週刊映画鑑賞記(2018.10/8~2018.10/14)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めて・・・いるはずだったのですが、今週もまた一本も映画を見ないまま七日間が過ぎてしまいました。
2018福井国体は無事に閉会を迎えましたが、私個人は先月24日(月)から丸一ヶ月連勤が確定済みで、現在も障碍者スポーツ大会の仕事に追われています。
「午前中のみの仕事」あるいは「午後から」という日はあるものの、丸一日ゆっくり休める「完全休日」は来週の水曜日(24日)までおあずけです(泣)。
そんな状況ですから、劇場はおろか家の中でも映画を見る時間はありませんでした。
(時間はあっても心身ともにクタクタで開始後数分で気絶するように寝てしまいます)
それでも、ブログ開設以来一度も休むことなく続けてきたこのコーナー。
休載なんてことは一切考えておりません。
一本も映画を見ていないのに「鑑賞記」とはタイトル詐称もいいとこですが、せめて今週感じた唯一の映画ネタについて書き記しておきたいと思います。

先日、11月のWOWOW放送予定を眺めていた時の事です。

「おっ?、来月『スペース・ウォーカー』をやってくれるのか?。」

「おおっ『サリュート7』も?」
この2本はAmazon Prime Videoで高評価だったことから是非見たいと思っていたものの、どちらもHD画質版がレンタル500円と割高感があってずっと二の足を踏んでいた作品だったのです。

さらに、25日には今年のアカデミー作品賞受賞作品『シェイプ・オブ・ウォーター』も!。
この作品、DVDレンタルは既に始まっていますがどういうわけかブルーレイのレンタルがありません。
あの映像を今どきハイビジョンで楽しめないなんて時代錯誤もいいとこです。
・・・と、そんなことをつらつら考えながら25日の放映予定を眺めていた私は、とある2本の作品に目が釘付けになりました。

なにぃ~~~~ッ、『惑星大戦争』と『宇宙からのメッセージ』を連続放送だとぉ~!?。
これはもう「事件」です!。

現在50歳以上、つまりあの昭和53年を体験した特撮映画ファン及びSFファンなら、この2本の和製スペースオペラの名を聞くたびに憤り・哀愁・羞恥心、あるいはそれらを通り越して郷愁とも呼ぶべき不思議な感情が沸き起こる人も多いと思います。
実はかく言う私もその一人。
今を去ること40年前、私はこの2本の和製特撮宇宙活劇を劇場のスクリーンで仰ぎ見た一人なのです。

昭和53年といえばあの『スター・ウォーズ』第1作(現:エピソード4)が本国アメリカより一年遅れでようやく日本公開された年です。
「今アメリカでは『スター・ウォーズ』っていう凄いSF映画があるらしい。でも日本で見られるのはまだ先のことだってさ。」
「なんでも監督のジョージ・ルーカスって人は黒澤明監督の大ファンで、『隠し砦の三悪人』にヒントを得て作ったそうな。」
「俺が聞いた話では、主人公を教え導く老師役は最初三船敏郎がやるはずだったって話だ。」
「特撮もコンピューターでカメラを制御していて、複雑な合成も寸分の狂いも無く本物と区別がつかないらしい。」
「あ〜ッ、早く観てえ!」
当時はこんな熱い会話がSFファンや映画好きの間で日常的に交わされておりました。
そして、まだ見ぬ舶来のスペースオペラ超大作を待ちきれないSF映画ファンをターゲットに日本映画界の老舗である東宝と東映が打ち出してきたパクリ企画がこの『惑星大戦争』(東宝)と『宇宙からのメッセージ』(東映)だったのです。
今回思わず大笑いしたのは、WOWOWによるこの二作の解説文を読んだ時でした。

『惑星大戦争』
「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」が全米で大ブームになった1977年、日本の東宝がブームに便乗せんと放った、伝説の宇宙SFアドベンチャームービー。

『宇宙からのメッセージ』
当時海外で大ヒットして話題沸騰中の「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」の人気に便乗し、同作の日本での劇場公開に先駆けて深作欣二監督が放ったSF大作。
どちらの解説にも便乗という言葉が使われておりました(笑)。
どうやら日本の映画史においてこの二作は『スター・ウォーズ』の便乗パクリ企画とはっきり定義付けられてしまったようです。
当時これらの映画を劇場で観た感想は・・・。
いや、今さら何も言いますまい。
とりあえず、この二本を観たことによる『スター・ウォーズ』への悪影響は一切ありませんでした(笑)。
残念ながら私は『スター・ウォーズ』を存分に楽しめたとは言い難かったのですが、その原因は劇場内で大声でネタバレを喋り続ける迷惑客のせいでした。
あの男に比べれば『惑星~』と『宇宙から~』の影響など微々たるものに過ぎません。
まあ、それはそれとして(笑)。
疑問に思うのは、WOWOWが何故今このタイミングで二本の『スター・ウォーズ』便乗映画を放送するのか?ということです。
驚くべきは2本とも今回が(アナログ時代も含めて)WOWOW初放送であることです。
これは何らかの意図をもって今月のプログラムに組み入れようと放送権を買ったことになります。
相手はそれぞれ別会社(東宝と東映)ですから、何かの大作プログラムとの抱き合わせ購入とは思えません。
しかも同じ日に連続放送・・・?。
今回のWOWOWの狙いは一体どこにあるのでしょうか?。
まず思いつく事は・・・。

WOWOWでは11月に『スター・ウォーズ』最新作(スピンオフは除く)『最後のジェダイ』を初放送することになっています。
その気運を盛り上げるための前座・・・もとい、スペシャルプログラムなのでしょうか?。
いや、今さら『惑星大戦争』と『宇宙からのメッセージ』で『スター・ウォーズ』を盛り上げようという発想は無いでしょう。
この二本のタイトルから最初の『スター・ウォーズ』をすぐに連想出来る者なんて世代的にも嗜好面からも限られています。
反対に当時を知る者としてはあのほろ苦い思い出を呼び起こされて逆効果になりかねません。
そしてもう一つ。
実は私、ささやかな期待を抱いてしまいました。
それは今回の『惑星大戦争』と『宇宙からのメッセージ』放映がオリジナル公開版『スター・ウォーズ』トリロジーをハイビョン放送する布石であって欲しいということです。

ご承知の通り、現在パッケージソフトや放送で観ることが出来る『スター・ウォーズ』オリジナル・トリロジーは、1997年にデジタル技術を使って映像や音響を大幅に作り直した<特別編>です。
しかし私は・・・いや恐らく昔ながらのスター・ウォーズファンの大多数はこの<特別編>に不満を持っています。
合成や音響をデジタル処理でクリアにしただけなら良いのですが、一部の内容を改変してしまっているのです。
ところが製作者ジョージ・ルーカス氏は<特別編>公開後から過去のオリジナル・フィルムを「無かったこと」にしてしまい、以後旧バージョンが公開されることは一切無くなってしまいました。
現在オリジナル版『スター・ウォーズ』トリロジーを見る方法はごく限られていて、レーザーディスクやビデオテープソフトの状態の良い中古を探すか、オリジナル版が収録された特典ディスクが付属する単品版DVD(現在は廃盤)を買うしかありません。
それらは全て4:3のスタンダードサイズというかなりの低画質で、しかもシネスコサイズであるため現在の16:9ハイビジョンサイズのテレビで観るには厳しい画質です。
しかし、数年前にルーカスフィルムがディズニーに身売りしたことでその辺りの縛りが緩くなり、旧バージョンの『スター・ウォーズ』再公開に向けて動きがあるのではないかと思い始めていました。
まあ99.999パーセントあり得ない話ではありますが、そんなわずかな可能性を想像してみたりしました(笑)。
さらに私の夢想は膨らみます。
実はここ一年ほど、WOWOWが日本特撮映画の放映に力を入れ始めている気配があるのです。
昨年秋には『日本沈没』や『首都消失』『東京湾炎上』といった東宝のパニック大作。
今年の春には昭和・平成両時代の『モスラ』特集。
そして今年の夏は『学校の怪談』『ガメラ』シリーズ全作品一挙放映。
日本映画専門チャンネルが過去の特撮怪獣映画の高画質リマスター化を進めていたように、WOWOWもまた日本の特撮映画に力を入れ始めているのは明らかです。
いや、もしかするとそれだけでなく・・・
そのうちWOWOW出資で新しい特撮怪獣映画が作られるかも知れない。
2本の映画の放送予定から、そんな妄想を膨らませてみた秋の夜でありました。
今度の金曜日(10月19日)は当ブログの開設記念日だというのに、こんなことでいいのだろうか・・・。
なにはともあれ、今回もお付き合いいただきありがとうございました。