週刊映画鑑賞記(2020.9/28~2020.10/4)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
10/1(木)
『テネット』🈠
(劇場:109シネマズ大阪エキスポシティ)

ストーリーが超難解と言われるクリストファー・ノーラン監督の最新作『テネット』を観てきました。

これだけはどうしてもIMAXの特大画面で見たかったので、昨年暮れの『スカイウォーカーの夜明け』以来9ヶ月ぶりに大阪エキスポシティに行って参りました。
3月以降映画やイベント参加のための県外遠征は許してくれなかった妻も「感染予防はしっかりすること」を条件に許可してくれました。


9ヶ月前に来た時とは明らかにロビーの雰囲気が違いました。
まず椅子という椅子が全て撤去されています。
人が集まらないようにするためだろうと思いますが、ロビー内に座る場所が全く無いのには困りました。
(結局外のテラスに座って上映時間を待ちました)

入口には当然アルコール消毒。
持ち去られないようチェーンで固定されているのがある意味大阪らしいです(笑)。

券売機もオンラインチケット発券機も全て一台おきにしか使用出来なくなっていました。
まあ、客入れ数自体が半分に制限されているのでこれで十分なのでしょうけど。

もちろん、シアター入り口には非接触の検温装置も。
あと、マスク無しでは入場不可とのことでした。

今回私が取った席はセンターライン上のエグゼクティブシートのすぐ後ろのI -020。
チケット発売は9/28からでした。
日付が変わってすぐ座席予約ページに入ったのですけど、私が見たときはすでにエグゼクティブシート中央部は全て売り切れていました。
平日の真昼間というのに競争率高すぎです。

実は昨年末、この劇場で『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』を見たとき『テネット』の冒頭数分間(劇場襲撃シーン)が上映されました。
最初は単なる予告編かIMAXのデモ映像かと思っていたのですが、それにしてはやけに長いしストーリー性もあるので一瞬「入る劇場を間違えたか?」とさえ思いました。
予告編代わりに映画の一場面を丸ごと見せる新しいタイプの宣伝方法だったようです。
その時は全く前情報無しで見ていたため、最初の印象ではポリスアクションものかと思っていました。
途中時間逆行して壁に打ち込まれた銃弾が戻っていくシーンになって初めて「これは時間ものSFだ」と分かりました。

最初に白旗上げておきます。
一回見ただけではもぉ何が何やら
とにかく通常の順行時間と逆行時間との関連が全然分からないままストーリーが走り出してしまうので困ります。
一応申し訳程度に科学者のお姉さんからレクチャー受けるシーンがありましたが、たったあれだけの説明でイメージを掴むのはまず不可能です。
他の時間逆行もの映画(『メッセージ』や『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』など)も連想しながらなんとかこの概念を掴もうと頑張ってみましたが、結局完全に置いてけぼりを食ったまま終わった気がします。
これで映像が安っぽかったら・・・というより、クリストファー・ノーラン監督作品というブランドが無かったらほとんどの観客は「駄作」の烙印を押したに違いないとさえ思いました。
どうしてこんなに分かりにくいのか?。
いや、むしろ分かりやすさを故意に排除している気さえします。

そこでクリストファー・ノーラン監督のフィルモグラフィについて考えてみました。
『テネット』は監督作品としては『ダンケルク』の次になりますが、実は『ダンケルク』と本作の間には『2001年宇宙の旅』のリマスター監修という仕事に携わっていたのです。
『2001年宇宙の旅』は、スタンリー・キューブリック監督が観客に簡単に理解させないように説明用のシーンやナレーションを全て削除してしまったのだそうです。
その『2001年』のレストア作業の後に作ったオリジナルストーリーでは、敬愛するキューブリックにあやかってわざと「分かり易さ」を排除したのかも知れません。

それでも映像の迫力と面白さは流石でした。
普通だったらチープにしか見えない逆転再生をこれほど有効活用した映画はかつてないと思います。
後ろ向きに人が歩くシーンやバックで激走するカーチェイスが妙に頭にこびり付いていて、今でも駐車場からバックで出てくる車を見るたび『テネット』の時間逆行シーンが思い浮かんでしまいます(笑)。
ところで・・・
数年前にアメリカでハイウェイや一般道路をバックで走り続けた車のニュースがありましたね。
もしかすると、ノーラン監督はこれを見て『テネット』のアイデアを思いついたのかも?(笑)。

それにしても・・・。
何度来てもこの劇場のスクリーンの巨大さは別格ですね。
次にここに来るのは『ゴジラVSコング』あたりかな?。
『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)

今週火曜日から始まった4Kリマスター版『ウルトラセブン』。
今週は第1話と第2話が放送されました。
最終回まで毎週欠かさず観ることは確実なので、朝ドラ『エール』と同じく週末のコーナー化することにしました。
これから毎週2話分づつ、感想や思い出話などを書き連ねていきたいと思っております。
第1話「姿なき挑戦者」
<あらすじ>
人間蒸発事件が、頻繁に発生していた。
地球防衛軍は、一連の事件を宇宙人の仕業と断定し、精鋭チーム"ウルトラ警備隊"に出動を要請する。
早速、捜査を開始したフルハシ隊員とソガ隊員の前に突如現れ、警告を発する謎の風来坊。
彼はモロボシ・ダンと名乗り、宇宙人を迎撃するために有効な作戦を提案した。
名作と誉高い『ウルトラセブン』ですが、実は最初の数話はチャレンジ精神が空回りしている部分が結構あって、見る時に若干の脳内補完が必要な部分があったりします。

いかに『ウルトラセブン』の大ファンであったとしても、突然現れて名前もまともに名乗らないような風来坊をいきなり本部基地に招き入れてしまうウルトラ警備隊の無防備さには驚かされます。
しかもキリヤマ隊長は「特殊噴霧器はどのくらいで作れるか?」と何故か科学担当のアマギではなくダンに尋ね、ダンも何故か「技術部の協力があればすぐです」と即答します。
もし『ウルトラセブン』に悪意を持つ者がこれを見たなら「ほ~ら、やっぱり子供騙しだ」と馬鹿にされることは確実です。
そして、たった一度の貢献実績だけでダンをウルトラ警備隊に入隊させてしまう地球防衛軍。
この組織は入隊希望者の身辺調査はしないのでしょうか?。
ちなみに、前作『ウルトラマン』のハヤタは元々科特隊隊員なのでこういった違和感は無かったです。
また、次の『帰ってきたウルトラマン』の郷秀樹には坂田という身元保証人がいましたし、MATの入隊試験を受けるシーンも描かれていました。
で、今回久し振りに見ているうち今までと少し違った解釈を思いつきました。

モロボシ・ダンは、初対面のソガ・フルハシ両隊員の名前とプロフィールをピタリと言い当てていました。
つまり、ダンことウルトラセブンは地球防衛軍のサーバーにアクセスして情報を読み取る能力を持っていると考えられます。
ということは、自分の姿形を薩摩次郎(第17話に登場するダンのモデル)に似せただけでなく、その超能力を使ってモロボシ・ダンという架空の人間の戸籍をサーバー上に作り上げて地球防衛軍に入り込んだのではないでしょうか?。
これを読んだ方の中には「おいおい、1967年にインターネットもサーバーもあるわけ無いだろう。」と嘲笑う方もいらっしゃるかと思います。
でも、第8話「狙われた街」ラストのナレーションを思い出してみてください。
「このお話は遠い遠い未来の物語なのです。」
そう!、腕時計にテレビ電話が仕込まれているほどの未来社会なのです。
インターネットや巨大情報サーバーがあっても少しもおかしくはありません。
で、この説を妻に得意気に語って聞かせてみたところ、「ハッキングと情報操作で地球人になりすました?。それじゃセブンも侵略者みたいじゃないの。」とあっさり返されてしまいました。
う~む、そう言われれば確かに・・・。
第2話「緑の恐怖」
<あらすじ>
宇宙ステーションV3から一時帰還したイシグロ隊員を彼の自宅まで送り届けたダンは、イシグロ邸の庭で地球には存在しないはずの"チルソナイト808"を発見する。
その夜、イシグロ邸付近で人間が襲われる事件が続発。
やがて、イシグロの妻は夫の異変に気づく。

ウルトラセブン第2話の一番の見どころは、中真千子さん演じる若奥様のはじけるようなこの笑顔であります。
でも、これだけで2話の感想を終えるわけにはいきません(笑)。

今回も少し気になる点がありました。
ワイアール星人と戦うセブンに向かってアンヌがいきなり「ウルトラセブンがんばって!」と応援したり、キリヤマ隊長も「そのセリフはウルトラセブンに言ってもらいたな」と言ったりと、何故か皆当たり前のように赤い宇宙人の名を「ウルトラセブン」と呼称しているのです。
第1話ラストの時点では、クール星人を倒してくれた赤い宇宙人の名を知るものは誰一人いなかったはずなのに?。
で、ここで再び脳内補完!。
第1話のあと、ウルトラ警備隊のメンバーが集まってこんな会話を交わしていたに違いありません。
アマギ「ところで、助けてくれたあの宇宙人の名前は何ていうんだろう?」
ダン 「名前なんかないよ」
ソガ 「よせやい、名無しの権兵衛なんてあるもんか」
ダン 「そうだなあ、じゃあ”ウルトラセブン”ってのはどうだろう?」
アンヌ「ウルトラセブン?」
ダン 「そう、ウルトラ警備隊7番目のメンバーということでウルトラセブン。どうだい?」
ソガ 「う~ん、ウルトラにいいでしょう」
あれ?
前にどこかで聞いたような会話になってしまいましたな(笑)。
来週からはもうちょっとマジメにワンポイントレビューしていく所存であります。
連日
『エール』
(居間49インチ4K液晶テレビ:NHK総合)

ついに太平洋戦争勃発です。
月曜の冒頭映像は当時の記録映像を使用していて、それが『エール』の陽気な登場人物たちも戦争からは逃れられないことを暗示していました。
今後身近な人が戦争に駆り立てられて命を落とすなんてことになると、これまで明るい雰囲気のドラマだっただけに余計強いショックを受けそうです。

そして、週の最後にはなんと祐一にも赤紙(召集令状)が!?。
モデルの古関先生は兵隊としてではなく音楽慰問で戦地へ行ったはずですがドラマ向けにアレンジしたのですかね?。
いずれにせよ、祐一が現地の兵隊さんたちの姿を目の当たりにする場面は絶対に必要です。
古関先生は戦後ご自分が作った楽曲が若者たちを戦地に駆り立てていたのではないかと悩んでいらしたそうです。
そこを逃げずにしっかり描かなければこのドラマを作る意味はないとさえ思っているので、来週の『エール』は姿勢を正して見ることになりそうです。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。