週刊映画鑑賞記(2019.2/25~2019.3/3)
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について思いつくまま気の向くままつらつらと書き留めることにしております。
今年は春の繁忙期が例年に比べてかなり早い2月中旬から始まっていて、3月も平日は既に仕事で埋まってしまいました。
これも「働き方改革」の影響ってやつなのでしょうかね?。
フリーランスの身としては仕事が増えるのはありがたいことですが、今月映画館に行ける時間がかなり限られてしまいました。
観たい映画は週末に休みが取れる今のうちに見ておかねばなりません。
2/25(月)
『第91回アカデミー賞授賞式』🈠
(リビング:WOWOW録画)

この日の帰宅後、録画しておいた「アカデミー賞授賞式」を見ておりました。
見たのは編集して字幕を付けた再放送バージョンのほうです。
生放送の同時通訳版だと聞いていてイライラすることが多いですからね(笑)。
作品賞:『グリーンブック』
監督賞:アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)
主演男優賞:ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)
主演女優賞:オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)
助演男優賞:マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)
助演女優賞:レジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)
外国語映画賞:『ROMA/ローマ』
長編アニメ映画賞: 『スパイダーマン:スパイダーバース』

作品賞の『グリーンブック』は観てないので内容について何とも言えませんが、黒人ピアニストとその白人用心棒との交流を描いたいわゆる人種差別もので「あ、またこのラインか」と思ってしまいました。
昨年の受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』も一昨年の『ムーンライト』も移民やら有色人種やらLGBTなどといった被差別者側の立場で作られた作品でした。
今年の『グリーンブック』も同じ方向性で決まったとすると、今後オスカーを狙う映画はこのテーマのものばかりになってしまうのではないかと余計な心配をしてしまいます。

そういえば、『ボヘミアン・ラプソディ』も移民とかLGBTを扱った映画でしたね。
今回のアカデミー賞で嫁が喜んでいたのは、故フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが主演男優賞を取ったことと、(現在の)クィーンの生演奏が見られたことでした。
『ボヘミアン・ラプソディ』は彼女にしては珍しく計4回も映画館に足を運んだ作品なので、主演男優賞受賞を喜ぶと同時に作品賞を獲れなかったことを我が事のように悔しがっておりました。

予想外だったのは長編アニメーション賞の『スパイダーマン・スパイダーバース』。
どんな作品かまるで分かりませんが、今週末から先行上映されるとかで早速チケット予約をしてしまいました。
あと細田守監督の『未来のミライ』がアカデミー協会にここまで評価されているとは驚きました。
日本公開時はくんちゃんの声(演:上白石萌歌さん)がどうしても女の子の声にしか聞こえなかったため作品世界に入り込み損ねた気がしていたのですが、もしかすると英語版では声優にちゃんとした子役を使っていて監督の意図が正しく伝わった成果なのかも知れません。
ブルーレイレンタルも始まっているのでもう一度ゆっくり見返してみたいと思っています。

10部門でノミネートされていて作品賞でも有力候補だった『ROMA/ローマ』は監督賞・外国語映画賞・撮影賞の三部門に終わりました。
NETFLIX制作・配信のこの映画、規定通り劇場公開もされましたが、やはり映画界の身内の賞であるアカデミー賞には届かなかったようです。
『ROMA/ローマ』はまだ見ていませんが、NETFLIXには『アナイアレイション 全滅領域』等のよく出来た作品もいっぱいありますので、今後はネット配信オンリーの映画にもオスカーが贈られる時代が来るかも知れません。
3/1(金)

「何回行けば気が済むの?」と嫁に呆れられるくらい何度も行っている大阪の映画館:109シネマズ大阪エキスポシティ。
この日は高速バスを利用して日帰りでIMAX作品2本をハシゴしてきました。
今月は仕事の予定が詰まっているため、この週末に行っておかなければIMAX上映を見逃してしまうことになるのです。
『スパイダーマン スパイダーバース』🈠
(劇場:109シネマズ大阪エキスポシティ IMAX3D)

先に見たのは、今年のアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得した『スパイダーマン スパイダーバース』。

本来は来週(3月8日)公開の予定でしたが、アカデミー賞受賞を受けてか一週間早いこの日から3日間先行上映されることになったようです。
しかもIMAXで上映してくれるというのなら、見なきゃ損というものであります。

オリジナルのスパイダーマン(ピーター・パーカー)が死んでしまった世界。
彼の後を継ぐ2代目スパイダーマンをはじめ、パラレルワールドからやってきた中年メタボなピーター・パーカーやスパイダーグウェンなどが集まって歪んだ時空を元に戻そうとするお話(だったと思う・・・多分)。
それだったら!

東映版のスパイダーマン('78)に登場した巨大ロボット・レオパルドンも出してくれたらよかったのに(笑)。
『アリータ バトルエンジェル』🈠
(劇場:109シネマズ大阪エキスポシティ IMAX3D)

実は、今回絶対にIMAXで見たかったのはこちらの『アリータ バトル・エンジェル』のほうでした。
先々週ここで観た『ファースト・マン』と同じく、映画の一部がIMAXで作られているからです。
すでに上映開始から1週間が過ぎていて、今のうちに見ておかなければ『バンブルビー』などに入れ替えられてしまう恐れがありました。

平日なのでセンターラインの席を取るのは楽勝かと思いきや、あっという間に中央部の席は予約で埋まってしまい今回はスクリーン中央から一つ隣の席になりました。
どうやら『アリータ』の客入りは良好のようで、実際この回の上映でも後方の座席はほぼ埋まっておりました。

原作は日本の漫画『銃夢』(ガンム)。
'93年にはビデオアニメ化もされました。
映画ではアニメ版と同じく少年ヒューゴとの悲恋までが描かれます
アリータはCG技術を駆使して漫画やアニメのような大きな目をしたキャラクターになっています。
最初は、わざわざこんな面倒なことをしなくてもアマンダ・サイフリッドのような目の大きい女優さんを使えばいいのにと思っていましたが、見終わるとこの子が可愛くて仕方がなくなってしまいました(笑)。

アリータの日本語吹き替えは『舞妓はレディ』や『ちはやふる』に出ていた上白石萌音さんが担当しているそうです。
私は予告編を見た時から目の大きいところなど上白石さんに似てるなあと思っていたのでこのキャスティングには納得です。
顔が似てる人は声もイメージに合うと言いますし、上白石さんの声の演技はあの大ヒットアニメ『君の名は。』で証明済みですから。
とにかく今は「もう一回見たい!」というくらい『アリータ』が気に入っております。
仕事が早く終わる日があったら吹き替え版を見に行きたいな。
3/2(土)
『トクサツガガガ』(最終回)🈠
(ホームシアター:NHK総合録画)

毎週欠かさず見てきた『トクサツガガガ』も今回で最終回。
週に一度の楽しみがまた一つ消えてしまいました・・・。

前回のラストで「あんたなんか親やない!」と母親にビンタを喰らわせた叶。
この一週間、この母と娘がどう折り合いを付けるのかが気になっておりました。
母の一方的な押し付けに対し反抗してみせた叶ですが、「自分もまた母の好きなものを拒絶して傷つけてきた」ことに気が付きます。
この着地の仕方、いいですねえ。
6話までは叶の敵としてしか描かれていなかった母親が一気に人間的になりました。

それよりも一番驚いたのはラストに出てきた本屋さんであります。
「ブイスリャァァァァ!(仮面ライダーV3)」の宮内洋さんではないですか!?。
「特撮番組は教育番組である」
宮内さんのお言葉です。
確かに、私は幼い頃道徳の教科書以上のことを特撮番組から学んでいた気がします。
(私の場合は『帰ってきたウルトラマン』でした)
叶がピンチに陥ったり困った人を見かねたりした時、イマジナリーフレンドの如くシシレオーが現れて彼女を鼓舞するあの演出には、長年信念を持って特撮ヒーローを演じてこられた宮内さんの魂が込められていたのであります。

残念ながらエンドショットには「シーズン2」の告知はありませんでした。
でもこのドラマはかなり好評だったはずですから、近いうちに必ず復活してくれると信じます。
(それまでは『ガガガ』ロス状態に陥りそう・・・)
3/3(日)
『万引き家族』🈠
(劇場:金沢コロナワールド)

カンヌ映画祭でパルムドール受賞。
そして今年のアカデミー賞でも外国語映画賞にノミネートされた『万引き家族』。
恥ずかしながら、本日やっと映画館で初鑑賞して参りました。

パルムドール受賞を受けての凱旋上映も福井ではもう終わっているため、お隣石川県の映画館まで遠征です。
出来れば入場料が安くなる月曜日やサービスデーに行きたかったのですが、最初に書いたとおり県外遠征できる完全休日は今日しかないのです。

万引きで生計を立てている5人家族。
しかし彼らは実は・・・。
前半はひたすら「万引きがバレるんじゃないか」とヒヤヒヤしながら見ておりました。
でも本当の主役は彼らではありません。

親から虐待を受けて真冬の夜に薄着のまま玄関の外に放置されていた幼い少女を助けたところから映画は始まります。
この映画の主役はこの女の子でした。
無表情だったこの子が笑顔を取り戻し、赤の他人だった少年を「お兄ちゃん」と呼ぶまでになります。
しかし、とある出来事のため一家は離散し、少女は(自分を虐待してきた)実の両親の元に帰されてしまいました。
私、ここで先日千葉県野田市で起きたあの痛ましい児童虐待死事件を思い出してしまいました。
それだけに、玄関先で遠くを眺めていた彼女が一瞬何かを見つけた表情をしていたことが救いでした。
あれは、”父”か”兄”が再び迎えに来てくれたのだと思いたいです。
『宇宙戦艦ヤマト2202-愛の戦士たち- 第七章 新星編』🈠
(劇場:イオンシネマ金沢フォーラス)

昭和53年夏公開の大ヒットアニメ『さらば宇宙戦艦ヤマト-愛の戦士たち-』のリメイクシリーズも今回で完結です。
実は私、『さらば~』は好きではありません。
続編を作るため(だけ)にストーリーをねじ曲げたTV版『ヤマト2』も同様です。
一作目で生き抜いたヤマトクルーたちが次々死んでいく終盤では「前作の感動は一体何だったんだ?」と思ってしまいました。
またラストで古代に特攻を促す沖田艦長も「沖田の魂」なんかじゃなく「死神」のように見えました。
自分の盾となって敵に突っ込んでいった古代守に「死ぬなよ」と言った人が、その弟に「お前の命を武器とせよ」と言うなんて絶対おかしいです。
一作目のリメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』は、全章を劇場まで見に行ってブルーレイも全巻買ってしまったほどのお気に入りアニメでした、。
出来れば『さらば~』をベースにしたパート2なんか作らないで欲しかったのですがね。

でも作られてしまった以上、44年来のヤマトファンとしては『復活篇』と同様最後まで付き合うしかありません。
時間を割いて劇場に足を運びました。

私が『2202』のラストに望むことはただ一つ。
古代や雪を殺さないでくれ
そして見終わった今、いろいろ感想を書きたいのですがネタバレ無しではどうしても難しいです。
劇場公開は始まったばかりで、TVでの放送もまだ一か月分残っていますから。
今書けるのはこれだけです。
エンディングテーマ「ヤマトより愛をこめて」が以前とは違った意味に聴こえてきました。
『宇宙戦艦ヤマト2199』を受けての『さらば宇宙戦艦ヤマト』ストーリーとしてはうまい着地だったと思います。
ただ、この複雑で非生産的な続編を作る意味があったのかは今も疑問ですが・・・。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。