週刊映画鑑賞記(2020.4/20~2020.4/26)
毎週日曜は、この一週間に観た映像作品について日記代わりに書き留めております。
例年であれば、私にとって3月からゴールデンウィークにかけては書き入れ時のはずなのですが、今年は”例のウィルス”のせいで大半を家で過ごす羽目になっております。
「それならば」と、普段はなかなか出来ない「シリーズもの一気見」に挑戦してみました。
4/20(月)~22日(水)
『映像研には手を出すな!』🈠
(ホームシアター:NHK総合録画)

今回選んだのは、今年一月からNHK総合で放映されていたTVアニメ『映像研には手を出すな!』(全12話)です。
実はアニメ『映像研には手を出すな!』は3月頃からずっと気になっていたのです。
というのも、当ブログで相互リンクさせていただいているしろくろShowさんとダリルジョンさんのお二人がそれぞれのブログで揃って「ハマっている」と書かれていたからです。
「ああ、俺も見てえ~」と思ったものの、その時まで全く知りもしなかったタイトルだったため当然録画なんかしていません。
ネット配信はあるものの、アマゾンもツタヤも有料配信のみです。
これはNHKお得意の一挙再放送を待つしかないかと諦めかけたその時・・・
天使が舞い降りました

なんと、アニメ好きの妻が自分のレコーダーに『映像研には手を出すな!』全話を録画していたのです!。
おおっ?、妻よ、でかしたッ!。
1話~4話が最初の出会いから予算審議委員会のプレゼンまで、5話~8話がロボ研とのコラボ編、そして9話から最終回が「芝浜UFO大戦」編と大きく3部に分かれていたので、一日当たり4本(約90分)づつの視聴となりました。

アニメに魅せられた内向的な女子高生:浅草みどり。
こだわりの強いアニメーター:水崎ツバメ。
そして、二人のクリエーターの手綱をしっかり握るプロデューサー:金森さやか。
この三人がアニ研ならぬ映像研を設立し、理想の世界を描くアニメを作り始めるのです。

私には、主人公三人組にスタジオ・ジブリの宮崎駿・高畑勲・鈴木敏夫の3氏の姿が被って見えました。
高次元のイマジネーションと理屈とが常に脳内に渦巻いている浅草→宮崎監督。
納期を度外視してでも納得いく作品作りを貫きたい水崎→高畑監督。
そんな二人のクリエーターの手綱をしっかり握る金森→鈴木プロデューサー。
あのジブリ三人衆が映像研3人娘のモデルに間違いないと思っています。

あと、高校生たちが自分の好きなものを仲間を集めて作り上げて学校内で公開するというお話からは、先ごろお亡くなりになられた大林宣彦監督の『青春デンデケデケデケ』を連想していました。

実は、私にも高3の夏休みに5人の仲間たちとビデオ映画を作ったという思い出があります。
最初は「怪獣映画を作りたい」とか「超能力ものにしよう」とか無駄に風呂敷ばかり広げて一向に作業が進まず、結局は時間も予算も無くなり妥協に妥協を重ねてようやっと完成させましたが、小学校に無断侵入して撮影したことがバレて文化祭での上映はさせてもらえなかったという苦い思い出ではありますが・・・。

あの頃の私たちに必要だったのは、天才的な監督でもセンス抜群のカメラマンでもなかったのです。
スケジュールと金銭面をしっかり掌握して、作品を確実に完成させるプロデューサーでした。
その意味で、私にとって『映像研には手を出すな!』で最も魅力的なキャラクターは無愛想な金森氏でありました。
それと、もう一人。

「乗りたいんだよ俺は!。ロボットに!。死ぬほどなあああ!!。」
と、シリーズ中盤のロボットアニメ編に登場したロボ研の小野くんです。
幼い頃マジンガーZの操縦席に座っている自分を夢想していた私は「ああ、コイツは俺だ!」と、とてつもなくシンパシーを感じました(笑)。

あと、『映像研には手を出すな!』は実写ドラマ版も始まっていたのですね。
北陸地方ではMRO(北陸放送)で放送されていますがこちらも完全に出遅れました。
アイドルが主演らしいのですが、金森氏がベッピンさん過ぎる気がします(笑)。
あと実写劇場版も作られているそうですが、やはり例のウィルスのせいで公開延期になってしまったみたいです。
4/24(金)
『スター・ウォーズ ジェダイの復讐(帰還)』1983年オリジナル公開版
(ホームシアター:DVD)

今月末の『スカイウォーカーの夜明け』ブルーレイ発売に先立ち、エピソード4から8までを再視聴しております。
『ジェダイの復讐』はルーク・スカイウォーカー編の最終回です。

実は私、『ジェダイの復讐』はシリーズの中でもあんまり好きではないのです。
あるいは「完結編として納得いかない」と言うのが正しいかも知れません。
前作『帝国の逆襲』で描かれたような人物同士のぶつかり合いが全て失われてしまって、みんな飼いならされたペットのように「いい人」になってしまったのが気に入らなかったのです。
このハンとランドの会話なんかはかつて腹の探り合いをしていた二人とは思えないヌルさで、前作の重厚さを投げ捨てて強制的に子供向けにシフトした感じです。

イウォークの登場によって意図的に対象年齢を下げたとハッキリ分かりました。
ストーリーの上でもイウォークが大活躍することで帝国軍に逆転勝利を収めることになりますが、そのせいで一作目から馴染んできたハンたちの見せ場がかなり奪われています。
そのため見終わってもどこかスッキリしないのです。

ルークとレイアは実の兄妹。
今では世界中の映画ファンが知っている周知の設定ですが、初公開時にこれを見たときは「唐突」とか「ご都合主義」としか感じませんでした。
確かに『帝国の逆襲』ラスト近くでレイアがルークのピンチを感知するシーンがありました。
しかし、『ジェダイの復讐』が公開された1983年夏には『スター・ウォーズ』も『帝国の逆襲』もTV放映はされておらずビデオも未発売だったことから『帝国の逆襲』のごく短い1シーンなど覚えている者はほとんどいなかったと思います。
ビデオなどで『帝国の逆襲』を見返したうえで『ジェダイの復讐』を見たのであればすんなりと受け入れられたと思いますが、当時の私たちにはマイナス要因にしかなりませんでした。

それでも、『スカイウォーカーの夜明け』のラストシーンを観た現在では、このスカイウォーカー兄妹の共闘シーンが特別なものに見えてきます。

そしてこの会話も。
ただ、エピソード1~3での設定を踏まえて見ると、この時ルークの言う”母さん”とはパドメのことを指しますがそれに対してレイアは育ての親であるブレハ・オーガナについて答えているというちぐはぐなシーンになっています。
オリジナルシリーズの制作時点では、パドメはルークとレイア誕生後もしばらく生きていてオルデランに住んでいるはずだったのかも知れません。
新三部作(エピソード1~3)にはそういったオリジナルとの設定不一致が多いため、シリーズを通して見るときも除外することに決めております。

『フォースの覚醒』以降の新々三部作は「ジョージ・ルーカスがタッチしていないから」という理由で全否定したがる人も多いみたいですが、私は「『スター・ウォーズ』サーガにきっちりピリオドを打ってくれた」という視点から作ってくれたことに感謝さえしています。
地上戦ではイウォークに見せ場を持っていかれました。
そして、デススター内部でもルークは皇帝の力に全く歯が立たず父親に助けを求めるばかり。
結局、最後に皇帝を倒したのはダース・ベイダー(アナキン)でした。
最初の『スター・ウォーズ』からルークの成長を見続けてきた者としては、この終わり方には納得いかないままだったのです。
新々三部作が作られたことによって、ようやくルークを起点とした『スター・ウォーズ』にケリを付けることが出来た気がします。
(もっとも、2本目の『最後のジェダイ』はアレな出来でしたが・・・)
4/25(土)
『エール』🈠
(居間49インチ4K液晶テレビ:NHK総合)

この私も55歳にして初めて朝ドラにハマってしまいました(笑)。
続けて見ていると、ちゃんと登場人物一人一人に感情移入出来る作りになっているのですね。

現在の私のお気に入りキャラは、裕一が務める銀行の先輩:菊池さん(演:堀内敬子)であります。
大正時代の女性ですが、なんと離婚歴3回で今は裕一の恩師である藤堂先生にメロメロという設定(笑)。
序盤の子役さんたちが退場してしまって少々寂しい気持ちになっていたのですが、彼女の存在のおかげで青年編にもスッと入っていけた気がします。
それにしても展開がメチャクチャ早いドラマです。
裕一は国際作曲コンクールに向けて作曲を始めたものの一年間のブランクのためなかなか筆が進まない。
心配した銀行の同僚たちがお月見の会を開いてくれて、そこで裕一は「竹取物語」をモチーフに曲を完成。
その曲が世界第2位に入賞し、裕一にイギリス留学の話が持ち上がる。
一方、歌手を目指していた音は、自分が小学生の頃かぐや姫を演じたことからまだ見ぬ裕一の曲に縁を感じてファンレターを出す。
そこからお互いに文通が始まり、まだ見ぬ相手に思いを募らせていく。
突然、裕一に諦めていたイギリス留学の許可が下りる。
そのことを知った音は、まだ音楽の才能を発揮出来ない自分は足かせになると思い込み別れの手紙を出すが、それを読んだ裕一は音に直接会うため一路豊橋へ・・・。
これだけの内容を、たったの5話分で一気に駆け抜けてしまいました。
一話でも見逃すと、話の流れに取り残されてしまいそうです。
しかし、いくら暇になったとはいえ、さすがに毎日決まった時間にドラマを見ることは私には困難です。
そこで毎朝の定時放送と土曜日の総集編を録画予約しておいて、見逃した回も確実に補完出来るようにしておきました。
あとは最終回まで無事完走できることを願うのみであります。
今週も雑文にお付き合いいただきありがとうございました。