週刊映画鑑賞記(2018.9/3~2018.9/9)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。
このところ、なんやかんやで心身ともにクタクタです。
ここ数週間は開催を3週間後に控える福井国体のために県外遠征の仕事も増えてきました。
8キロもある放送用カメラを担いでグラウンドや体育館を駆け回るのは、54歳のおっさんにはそろそろ(文字通り)荷が重くなってきている気がします。
その分稼ぎのほうも通常月の5割増しで、仮にこのペースが一年続けば年収1,000万円超えも夢ではないのですが、とてもじゃないが身体が持ちません・・・ _| ̄|○
4日(火)にはあの台風21号が午後から夕方にかけて福井に最接近しました。
これまでは「台風が来るぞ!」と言っていても結局は日本海上にコースを外れて肩透かしばかりだったのですが、今回ばかりは本当に直撃を喰らいました。
おかげで当日もその翌日も県内被害状況の取材のために北から南まで奔走しておりました。
あまりの強風で屋根や乗用車がコロコロ吹き飛ぶニュース映像を見た時には、まるで映画『空の大怪獣ラドン』を観ているようで思わず「円谷英二は正しかった・・・」なんて考えてしまいました。
(他県では死傷者が出ているうえ、6日には北海道大地震もあったというのにまことに不謹慎で申し訳ありません)
そんなこんなで仕事と天変地異に翻弄され続けている毎日であります。
国体&障碍者スポーツが終わる10月中旬まではブログを書く時間も限られますが、それでもこの毎週日曜日「週刊映画鑑賞記」だけは毎週欠かさず更新し続ける所存であります。
・・・と、
長い長い前置きを経て書き始めた今週の「週刊映画鑑賞記」ですが、実は今週は映画を観る時間を全く取れないまま終わってしまいました。

せめて水曜日に放送された日本映画専門チャンネルの『地球防衛軍』だけは観たかったのですがね。
早朝5時から夜11時までなんてスケジュールがこうも続くと、いくら大好きな特撮映画であったとしても途中で睡魔に襲われることは必至であります。
というワケで、これが今週唯一の映画ネタです。
9月9日(日)

今日は話題作『カメラを止めるな!』のスタッフ・キャストインタビューのお仕事で楽しいひと時を過ごさせていただきました。
しかもギャラまで貰って!(笑)。

最初は上田慎一郎監督へのインタビューとだけ聞かされていたのですが、さすがは今年一番の話題作ですね~。

実際には上田監督の他に細田学(酔っ払いカメラマン)役の細井学さんと古沢真一郎(番組プロデューサー)役の大沢真一郎さん、そして市橋浩治プロデューサーの合計4人へのインタビュー撮影という話になっていました。

福井での上映館であるテアトルサンクさんで舞台挨拶があるため、その待ち時間の間に各メディアの取材予定が組まれていました。
インタビュー撮影後はこの舞台挨拶の模様も撮影させていただいております。
ただ、正直なところ「監督がいるのにプロデューサーのインタなんて必要か?」とも思っていたのですよ。
ところがなんと、市橋プロデューサーは福井県出身だと言うじゃありませんか!。
そういう事ならばご登場いただかねばなりませんね~。
※以下、『カメラを止めるな!』の内容に関するネタバレが含まれますので未見の方はご注意願います。
『カメラを止めるな!』で私が個人的に私が知りたかったのは・・・
「最初に1ロールのゾンビ映画を撮影して、その出来高に合わせて後半のコメディ部分を組み上げていったのか?。それとも最初から全編の脚本があの形で完成していて、あの37分間の1ロール映画は(アクシデント部分も含めて)計算通りに撮ったものなのか?。」
という「卵が先か?ニワトリが先か?」的なことでした。
それをインタビュー項目に盛り込んでおいてもらったのですが、インタビュアーがそれを訊くより先に監督が話してくれました。
「あの冒頭37分は本当は30分位を目指して撮り始めたんですけど、撮影中に色々なアクシデントが起こってそれらを後半のネタとして取り入れることにしたんです。」
「一番大きな想定外の出来事は、飛び散った血糊がカメラに付いたのをカメラマンが自分の判断で拭き取ったところ。確かにあのまま残り10数分の撮影を続けることは難しかったと思う。」
確かに、あのレンズを拭く箇所だけは私も違和感を覚えました。
”一本の映画”という体裁のはずなのに、カメラマンという第三者の行為が見切れてしまっているのです。
私もTV生中継の仕事では雨などの場合本番中でも咄嗟にレンズを拭くことはありますが、劇映画の中であの画を見るのは初めてで「実はそれまでの登場人物の他に”カメラマン”というキャラクターが居るのか?」と戸惑ってしまいました。
「もう一つのアクシデントは屋内の俳優3人が「大丈夫?」「大丈夫!」とアドリブで時間を稼ごうとしていたところ。」
「あれは片腕を斬られたメガネ男のゾンビの準備が遅れたために本当に時間稼ぎをしてもらう必要があった。」
「市橋プロデューサーはほとんど現場に顔を出すことはなく好きに作らせてくれたが、火炎放射器でゾンビと戦うシーンだけは「危ないからダメ!」と止められた。」
「1カットのゾンビムービー部分は全部で6テイク撮った」
「実はそのNGの中の5テイク目は完璧に近いくらい全てがうまく撮れていた。」
「しかし、綺麗にまとまり過ぎて逆に面白くないのでもう1テイク撮ることにした。アクシデントはあったがその6テイク目を採用した」
等々、パンフレットや公式サイトで既に公になっている話から「これ、初めて喋ったかも」という話まで、映画『カメラを止めるな!』を観た者なら目を輝かせて聞き入るような面白い話ばかりでした。
上田監督はとても頭の回転が速い方で、インタビュアーの的外れな質問にも即座にユーモアを交えながら答えてくれました。
その中で、私が撮影していて物凄~くビックリした箇所がありました。
「公開当初は、最初の1カット・ゾンビ映画部分で帰ってしまう人も多かった。せっかくお金払って見に来たのにこのクォリティ?とか思われたのかも知れない。」
「公開当初のお気持ちはどうだった?」という質問にそう答えた上田監督でしたが、次の瞬間おもむろに私の方を向いて・・・
「カメラマンさんは映画はご覧になってくれました?。最初の部分どうでした?。」
と、いきなり私に向かって逆質問してきたのです。
私は思わず「最高でした!」と声を出しそうになってしまいましたが、そこはグッと堪えて👍と親指を立てて応えました。
すると監督は笑いながらこう仰ったのです。
「こうして日常的にモノ作りをしている方なら分かってくれると思うけれど、ほとんどのお客さんは最初の見た目だけで判断してしまうので怖かった。」
自分で言うのもなんですが、インタビュー撮影をしながら私はず~っと笑ったり驚いたり頷いたりしていたため、上田監督にも「ああ、このカメラマンは自分たちの映画を気に入ってくれたのだな」と分かってくれたのかも知れません。
監督はもちろん出演者もプロデューサーも、サービス精神旺盛でとてもノリが良い方たちでした。
インタビューの最後に番組の宣伝を撮らせていただいたところ
「来週の■■■■■(番組名)は『カメラを止めるな!』」
と、ゾンビのポーズで叫びながら私が構えるカメラのレンズに襲いかかって来てくれました(喜)。
最後にもう一つ・・・。
インタビュー中の映像や写真は権利が放送局に帰属するためこのブログに貼るわけにいかないのが残念です。
しかし、今回一つだけ個人的に職権乱用(笑)をさせていただきました。

こちらは先日金沢の劇場で買ったパンフレット。
実は「2回目を見るまでは・・・」と思ってまだ一度も開いておりません。

これをこっそり現場に持ち込んで、裏表紙に上田監督と出演者の皆さんにサインしていただくことが出来たのです。
本来なら番組スタッフがやるべきことではないのですが、私たちの前に取材してた他局の連中が全員サインして貰ったと聞いていたのでディレクターを通じて頼んでもらったのです。
上田監督も出演者のお二人も快諾してくれて本当に楽しそうにサインしてくれました。
出来れば下の方に自分の名前も書いてもらえば良かったなあ。
それだけがちょっと心残りです。
私にとって『カメラを止めるな!』監督・出演者インタビューのお仕事は、ここ数週間の過酷なスケジュールの合間に映画の神様がくれたご褒美のようなひと時でありました(笑)。
これで明日からも頑張れそうです!。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。