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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2019.11/25~2019.12/1) 『ウルトラQ』第17話「1/8計画」『ターミネーター2』

トガジンです。
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。



11/27(水)
『ウルトラQ』第17話「1/8計画」
(49インチ4K液晶テレビ:BS4K録画)
『ウルトラQ』第17話 八分の一
第17話「1/8計画」は、人口過密問題と食糧難解決のため人間を8分の1サイズに縮小し、全ての志願者は納税義務免除に加えてあらゆる社会福祉サービスを無料で受けられるようになるというまるで夢のようなお話です。

最近になって思い出したのですけど、私が『ウルトラQ』全28話の中で一番最初に見た話はこの「1/8計画」でした。

キャプチャ 『ウルトラQ』東映ビデオ①
モノクロ番組の『ウルトラQ』は福井では再放送される機会がなかったため、大学に入ってからレンタルビデオで見たのが私の『ウルトラQ』初体験になりました。
そして、そのビデオ第一巻に収録されていたのが何故か第8話「甘い蜜の恐怖」とこの第17話「1/8計画」だったのです。

ところがテープの最初の部分がひどく傷ついていて「甘い蜜の恐怖」が見られず、仕方なく早送りして「1/8計画」だけを見ました。
だから私にとって「1/8計画」は『ウルトラQ』の中でも特に印象が強いのです。
(「甘い蜜の恐怖」は後日別の店でもう一度借りて見ました)

『ウルトラQ』第17話 役所
私が2度目に『ウルトラQ』を見たのは1990年頃(当時26歳)。
当時始まったばかりのBS放送(NHK-BS2)です。
この時は、この1/8化事業がまるで社会主義みたいに感じました。

これには、’66年当時はまだバリバリ行われていたであろう「在日朝●人帰還事業」の影響もあるように思います。
「在日朝●人帰還事業」とは当時日本に大勢いた在日朝●人を強制退去させたい日本側と、彼らを北朝鮮に引き上げさせて利用したい金●成と表面上の利害が一致して進められた事業です。
この時、朝鮮総連は「北朝鮮は地上の楽園、衣食住の心配がない」と宣伝して在日朝●人たちに帰国する決意を促したそうです。

『ウルトラQ』第17話 民生委員
さらに今回4K放送で見ていて今まで以上に不気味さを感じたのが、このS13地区民生委員の無機質な笑顔です。
不気味なことに表情は優しいですが目が笑っていません。
これは明らかに意図して演出されたものです。
特撮映画に数多く出演している名優:村上冬樹さんが無思慮にこんな表情をするはずはありません。

アフター0②
この民生委員たちの無機質な笑顔から連想したものがありました。
岡崎二郎先生の『楽園の問題』という短編SFマンガです。
(「楽園の問題」は短編集「アフター0(著者再編集版)」第2巻に収録されています)

そのストーリーは
近未来、瞬間物質転送装置(『スタートレック』とか『ザ・フライ』に出てくるアレ)が実用化されるが、一度その装置で転送された者はどこか人が変わったようになってしまう。
その装置は人間の身体は転送出来ても魂を転送することは出来なかった。

・・・というものです。

『ウルトラQ』第17話 縮小
S13地区の人間縮小装置は人の魂まではコントロール出来なかったという解釈も出来ますね。
あ、でも由利子は今まで通り感情の起伏が豊かでしたから違うかな?。

『ウルトラQ』第17話 みんな一緒
「1/8計画」は結局由利子の夢だったというオチですが、そこで「な~んだ」と笑うのは早計というものです。
このお話の胆(きも)は、その後のナレーションにあるのですから。

古い記録によると、巨石文化時代の人類は身の丈18メートル、身の幅が5メートルもあったという。
現在の人類はいつから、そして誰の手によってどういう理由で小さくなったのか。
それはまだ謎のままである

(石坂浩二の声で読むとより効果的)

第9話「クモ男爵」第11話「バルンガ」のラストもそうでしたが、「めでたしめでたし」と思った次の瞬間、冷水を浴びせかけられるような深い一言を投げかけてくるのが『ウルトラQ』です。
去年「1/8計画」と似たようなコンセプトの『ダウンサイズ』なるハリウッド製の駄作がありましたが、こうして改めて見ると円谷プロスタッフのSFセンスがいかに卓越していたか分かりますね。



11/30(土)
『ターミネーター2』(劇場公開版)
(ホームシアター:4K UHD-BD)
『ターミネーター2』ポスター画像
今更ですが『ターミネーター2』であります。
特別編でも特別拡張版でもない、'92年の劇場公開版であります。
これはもちろん、現在公開中の『ターミネーター ニュー・フェイト』を存分に楽しみ尽くすための予習です。

『ターミネーター2』4K-UHD BD
今回見たのは、新しく購入した4K-UHD BD版です。
旧バージョンのBDもまだ手放さずに持っているというのに・・・(笑)。
さすがにこれには「またこんな無駄使いして!あんたって人は~」と妻に睨まれてしまいました。
う~む、返す言葉もございません。
でも、91年の初公開時に4回映画館に通い、以後LD(TVサイズ版/ノートリミング版/特別編等各種)・DVD・ブルーレイと各時代のフォーマット毎に買い替え続けてきたタイトルです。
私にとってこれは至極当然の行動なのであります。

『T2』護る
映画『ターミネーター2』のカッコ良さとは、か弱き者(ジョン少年)を身を挺して守る男(T-800)の姿にあります。
もちろんT-800にとってはプログラムされた行動でしかありませんし、銃で撃たれた程度なら全身が金属で出来たアンドロイドの身体はビクともしません。
しかし「大人が子供を全力で守る」という絵を見ただけで、私はなぜか無条件に感動出来てしまうのです。

オバサンが少年を守った『グロリア』
その男女入れ替え版『レオン』
父が娘を助ける『96時間』
『エイリアン2』のリプリー
泥棒が可憐な少女を救う『ルパン三世 カリオストロの城』
たった一人の少年のためだけに闘った『仮面ライダーZО』
ギャオスの超音波メスから子供を守るガメラ。
等々、まだまだ枚挙にいとまがありません。

このシチュエーションがやたらと自分の心の琴線を揺さぶることに気付いたのはこの『ターミネーター2』の時でした。

子供の頃ならば、自分を守ってくれる存在に憧れを持って見ていたからだろうと説明がつきます。
大人になった今は「守ってあげたい」というヒーロー願望がそうさせているのかも知れません。
守るべきもの(子供)を持たない私がどうして女子供を必死に守る男の姿に共感を覚えるのか?。
自分でもよく分かっていません。

『T2』ちっちっち
『T2』は脚本がとにかくよく出来ていて今見ても十分面白いです。
液体金属ターミネーター:T-1000の怖さは今見ても少しも色褪せていません。
『ニュー・フェイト』にもやはり液体金属ターミネーターが登場するみたいですが、キャメロン参加によって少しはこのロバート・パトリック版T-1000に迫れているのでしょうか?。

『T2』おかん
あと、今回久しぶり(プレミアム・エディションBD Ver.2.0を買った時以来だから約10年ぶり?)に見返してみたら・・・
このお母ちゃん(サラ・コナー)がなんか鬱陶しかったです(笑)。
息子のジョンが冷静で利口すぎるせいもあるでしょうが、あまりにも感情に流されすぎで頭の悪い女にしか見えません(笑)。
スカイネットの元を作ったダイソンを殺そうと短絡的に行動するし、殺し損ねダイソンにいきなり生命の素晴らしさと女性の偉大さを説き始めるというYKぶり・・・。
あの世でカイルもガッカリしていそうです。

『ターミネーター ニュー・フェイト』ポスター画像
続編『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、明日の仕事帰りに見てくる予定です。
『ニュー・フェイト』はシリーズ最大のヒット作『ターミネター2』の正当な続編で、全ての生みの親であるジェームス・キャメロンが正式に参加している作品とのこと。
『ターミネーター』シリーズはつい最近もサラ・コナーが可愛いバージョンとかサイボーグが出てくるやつとか見た気がしますが、あれらは全部「無かったこと」にされているそうです(笑)。

しかしこの『ターミネーター』シリーズ最新作は客入りがあまり芳しくないようで、早い時期から『アナと雪の女王2』に押されて小さい劇場に追いやられているのが現状のようです。
大丈夫かいな・・・?。



9・10・11月の秋の繁忙期もほぼ終わりました。
明日からは少しまとまった休みがとれそうなので、見そびれていた映画や録り貯めた番組を見てゆっくり過ごしたいです。
あと、書きかけのまま放置していたブログ記事もいくつか仕上げてしまいたいなあ。

・・・と夢を膨らませていたらさっそく仕事の発注が舞い込んできました。
ありがとうございます!。
喜んでやらせていただきま~す。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

4 Comments

There are no comments yet.

ダリルジョン  

どもです!

先日、息子が「ターミネーター」を観てみたいというので、
マイコレクション探したところ、「ターミネーター・ジェネシス」
しか見つかりませんでしたので、2人して鑑賞したばかりですよ。
シュワルツェネッガーの人間味のあるロボットの言葉が愉快ですね!

今回のニューフェイトもサラ母ちゃん炸裂しちゃってそうです。
強い女性は好きですけどね、妙にヒステリックに成り過ぎるのもですが、

先週から、「帯状疱疹」状態なので、仕事はお休みしてます。
体調がいい日は、Amazonプライム三昧ですが、
もう最近何を観たのかわからなくなってきている状態でもあります( ´∀` )///

2019/12/02 (Mon) 17:05 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

お大事に!

ダリルジョンさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

>「ターミネーター・ジェネシス」

息子さんの初ターミネーターは『ジェネシス』でしたか。
それは、最初の『宇宙戦艦ヤマト』を知らないままいきなり『ヤマトよ永遠』を見るようなものではないかと・・・。

今からでも遅くありません。
最初の『ターミネーター』と『ターミネーター2』を見せてあげてください。

>今回のニューフェイトもサラ母ちゃん炸裂しちゃってそう

実は今日見てきたところです。
(コメントいただいた頃(17時)がちょうど見終わった時間だったと思います)

確かに炸裂してましたよ。
やさぐれたチョイ悪おばさんって感じでした(笑)。

>先週から、「帯状疱疹」状態

どうぞお大事に!
「帯状疱疹」って、歳とってから水疱瘡のウィルスが出てくる病気だそうですね。
私も気を付けないと・・・。

2019/12/02 (Mon) 21:02 | EDIT | REPLY |   

へろん  

『1/8計画』、懐かしくも今もまったく色褪せないテーマの作品ですね。『ドラえもん』でも同様のアイデアが活かされてましたが、『ダウンサイズ』は・・・・作品の中身そのものがダウンサイズしちゃってましたよね(爆)

『楽園の問題』もずっと前から疑問に思ってた内容に近いものをストレートに表現してくれたので強く印象に残ってます。
瞬間転送機は原理的(?)に送信側で一度死んでしまうはずで、受信側で再生されてもそれは絶対もとの人間ではない、まったく同じの別個人だ、と思っているのですが、昔ネット上で、再生されたものがまったく同じならそれは自分だ、と主張する人がいまして、若気の至りでながながと論争したことがありました(苦笑)

2019/12/04 (Wed) 21:17 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

「人間が想像できることは、必ず人間によって実現できる」(by ジュール・ヴェルヌ)

へろんさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

>『1/8計画』、懐かしくも今もまったく色褪せないテーマ

さすがに人間を小さくすることは出来ないですが、その代わり食糧難対策としてLEDを使った野菜の大量栽培や、効率的な魚類の養殖にA.I.を利用することなども研究されています。
あと、海外では巨大な野菜を作る農家さんもいて、その写真をみているとついつい『1/8計画』を連想してしまいます(笑)。
かつてのSF映画や子供向け特撮ドラマで描かれた空想世界が、徐々に現実に近づいてきていると感じる今日この頃です。

>『ドラえもん』でも同様のアイデアが

『ドラえもん』の連載開始は1969年(あ、ちょうど50年前だ)ですから、藤子先生が『1/8計画』からなにがしかのヒントを得たとも想像できます。
もしかすると『ドラえもん』世界における22世紀(私が小学生の頃は21世紀でしたが)にはガリバートンネルとか細胞縮小機を使った1/8の街があるのかも知れませんね。
(ちなみにスモールライトは時間時間があるので除外)

>『ダウンサイズ』は・・・・作品の中身そのものがダウンサイズしちゃってました

中途半端なオマージュ作品(パクったとも云う)ということだけならまだ嘲笑するだけで済んだのですが、この駄作の宣伝に桜井浩子さんを引っ張り出して『ウルトラQ』との関連を印象付けようとした宣伝には腹が立ちました。
あんなのと『ウルトラQ』を一緒にしないでもらいたいですね。

>『楽園の問題』

そういえば私、以前『スター・トレック』の話でへろんさんにコメント頂いたときにも『楽園の問題』の話を書いてましたね。

実はこの記事を書いてから猛烈に読み返したくなって「アフター0:第2巻」をアマゾンで買ってしまったのですよ。
(ちなみに中古本で2円(!)+送料256円(笑)でした。私は漫画は絶対に紙の本でないとダメなのです)

7~8年前に漫画喫茶かどこかで文庫版を読んだと記憶していますが、久し振りに読み返したところ結構思い違いをしていた部分がありました。
「テレポーターを使った者が無機質な感じに変貌した」と思い込んでいたのですが、見た目にはほとんど変わらず自己の感情も持っているものの「何かが違う」という程度でした。
(たぶん別の漫画と混同して覚えていたのだと思います)
でも、この「微妙な変化しかない」というのがかえって怖かったりもするのですがね。

2019/12/05 (Thu) 10:21 | EDIT | REPLY |   

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