週刊映画鑑賞記(2020.2/17~2020.2/23)
毎週日曜日は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。
新型コロナウィルスがシャレにならない状況になってきています。
とうとう私の仕事にも直接影響が出てしまいました。
この土日は元々イベント関係の仕事が入っていたのですが、ずっとやるのかやらないのかハッキリしなかったのが木曜になって急遽キャンセルとの連絡が入ったのです。
正確には、イベント自体はやるけれど規模を大幅縮小したため元請けさんが請け負っていた映像部門が無くなってしまったのだそうです。
担当の方は本当に申し訳なさそうに謝ってくれました。
・・・が。
私としてはこの週末に休みが出来て内心喜んでおりました。
実はこの土日には前々から行きたいと思っていた上映イベントがあったのです。

京都みなみ会館毎月恒例の超大怪獣全集です。
今回上映される『大怪獣バラン』も『獣人雪男』も、私はまだ映画館で見たことはありません。
幸い木曜の時点ではまだ座席が残っておりました。

土曜日と日曜日ではタイムスケジュールが違っていて、土曜の上映終了は22時25分、日曜は18時10分です。
日曜なら日帰りで見て帰ることが余裕で出来ますが、土曜日の『狭霧の國』の★マークに私の目が留まりました。

なんと、『狭霧の國』に参加している怪獣造形のレジェンド:村瀬継蔵さんが舞台挨拶にいらっしゃるというではないですか!。
村瀬さんは『大怪獣バラン』にも怪獣造形スタッフとして参加されていますので、これが超大怪獣全集とリンクした企画であることは間違いありません。
私はこの時点で土曜日の『狭霧の國』と『超大怪獣大特撮大全集』のチケット(特撮大全集は整理券)を購入してしまいました。
ただ、22時25分に上映終了ですから、それから京都~福井間を運転するのはかなりシンドいです(帰宅は深夜3時過ぎ)。
しかし、幸か不幸か翌日も仕事が飛んで休みですから問題ありません。
そのまま京都で一泊して、もう一本ゆっくり映画見て帰ることにしました。
妻には「なんでこんな時期にわざわざ感染しやすい映画館に・・・しかも(陽性感染者が出た)京都へ・・・?」とバカ呼ばわりされましたが気にしません。
この機会を逃したら『狭霧の國』も『大怪獣バラン』も『獣人雪男』ももう二度と映画館で見ることは出来ないだろうと思うのです。
m(_ _;)m ゴメンナサイ!!
最初に謝っておきます。
今週の「週刊映画鑑賞記」はかなり簡素なものになっております。
お見苦しい部分も多いかと思いますがご容赦ください。
実は映画のほかにも諸々の用事があって、今日の帰宅が午後9時過ぎになってしまったのです。
そのため、ブログ開設以来一回も欠かしたことのない毎週日曜日の「週刊映画鑑賞記」に詳しく書く時間が無くなってしまいました。
今回の京都みなみ会館に関するレポートは後日改めて記事にまとめることにしております。
2/19(水)
『ウルトラQ』第28話「あけてくれ! 」
(49インチ4K液晶テレビ:BS4K録画)
昨年夏から毎週欠かさず見てきたBS4K『ウルトラQ』も今回で最終回であります。
再放送とはいえ週に一度のお楽しみが無くなると思うと軽い虚脱感のようなものを感じます。
ただ、今回の『ウルトラQ』4K放送はすでに3巡目なので、もしかすると春以降に4巡目が始まるかも知れませんが・・・。

冒頭、万城目と由利子は一平を巻いて二人だけで深夜のドライブへ。
由利子「いいの、帰らないもん。」
おおっと?。
このままラブホにでも突撃しそうな雰囲気です。
いかに最終回とはいえ、昭和41年の子供番組にしてはかなり艶っぽい展開ですね。
でも放送順では最終回(ただし本放送時は未放映)ですが、実は「あけてくれ!」は制作順では第6話になるのです。
制作順で考えてみると、このあと「1/8計画」(制作N0.8)で由利子の死を深く悲しむ万城目や「206便消滅す」 (制作N0.9)で万城目と一平が飛行機事故に遭遇したと聞いて失神する由利子の姿が違って見えてきそうです。
今回の録画で全28話分がレコーダーに収まりましたので、いつか制作順に沿って『ウルトラQ』を見返してみても面白いかも知れません。

偶然異次元電車に乗り合わせてしまった中年サラリーマン:沢村(演:柳谷寛)。
「あけてくれ!」と騒ぎ立ててるうちにいつの間にか脱出に成功しますが、最後は現実世界の息苦しさに嫌気が刺して「俺も連れてってくれ!」と電車に追いすがるというなんとも切ないお話です。

異世界へ向かう電車の中で沢村は現実世界に残してきた(昔の)妻と娘の幻を見ます。
この時の彼は日の丸国旗を振って「万歳三唱」を唱える人たちに見送られていますが、あれは太平洋戦争に出征したときの記憶でしょうか?。
沢村の年齢を柳谷寛さん(1911年生まれ)と同じと仮定した場合太平洋戦争時には20代前半だったことになりますから、沢村にはやはり戦争に行った体験があることがわかります。

出征時には泣いて見送ってくれた妻は今では「男のくせに」と口汚く罵るばかりで、幼い頃には「お父さ~ん」と泣いて追いすがってきた娘にまで「お父さんなんか大嫌い」と言われる始末。
定年間近の54歳は会社でもお荷物社員扱い。
これでは別の世界へ行ってしまいたいと思っても仕方ありません。
彼が最後に「連れて行ってくれ!」と願った場所とは一体どんなところなのでしょうか。
もしそれが、妻も子も優しかった戦時中だったとしたらこんな哀しい話はありません。

沢村役の柳谷寛さんは放送第19話「2020年への挑戦」にも宇田川刑事役で出演されています。
『ウルトラQ』では名前やセリフがある登場人物は一人一役になっていますが、全く違う人物を同じ俳優が演じたのはたぶん柳谷さんお一人だったと思います。
「あけてくれ!」は初期に制作された作品で制作NO.は6。
「2020年への挑戦」の制作NO.は22。
「あけてくれ!」の沢村役が好評だったから、あえて柳谷さんに「2020年への挑戦」の老刑事役をオファーしたのでしょうか?。

そういえば、「2020年への挑戦」の宇田川刑事も最後はケムール人の転送液に触れてこの世界から消えてしまいました。
この世界から消えてしまう話という点では共通してますね。
2/22(土)

冒頭に書いた通り、22日(土曜日)は京都みなみ会館で特撮映画三昧して参りました。
ただ、今日の帰宅が夜9時過ぎになってしまったため、それぞれの作品やイベントについてじっくり記事を書く時間がありません。
今日の記事では簡単な紹介だけに留めて、後日単独でレビュー記事にまとめることにいたします。
『狭霧の國』🈠
(劇場:京都みなみ会館)

17時20分からは人形劇と着ぐるみ怪獣の組み合わせ『狭霧の國』を鑑賞。
生身の俳優が一切出てこない映画ということで、私は『ダーククリスタル』に似た雰囲気を感じながら見てました。

上映終了後には佐藤大介監督と怪獣造形の村瀬継蔵さんのトークショー。
ただしコロナウィルス対策の一環として握手と直接サイン会は取りやめになってしまいました。
村瀬さんはこの後上映される『大怪獣バラン』にも参加されていて、バランの着ぐるみ制作の裏話をたっぷり聞かせてくださいました。
また、村瀬さんのお話を伺っているうちに自分が何故これほどアナログ手作り特撮に心惹かれてやまないのかその理由が少しだけ分かったような気がしました。
今回のトークの内容はSNS等で公開OKとのことなので、これも後日きっちり記事に書かせていただきます。

続いて同じスクリーン1で「超大怪獣大特撮大全集2020」のスタートです。
新婚ほやほやの吉田館長(現在は苗字は変わっているのでしょうけど)とキャスト社の藤村さんのオープニングトークから始まりました。
『大怪獣バラン』
(劇場:京都みなみ会館)

フィルムの痛みが非常に激しかったのが残念です。
しょっちゅう音が飛んだり、セリフの途中で次のシーンに移ってしまったりして、普通だったら見ていて疲れてしまうところでした。
それでも、今回は直前に聞いた村瀬さんのお話のおかげで、バランの造形デティールをしっかり見て楽しんでおりました。
『獣人雪男』
(劇場:京都みなみ会館)

続いて『獣人雪男』。
差別的表現があるとの理由で国内ではTV放送もビデオ化もされていない幻の特撮映画と呼ばれる作品です。
こちらのフィルム状態はかなり良いほうだったと思います。
河内桃子さんの清楚な美しさと根岸明美さんのムチムチふとももをしっかり堪能出来たので大満足であります(笑)。
『獣人雪男』上映終了は22時25分。
予約しておいたカプセルホテルへ移動します。

利用したのは「ファーストキャビン京都二条城」。
以前同じチェーン店の烏丸店を利用して非常に快適だったことから、今回もファーストキャビンさんにお世話になることにしました。

ファーストキャビンの特徴は、カプセルホテルでありながらも中で大人が立っていられるほど部屋が大きいことです。
これで(閑散期に限り)一泊およそ3千円!。
あと、東映太秦撮影所にも電車一本で行けるので京都でエキストラ出演する際には重宝しそうです(笑)。

『1917 命をかけた伝令』🈠
(劇場:TOHOシネマズ二条)
「全編1カット撮影」で話題の『1917 命をかけた伝令』。
職業柄その映像テクニックには興味がありましたし、なんといっても1カット撮影ということで戦場のリアリティ(その場に居る感じ)が半端なく増すに違いないと思っていたのです。

前から楽しみにしていた作品だったので、「せっかく京都に来たのだから」とTOHOシネマズ二条のIMAXで観てきました。
どうせなら最高の映像と音響で楽しみたいですから。
宿泊ホテルをわざわざ二条にしたのは実はこのためです。

宣伝は「1カット撮影」を強調し過ぎな気がしますね。
実際には2時間丸ごと1カットで撮影しているわけではなく、30~40分ごとの1カット撮影分をいくつかつなぎ合わせています。
部屋の中で一瞬真っ暗闇になるところとか爆発に巻き込まれたり川に落ちるシーンなどでうまく繋いでいますし、そもそも途中で主人公が気を失って数時間経過するという箇所さえあります。
必要以上に「1カット撮影」に期待しすぎると、この映画の本当の凄さを見過ごすことになりかねない気がします。
『1917』の本当の凄さとは、その長尺の長回しによってこそ表現し得る戦場の疑似体験そのものです。
リアルなオープンセットや細部にまで作り込まれた小道具の数々、そして演じていることを忘れさせる俳優の演技力とそれら全てを完璧なタイミングで画面に収めていく撮影テクニック。
一部には私が苦手なグロい描写もあるのですけど、それでも「もう一回見たい!」と思わせてくれる戦争映画でした。
ただ、難点を2つだけ。
ほとんど無名の俳優を起用したおかげで映画への没入感が高いものになっていると思うのですが、時々有名な俳優(ベネディクト・カンバーバッチやマーク・ストロング)が出てくると途端に「作り物」に見えてしまうのが残念です。
最初から最後まで無名俳優で固めてもらいたかった気がします。
もう一つは時々一人称の戦争ゲームのように見えてしまうことです。
前半は主人公とその相棒とのバディものになっているためそうは感じませんでしたが、後半に進むにつれて都合よく友軍が現れたりドイツ兵が撃ってくる弾丸が主人公に一発も当たらないなど都合のいい展開が散見されるのが気になりました。
後半は駆け足気味になってしまいましたが、京都みなみ会館の件は後日必ずレポート記事にまとめます。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。