これが私の「平成最後に観た映画」
「平成」「令和」の二つの元号をまたぐ「改元番組」も無事に乗り切ることが出来ました。
深夜の番組であるにも関わらず、快くご協力いただいた皆様に心より感謝いたします。
28日の深夜、クライアントから急な連絡が入りました。
「すみません。先方の都合で明日(29日)のロケは中止です。明後日から改元関係で忙しくなるのでゆっくりお休み下さい。」
で、同じくお休みだった妻に「どっか行こうか?。」と持ち掛けてみたところ即座にこう言われました。
「じゃ、映画行こ!。あたし見たいのがあるの!。」
彼女が今見たがってる映画って何だろう?。
私はあれこれ思いを巡らせてみました。
なぜならば、この日彼女と一緒に見に行く映画が私(と妻)にとっての「平成最後の映画」になるわけですから!。

今の話題作といえば・・・『アベンジャーズ エンドゲーム』?。
いやいやこれはないでしょう。
彼女は前作『インフィニティ・ウォー』も『アントマン』も『キャプテン・マーベル』も観ていませんし、そもそもこの手の映画には興味ないはずですから。

もしかして、まだ上映が続いている『ボヘミアン・ラプソディ』とか?。
妻はもう去年の秋から4回以上見に行っているはずですが、最後にもう一度私に「ドンドンパッ」を付き合えとでも言うのでしょうか?。

あるいは漫画が原作でイケメン俳優がいっぱい出てくる『キングダム』か?。
う~ん、評判はいいらしいけどジャリタレ映画はちょっとなあ・・・。

それとも、以前「これ、良さそうね。」と言っていた『ダンボ』かも?。
これは私も見たかったのですが、もうすぐ上映が終わってしまいそうな気配です。

アニメ好きな彼女のことだから『バースデー・ワンダーランド』?。
うむ。 『クレヨンしんちゃん』の『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』と『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』の原恵一監督作品ならば文句はありません。
・・・とあれこれ心の準備をしていた私に彼女が推してきた作品はな、な、なんと!?。

『ドラえもん のび太の月面探査記』
ミ(ノ;_ _)ノ =3 そーきましたか。
でも、全然嫌じゃないのですよ。

私には2年前に『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』がどうしても見たくて単身映画館に足を運んだという前科(?)があるのです。
『のび太の南極カチコチ大冒険』はラヴクラフトの古典SF『狂気の山脈にて』を下敷きにしたSFストーリーということで、あの猟奇的世界をどうやって「ドラえもん」に落とし込んでいるのかを見たくて仕方がありませんでした。
『狂気の山脈にて』のアニメ化としてはかなり説明不足な感はあったものの、いつもの『ドラえもん』とは違う不気味さに子供たちが親の腕にしがみつきながら必死に見ていた姿が印象に残りました。
>「そこで私が見たものは・・・!?」(2017/5/5)
「オーケー、これにしよう。」
私(と妻の)平成最後の映画が『ドラえもん』だなんて・・・『ドラえもん』だなんて・・・
あまりにも私らしくていいじゃありませんか(笑)。
私「それにしても、なんで『ドラえもん』なんや?。」
妻「テレビで予告編やっててね、それ見てこれはいい!って直感したの。」
私「予告編なんて良さげな場面しか見せないもんやろ(笑)。」
妻「でも、その中に客席の場面があって、涙流しながら必死に見てる女の子が写ってたの。」
私「ああ、テレビのCMでよくあるやつな。」
妻「でも、小さい子供が内容に感動して泣く映画って本物じゃないかって。」
私「というと?。」
妻「子供がドタバタギャグでケラケラ笑うことはよくあるけど、ポロポロ涙を流しながらそれでも見るのを止めないって、きっと良い話を分かりやすく作ってあるに違いないわ。」
私「なるほど。それ、一理ある!。」
<Youtubeより「映画ドラえもん のび太の月面探査記」TVCM(30秒)観客篇【大ヒット上映中!】>
ちなみに、この時妻が言っていた予告編とは「TVCM(30秒)観客篇・大ヒット上映中!」バージョンのことでした。
確かに画面を凝視したままポロポロ涙をこぼしている女の子が写っています(24秒目辺り)。
この年頃の子供をここまで映画に集中させるというのは確かに凄い事です。
妻「あと、脚本を書いたのが辻村深月さんって『ドラえもん』好きで有名な小説家なの。知らない?。」
私「いや知らん。」
妻「とにかく<ドラえもん愛>がある人が書いた話なら悪いはずはないでしょ。」

そんなわけで、向かったのはお隣石川県のイオンシネマ新小松。
我が家から車で1時間くらいのプチドライブです。
『のび太の月面探査記』は福井の映画館でもまだ上映していますが、さすがに地元の映画館は避けることにしました(笑)。

この日は「ハッピーマンデー」ということで男女を問わず入場料が一人1,100円です。
チケット売り場と売店は親子連れで大変な混みようでしたが彼らの目当ては新作の『名探偵コナン』と『ポケモン』です。
終了間近の『ドラえもん』はそれほど客はいないはずです。
ただ・・・。
私たち夫婦を見るもぎりの兄ちゃんが「あれ?この二人、子供か孫を連れて来たんじゃないのか?。」と怪訝そうな目をしていましたが・・・多分気のせいです(笑)。

で、映画『ドラえもん のび太の月面探査記』の感想ですが・・・。
妻よ、君の直感は正しかった!。
アポロ月着陸50周年ということで企画されたものと思われますが、今回の映画は月が舞台です。
のび太がドラえもんの道具を使って不思議な冒険に出かける。
そこで大きなトラブルに巻き込まれる。
そして一度は逃げ帰るも、再び仲間と共に戦いに赴き逆転勝利。
大まかなストーリー・ラインはこれまでの映画版『ドラえもん』のパターンそのままです。
しかし、細部の表現は今までとはまるで違って「攻めた」演出をしておりました。

終盤、再び月世界へ赴く時ののび太たち4人の決意の行動が言葉にならないほどカッコ良いのですよ。
のび太は無言で上着の袖に腕を通し、しずかちゃんは愛犬を抱きしめるだけ。
ジャイアンはお菓子をひと箱だけ持ち出して我が家を振り切るように駆け出して行き、スネ夫は川面に写る(これから向かう)月を見つめて意を決します。
この間、4人はひと言も発しません。
「友達を見捨てることは出来ない!」とか分かりきったセリフを言わせることなく、画(行動)だけで彼らの心情を表現していました。
このほうが確かに子供の心に響きますし、いつまでも忘れることはないでしょう。
子供たちの想像力を信じてこの演出を敢行した八鍬新之介監督の名前は憶えておくべきかも知れません。

『ドラえもん』に満足した私たち夫婦は、イオンモール内で昼食を摂ってしばらく店内を見て回ることにしました。
妻は久しぶりの大型店でのショッピングにはしゃいでいたみたいです。
実は福井県は、イオンが一軒も出店していない全国で唯一の県なのです。
私はここに出店しているようなオシャレなお店には縁も興味もありませんが、妻はしきりと「こんな大きいショッピングモールが福井にもあればいいのにね。」と繰り返しておりました。
GW中唯一の休みとなったこの日、期せずして夫婦水いらずの映画鑑賞とショッピングの一日となりました。
その(平成最後に観た)映画が『ドラえもん』というのが実に私らしくて、いい感じで平成を締めくくることが出来ました(笑)。
元号が変わっても、私という人間とこのブログは微塵も変わることはありません。
これからも何卒よろしくお願い申し上げます。