FC2ブログ

映画と日常

トガジン的「映画映画ベストテン」

CATEGORY映画全般
トガジンです。

現在、washburn1975 様のブログ「男の魂に火をつけろ!」にて、「映画映画ベストテン」企画が開催されております。

ちなみに「映画映画」とは・・・

映画についての映画。
映画がテーマの映画。
映画俳優や監督、映画スタッフや映画ファンが主人公の映画。
映画館を舞台にした映画。映画製作にまつわるドキュメンタリーやメイキング等々。

前回の「お酒映画」は難産でしたが、今回はいくらでも出てきますね。
というわけで、私もエントリーさせていただきます。

この内容の映画としては先ごろ大ヒットした『カメラを止めるな!』の印象が強いですが、思った以上にスラスラとタイトルが思い浮かんできました。
その数、ざっと30以上!。
そこから心を鬼にして絞り込んだ10本であります。



<以下、順位不同>(並びは制作年順)

『雨に唄えば』
1952年/監督:ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン 主演:ジーン・ケリー

『東京湾炎上』
1975年/監督:石田勝心 主演:藤岡弘.

『蒲田行進曲』
1982年/監督:深作 欣二 主演:平田満

『時をかける少女』
1983年/監督:大林宣彦 主演:原田知世

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
1999年/監督:ダニエル・マイリック&エドゥアルド・サンチェス 主演:ヘザー・ドナヒュー

『千年女優』
2002年/監督:今敏 主演:飯塚昭三

『ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス』
2010年/監督:アレクサンダー・O・フィリップ 主演:『スター・ウォーズ』ファン

『SUPER8/スーパーエイト』
2011年 監督:J・J・エイブラムス 主演:ジョエル・コートニー

『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』
2015年/監督:スティーヴン・オカザキ 主演:三船敏郎

『カメラを止めるな!』
2018年/監督:上田慎一郎 主演:濱津隆之



以下、感想とか選定理由など・・・

『雨に唄えば』
1952年/監督:ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン 主演:ジーン・ケリー
『雨に唄えば』オープニング
映画がサイレントからトーキーへと移り変わっていった時代のお話。
劇場(午前十時の映画祭)では2回見ていて、その後ブルーレイも買ってしまったくらい大好きな作品です。
仕込みマイクを理解出来ずに俳優やスタッフが巻き起こすドタバタやトーキー上映の失敗で映画がメチャクチャになるコメディシーンの可笑しさ、そして声の吹き替えを使ったラストの痛快さは何度見ても拍手喝采ものです。


『東京湾炎上』
1975年/監督:石田勝心 主演:藤岡弘.
『東京湾炎上』予告編より
「原油基地を爆破せよ」という無茶な要求を突きつけるテロ集団を、特撮で作ったフェイク映像を見せて欺くお話。
映画をネタにした映画としては異色のアイデアです。
同じ’75年公開の『新幹線大爆破』が元ネタとされる『スピード』にはバスジャック犯が監視するモニター映像を改竄して犯人を欺くシーンがありますが、あれはこの『東京湾炎上』が原点ではないかと思っています。


『蒲田行進曲』
1982年/監督:深作 欣二 主演:平田満
『鎌田行進曲』
映画最盛期の撮影所を舞台にしたエネルギッシュな人情コメディです。

「蒲田行進曲」って松竹の歌なのにどうして東映太秦撮影所?
そんな野暮なツッコミも見ているうちに忘れてしまうくらい面白い映画です。
そしてラストは舞台劇さながらのカーテンコール!。
粋ですね~。

ちなみに、主題歌「蒲田行進曲」は妻と私のカラオケ・デュエット十八番です(笑)。
♪カメラの眼に映る かりそめの恋にさえ
 青春燃ゆる 命は躍る
 キネマの天地


『時をかける少女』
1983年/監督:大林宣彦 主演:原田知世
「どうしてこれをチョイスしたの?」
「大林作品なら『転校生』のほうが・・・」
いえいえ、この映画のエンドロールを見ていただければ皆さんご納得いただけると思います。

『時をかける少女』エンドロール
なんと、原田知世の歌唱に合わせて映画の中のそれぞれのシーンを共に作り上げた共演者たちと合唱するのです!。
「この映画は、スタッフ・キャストみんなで一所懸命にこしらえました」と言ってるみたいで、見ているこちらも思わず一緒に口ずさんでしまいます。

ただし・・・。
この素晴らしいエンドロールを心から味わうためには、1時間40分の本編中若手俳優の棒読み学芸会演技に耐え抜かなければなりませんが・・・。


『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
1999年/監督:ダニエル・マイリック&エドゥアルド・サンチェス 主演:ヘザー・ドナヒュー
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』あまりにも有名なこの場面
この作品以降、「これは失踪した撮影者が残したフィルムを編集したものです」と銘打ったPOV(Point of view:視点の意)方式フェイク・ドキュメンタリー映画がわんさか出てきました。
『クローバーフィールド -HAKAISHA-』『イントゥ・ザ・ストーム』『トロール・ハンター』『クロニクル』等々・・・。
もっともそのほとんどは家庭用ビデオやスマートフォンによる撮影なので今回のエントリーには入れにくかったのが残念です。

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』そのものについては・・・
当時は技術的興味から見ましたけど、元々ホラーは苦手なので内容はほとんど覚えていません・・・(´∀`*;)ゞ。


『千年女優』
2002年/監督:今敏 主演:飯塚昭三
『千年女優』藤原千代子
アニメからはこの一本をランクイン。
戦前から昭和中期まで、最盛期の日本映画界を駆け抜けた伝説の女優:藤原千代子。
そして彼女が出演した映画のイメージに乗せて戦国時代から未来世界までが舞台となります。
(このアニメの魅力を言葉で表すのは不可能です)
ぼーっと見ていると確実に置いてけぼりを食らいますが、ただ映像を眺めているだけでも面白いアニメでした。

今敏監督は、本作の他『パーフェクト・ブルー』『東京ゴッドファーザーズ』『妄想代理人(TVアニメ)』『パプリカ』と才気溢れる作品を発表し続けていましたが、2010年に癌のため46歳という若さで他界しています。
一昨年の『君の名は。』大ヒットを受けて、各社とも「第2の新海誠」「ポスト宮崎駿」を捕まえようとアニメに出資し新進監督に劇場用作品を作らせていますが、なかなかこれといった結果は出ていないようです。
今この時期に今監督がご存命だったら、どれほど独創性に溢れて目・耳そして脳に心地よい映画を作ってくれていたことでしょう。
返す返すも日本映画は惜しい才能を失くしたと思います。


『ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス』
2010年/監督:アレクサンダー・O・フィリップ 主演:『スター・ウォーズ』ファン
『ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス』禿同!
『スター・ウォーズ』関係のドキュメンタリー映画にはエキストラ出演者の話を集めた『エルストリー1976 - 新たなる希望が生まれた街 -』やダース・ベイダー役:デビッド・プラウズのその後を追った『I AM YOUR FATHER』などがありますが、やっぱり一番有名で笑えるのはコレでしょう。
ちなみに現在、「ディズニーに身売りしたルーカスフィルムを嘆く」パート2が制作されているとかいないとか(笑)。


『SUPER8/スーパーエイト』
2011年 監督:J・J・エイブラムス 主演:ジョエル・コートニー
SUPER8 スーパーエイト
高3の夏休み、やっとの思いで買ったビデオデッキとレンタルのビデオカメラセットを使って初めて映画を撮ろうと奮闘したことや、先輩から安く譲り受けた8ミリカメラ・映写機・フィルムビューワー・スプライサー(編集機)で自主映画作りに夢中になった大学時代を思い出させてくれた映画です。

映画作りの最中に事件に巻き込まれていくというストーリーは、怪獣映画の元祖『キングコング』(1933)から連綿と受け継がれてきた黄金パターンです。
しかし、この映画が一味違うのはエンドクレジットで主人公たちが作った8ミリ映画(ゾンビもの)が見られること。
街全体を巻き込む大惨事の最中でありながら、彼らはあのゾンビ映画を最後まで撮りきっていたのですね(笑)。


『MIFUNE: THE LAST SAMURAI』
2015年/監督:スティーヴン・オカザキ 主演:三船敏郎
『MIFUNE』YOUTUBE予告編より 撮影風景「七人の侍」
最盛期の日本映画を支えた名優:三船敏郎の足跡を追うドキュメンタリー。
日本公開は今年の夏ですが制作されたのは3年前です。
そのため、土屋嘉男さん、加藤武さん、夏木陽介さん、そして中島春雄さんといったここ3年以内に亡くなられた方々のインタビューも登場します。
「特に目新しいエピソードが無い」「どうして仲代達矢さんが出てこないのか?」といった物足りなさは確かにあります。
それでもあの時代の日本映画、とりわけ黒澤映画と東宝特撮映画を愛してやまない者としては最後まで身を乗り出して見入ってしまう映画でした。
観終わった後、同じ回を観ていた初対面の男性と古い日本映画について語り合ったこともこの映画の思い出の一部です。


『カメラを止めるな!』
2018年/監督:上田慎一郎 主演:濱津隆之
『カメラを止めるな!』の1シーン
『雨に唄えば』や『蒲田行進曲』と同じくあまりにも定番すぎて今さらこのタイトルを挙げるのは忸怩たる思いもあるのですが、ここはやっぱり「お約束」ということで。
ワッシュさんには、本企画の落穂拾いで是非「今回『カメ止め!』を入れなかった人が何人いたのか?」も集計していただきたいです(笑)。



以上、今回も集計が楽しみです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
スポンサーサイト



COMMENTS

4 Comments

There are no comments yet.

しろくろshow  

「時かけ」は盲点でした・・・

こんばんは。

なるほど「時かけ」のエンディングのアレはまさにそうでしたね(^_^;) (文字がなるべく原田知世に被らないように配慮されていたのもスタッフ達の彼女に対する愛情を感じましたし)

それから「東京湾炎上」はエントリーした後で思い出したのでわたしは足し込むことが出来なかったのですが、特撮ファンとしては不覚でありました( ̄。 ̄;)(ランクインしていると嬉しいなあ・・・) 

2018/11/16 (Fri) 18:52 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

『レディ・プレイヤー1』を入れ忘れてました・・・

しろくろshowさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

『時をかける少女』は舞台のカーテンコールを思わせるあのエンディングと、ラストカットでカメラに駆け寄ってくる原田知世の演技を離れた素の表情とで今回のエントリー資格は充分にあると思っております。

こうして「映画をネタにした映画」を集中的に見ていると、エンディングで種明かしをしているものが多い気がします。
となると、エンドクレジットでNGシーンを披露してくれるジャッキー映画のほとんどは今回エントリーしてもいいことになってしまいますが・・・(笑)。

日本の特撮映画の場合、伝統的に作品世界を細部に至るまで作り込むことを至上目的としているせいか、劇中でネタばらしするような作品ってほとんど思い付かないですね。
そんな中にあってやはり『東京湾炎上』は特異な存在だと思います。

なぜかトラックバックがうまくいかないためまだ正式にエントリーしてはいませんが、一度こうしてブログで公表した以上はこのラインナップで投票します。

2018/11/16 (Fri) 22:38 | EDIT | REPLY |   

へろん  

おお、いろいろと懐かしい作品もランクアップされてますね。

むかーしテレビを見ていて覚えているのが、テロリストの要求で石油基地を爆破するシーンが作中のテレビで放送されるのですが、それを飲み屋で見ていた一人が「間違いない、これは俺が作った特撮映像だ!」と気付くシーン・・・その他の場面も映画のタイトルも忘れていましたが、どうやら「東京湾炎上」だったようですね。
主演が藤岡弘で、「日本沈没をしのぐ」って言っても「日本沈没」を相当意識してますね。

「千年女優」も懐かしいですね。2003年にレンタルビデオで見て、お恥ずかしながら
http://space.geocities.jp/lepi0628/sf/sennen.htm
みたいな駄文を書いてました(^^)

「時をかける少女」は結構好きでした。原作ありの映画で原作を超えるのはなかなか難しいと思うのですが、これは筒井康隆の小説よりも良かったとワタクシ的には思ってます。その後いくつか登場したリメイクはちょっとな~、と思ってるのですが・・・

2018/11/17 (Sat) 18:01 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

映画であることを隠さない映画たち

へろんさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

『東京湾炎上』は映画の斜陽化に歯止めが利かなくなってきた昭和50年の作品です。
その少し前に昭和ゴジラシリーズが興行不振のため打ち止めにされてしまって、中野昭慶特技監督とそのスタッフ達が腕をふるう特撮映画は作られなくなっていました。
そんなことを踏まえて特撮ショットを見ていると、(実際の映像を作った)特撮スタッフの心の奥には「自分たちの技を再び世に知らしめたい!」という思いがあったように見えてきます。

『千年女優』は何回も観返している大好きなアニメなんです。
「理解したい」と思って見るのではなく、「またあの藤原千代子さんの思い出話を聴きに行こう」みたいな気分で観てますね。
つまり源也と井田コンビの目を借りて千代子が織り成す幻想世界を楽しんでいるわけですが、それはつまり監督の術中にまんまとハマっていることに他なりません(笑)。

『時をかける少女』は、最初のうち原田知世や高柳良一の棒読み学芸会演技(失礼)やビデオ合成には違和感ありまくりでしたが、あのエンドロールを見た瞬間この映画の全てが愛おしいものに変わってしまいました。
観たのが大学に入って本格的に自主映画作りに参加し始めた頃だったせいもあって強く印象に残っています。

2018/11/18 (Sun) 02:18 | EDIT | REPLY |   

REPLY

Leave a reply