週刊映画鑑賞記(2020.11/2~2020.11/8)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
11/4(水)
『ゴジラxメガギラス-G消滅作戦-』
(ホームシアター:Blu-ray)

<あらすじ>
度重なるゴジラ襲来に備え開発されたブラックホール砲“ディメンション・タイド”。
その実験後、時空の歪みから現れた古代の巨大昆虫が卵を産み落とし、それは少年の手によって東京・渋谷に運び込まれた。
卵から孵化した無数のメガヌロンは渋谷を水没させると、成虫のメガニューラに変態、日本に迫りつつあったゴジラと激突した!

当ブログ開設初期から書き続けていた「ゴジラ全作品レビュー」ですが、第24作『ゴジラ2000<ミレニアム>』以来9か月近くストップしたままになっております。
本当はブログ開始前に全作品の下書き記事を書き終えていたのですが、時間が経つにつれて考えが変わってきたり平成『ガメラ』との関連性の重要性に気付いたりと色々迷いが生じていたのです。
特に『ゴジラxメガギラス』に関しては最も「好き」なポイントを文章で表現するのが難しいためず~っと筆が止まったままになっておりました。

先日、気合を入れ直して本記事の仕上げにとりかかるべく、約4年ぶりに『ゴジラxメガギラス』を見返しました。
視聴ソースは市販ブルーレイ。
実は私、手塚昌明監督のゴジラ映画は三作ともソフトを買ってしまうほど好きなんです。
『ゴジラxメガギラス-G消滅作戦-』の単体レビュー記事はいずれそのうち公開する予定です(;^ω^)。
今回は、とある一人の俳優さんの話題を・・・。

今回見返していて思わず目が止まったカットがありました。
Gグラスパーの辻森(演:田中美里)にスカウトされた工藤(演:谷原章介)が建物に入っていくとき、年老いた警備員さんが満面の笑顔で迎えてくれるのですが、なぜかその警備員さんがいきなり1ショットで映るのです。
この警備員を演じているのは、初代『ゴジラ』や『七人の侍』の時代から東宝大部屋俳優の一人として数多くの作品に出演されてきた加藤茂雄さんという方です。
加藤さんは70年代に東宝が専属俳優制度を終了してからも地元で家業の漁師をしながらも俳優活動を続けてこられました。
映画だけでなく円谷プロの『ウルトラ』シリーズにも数多く出演されていて、私たち特撮ファンには馴染み深い俳優さんのお一人なのです。
しかし、正直言ってこの加藤さんの1ショットはこの映画全体において全く必要のない絵です。
観客に「このおじさん誰?」「この人、このあと重要な役割を果たすのか?」といった疑問や誤解を生む可能性もあります。
それでも手塚昌明監督はあえて加藤さんの1ショットを挿入しました。
元々熱烈なゴジラファンだったという手塚監督は、昭和ゴジラシリーズのほとんどに出演してきた加藤さんに敬意を表してあのシーンを作ったのだと思います。
作劇としての是非は別として、特撮映画ファンとしてはとても嬉しい粋な計らいだったと思っています。

実は私、生まれて初めて映画館で観た映画『ゴジラ対ヘドラ』に出演されていた加藤さんのお顔を幼い頃からず~っと覚えていたのであります。

それは飛行体のヘドラがビル建設現場を襲うシーンです。
運悪く鉄骨の上にいたため逃げ場を失ったトビ職人が高所から落ち、ヘドラの強酸で骨だけになって死んでしまうのです。
そのトビ職人役が加藤さんでした。

加藤さんの顔が映ったのはたったの1カット。
迫りくるヘドラを見て「うわ~~~」と絶望的な悲鳴を上げる顔のアップだけです。
それでも、私はこのトビ職人の恐怖の表情を通じてヘドラの恐ろしさを実感したのでした。
その後も『ゴジラ』映画やTVの特撮ものや刑事ドラマなどで加藤さんが出てくると「あ、ヘドラに溶かされたおじさんや!」と一目で分かってしまうようになったのでした。

加藤茂雄さんは昨年映画『浜の記憶』に93歳で映画初出演を果たされたことでも話題になった方です。
しかし、残念なことに今年6月にお亡くなりになられました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)

今週の『ウルトラセブン』は2本とも「アンヌ干され回」であります。
それでも「アンドロイド0指令」みたいに凄く綺麗な女優さんが出てくれればそれはそれで良いのですが、今週の2話には女性そのものがほとんど登場しません。
第11話「魔の山へ飛べ」

<あらすじ>
岩見山で、若者が原因不明の死を遂げるという怪事件が続発していた。
ウルトラ警備隊が調査に向かうが、なんとダンまでが若者たちと同じように命を奪われてしまう。
悲しみに暮れる警備隊の隊員たち。
果たして、事件の裏に潜む侵略者の正体は?
やがて隊員たちは、洞窟の中で"生命カメラ"を発見する。

第9話「アンドロイド0指令」に続くアンヌ干され三部作の2本目です。
アンヌ役の菱美百合子さんがいくら注意しても酒・タバコを止めようとしないことに怒ったスタッフが、菱見さんに主演女優としての自覚を持ってもらうため懲らしめの意図で取った措置だったそうです。
あと、「怪しい隣人」ロケ地として借りた家の家具を菱見さんが壊してしまったため」という話もあります。
菱見さんが干されたのは、放映第9話「アンドロイド0指令」(制作順11)、放映第11話「魔の山へ飛べ」(制作順12)、放映第13話「V3から来た男」(制作順13)の3本ですが、何故か放送第10話「怪しい隣人」(制作順7)と現在欠番となっている放送第12話「遊星より愛を込めて」(制作順9)にもアンヌは登場しています。
これは『ウルトラセブン』の放映順と制作順とが一致していないためで、「怪しい隣人」と「遊星より愛を込めて」は菱見さんが干される前に撮影が行われたたため起きた現象です。
それにしても野郎だけのウルトラ警備隊って実に味気ない画ですね~(笑)。
「アンドロイド~」では(1カットだけとはいえ)アンヌも画面に映っていましたが、今回はタイトルクレジットに菱見百合子さんの名前すらありません。
「アンヌは休暇を取っている」といった設定にでもされているのでしょうか?。

ワイルド星人によって生命を抜き取られてしまうダン。
まだ写真そのものが珍しかった大昔には「写真を撮られると魂を吸われる」といった迷信がまことしやかに流布したそうですが、生命カメラの着想はそこから来ているのかも知れません。

キリヤマは何故か「防衛軍の士気に関わるからダンの死は伏せておこう」という指示を出します。
この意図がよく分かりません。
むしろ「ダンの弔い合戦だ!」だけのほうが士気が上がる気がするのですがね。
しかし仮に、アンヌがダンに好意を抱いていることをキリヤマ隊長が察していたのであればこのセリフの意味も見えてきます。
この時のキリヤマは、(この場に居合わせなかった)アンヌがダンの死を知って取り乱すことを危惧したのかも知れません。
取り乱すといえば・・・。

一緒に現場に居たソガはダンの遺体にすがり付いて号泣します。
この役割は元々はアンヌの担当だったのではないでしょうか。
菱見さんが干されたことで急遽ソガに変更されたものではないかと思われます。
このシーンの影響なのか、ウルトラ警備隊員の中でダンと組んだ印象が一番強いのはソガだった気がします。
「アンドロイド0指令」も次の「ステーションV3」もかの名作「第四惑星の悪夢」もソガとのコンビでした。
そして、最終回でダンの体調不良を気遣ってくれたのも、クラタの叱責から庇ったのもやはりソガでした。

この回でちょっと残念なのがワイルド星人の造形です。
役者さんの顔がそのまま出ていて気持ちが醒めてしまうんですよね。
一緒に見ていた妻は「まるで『キャッツ』みたい~」と大笑いしておりました。

う~む、確かに・・・。
現在のCG技術でワイルド星人を作ったら本当に映画の『キャッツ』みたいになるんじゃないかな?(笑)。
第13話「V3から来た男」

<あらすじ>
アイロス星人の宇宙船を追って地球に飛来したのはステーションホーク。
キリヤマ隊長と同期で、今は宇宙ステーションV3の隊長となっているクラタが乗っていた。
アイロス星人は卑怯にもフルハシ、アマギ両隊員を人質にとり、その身柄と引き換えに宇宙船の燃料を要求する。
無法な侵略者を野放しにしてはならない。

アイロス星人の宇宙船を地球まで追ってきたステーションホーク部隊はクラタ隊長一人を残して全滅。
脱出したクラタはなんとか防衛軍本部に到着し、そこでマナベ参謀と出くわします。
「また一人で戻りました。今度は月へでも放り出しますか?。」
以前クラタに何があったかは具体的に語られていませんが、おそらく前にも似たような状況があったのでしょう。
クラタはその責任を取らされる形で宇宙ステーションV3に赴任することになり、その時の上司がマナベ参謀だったと思われます。
って、・・・あれ?。

宇宙ステーションV3といえば、可愛い奥さん(演:中真千子さん)のいるイシグロ隊員(第2話)や暗号解読のエキスパート:ミズノ隊員(第7話)が所属している部署です。
ってことは、イシグロもミズノも何かやらかして宇宙ステーション基地に左遷させられていたってことなのですかね?(笑)。

今回もアンヌ隊員は登場しません。
いや、それそればかりか女性がただの一人も登場しません!。
男臭いことこの上ない回であります。

映画評論家の淀川長治さんは「男しか出ていない映画に駄作無し」と言っておられました。
その理論(?)からすれば「V3から来た男」もそれに当たります。
(淀川氏の場合、別の意味も含まれていたかも知れないですが・・・)
しかし、女っ気の無い特撮ヒーローものなんて、抑えきれないリビドーを抱えた男子にとっては一文の価値もありゃしません。
そんなわけで中学生の頃は「外れ」の回と断定しておりました。

クラタ隊長とキリヤマ隊長は士官学校時代からの同期にして親友同士。
クライマックスはこの二人の共闘によるアイロス星人迎撃作戦でした。

今回描かれたクラタの実直すぎる性格とキリヤマの部下思いは最終回にも繋がっていく要素です。
「女っ気がないから」といって決してスルーしてはいけないエピソードなのです。

ところで・・・。
今回の敵アイロス星人ですが、とにかく「燃料をよこせ!」の一点張りで地球へやって来た本当の目的がさっぱり分かりません。
Youは何しに地球へ?。
連日
『エール』
(居間49インチ4K液晶テレビ:NHK総合)

『エール』もいよいよラストスパートに入りました。

今週は音のお話でした。
舞台の主役に選ばれた理由というのが、実は「有名作曲家小山裕一の妻だから」という理由だけだったという鬱展開・・・。

それでも、裕一と音が子供の頃初めて出会った時と同じように、教会の慈善音楽会で共演する場面に救われました。
そして来週は故郷:福島が舞台になるとのこと。
「ラスト前に一度原点回帰」といった感じで、この物語も終わりが近いことを感じさせます。
ただ、ちょっと気掛かりなのは、番宣に出てきた今後登場予定の曲の中に「君の名は」「イヨマンテの夜」などはあるのに「モスラの歌」が無いことです。
一週間のうち1話分だけでもいいからNHK朝ドラに「♪モスラ~ヤモスラ~」と響かせていただきたいです。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。