週刊映画鑑賞記(2019.11/4~2019.11/10)
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。
>Happy birthday dear GODZILLA! ~「ゴジラ誕生祭2019」 in 京都みなみ会館~
先週土日に京都みなみ会館で行われた「ゴジラ誕生祭2019」の余韻にまだ浸りきっております。
昨夜(9日)も0時前にベッドに入ったのですが、その時「ああ、先週のちょうど今頃はみなみ会館でカウントダウンしてたんだな~。」としみじみしてしまいました。
美しく成長した鈴木麻由さんのこととか、映画のシーンに合わせて食べたコロッケのこととか、(ヒントだけ聞かされた)年末の特撮大会の内容とか、あと吉田館長の結婚指輪のこととか(笑)、いろいろ思い出して眠れなくなったくらいです。
11/5(月)
『ゴジラ2000<ミレニアム>』
(ホームシアター:WOWOW録画)

そんなわけで、今週最初に見た映画はまた『ゴジラ2000<ミレニアム>』であります(笑)。
理由としては、最高に楽しかったあのイベントを反芻したかったことですが本当はそれだけではありません。
リベンジです。
最高に楽しかった「ゴジラ誕生祭2019」ですが、実は一つだけ悔やんでいることがあるのです。

「ゴジラ誕生祭2019」での鑑賞時、私は不覚にも猛烈な眠気に耐えかねて終盤約30分間ほどついウトウトしてしまい、クライマックスのゴジラVSオルガのバトルシーンのほとんどを見逃していたのです。_| ̄|○
エンドクレジットに映し出された鈴木麻由さんの名前へ送られる拍手の音で目が覚めたのですが、私はそんな自分に猛烈に腹が立ちました。
ウトウトしてちゃんと見ていなかったラスト30分とは、つまりトークショーでゲストの喜多川務さんが語っていた「苦労したシーン」に他なりません。
このまま放っておいたのでは喜多川さんに失礼というものであります。
(いや、現場で寝てしまった時点で十分失礼なのですが・・・)
今回はその寝落ちで見逃した部分をきちんと補完したかったのであります。

オルガのデザインはエメリッヒ版『GODZILLA』(1998年)を意識したもので、それを新しい日本のゴジラが木っ端微塵に打ち砕いてみせるというのが企画コンセプトだったそうです。
しかし当時の私の目には、この新怪獣は全く別の怪獣をイメージしているように見えて仕方がありません。
1999年末、東宝が真の仮想敵としていたであろうその怪獣とは・・・。

金子修介監督&樋口真嗣特技監督コンビによる平成ガメラです。
1995年、第一作『ガメラ 大怪獣空中決戦』公開。
その半年後の『ゴジラVSデストロイア』を挟んで翌年には二作目『ガメラ2 レギオン襲来』。
そして『ゴジラ2000<ミレニアム>』の9か月前には完結編『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』。
当時「ゴジラVSシリーズ」に物足りない気持ちを抱いていた特撮怪獣映画ファン(特に私)は、その飢えた心を癒してくれた平成ガメラシリーズを高く評価していたのです。
まるでゴジラに挑戦するかのような平成ガメラを東宝が意識していないはずはありません。
ミレニアム版ゴジラが木っ端微塵にしてみせたオルガとはジラ(エメリッヒ版のゴジラもどき)なんかではなく、本当は平成ガメラをモチーフにしていたのではないかと思えてならないのです。

ゴジラを飲み込んでその力を自分のものにしようとするオルガ。
これが東宝側から見たガメラでなくて何だというのでしょう?。

ラストシーン。
ミレニアムゴジラはライバル怪獣を粉砕して再び破壊神の座に君臨します。
しかし・・・。
この新しいゴジラ映画は(アメリカのイグアナには圧勝しても)同じ日本の平成ガメラには勝てたのでしょうか?。
正直なところ、私にはこのラストシーンが『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』の焼き直しにしか見えません。
ミレニアムゴジラが平成ガメラに迫ることが出来たのは、皮肉にもガメラを作った金子修介監督が手掛けた『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』でした。
11/6(火)
『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』
(ホームシアター:WOWOW録画)

翌日は、「ゴジラ誕生祭2019」参加レポート記事を書きながら『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』を再鑑賞。
みなみ会館で見たときはあまりにもフィルムの状態が悪すぎて、一部のシーンでセリフが聞き取れないところも多々ありました。
私が今後『オール怪獣大進撃』を再び見返す機会があるかどうかは疑問です。
もし、あの劣悪なフィルムの印象が私の中に残り続けてしまうのはあまりにも悲しいことです。
もう一度きれいな画面で見返してイメージをリライトしようと考えました。
今回見たのは5年ほど前にWOWOWで録画したハイビジョン版ですが、デジタルリマスターとはいかないまでも色や音声も正常に出ていて快適に見られます。
「ゴジラ誕生祭2019」でもこのデータを使ってデジタル上映にすればもっと見易かったと思うのですが、やはりみなみ会館とキャスト(運営)はフィルム上映に拘ったのでしょうね。
私としても、初めて映画館で見るこの作品が市販ブルーレイや放送用マザーと同じデータだったとしたら、今回のせっかくの劇場体験も値打ち半減だったと思います。
たとえ傷だらけ&ノイズだらけであってもフィルムで見せてくれた今回のイベントに感謝しております。
11/7(水)
『ウルトラQ』第14話「東京氷河期」
(49インチ4K液晶テレビ:BS4K録画)

ぺギラ2度目の登場回です。
前回「ぺギラが来た!」の時は、田村奈美さんの美貌にばかり目が行って怪獣にはほとんど興味が向きませんでした(笑)。
だから今回はこの冷凍怪獣のことを書こうと思っていたのですが・・・。
今回もぺギラは脇役でした。

主役は秋田から東京に出てきた父子です。
父親は東京で季節労働者してるうちに泥棒に成り下がった元ゼロ戦パイロット。
そして、そんな父親をたずねてはるばる東京に出てきた息子。

万城目たちと笑顔で別れた少年がふと目を落とすとそこにはぺギラ撃退のために散った父の遺骨が・・・。
一転して陰りのある表情に変わる少年の名演技!。
『ウルトラQ』が製作されたのは1966年。
終戦から20年以上が経ち、オリンピックや新幹線開通を経て4年後に大阪万博を控えたこの時期にあっても、まだこうした戦争の傷跡が物語の原動力になった時代でした。
(そういえば、第2話『五郎とゴロー』で猿を巨大化させたのも旧日本軍が遺した秘密の化学兵器のせいでした。)
子供番組、しかもSF特撮ものでありながらこういった場面も内包する『ウルトラQ』にはやはり歴史的価値を感じます。
今週は特撮三昧であります(幸)。
『ウルトラQ』のあとは、月に一度のお楽しみのコレです。
『地球防衛軍』(東宝チャンピオンまつり版)
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)

オリジナルは1957年公開。
東宝特撮初のシネマスコープ(東宝スコープ)作品ということで、横長の画面をフルに生かした絵作りが特徴の作品です。
でも、このチャンピオンまつり版については少し気になる点が・・・。
『地球防衛軍』が東宝チャンピオンまつり用プログラムとして再編集リバイバル公開されたのは、なんと1978年春!。
その頃といえば『未知との遭遇』と『スター・ウォーズ』の日本上映を間近に控えた時期ですよ。
まさか東宝は21年も前の特撮映画でアメリカのSF映画を牽制しようとでもしていたのでしょうか?
(その3か月前には『惑星大戦争』も公開してましたし・・・)
当時の東宝は『スター・ウォーズ』上陸を相当恐れていたと見えますね(笑)。

ところで、日本映画専門チャンネルの「東宝特撮王国・チャンピオンまつり版」は今回で終了とのこと。
『海底軍艦』も再上映用短縮バージョンがあったはずですが、あれは「チャンピオンまつり」枠ではなかったのかな?。
もし、次にバージョン違い特集をするのであれば「海外公開版」なんかをお願いしたいですね。
でもその前に、高画質版「東宝特撮王国」でまだ放送されていない作品群を放送してくれることが先決です。
昭和ゴジラシリーズ全作品リマスター化の他に、『世界大戦争』『マタンゴ』『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』等々まだまだたくさんあるのですから!。
11/8(木)
『ジェミニマン』🈠(3D+HFR)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

この日は少し疲れていたにもかかわらず仕事帰りに『ジェミニマン』を見てきました。
どうしても見ておきたかった上映形式がこの日限りで終わってしまうからです。
無理してでも体験してみたかったその限定上映形式とは?

「3Dプラス・イン・ハイフレームレート(HFR)」
通常の映画は毎秒24フレームで撮影されるが、HFRはその5倍の毎秒120フレームで高速撮影する技術。
データ量は35倍にもなり、通常なら見えない激しい動きの細部まで見ることができる。
アクションシーンを、より肉眼に近い状態で見ることができる画期的な映像進化。
・・・だそうです。

福井ではコロナシネマワールドで一日一回だけこの方式での上映がありましたがこの日が最終日。
翌日からは通常上映のみになってしまいます。
ちなみに↑チケットにはHDRとは明記されていませんが、確かに秒間24コマではないハイフレームレート上映でした。
動きがいつもの映画のそれとは全く違いました。

その映画らしからぬヌルヌルした動きをどう言葉で説明したものか悩みます。
最近の液晶テレビの中には、映画の24コマ映像の間を補完するフレームを生成してスムーズな動きに変換する倍速モードが付いているものがあります。
我が家が最近買ったパナソニック:TH-49GX850にも「Wスピード」という名称で搭載されています。
このモードを「強」(あるいはフィルムスムースをオン)にすると、見慣れた映画がまるで秒間60フレームのビデオカメラで撮影したかのような滑らかな動きに変わります。
HFR上映の『ジェミニマン』の動きは、まさにWスピードをオンにした時の見え方でした。
>「トム・クルーズ「映画を観るならTVのフレーム補間をオフに」と呼掛け。理由は「映像が安っぽくなるから」」
そこで思い出されるのは、以前本ブログでも紹介したトム・クルーズをはじめとする映画人の訴えです。
彼らは自分たちの映画を「テレビのフレーム補完機能はオフにして観て欲しい」と言っています。
滑らかな動きよりも製作時のオリジナリティを損なってほしくないのでしょう。
この考え方には私も全面的に賛同します。
しかし、今回の『ジェミニマン』に関してはその限りではありません。
なぜならば。
『ジェミニマン』は最初から秒間120フレームで撮影・編集された映画だからです。
つまり、『ジェミニマン』の映画らしからぬヌルヌルした動きは監督や製作者が意図して導入したものなのです。
それならば、映画館でオリジナルの動きを見てみる価値はあります。
(ブルーレイ化されても秒間120フレームは実装不可能と思われます)
ちなみに現在日本には120フレーム上映出来る劇場は3館しかありません。
今回私が見たHFR上映は60フレーム(HFR上映時)にダウンコンバートされたものだそうです。
また、通常の24コマ上映の場合にはフレームを間引きして見慣れたいつもの映画の動きで見られるようです。
(技術的な興味から、時間があれば通常上映版も見てみたいと思っております)
・・・で、肝心のハイフレームレート上映の印象ですが。
劇映画ではなくてドキュメンタリー見てる気分でした。
映画本編ではなく、ブルーレイ等に収録されているメイキングビデオを見ているようです。
慣れの問題かも知れませんが、生まれてから今まで「1秒間に24コマ」の映画に親しんできた私にはしっくりきませんでした。
ただ、3D映像は物凄く良かったです。
今まで見た3D映画の中で最もデティールが鮮明で、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のアン・リー監督らしく3Dを意識した絵作り(ガラスの破片が目の前に飛んでくるシーンなど)も多く、300円余分に払って3Dで見る価値は十二分にありました。

あと、100パーセントCGで描かれたという若ウィル・スミス(クローン)はどう見ても実在の役者にしか見えません。
恐ろしい時代になったものです。
HFRなんかよりこっちのほうがよっぽど驚きました。

ヒロイン役の女優さんが結構好みだったのですが、「前にもどこかで見たような?」と思って調べてみたら『ダイ・ハード4.0』でマクレーンの娘役だったメアリー・エリザベス・ウィンステッドでした。
道理でアクションシーンもスパイものみたいな駆け引きもお手の物だったわけですね。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。