週刊映画鑑賞記(2020.11/9~2020.11/15)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
11/12(木)
『クローバーフィールド パラドックス』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)

<あらすじ>
エネルギー資源枯渇問題が深刻化した近未来。
各国の科学者たちが国際宇宙ステーションに集い、エネルギー危機を解決する新技術の実験に取り組んでいた。
しかし、実験中のある事故により次元のずれが生じ不可解な現象が次々と発生。
科学者たちは異次元の恐ろしい現実を目の当たりにする。
JJエイブラムス監督プロデュースの『クローバーフィールド』シリーズ第3作。
NETFLIXに加入した時から「見たい」と思っていた作品でしたが・・・すっかり忘れておりました(おい)。

POVによる一人称フェイクドキュメンタリーだった1作目『HAKAISHA』。
同じ世界観の中で密室スリラーをやってみせた2作目『レーン』。
前2作はそれぞれ全く違った作風だったので、今回はどんな手でくるのかと期待しておりました。

今回は閉鎖された宇宙船内に侵入した敵生物とクルーの戦いを描いた『エイリアン』スタイルか?。
・・・と思いきや、視聴を進めていくうち実はパラレルワールドものと分かりました。
宇宙ステーションで行われていた何かのエネルギー実験の失敗により、ステーションそのものが別次元に飛ばされたというのが基本ストーリーです。
『クローバーフィールド』シリーズとの関連性は、この宇宙ステーションの名前が「クローバーフィールド」ということと、最後の最後にHAKAISHAが姿を現すことのみでした。
本作はシリーズ3作目ですが、どうやら『レーン』の続きではない気がします。
1作目の前日譚か、あるいはそれと同時進行くらいの話ではないかと思われます。

『テネット』ほどではないにせよ結構難解なストーリーでした。
いや、難解というよりストーリーにまとまりがないというだけかも知れません。
切断されたクルーの腕だけが『フランケンシュタイン対地底怪獣』みたいに動き回る(しかも文字も書く!)シーンがあるのですが、この現象についてはどう考えてみても納得がいきません。
全体の概要は理解出来ているつもりなので、内容を整理しながらもう一回見返したら分かるかも知れませんが、残念ながらそんな気になるほどの作品ではなかったです。
あ、『テネット』といえば・・・

『テネット』に出ていたエリザベス・ビデッキさんがかなり重要な役で出ていました。
実験失敗後にいきなりステーションの壁の中に出現するのですが、実は別次元の同じ宇宙ステーションに乗っていたエンジニアの一人だったらしいです。
並行する別世界から紛れ込んできた女という設定で、この点は面白かったと思います。
彼女の口からもう少し別次元の世界で何が起こったのかが語られれば分かりやすくなったような気がします。

あと、こっちの世界(ああ、ややこしい!)のエンジニア役でチャン・ツィイーさんが出演しています。
デビュー作『初恋のきた道』で私をボロ泣きさせてくれた彼女ですが、その後は『グリーン・ディスィテニー』や『グランドマスター』などアクションものにも多数出演していて最近では本作や『ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ』などのSFやモンスターものにも出てくれるようになりました。
残念ながら彼女は途中で死んでしまうのですが、その最期はぞっとするほど絶望的でなおかつ美しくもありました。
『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)

今週放送の前後編は神戸が舞台です。
私は83年から2000年まで大阪に住んでいて、さらに90年代後半には付き合っていた女性が神戸駅の近くに住んでいたこともあって仕事とプライベートで何度も訪れた場所でした。
阪神淡路大震災後ということもあり、『セブン』撮影時とはずいぶん変わっていたと思いますが、それでもよく知ってる場所が舞台というだけで自然にテンションが上がります。
第14話&第15話「ウルトラ警備隊西へ(前後編)」

<あらすじ>
東洋一のマンモス港・神戸を中心に外国人が相次いで殺害される事件が発生。
被害者はいずれも六甲山の防衛センターで開催される会議に出席するため来日した地球防衛科学班チーフだった。
それは自分たちの星に打ち上げられた観測ロケットを侵略と誤解したぺダン星人の仕業であった。

神戸湾から陸に上がってくる男。
その目前で突然タンカーが爆発!。
今回はまるで映画『007』シリーズのような始まりです。

当時は1964年公開の『007は殺しの番号(007/ドクター・ノオ)』から始まったスパイ映画ブームの只中でした。
日本でも『陸軍中野学校』(大映)や『国際秘密警察』(東宝)『陸軍諜報33』(東映)などの、硬軟さまざまな007パクリ映画が作られていました。
しかも『ウルトラセブン』が始まる少し前には、日本を舞台にした『007は二度死ぬ』が公開されこれも大ヒット。
そのころ撮影されていた『ウルトラセブン』に007の影響が無いはずはありません。

度重なる要人暗殺に危機感をつのらせた地球防衛軍は、ウルトラ警備隊に一人の女性科学者:ドロシー・アンダーソンの護衛を命じます。
ドロシー・アンダーソンを演じたのはリンダ・ハーディスティーさんという留学生の女性です。
どうして留学生が『ウルトラセブン』に主演することになったのか(しかもエピソードゲストとはいえ主役級)不明ですが、彼女はドロシー役に真摯に取り組んでいて他の出演者たちも感心していたそうです。
リンダさんの口の動きをよく見ると、現場でちゃんと日本語のセリフを喋っていたことが分かります。
アフレコも自分でやりたがっていたそうですが、セリフは牧野和子さんというプロの声優さんが吹き替えています。

この前の回まで「主演女優としての心構えがなっていない」とのことで干されていたひし美ゆり子さんも、リンダさんに影響を受けたのかその後アンヌ役を真剣に演じるようになったとか(笑)。
残念なことにリンダ・ハーディスティーさんは34年前に既に故人となられたそうです。
どうか安らかに・・・。

あと、最初に登場したジェームズ・ボンドもどきの外人さんは、ドロシー・アンダーソンに化けたペダン星人を追っていたワシントン基地の秘密諜報員でした。
だから冒頭シーンが007っぽい絵作りになっていたのですね。
吹き替え声優は『ルパン三世』の山田康雄さん。
ルパンというよりはクリント・イーストウッドの吹き替えのイメージでした。

おそらく『ウルトラセブン』に登場する敵のうち最も強かったと思われるぺダン星のスーパーロボット:キングジョー。
セブンも自力では倒せず、ドロシー・アンダーソンと土田博士が作った特殊兵器でようやく勝利することが出来た相手です。

”キングジョー”という名は脚本家金城哲夫さんの名前をもじったものだそうですが、実はこの名前は本編中一度も出てきません。
後におもちゃ化する際「固有名(商品名)がないと困る」というおもちゃ会社サイドの理由で後付け命名された名前らしいです。

ぺダン星人が地球にやってきたのは、地球がぺダン星に送った観測ロケットを侵略と誤解したためでした。
結果としてぺダン星人たちが警告だけでなく欲を出して地球侵略までも計画し始めたわけですが、そもそもの原因は地球人がやらかしたプライバシー侵害だったのです。
「これからロケットを打ち上げる時には十分注意しなければ」
そうした反省を語ってこの物語は終わります。
・・・が、しかし。
地球人類は、次の第16話「闇に光る目」において全く同じ過ちを繰り返してしまうのであります(笑)。
連日
『エール』
(居間49インチ4K液晶テレビ:NHK総合)

4月から欠かさず見てきた『エール』も残すところあと10話となりました。

今週のキーワードは”弟”でした。
鉄男は故郷福島で幼いころ生き別れた弟と再会しますが、ちょっと唐突で出来過ぎな印象がありました。
これも話数削減の影響でしょうか。
もっと前から伏線を張っておいてじっくり描けば良いエピソードになったかも知れないと思えて残念です。

一方、裕一の弟:浩二の結婚話も。
ドラマが始まったばかりの頃、弟は自分の好きな道を歩む兄に対して悪態ばかりついていました。
しかし、長男である裕一が家を出たあと、実家をしっかり支えていたのは他ならぬ浩二だったのです。
その弟も自分の人生を歩み始め、それを全力で祝福する兄の姿に思わずウルっときてしまいました。
なんか朝ドラ見るようになってからすっかり涙もろくなってしまった気がします。
来週はラジオドラマ『君の名は』のお話です。
『君の名は』の放送期間は昭和27年から昭和29年にかけてでした。
初代『ゴジラ』公開が昭和29年でその7年後に『モスラ』ですから、来週後半か再来週頭に「モスラの歌」製作エピソードが来るはずです。
ていうか、本当にやってくれるのかNHK!?。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。