年々減っていくのだなと、なんだか切なくなってしまいました。
しかしその一方、3歳年上の従兄弟に初孫が出来たというめでたい知らせもあったりして、我が一族にも新しい世代の子供たちが生まれてきています。
あと何年かしたらその子たちもきっと福井へ遊びに来るはずですから、その時にはこのオジちゃんが面白い怪獣映画をタップリ見せてあげましょう(笑)。
こんな血縁者の内輪ネタに最後までお付き合いいただきありがとうございました。