週刊映画鑑賞記(2019.4/15~2019.4/21)
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。
4/17(水)
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』
(ホームシアター:4K ULTRA HD Blu-ray)

4K UHD Blu-rayを買ったいきさつとか、これを夫婦で一緒に見ていて二人の奇縁に気付いて驚いた話については先日の記事「【訃報】モンキー・パンチ先生」に書きました。
ここでは4K版の画質について思ったことを簡単に書くことにします。
結論から先に書きます。

4K-UHD版『ルパン三世』は、「ついに我が家も4K再生環境を整えるべき時が来た」と実感させてくれるほどの高画質です。
解像度の高さは当然として、色の多さとその綺麗さにおいても従来ブルーレイとは比較になりませんでした。

ちなみに、我が家には現在まだ4Kテレビはありません。
愛用しているプロジェクター(ビクター:DLA-X75R)は一応「4K」対応を謳ってはいますが、これはあくまでも入力された2K信号を画素ずらし機能で「4K相当」にブローアップしているだけのものです。
つまり、今の我が家の4Kソフト再生環境は、UHBプレーヤーで一度4Kから2Kにダウンコンバートした映像をプロジェクターで再度4Kにアップコンバートするという二重変換を経たものなのです。
それでも、この『ルパン三世』ではセル画の質感や背景に使われた色の豊かさが一目で分かります。
いつもなら「無駄使いもいい加減にして!。」と怒り出す妻も、今度ばかりは「やっぱり綺麗ねえ」とひたすら驚いておりました。

この分なら7月24日に発売される「ルパン三世 カリオストロの城」4K Ultra HD ブルーレイを買っても文句は出なさそうです。
というわけで、私は早速アマゾンで『カリ城』UHDをポチってしまいました。
出来ればこれが届くまでに我が家の4K環境を整えておきたいものです。
4/19(金)
『ゴジラ・モスラ・エビラ 南海の大決闘』
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)

『ゴジラ・モスラ・エビラ 南海の大決闘』はゴジラシリーズの中でも特に「変」な作品です。
〇元々はキングコング用に書かれた脚本をアメリカ側の圧力に屈して急遽ゴジラに差し替えてそのまま制作した。
〇若い島娘の役をベテラン女優:水野久美さんが”当たり前のように”演じている。
〇インファント島の小美人が脳内補完不可能なくらい違う別の双子さんに代えられている。
〇今回シリーズ初参加の福田純監督にはゴジラに対しての愛も思い入れも全く感じられない。
〇特撮班とのコミュニケーションもうまく取れていないらしく全体的に特撮映像が安っぽい。
等々・・・違和感を感じる要因はいくつもありますが、そもそも怪獣映画にしては構成がとても変なのです。

この映画、冒頭からエビラのハサミが画面に現れる14分目頃まで全然怪獣映画の匂いがしないのですよ。
ほとんどの怪獣映画は、映画が始まってすぐ「この映画は怪獣が出てくる映画ですよ。」「もうすぐ不思議な出来事が起こりますよ。」と観客に心の準備をさせるものです。
例えば初代『ゴジラ』の場合、タイトルロール後すぐに漁船が謎の怪光によって炎上・沈没するという海難事故が描かれて海面下に何か得体のしれないものがいるに違いないという状況を描いていました。
『モスラ対ゴジラ』では台風一過の跡地に放射能を帯びた謎の物体が見つかり、『地球最大の決戦』では
また、本多猪四郎監督以外の作品でも『ゴジラの逆襲』はかなり早い段階でゴジラとアンギラスを登場させています。
ところが、『南海の大決闘』の冒頭にはそういった怪獣が登場する予感のようなものが全く感じられません。
怪獣映画というより普通の海洋冒険ものみたいな始まり方です。
しかし・・・。
そんな『南海の大決闘』の最初のシーンそのものはかなり変です。
いや、変すぎます。

なんと、イタコの婆さんが「彌太はス(死)んでおらん!」と御託宣を告げるところから始まるのです。
あまりにも変すぎて、逆に続きを見ずにはいられなくなってしまいますね(笑)。
色々な意味で「映画は最初の掴みが肝心なのだな」と思わせてくれる映画です。

その変なファーストシーンで息子の生存を信じて疑わない母親役を演じたのは中北千枝子さん。
初期の黒澤明監督作品で活躍した女優さんで、私が子供の頃には♪ニッセイのおばちゃん自転車で~のCMでよくお見かけした方です。
そして、実は中北さんはゴジラシリーズの生みの親田中友幸プロデューサーの奥様なのです。
その唯一の出番をカットしてしまうとは、当時の東宝には上司への忖度などという概念は皆無だったのですね(笑)。
ところで・・・

先週の「週刊映画鑑賞記」記事の最後に「今週の『るろうに剣心』エキストラ参加に応募した」旨を書きましたが
残念ながら落選となりました。゚(゚´Д`゚)゚。

募集人数が<男性:180人>とかなり多かったので「絶対行ける」と思っていたのですがね。
もし参加出来たとすると、問題になるのは集合時間です。
朝6時集合ですよ?!。
メールには「京都市内某所」としか書かれていませんが、東映太秦撮影所かどこかのお寺ではないかと思われます。
これは前日のうちに京都入りしておかなければ無理ですから、この土日はスケジュールを開けておいたのですが・・・無念!。
せっかく土日がヒマになったということで、土曜の午前中はお隣石川県まで足を延ばしてコレを見てきました。
4/20(土)
『ジョーズ』
(劇場:イオンシネマ金沢フォーラス)

「午前十時の映画祭10ファイナル」開幕スペシャル・スピルバーグ特集第2弾『ジョーズ』です。
『ジョーズ』は私が初めて映画館で観た外国映画です。
小学5年の冬休み、京都の親戚宅へ遊びに行った時に叔父さんが従兄弟たちと一緒に連れて行ってくれました。
余談ですが、この叔父さんはこの2年前に私たちを『日本沈没』に連れて行ってくれた人です。
’73年『日本沈没』、この年の『ジョーズ』、そして翌年の『キングコング』と、「あの叔父さんは子供がビビるのを見て楽しんでいたんじゃないか?」と思えるくらい毎年怖い映画に連れて行ってくてれました。
(もっとも『キングコング』は大喜びで観てましたが)
でも、私のビビり方は確かに半端なかったと思います。
というのも、私の生まれ育った福井の街には海水浴場があるからです。
子供のころは毎年夏は必ず海で泳いだものなので、初めて見た時は自分の知っている海水浴場のイメージと完全にリンクしてしまいました。
それは毎年夏休みに福井へ海水浴にやってくる従兄弟たちも同様です。
『ジョーズ』を見たのが冬だったからまだ良かったです。
あれを夏休み前に見ていたとしたら、私は間違いなく海に入れなくなっていたかも知れません。
あと、海で泳いでいる時に「サメだー」と叫んで脅かしたり、水中から近づいて足を引っ張るという悪戯が流行りました。
これには小さい子が本当に怯えてしまったため親や先生にこっぴどく叱られたものです。

今回およそ43年ぶりに劇場の大スクリーンで見た『ジョーズ』ですが、最初に見た時と同じ場面でドキドキハラハラしたり、同じところで笑ってしまう自分がいました。

例えば、海中から全裸のお姉さんを狙うサメ視点の映像に、いろんな意味でドキドキしたこととか(笑)。
そういえば昭和50年当時の上映ではこのお姉さんの股間部分にボカシがかかっていたような気がします。
だとしたら、『ジョーズ』は私が見た初めてのボカシ入り映画でもあったわけです(笑)。

あと、破壊された漁船から、突然漁師の腐乱死体が出てきて思わず身体がのけ反ったりとか。

ホオジロザメが初めて顔を見せるこの場面のある意味コミカルな感じとか。

そして、最後に酸素ボンベを利用してサメを木っ端微塵に吹き飛ばす爽快さとか!。
子供の頃と見え方が少しも変っていませんね(笑)。
この作品の不変性が凄いのか、それとも私が成長していないだけなのかは分かりませんが、おそらく十年後に見返したとしても私は同じリアクションをすることでしょう。
ところで。
『ジョーズ』は高2の時に水曜ロードショーで放映された吹き替え版をビデオ(といってもシャープのテレビ一体型「テレビビデオV8」ですが)で録画して何度も見返したものです。
そのせいか、その後何度オリジナル音声版を見てもTV放映時の声優さんの声のイメージで見てしまうのです。

特にクイントの声は故・北村和夫さんのダミ声のイメージが強すぎて、今でもロバート・ショウ本人の声に被って北村さんのセリフが聞こえてくるようです。
そしてそれは今回も例外ではありませんでした。
おそらく私は十年後も、北村さんの声でクイントを見てしまうのでしょう。

次に上映されるスピルバーグ作品は『E.T.』です。
数年前にも『午前十時の映画祭』で観たばかりではありますが、「今度が映画館での見納めになるかも?」と思うとやっぱり足を運ばずはいられなくなるのであります。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。