週刊映画鑑賞記(2016.11/28~12/4)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜の夜は、この一週間に観た映画の感想をまとめて書き連ねています。
このところ映画を観られない日々が続いた反動で、時間の許す限り映画を観てばかりいました。
こうしてざっとタイトルを並べてみると、ずいぶん雑食な一週間でしたね。
11/28(月))
『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』🈠
(ホームシアター:レンタルDVD)

前作も観ました。
ええ、観ましたとも。
そして今回のパート2もしっかり楽しみました。
馬鹿馬鹿しくて下らないのは承知のうえですが、鈴木亮平の全力演技がその全てを許容してくれます。
NHKの朝ドラ俳優だった彼があの恰好を吹替無しで自分で演じているのですよ。
私はどのようなタイプの映画でも真摯に演技する俳優は全面的に信頼します。
この映画の残念なところは、スパイダーマン等アメコミ映画のパロディに走りすぎている点です。
もっと変態仮面独自の闘い方を工夫して見せて欲しかったと思います。
11/29(火)
『エクスマキナ』
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

夏頃にメトロ劇場でひっそりと公開されていたSF映画です。
メトロ劇場というのは福井県の名画座のようなもので、本作のような無名の佳作を上映してくれる通好みの劇場です。
福井の主要映画館はメジャー作品ばかりでこうした優れた小品には見向きもしない傾向があるので困ります。
公開当時にどうしても観たくて京都まで遠征することも考えていたのですが、上映してくれたメトロ劇場には感謝しています。
レンタル・ブルーレイで再度鑑賞しました。
メトロ劇場さんには失礼ながら、音響面に関してはうちのホームシアターの方が良い感じです。
外界と隔離された邸内に響き続ける機械音の変化が聞き取れて、後半の不気味さが引き立ちます。
11/30(水))
『暗殺教室 卒業編』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

前作はレンタルブルーレイで観ましたが今回も同様です。
映画館に出向いてまで見たいような映画ではありません。
前作で懲りたつもりでしたが、完結編を見ないまま放置するのも寝覚めが悪いので観たものです。
月曜日に観た『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』とは正反対です。
とにかく出演者の演技が酷すぎます。
主役も含めた生徒役の演技が学芸会なのは仕方がないとして、それを支えるべき大人たちの演技がまたワンパターンでいい加減でした。
目を剥いて大声を張り上げれば緊迫感が出るとでも思っているのでしょうか。
まともだったのは椎名桔平と中原丈雄くらいだったように思います。
特に酷かったのが成宮寛貴のマッドサイエンティストです。
狂気を演じているつもりかもしれませんが、あれでは中二病をこじらせたチンピラにしか見えません。
彼の狂気と身勝手さが表現できない限り、殺せんせーのキャラも引き立ちません。
最後はCGキャラに変身してしまって成宮寛貴である必要すらなくなっていました。
成宮は『相棒』で好印象だっただけに残念すぎます。
それと映画の中盤で早々と殺せんせーの素顔(二宮秀樹)を晒してしまう必要性も感じません。
あの時点で殺せんせーというキャラクターは失われてしまいました。
過去の出来事を描くにしても、素顔はシルエットにするなどして決してみせないようにするべきでした。
ジャニーズに気を遣ったのでしょうかね。
所詮はタレント頼りのフジテレビ映画といったところでしょうか。
12/1(木)
この日はファースト・デーと休みが重なったので映画2本をハシゴしてきました。
『この世界の片隅に』🈠
(劇場:コロナワールド)

ただもう、素晴らしい映画でした。
何度も観ないと言葉に出来ない気がします。
この映画の何がこんなに自分の心の琴線に響いたのかが分からずもどかしいです。
絵を描くことが好きなおっとり少女が、太平洋戦争時代の広島(!)を舞台に力強く生きていく物語です。
前向きとかポジティブというのとも少し違って、どんな苦労も悲しみも自分のイマジネーション世界に引き込むことで笑顔に変えて生きていこうとする女性の姿です。
嫁入り先での苦労も、初恋の相手の出征も、食糧難も、そして肉親の死でさえもです。
ほんわかしたタッチのキャラクターと、のん(能年玲奈)さんの声の演技、細部まで当時を再現した背景。
これらが相まって、戦時中の広島市や呉市で彼女たちと一緒に過ごした気分になってしまいます。
いずれ、もう一度観に行くしかないと考えています。
『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK ‐The Touring Years』🈠
(劇場:テアトルサンク゚)

観たかったのにずっと行きそびれていた作品です。
『この世界の片隅に』をもう一回観るか、明日で上映終了してしまうこれを観るか迷いました。
でも、やはり気になった作品は劇場で観ておくべきですよね。
「一期一会」というやつです。
「EIGHT DAYS A WEEK」(一週間は8日間)
当時それだけ忙しかったということですね。
実は私はビートルズにはそれほど思い入れはありません。
彼らがデビューし時代の寵児となった1960年代中盤というのは私が生まれた時期なのです。
そのため、彼らの全盛期を追ったドキュメンタリー部分にはあまり乗れませんでした。
唯一注目したのは、アメリカにおける大衆の対応の変化です。
アメリカ人というのはつくづくマスコミの垂れ流す風評に流されやすい民なのだなと思いました。
最初は熱狂して歓迎していたのに、数年後にはジョン・レノンの失言を論ってレコードや出版物を焼き払ったりします。
感情的になると、まるでかつてのナチスみたいなことも平気でやるのがアメリカ人です。
なるほど、思い当たることがあります。
上手にマスコミを利用して、自分のキャラクターイメージを大衆に刷り込むことに成功したドナルド・トランプが大統領選挙に勝つわけです。
映画の中に流れる楽曲の数々は、その全てが聴いたことがあるものばかりでした。
最後にシェイ・スタジアムでのコンサート映像の4Kリマスター版が上映されます。
本来は50分くらいあったものを30分に再編集したものだそうですが、非リアルタイム世代としてはドキュメンタリーを20分カットしてこちらを全編見せて欲しかったです。
12/2(金)
鑑賞作品無し
12/3(土)
『マイマイ新子と千年の魔法』
(ホームシアター:WOWOW録画)

木曜日に観た『この世界の片隅に』のことがずっと頭から離れないため、片渕須直監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』を観直してみました。
表現方法や人間の強さとはといったテーマ部分に共通性を感じ取ることが出来ました。
『マイマイ新子と千年の魔法』を観ていながら、『この世界の片隅に』の面影を探してばかりいたようです。
12/4(日)
『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

ゲーム『ファイナル・ファンタジー15』の世界とキャラクターを同じくするアナザー・ストーリー。
同名ゲームをやっておらずその予定もないのですが、綺麗な映像に惹かれてCGアニメ映画として観てみました。
もう少し状況設定が分かる作りになっていたら楽しめたと思うのですが、序盤は観客を置いてけぼりにしている印象でした。
オープニングナレーションはあるものの、それだけでは情報不足です。
最も残念なのは、主人公以外の”王の剣”のキャラクターの描き分けが全然出来ていないことです。
そのために終盤の裏切り者のシーンが上すべりなものになっていました。
どちらの側も故郷を想ってやったことのはずなのに、殺した側が不必要にニヤニヤ笑っていたりして表現もちぐはぐです。
対立側の仲間を殺さねばならない逡巡のひとつも描いてみせるべきです。
戦闘シーンの迫力は流石で、『パシフィック・リム』みたいな巨人型と怪獣型のバトルが楽しめます。
しかしこれも、スピードが速すぎるうえにアップが多すぎて何が起きているのか分かりにくいという欠点があります。
近年のハリウッドSFX大作の真似をしてみたものの悪い部分まで見習ってしまった感じです。
『ファイナル・ファンタジー7 アドベント・チルドレン』のときは、原作ゲームを遊んでキャラクターも世界観も知っていました。
そのため、一本の映画としては極めて不完全であっても映画の世界に入っていけました。
今回の『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』はゲーム発売前の公開でもありますので、独立した一本の映画としての完成度を目指すべきでした。
最後のゲームキャラの顔見せシーンも必要なかったと思います。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
毎週日曜の夜は、この一週間に観た映画の感想をまとめて書き連ねています。
このところ映画を観られない日々が続いた反動で、時間の許す限り映画を観てばかりいました。
こうしてざっとタイトルを並べてみると、ずいぶん雑食な一週間でしたね。
11/28(月))
『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』🈠
(ホームシアター:レンタルDVD)

前作も観ました。
ええ、観ましたとも。
そして今回のパート2もしっかり楽しみました。
馬鹿馬鹿しくて下らないのは承知のうえですが、鈴木亮平の全力演技がその全てを許容してくれます。
NHKの朝ドラ俳優だった彼があの恰好を吹替無しで自分で演じているのですよ。
私はどのようなタイプの映画でも真摯に演技する俳優は全面的に信頼します。
この映画の残念なところは、スパイダーマン等アメコミ映画のパロディに走りすぎている点です。
もっと変態仮面独自の闘い方を工夫して見せて欲しかったと思います。
11/29(火)
『エクスマキナ』
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

夏頃にメトロ劇場でひっそりと公開されていたSF映画です。
メトロ劇場というのは福井県の名画座のようなもので、本作のような無名の佳作を上映してくれる通好みの劇場です。
福井の主要映画館はメジャー作品ばかりでこうした優れた小品には見向きもしない傾向があるので困ります。
公開当時にどうしても観たくて京都まで遠征することも考えていたのですが、上映してくれたメトロ劇場には感謝しています。
レンタル・ブルーレイで再度鑑賞しました。
メトロ劇場さんには失礼ながら、音響面に関してはうちのホームシアターの方が良い感じです。
外界と隔離された邸内に響き続ける機械音の変化が聞き取れて、後半の不気味さが引き立ちます。
11/30(水))
『暗殺教室 卒業編』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

前作はレンタルブルーレイで観ましたが今回も同様です。
映画館に出向いてまで見たいような映画ではありません。
前作で懲りたつもりでしたが、完結編を見ないまま放置するのも寝覚めが悪いので観たものです。
月曜日に観た『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』とは正反対です。
とにかく出演者の演技が酷すぎます。
主役も含めた生徒役の演技が学芸会なのは仕方がないとして、それを支えるべき大人たちの演技がまたワンパターンでいい加減でした。
目を剥いて大声を張り上げれば緊迫感が出るとでも思っているのでしょうか。
まともだったのは椎名桔平と中原丈雄くらいだったように思います。
特に酷かったのが成宮寛貴のマッドサイエンティストです。
狂気を演じているつもりかもしれませんが、あれでは中二病をこじらせたチンピラにしか見えません。
彼の狂気と身勝手さが表現できない限り、殺せんせーのキャラも引き立ちません。
最後はCGキャラに変身してしまって成宮寛貴である必要すらなくなっていました。
成宮は『相棒』で好印象だっただけに残念すぎます。
それと映画の中盤で早々と殺せんせーの素顔(二宮秀樹)を晒してしまう必要性も感じません。
あの時点で殺せんせーというキャラクターは失われてしまいました。
過去の出来事を描くにしても、素顔はシルエットにするなどして決してみせないようにするべきでした。
ジャニーズに気を遣ったのでしょうかね。
所詮はタレント頼りのフジテレビ映画といったところでしょうか。
12/1(木)
この日はファースト・デーと休みが重なったので映画2本をハシゴしてきました。
『この世界の片隅に』🈠
(劇場:コロナワールド)

ただもう、素晴らしい映画でした。
何度も観ないと言葉に出来ない気がします。
この映画の何がこんなに自分の心の琴線に響いたのかが分からずもどかしいです。
絵を描くことが好きなおっとり少女が、太平洋戦争時代の広島(!)を舞台に力強く生きていく物語です。
前向きとかポジティブというのとも少し違って、どんな苦労も悲しみも自分のイマジネーション世界に引き込むことで笑顔に変えて生きていこうとする女性の姿です。
嫁入り先での苦労も、初恋の相手の出征も、食糧難も、そして肉親の死でさえもです。
ほんわかしたタッチのキャラクターと、のん(能年玲奈)さんの声の演技、細部まで当時を再現した背景。
これらが相まって、戦時中の広島市や呉市で彼女たちと一緒に過ごした気分になってしまいます。
いずれ、もう一度観に行くしかないと考えています。
『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK ‐The Touring Years』🈠
(劇場:テアトルサンク゚)

観たかったのにずっと行きそびれていた作品です。
『この世界の片隅に』をもう一回観るか、明日で上映終了してしまうこれを観るか迷いました。
でも、やはり気になった作品は劇場で観ておくべきですよね。
「一期一会」というやつです。
「EIGHT DAYS A WEEK」(一週間は8日間)
当時それだけ忙しかったということですね。
実は私はビートルズにはそれほど思い入れはありません。
彼らがデビューし時代の寵児となった1960年代中盤というのは私が生まれた時期なのです。
そのため、彼らの全盛期を追ったドキュメンタリー部分にはあまり乗れませんでした。
唯一注目したのは、アメリカにおける大衆の対応の変化です。
アメリカ人というのはつくづくマスコミの垂れ流す風評に流されやすい民なのだなと思いました。
最初は熱狂して歓迎していたのに、数年後にはジョン・レノンの失言を論ってレコードや出版物を焼き払ったりします。
感情的になると、まるでかつてのナチスみたいなことも平気でやるのがアメリカ人です。
なるほど、思い当たることがあります。
上手にマスコミを利用して、自分のキャラクターイメージを大衆に刷り込むことに成功したドナルド・トランプが大統領選挙に勝つわけです。
映画の中に流れる楽曲の数々は、その全てが聴いたことがあるものばかりでした。
最後にシェイ・スタジアムでのコンサート映像の4Kリマスター版が上映されます。
本来は50分くらいあったものを30分に再編集したものだそうですが、非リアルタイム世代としてはドキュメンタリーを20分カットしてこちらを全編見せて欲しかったです。
12/2(金)
鑑賞作品無し
12/3(土)
『マイマイ新子と千年の魔法』
(ホームシアター:WOWOW録画)

木曜日に観た『この世界の片隅に』のことがずっと頭から離れないため、片渕須直監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』を観直してみました。
表現方法や人間の強さとはといったテーマ部分に共通性を感じ取ることが出来ました。
『マイマイ新子と千年の魔法』を観ていながら、『この世界の片隅に』の面影を探してばかりいたようです。
12/4(日)
『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)

ゲーム『ファイナル・ファンタジー15』の世界とキャラクターを同じくするアナザー・ストーリー。
同名ゲームをやっておらずその予定もないのですが、綺麗な映像に惹かれてCGアニメ映画として観てみました。
もう少し状況設定が分かる作りになっていたら楽しめたと思うのですが、序盤は観客を置いてけぼりにしている印象でした。
オープニングナレーションはあるものの、それだけでは情報不足です。
最も残念なのは、主人公以外の”王の剣”のキャラクターの描き分けが全然出来ていないことです。
そのために終盤の裏切り者のシーンが上すべりなものになっていました。
どちらの側も故郷を想ってやったことのはずなのに、殺した側が不必要にニヤニヤ笑っていたりして表現もちぐはぐです。
対立側の仲間を殺さねばならない逡巡のひとつも描いてみせるべきです。
戦闘シーンの迫力は流石で、『パシフィック・リム』みたいな巨人型と怪獣型のバトルが楽しめます。
しかしこれも、スピードが速すぎるうえにアップが多すぎて何が起きているのか分かりにくいという欠点があります。
近年のハリウッドSFX大作の真似をしてみたものの悪い部分まで見習ってしまった感じです。
『ファイナル・ファンタジー7 アドベント・チルドレン』のときは、原作ゲームを遊んでキャラクターも世界観も知っていました。
そのため、一本の映画としては極めて不完全であっても映画の世界に入っていけました。
今回の『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』はゲーム発売前の公開でもありますので、独立した一本の映画としての完成度を目指すべきでした。
最後のゲームキャラの顔見せシーンも必要なかったと思います。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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