週刊映画鑑賞記(2019.3/11~2019.3/17)
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について思いつくまま気の向くままつらつらと書き留めることにしております。
3/11(月)
『カメラを止めるな!』(オーディオコメンタリー)
(居間37インチ液晶テレビ:金曜ロードSHOW録画)

すでに2回劇場で観ている映画ですが、今回テレビでノーカット放送されるとのことでまた見てしまいました。
放送されたのは前週の金曜日(8日)ですが、当日は確定申告の準備で忙しかったため週明けのこの日満を持しての再々鑑賞であります。
最初に見た時は口コミで「面白い!」とかなり評判になっていた頃で、しかも一般の客も映画館に行きやすい土曜日でした。
そのため、前の椅子をドカドカ蹴りながらバカ笑いする低能男とか携帯の電源を鳴らしてだけでなくそのまま電話に出てしまうバカ女とか上映中に映画館でペチャクチャ喋るバカップルがいたりいて、落ち着いて楽しめなかったのが残念です(怒)。
>週刊映画鑑賞記(2018.8/27~2018.9/2)
その後、2回目を見に行って「本当によく出来てるな~」と改めて感心したものです。
この映画は2回見ると面白さが倍増しますね。
「同じ映画を2回続けて見るのはつらい」という人も、せめて冒頭37分の1ロール撮影部分だけは見返して欲しいと思います。
まだ『カメラを止めるな!』を見てない方は、最低でも1.5回観てください(笑)。

そんなこんなで3回目となる『カメラを止めるな!』。
実は今回の放送で興味があったのは副音声の監督の上田慎一郎、キャストの濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、秋山ゆずきによる実況生トークです。
というわけで、今回は全編副音声を聞くことに集中しておりました。
■37分の1ロールゾンビ映画は全部で6テイク。
■そのうち3テイク目まではゾンビメイクなどの準備が間に合わず途中で中止となったのがほとんど。
■4テイク目はカメラマンが誤って録画ボタンに触ってカメラを止めてしまったため後半が全く撮れていなかった。
■5テイク目は完璧な出来だったが逆に「段取り的すぎてつまらない」ともう1テイク撮った。
■その6テイク目でレンズに血糊が付いてしまいカメラマンが思い切ってレンズを拭くというアクシデントがあったが、上田監督はこの6テイク目を採用して「レンズ拭き」のアクシデントも後半の脚本に織り込んで活かした。
等々・・・
あの難しい撮影をやり遂げた皆さんの話ぶりは聞いていてとても楽しいものでした。
また、それと同時に、昔自主映画作りに勤しんだ者の一人としては羨ましさと妬ましさも同時に感じておりました。

冒頭37分のノーカット放送を売りにしていた金曜ロードSHOWの『カメ止め』放映でしたが、この映画の場合それは当たり前のことです。
問題は、その分後半に入るCMの間隔が極端に短くなってしまって映画に集中することが出来なくなっていることでした。

こちらは番組中のCM位置にチャプターポイントを付けた分布図です。
確かに冒頭40分ほどは一切CMがありませんが、その後は7~8分ごと頻繁にCMが挿入されていることがわかります。
しかもそのCMが長い!。
特に真ん中あたりのCMは3分近くあったように感じました。
民放放送である以上、決まった数のCMを流さなければならないことくらい重々承知しておりますが、これではたとえ冒頭部分をノーカットで放送しても、それを追体験する後半分がブツ切り状態になってしまってこの映画の面白さを台無しにしています。
今回の地上波放送で分かったのは『カメラを止めるな!』は観るのも止めるな!ということでありました(笑)。
3/14(木)
『怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ』(東宝チャンピオンまつり版)
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル)

日本映画専門チャンネルで現在進行中の「東宝チャンピオンまつり版ゴジラシリーズ一挙放送」。
先週の『モスラ対ゴジラ』に引き続き、今週は『怪獣大戦争』('65)の短縮版『怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ』です。
「どうせならオリジナルの制作順で『地球最大の決戦』をやってくれればいいのに・・・」と、ささやかな不満を感じながらも午後9時にはいそいそとレコーダーとプロジェクターとAVアンプに灯を入れていた私でありました。

『モスラ対ゴジラ』では予想外の高画質化ぶりに喜んだものですが、今回の『怪獣大戦争』もしっかりリマスター処理が施されていました。
望外の高画質ぶりにAVファンとしては狂喜乱舞状態であります。
始まってすぐに登場する、P1乗組員役のグレン(演:ニック・アダムス)と富士(演:宝田明)のお肌がこれまでのどのハイビジョン・ソースよりも明らかにツヤツヤしています(笑)。
昨年の「特撮王国」では番組の一番のセールスポイントになっていたHDリマスターですが、今回の短縮版ゴジラでは特にそれを謳うことなく当然のように画質向上させているのが心憎いです。

何度見てもため息が出てしまうほど美しいX星のUFO浮上シーン。
コントラストが高く、それでいて白く輝くUFOの白さも飛んでいないため、これまでにない立体感が味わえます。
X星人のヨコシマな感じがこの画面だけで表現されているかのようです。

画質の良し悪しは綺麗な女優さんを見れば一目瞭然です。
水野久美さん演じる波川女史(X星人)と沢井圭子さん演じる富士ハルノの2ショットで比較してみましょう。
日専(短縮版)
市販ブルーレイ(全長版本編)
2015年WOWOWシネマ放送版
と、上から高画質順に並べてます

続いて水野久美さんアップショット3連発!。
日専(短縮版)>>>市販ブルーレイ(全長版本編)>2015年WOWOWシネマ放送版の順ですが、実際のところWOWOWの絵では水野久美様がお婆ちゃんに見えてしまうほど肌が荒れて見えますね。
あと、『モスゴジ』と同じく何故かWOWOWだけアスペクト比が狭くなっています。
ゴジラシリーズ全部がこういう傾向になってるのでしょうか?。
気になるので、以後の作品でも画質比較を続けてみようと思います。

おまけに、例のポーズを取っているゴジラ君。
ツヤツヤしていて立体感があってお茶目度さ3割増しになってます(笑)。
ところで・・・。
画質面では大満足な『怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ』ですが、内容(というより再編集)にはやや疑問が残ります。
前半部分をバッサバッサとカットして、少しでも早く宇宙人や怪獣を登場させようとしているのは分かりますが、その勢いでストーリーの進行上必要なシーンまで切ってしまっているのです。

その一つがこの喫茶店のシーン
富士兄妹とグレン、そして金井(演:久保明)の4人の主要人物が一同に会して「X星人の動向」「グレンと波川」そして「金井とハルノの恋」というこの映画の3つの主軸を整理するという大事なシーンです。
短縮版『キングギドラ対ゴジラ』ではこの場面がきれいさっぱり無くなっておりました。
まあ、子供向けに作り変えるための再編集ですから金井とハルノのシークエンスが削除されるのは解りますけど、グレンと金井が出会うこの場面が無くなると・・・

後半のX星人基地でグレンと金井が出会ったとき、お互いに知り合いであることが不自然になってしまいます。
だって、短縮版しか知らない観客の目にはこの二人はこれが初対面ということになるのですから。
とはいえ、48年も前に行われた編集作業に目くじら立てても仕方ありません。
ここはひとつ、昔の雑な・・・じゃなくておおらかな編集も笑って楽しむことにいたしましょう(笑)。
【おまけ】
今日は3月17日・・・。
あれからもう丸1年経ってしまったのですねえ。

>ワン・ナイト・オブ・京都みなみ会館
1年前の今日、私は「超大怪獣大特撮大全集SDX NIGHT ありがとう 京都みなみ会館 スペシャル」に参加していたのですよ。

ちょうど1年前のまさに今くらいの時間(午後10時)、私は京都みなみ会館の前に立っていたのでした。
我ながらちょっと女々しいかなとも思いますが、楽しかった思い出ってこういうものなんですよねえ。
そんなノスタルジックな気分で久し振りにみなみ会館のツイッターを覗いてみると・・・
ありゃ?

いつの間にかみなみ会館の建物が駐車場ごときれいさっぱり無くなっているじゃありませんか!?。
このカメラポジションは斜め向かいで準備中の新・京都みなみ会館の屋上でしょうかね?。
着実に前へ動き出しているんですね。
今夏の再開が本当に楽しみです。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。