ソーシャル・ディスタンスで思ったこと
昨日の朝、NHKの情報番組「あさイチ」を見ていて不意に激しいデジャブ(既視感)を覚えました。

最近のTV番組では、感染防止のためスタジオで出演者たちが不自然なほど距離を取って座っていますね。
仕方ないとはいえ、やはりこれはかなり異様な見た目になってしまっています。
作り手も変だと分かっているらしく、こうしたスタジオのロングショット(全体を収めた画面)は番組中でも1、2回しか映りません。
この場合、番組進行するうえで必要な2ショット画面(隣り合った2人を1画面に収める)が撮れなくなります。
出演者同士の会話は常に1ショット同士の切り替えしだけになってしまうため、トーク部分の絵作りがとても単調になってしまうのです。
そこで「あさイチ」が取っていた方法というのが・・・

画面分割です。
3人のMCをそれぞれ1ショットで捉えた画面を一画面に3分割して表示していました。
これが2人での会話なら2分割、ゲストが加わって4人になれば4分割になることもあります。
別室や自宅からのリモート出演をしていた頃だと相手のリアクションが見えないため会話がギクシャクしてしまうことが多かったですが、この形式ならば(少し離れているとはいえ)基本的に直接会話なので話の流れはスムーズです。
・・・で。
私は「この画面作りは前にもどこかで見たことあるぞ?」とず~っと心に引っかかっていたのです。
で、今日仕事中(笑)に突然思い出しました。

1994年公開の特撮映画『ゼイラム2』(雨宮慶太監督作品)の一場面です。
「結局また特撮モノの話かよ!」と笑ってやってください。
私の頭の中はこんなイメージばかりでいっぱいなのであります(笑)。

実はこの映画の中盤あたりに、主人公イリア(演:森山祐子)・神谷(演:螢雪次朗)・鉄平(演:井田州彦)の三人がそれぞれ離れた場所に居て無線を通じて会話をするシーンがありました。
この時の3人の会話の流れがまるで3人が直接話しているかのようにスムーズだったのですが、これが「あさイチ」と同じ画面構成であり、同じような撮影方法で撮られていたことを思い出したのです。
(YOUTUBEより 『ゼイラム2』メイキングビデオの7分13秒目あたりを参照)

メイキングビデオを見ると、同じセット内に離れて配置した3人をそれぞれ3台のカメラを使って同時撮影しているのが分かります。
かつて『ゼイラム2』を見た『あさイチ』スタッフがあの画面作りを考えついたのでしょうか?。
私には天下のNHKが四半世紀も前の映画のアイデアを模倣したように思えてきて、一人の特撮映画ファンとしてしばしの間優越感に浸っておりました(笑)。
そんなわけで、なんだか猛烈に『ゼイラム』2部作が観たくなってきてしまいました。
京都みなみ会館あたりで『ゼイラム』2部作一挙上映とかやってくれないかなあ。
ゲストには雨宮監督と(現在は女優業を引退されている)主演の森山祐子さんを是非!。

ちなみに、ブルーレイは『1』と『2』をセットにしたバカ高い値段のBOX仕様のやつしか出ていません。
『ゼイラム』なら中古で安いのが出たら買ってしまってもいいかな・・・。
今回は急な思い付きで書いた記事ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。