4K環境整いました! DLA-X990R導入記
我が家もついに4K視聴環境が整いました。
4Kプロジェクターへの買い替えに踏み切ったのであります。

導入したのはビクター:DLA-X990R。
・・・の中古です。
これまで愛用していたDLA-75Rから数えて4世代後の後継機で、e-shift(フルHD(1920x1080)パネルを斜め方向にシフトして4K解像度を作り出す技術)搭載タイプの最終型です。
現在ビクターのD-ILA式プロジェクターはネイティブ4Kパネルを使った新型機に移行したため、X990Rはすでに生産終了になっています。
実はX75Rにもe-shiftは搭載されておりました。
通常(2K)のハイビジョン信号を4K化して映写していたわけですが、その画質が非常に私好みのものだったのでこれまで買い替える必要は全く感じなかったのです。
しかし、X75Rには一つだけ大事なものが欠けていました。
4Kで表示する性能を持っていながら、何故か4K映像信号を受け入れることは出来なかったのです。
4K映像を4Kのまま見ることが出来ないといだけでなく、UHDプレーヤーでUHD-BDを再生してもプレーヤー側で一度2Kに変換してそれをプロジェクターで再び4Kに変換して映写するという2度変換が行われることになります。
ここ2年ほどの間、私にはそのことが軽いフラストレーションとなって蓄積してきていたのでした。

もちろんビクターの最新鋭ネィテイブ4K機:DLA-V7も候補の一つでしたが、いくつかの不安&不満材料が重なって今回は導入を見送ることにしました。
一番のネックはやはり値段です。
メーカー希望価格が税込み108万円!。
価格コムの最安店でも92万円以上で一向に値下がりする気配がありません。
それでも納得出来る性能であれば、予算を全額投入してでも買ったかも知れません。
しかし、DLA-V7はこれまでのビクター製プロジェクターの流れから見ると大幅に退化している部分があるのです。
V7のネイティブコントラスト比は8,000対1。
その前機種X990Rは160,000対1ですからその半分、DLA-X75Rでさえ9'000対1ですから6年前の機種にさえ負けています。

実は今年に入って2回、大阪のアバック梅田店さんにお邪魔してX990RとV7の映像を見せてもらっています。
自分のこの目で確かめてからでなければ高いお金を払うわけにはいきませんからね。
1月に行った時、本当はV7を見たかったのですが発売延期されたということで代わりに990Rの映像を見せてもらいました。

そして次は5月末、今度は本命V7の映像をじっくり見せてもらいました。
ところが、どうにもしっくり来ないのです。
V7は解像度や発色そのものは確かに綺麗なのですが、4か月前に同じ環境で見せてもらったX990Rの映像のほうが私の気持ちを画面に引き込む力強さがありました。
この時点で私はDLA-X990Rの購入を決定したのです。

アバックさんの中古サイトでかなり状態の良い中古を見つけてすかさずゲット!。
ランプ使用時間が377時間。
メーカー保証が残り3か月。
これはつまり、前オーナーは購入からたった9か月で手放したということです。
おそらくどこかのお金持ちがネイティブ4K機:DLA-V7が出たことからすぐに買い替えたのに違いありません。
値段は¥525,300(税込)
そして使用中のDLA-X75Rの標準下取り価格が¥60,000。
さらに6月いっぱいは下取り増額キャンペーンということで下取り額が5万円アップで¥110,000
ただしそこからランプ使用分を引かれて最終的な下取り価格は¥99,000となりました。
525,300円 - 99,000円で、426,300円
これはDLA-X990Rのメーカー希望価格の半分以下です。
後悔などありません。
あろうはずもありません!。
【さらば、DLA-X75R】

2013年春に購入して以来、6年間愛用し続けてきたDLA-X75Rともいよいよお別れです。
隣にたたずんでいるのはビクターのマスコット犬:ニッパー君です
彼は先代機DLA-HD750購入のおまけにもらって以来、ずっと我が家のビクター製プロジェクターの傍らに寄り添ってきました。

ちなみに最後にDLA-X75Rで観た映画は、先週金曜日に妻と二人で観た『シュガー・ラッシュ:オンライン』でした。
6年前、これで最初に観たのは・・・え~と、何だったっけ?。
思い出せないなあ。

ランプ使用時間は1117時間。
ただし、これは2年ほど前に交換した現在のランプ(3個目)のものです。
週に3~4日、一日3時間使いますので大体これくらいですね。

背面に回ってケーブル類を取り外します。
HDMIケーブルはAVアンプからの一本のみ。
最初はメインプレーヤー(BDP-LX91やDMP-UB90)の映像信号を入力2に直接挿していましたが、操作がめんどくさいので去年からAVアンプに集約してケーブル一本で済ませています。
しかし、現在使用しているAVアンプ:TX-NR5010は4K非対応なので、X990RとUB90は直結する必要があります。
使っているケーブルはベルキンの3.6mのもの。
性能の良いケーブルですが4K規格制定前のものなので、4K導通に使えるかどうかは不明です。
奥に見える赤・青・緑のアナログコンポーネント端子は結局6年間一度も使いませんでした。
ちなみに今度のX990Rにはもうアナログ端子は付いていません。
昔使った5mの同軸コンポーネントケーブルの使い道も無くなってしまいました(結構高かったんだけどなあ)。
どーんと張り出した「JVC」と書かれた部分は3Dのエミッターです。
これは別売りのオプション品でX990Rにもそのまま使えますので、3Dメガネと一緒にまた使います。

6年前に設置して以来ラックに収まり続けていたX75Rを初めて降ろしました。
ランプ交換はラックに設置したままで出来るので降ろす必要が無かったのです。
本体の上には6年分の誇りが積もっておりました。

最後の別れですから私の手で綺麗にしてあげてから送り出すことにしました。

6年間使ったリモコンも同様です。
ボタンの隙間に入り込んだ私の手垢を取るのに時間がかかりました。
今度のX990Rはもうちょっとこまめにリモコン掃除しようと思います。
・・・もっとも、これまでも愛機を手放すたびにいつも同じことを考えているのですがね(笑)。

保管してあった元箱に収めてアバックさんに送り出します。
さよなら、DLA-X75R。
6年間楽しませてくれてありがとう。
次のユーザーさんにも満足してもらえたら私も嬉しいです。
【君去りし後】

X990Rは既に発注済みですが支払いはX75Rの下取り査定額確定後になります。
当然、商品が発送されるのは支払い完了後となるため先週末から今週頭にかけてプロジェクター無しの日が続きました。
主を失ったニッパー君の姿が切ないです。
で、このニッパー君を見た嫁のリアクション・・。
「いや~ん、可愛い~。もう、ず~っとこのままにしておこう。」(おい)

元々ニッパー君は絵画『His Masters Voice』に描かれた亡き飼い主の声に聴き耳を立てる犬でした。
つまり、この時の状況はニッパー君本来の姿だったのですね。
【990がやって来た!】

数日後、DLA-X990Rが到着しました。

開梱!。
リモコンと一部のケーブルに使用感があるのと、パッキンが一部割れていましたが、本体そのものはパッと見た限り新品と変わりありません。
ただ、嬉しさのあまり取り出し直後の本体写真を撮るのを忘れてしまいました(笑)。

プロジェクター席に鎮座するDLA-X990R。
そしてその傍らには、今まで通りニッパー君の姿も。

筐体そのものは前のDLA-X75Rとほぼ同じですが、一目で分かる違いがありました。
レンズ周りのリングが金色なのです。
う~む・・・。
良く言えば「ゴージャス」、悪く言えば「成金趣味」という感じですかね(笑)。
私としてはこの金色で映写の光が乱反射して画質に悪影響を及ぼさないかが心配です。
もちろんメーカーもそんなことは計算づくで作っていると思いますがね。

ニッパー君もピコ太郎みたいな新しいご主人のいで立ちに戸惑っているようであります。

4Kの伝送には対応するHDMIケーブルが必要です。
これまで売られていた製品でも高性能なものなら使えるかも知れませんが、今回はアバックさんお薦めのKordz(コーズ)というメーカーのケーブルを買ってみました。
3mで¥16,426(アマゾン)。
ちょっと高いですが思い切って買いました。
最初の4kなので失敗したくありませんから。

Kordzというケーブルメーカーは今回初めて知りました。
なんでもHDMI規格策定メーカーの一つで、アバックさんが依頼を受けて顧客のホームシアターを作るときに使うケーブルなのだそうです。

現在使用中のAVアンプ:TX-NR5010は4K信号を受け付けてくれないため、UHDプレーヤーとX990Rは直結するしかありません。
HDMI1は今まで通りAVアンプを通した映像信号、プレーヤーからの信号はHDMI2に繋ぎます。
X990Rの背面にはアナログ端子はありません。
どうせならHDMI端子をあと1つか2つ増やして欲しいところです。
最近は映像と音声を分けて出力するプレーヤーやレコーダーが増えてきていますから。

リモコンの形状はX75Rのものとよく似ていますが、ボタン配置はかなり変わっています。
X75Rではアナログ入力ボタンがあった部分は入力信号の状態を確認するINFOボタンになっていました。

まず画面サイズとレンズシフト(位置)、そしてフォーカスを調整します。

プレーヤー側の基本設定も変更します。
今までは2K環境で使っていたため「4K」は選べず「1080P」に設定していましたが、今回晴れて「4K」を選択しました。
この通り全く問題なく表示出来ています。

X990Rの調整画面。
基本的に前のDLA-X75Rと同じにしました(厳密にはかなり見え方は違います)。
◆基本画質モードは「シネマ」
「フィルム」モードというのもありますが、確かにフィルム調の画質になるものの暗部諧調が大幅に潰れてしまうので好きではありません。
◆プロファイルは「シネマ1」
「スタンダード」と「2」は業界で制定された基本フォーマットに準じていますが、「シネマ1」はビクター独自の絵作りになっているそうです。
昔のブラウン管テレビ時代の「ビクターカラー」のようなものでしょうか。
せっかくビクターのプロジェクターを買ったのですから、杓子定規的な定番画質よりそちらで楽しみたいと思います。
私は90年代にビクターのAVモニター「第3ネットワーク」32インチを愛用していたビクターファンなのですから!。
◆色温度「Xenon2」
色温度は一般的な6500Kとかではなく映画館のプロジェクターで使われるキセノンランプの色合いを再現したモードを使います。
「Xenon1」はフィルム映写用で「Xenon2」は昨今のデジタルプロジェクターに近い色だそうですが、「1」はおそらく「フィルム」モード用の色だと思うので「2」を選んでいます。
◆ガンマは手動設定で「2.4」
映画向きとされるガンマカーブ2.4に設定。

X75Rには無かった新しいファクターとして「ピュアダイレクト」モードというものがあります。
プロジェクターが持つ補正回路などをパスして映像信号をストレートに描画するもので、これによりノイズと遅延が低減されます。
「少しでも画質が良いなら」とこれを選択しています。

念のため画質調整用BD『HiViCAST』を使って画面チェック。
DVD版の頃から信頼して使っている調整アイテムです。

特にコントラストや明るさを弄る必要はありませんでした。
難しい1パーセント刻みの暗部諧調もこの通り!(・・・といってもスマホで撮った写真では分かりにくいです)

ひと通り調整を終えたDLA-X990Rで私が最初に観賞するUHD-BDは何にするか?。
それは2年前からすでに決まっていました。
『シン・ゴジラ』です。
思い起こせば2年前、後先考えずに勢いで買ったこのUHD-BDが私の4K導入への出発点でした。
一番最初にこれを見ずして何を見ろというのか?。

さすがは4K。
私がエキストラの一人として映っているこの場面では、電話で情報収集している自分の姿がはっきり分かります(笑)。
ただ、通常のブルーレイ(2K)に比べてかなり画面が暗いです。
HDR(ハイダイナミックレンジ)が効いていないのかな?。

表示装置の暗部諧調再現能力が問われる夜間のシーンもかなり潰れがちです。
HiViCASTでの暗部諧調は完璧だったのに・・・。
何らかの調整が必要なのか?。
それとも『シン・ゴジラ』のUHD-BDはこんなものなのか?。

それでも、これまでのフォーマットとは一味違う『シン・ゴジラ』として最初から最後までしっかり楽しんでしまいました。
まあ、UHD-BDとして初期のソフトだったせいか「目の醒めるような高画質」とはいきませんでしたが、その辺はこれからボチボチ調整を進めていきたいと思います。

いつの日か、心の底から納得できるビクター製ネイティブ4Kプロジェクターが登場するまでは・・・いや、その後もずっとこのX990Rと付き合っていきたいと思っています。
なぜならば、世の中には2Kブルーレイソフトのほうが圧倒的に多いのです。
実はX990Rはe-shift機能をオフにしてフルHDプロジェクターとして使うことも可能なので、ネイティブ4Kを導入しても需要が無くなることはないはずです。
そんなわけで、これからよろしくDLA-X990R。
そして、これからもよろしく、ニッパー君。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。