週刊映画鑑賞記(2019.7/8~2019.7/14)
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。
先週と同じく月曜日は仕事が休みだったので、迷うことなく映画を観に行くことにしました。
他県ではやっていないところも多いようですが、福井や石川では毎週月曜日=メンズデー(男性入場料1,100円)です。
そのため、ローテーションの関係で平日休みを選べる場合私は月曜を選ぶことが多いです。
7/8(月)
『きみと、波にのれたら』
(劇場:イオンシネマ新小松)

『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』そして『デビルマン crybaby』(NETFLIX配信)と、ここ数年立て続けに作品を発表している湯浅政明監督の最新作です。
実はアニメ好きの嫁も誘ってみたのですが、この日は仕事があって行けないとのこと。
残念、彼女が好きそうなお話だったのに!。

サーフィンが大好きで小さな港町に引っ越してきた向水ひな子は、町で起こった火事騒動をきっかけに消防士の雛罌粟港(ひなげし・みなと)と知り合い恋に落ちる。
2人は互いにかけがえのない存在になっていくが、ある時海で溺れた人を助けようとした港が命を落としそのショックでひな子は、大好きだった海を見ることすらできなくなってしまう。
そんなある日、ひな子が2人の思い出の歌を口ずさむと水の中に港が現れた。
前半はまるで昨今のアイドル映画の如く恋人同士のイチャイチャシーンが微笑ましく(人によっては鬱陶しく?)描かれます。
そこだけ我慢すれば、終盤は見ごたえある物語と湯浅監督らしいダイナミックで破天荒なアニメーションが堪能出来ます。
でも、あのラストシーンは・・・切なすぎる。

平日の午前中とあってか観客は私ともう一人、合計2人しかいませんでした(寂)。
皆さん夏のアニメ映画は新海誠の『天気の子』と『トイストーリー4』だけでいいやとか思ってこの佳作をスルーしてませんか?。
もしそうならあまりにも勿体無いことです。
今からでも『きみと、波にのれたら』を観に映画館へ行きましょう。

「この映画を観ないなんてバカのすることよ!」(by:雛罌粟洋子)
『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』
(劇場:イオンシネマ新小松)

『アベンジャーズ エンド・ゲーム』の後日譚にしてマーベル・シネマティック・ユニバースの最新作です。
『エンド・ゲーム』は3時間オーバーの大長編でしたが今度は2時間10分ほどで(短くはないけど)ほどよい長さです。

アイアンマンもキャプテン・アメリカもいない世界で自分のヒーロー資質に悩みながらも奮闘するスパイダーマンのお話。
決してつまらなくはないですが、いかんせん『エンド・ゲーム』という町中総出のお祭り映画のあとだったせいか少し寂しい感じは否めません。
あと、「ソーは行方不明」「ストレンジは今忙しい」「キャプテンマーベル?その名前は出すな」と、アベンジャーズ仲間が登場しない理由づけが適当な感じだったのも残念でした。
俳優のスケジュールとかギャラの問題とかいろいろあるのでしょうが、この辺りに「大人の事情」が垣間見えてちょっと気持ちが醒めてしまいました。

でも、アイアンマンの側近だったこの人(パッピー)は良かったなあ。
新コスチュームを作るピーターにトニー・スタークの面影を見る彼の姿にウルッときました。
あと、メイおばさんとの関係も意外です(笑)。

このおデブの相棒も相変わらず最高でした(笑)。
そういえば・・・『アントマン』や『ファンタスティック・ビースト』でもそうでしたが、最近「主人公の相棒はデブでおしゃべりで気が小さいけどいざという時には力になってくれる奴」というパターンが多いですね。
ハリウッドはLGBTや人種以外にも体格差別にまで配慮するようになったのですかね?(笑)。
あと、今回ピーターが熱を上げているクラスメートのMJ(画面向かって右)。
この子が今度のメリー・ジェーンだと思っていたら、イニシャルは同じでも違う名前(ミシェル・ジョーンズ)でした。
他にGS(グウェン・ステイシー)ってイニシャルの女の子もいたりなんかして?。

『きみと、波にのれたら』のあと、昼食をはさんで同じ劇場で観ました。
客入りは10数人程度でしたかね。
まあ、平日の昼間ですからこんなものでしょう。
で、(毎度のことながら)気になるのはエンドクレジットが流れ始めるとさっさと出て行ってしまう人が多かったことです。
最後まで見終わって私が席を立った時にはもう3人くらいしか残っていませんでした。
この映画、クレジット途中と一番最後に2度オマケ映像があります。
その最後のやつを見ないと「本作のニック・フューリーはどうしてミステリオの正体に気付けなかったのか?」という素朴な疑問が解けないまま帰ることになります。
「慌てる●●●はもらいが少ない」とか申しますが、せっかくお金を払って映画館に入ったのですから最後までゆっくり作品を楽しみましょうよ。
7/12(金)
『ファースト・マン』
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

2月にIMAXで鑑賞した時にはリアルな映像と大音響でニール・アームストロングが見てきた世界を疑似体験した感じでしたが、今回は家でじっくり物語としての『ファースト・マン』を味わいました。

映画は(ほぼ)全編手持ちカメラや機内に仕掛けられた定点カメラによる映像で作られていて、まるで宇宙飛行士ニール・アームストロングの密着ドキュメンタリーのようになっています。

そうやって実際にあった出来事を丹念に積み重ねていきますが、それは映画の最後に月面でたった一つのフィクションを描くための演出でした。

それは、幼くして亡くした愛娘の形見を月面に残してくること。
他の宇宙飛行士たちは月面に家族の写真を置いてきたりとかしていたらしいのですが、堅物のニール船長がそんなことをするとは思えないしそういう記録も残っていません。
でも、彼を英雄ではなく一人の人間として描くのであれば、そんなウソの一つくらいついたっていいんじゃないかと思うのです。
だって、これはドキュメンタリーではなく劇映画なのですから。
初めて観るという方には「Fly Me To The Moon(私を月に連れてって)」を合わせて聴くことをお勧めします。
オリジナルは1954年発表の「In other words,」という曲ですが、’60年台のアポロ計画進行当時に「Fly Me To The Moon」としてリバイバルされて大ヒットした歌です。
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のエンディングテーマだったので知ってる人も多いはずです。
Fly me to the moon
私を月に連れてって
Let me play among the stars
星たちに囲まれて遊んでみたい
Let me see what spring is like
On a-Jupiter and Mars
木星や火星の春がどんなものか見てみたい
In other words, hold my hand
それはつまり手をつないで欲しいということ
In other words, darling, kiss me
それはキスしてほしいということ

映画『ファースト・マン』を観ながらこの歌詞を思い出すと、まるで幼い娘の無邪気なおねだりのようにも思えてきて涙が止まらなくなります。
この曲は映画の中には使われていませんが、『ファースト・マン』はこの歌詞をベースにして作られているんじゃないかと思えるくらい心情的にマッチしていると思います。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。