週刊映画鑑賞記(2020.11/30~2020.12/6)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
私、ただいま『エール』ロスの真っ只中であります。
そのため今週月曜から始まった『おちょやん』は全然見ていません。
小学生の頃『帰ってきたウルトラマン』が好き過ぎて次の『ウルトラマンA』にまるで乗れなかったことを思い出します(笑)。
12/1(火)
『エクスティンクション 地球奪還』🈠
(ホームシアター:NEYFLIX)

以前からずっと気になっていたSF映画です。
ただ、この種のB級SF映画は星の数ほどあって、その8割くらいが有名作品の単なるパクリか途中で予算不足を露呈してグダグダなまま終わってしまうものが多いのです。
(最近だと劇場公開された『囚われた国家』がそうでした)
それでも、『アントマン』のマイケル・ペーニャが出ているということで、思い切って見てみることにしました。
ゴメンナサイ、舐めてました。
これ、面白いです!。
NETFLIXに加入しているSF映画好き全員にお薦めします。
突如襲来した謎の敵によって蹂躙されていく市街地。
情け容赦なく一般市民を殺戮していく敵軍。
何が起こったのか分からないまま必死に逃げ惑う人々。

表面的には凡百のB級SF映画とたいして変わりませんが、この映画には序盤に不可解な描写(伏線)がいくつもあって妙に心に引っかかるものがありました。
主人公が見る悪夢
奇妙な形の建物
何かを知っているらしい上司
不気味な精神クリニック
家族構成に違和感
過去に起こった人工知能の反乱
終盤で明らかになる敵の意外な正体。
そして主人公たち地球の住民もまた・・・。
このどんでん返しとそこに至るまでの伏線の張り方がお見事で、思わず前半部分をもう一度再確認してしまいました。

小品ながら脚本も演出も映像も全てが良く出来ていて、劇場公開されなかったのが不思議なくらいです。
また、昨今の「移民問題」とか「人種差別」などといったテーマ性も盛り込まれています。
難があるとすれば、子供が犠牲になるシーンがあることと、夜のマンション内や地下通路のシーンなど暗い場面がやたら多くて一般的なTV画面では何が起こっているのか分かりにくいことですかね。
12/5(土)
『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』
(ホームシアター:Bru-ray)

昨年のスーパー戦隊シリーズ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の劇場版。
冒頭部分の撮影は恐竜王国(自称)福井県で行われていて、実は私もエキストラの一人として画面の隅っこに映っていたりなんかする作品です。

この日、久し振りに本作のブルーレイを取り出して見返しておりました。
ここ最近は仕事が忙しくなってきて長時間の映画を見る時間が取りにくくなっていますが、本作は30分程度の短編なので途中で寝てしまうようなこともなく見ていられました。
今回どうしても『リュウソウジャー』を見返さずにいられなくなった理由とは・・・。

それは龍井うい役を演じた金城茉奈さんの訃報を知ってしまったからです。

昨年4月に行われた福井ロケで、私も金城さんの後方に一緒に画面に収まらせていただきました。
とても溌溂とした通りの良い声を持っていらして、博物館内で遠く離れた場所にいた時も彼女のセリフがはっきり聞きとれたことに驚きました。
ほんのわずかな時間とはいえ撮影現場をご一緒させていただいた者の一人として、金城茉奈さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

『リュウソウジャー』は、劇場版へのエキストラ参加が縁で1話からずっと見続けてきた唯一の戦隊シリーズでした。
残念ながらラスト10数話分ほどの録画データが失われてしまったため未だ最終回までは見れておりませんが、いずれそのうちDVDレンタルかプライムあたりで配信された時に残りを補完するつもりでおりました。
金城さんは昨年病に倒れて一時番組を離れたそうですが、私はまだその件(くだり)を見ておりません。
まだ未見の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』残り全話、そして最終回に1シーンだけ再登場したという彼女の姿をきちんと見届けることが一番の供養になると思っております。
『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)

第20話「地震源Xを倒せ」

<あらすじ>
頑固爺として知られる国際核研究センターの岩村博士を訪ねたダンとソガは、青沢山岳地帯で頻発する局発性地震に関しての協力を求めるが門前払いを食ってしまう。
直後に出会った山岳ラリーに参加していた女子大生が持っていた物質。
それは地球を形成している核・ウルトニウムであった。
岩村博士は愕然となり地球崩壊を危惧する・・・・。

この回においてシャプレー星人も怪獣ギラドガスも霞んでしまうほどに輝いていたのは、超ガンコ親父:岩村博士であります。
演じているのは悪役俳優として名高い:吉田義夫さん。
昭和特撮ファンには『悪魔くん』のメフィスト(兄)役として有名ですが、私としては『男はつらいよ』シリーズ冒頭部分に出てきた旅芸人一座の座長役やの寅次郎の夢に出てくる様々な悪役が印象に残っています。

岩村博士に理由もなく怒鳴りつけられて委縮するダンとソガ。

再び岩村博士の元に行くよう隊長命令を受けたソガは、咄嗟にその使命をフルハシに押し付けようとします。
ソガは「魔の山へ飛べ」で死んだダンのために泣いてくれたこともあり、ウルトラ警備隊の中で一番好感度が高いですが、意外に子供っぽい部分も持っている人物のようです(笑)。

謎の地震の原因を探るため地底戦車マグマライザーが再び登場。
当時『ウルトラセブン』が対抗意識を持っていた『サンダーバード』のように、ホーク3号に吊るされたコンテナで空輸されます。

今回の放送が4K解像度ということもあって、よく見てみると「地底GO! GO! GO!」で初登場した時には無かった泥汚れがドリルやキャタピラ部に付着していることが分かります。
こうした汚しを付加することで『スター・ウォーズ』のファルコン号みたいに使い込んだ感を醸し出しているのですね。
でも、よくよく考えてみると「前回の出動時の汚れがそのままだなんて、ウルトラ警備隊の整備班は何をしているのか?」という考え方も出来てしまいますが・・・(笑)。

岩村博士の助手に化けていたシャプレー星人。
追い詰められて正体を現し、自慢げに自分の計画を洗いざらい語って聞かせたあとソガとアンヌにあっさり射殺されてしまいます。
ゴドラ星人(第4話)と同じく駄目な侵略宇宙人の典型ですね(笑)。

結局シャプレー星人は何が目的で地球に来たのでしょうか?。
単にウルトニウムが欲しかっただけ?。
ウルトニウムを奪うことで地球を破壊したかった?。
あるいはその両方?。
ソガもアンヌも、成敗するのは敵の最終目的を聞き出してからでも遅くはなかったと思います。
報告書を書くとき困ると思いますから(笑)。

ラストは九死に一生を得たフルハシが「岩村博士のボデーガード兼助手」命じられてゲンナリして終わります。
・・・いやいや、ちょっと待ってくださいキリヤマ隊長。
ていうか、脚本家の若槻文三さん!。
その岩山博士護衛の任務はソガにこそ与えるべきではありませんか?。
嫌な任務をフルハシやアンヌに押し付けようとしたソガ自身が最後にしっぺ返しを食らう。
この方が子供たちへの良き教訓になると思うのですがね。
第21話「海底基地を追え」

<あらすじ>
航行中の船舶が相次いで沈没する海難事故が続発。
漁船・第三黒汐丸の川田船長は、船の沈没寸前、戦艦大和らしきものを見たと連絡してきた。
ウルトラ警備隊が海底調査を開始する。
大和の正体。
それは地球の海底資源を奪取するためにやってきたミミー星人が、大和の残骸を利用して作り出した爆弾搭載型ロボット・アイアンロックスだった!

アイアンロックスは、太平洋戦争末期には鹿児島県の坊ノ岬沖に沈んだ戦艦大和をミミー星人が改造して作ったメカ兵器です。
「海底基地を追え」が放送されたのは昭和68年2月、戦艦大和が撃沈されてからわずか23年後のことです。
この頃にはまだ生き残った乗組員や戦死者のご遺族も多く、戦艦大和の名前は人々の記憶に強く残っていたはずです。
『ウルトラセブン』制作スタッフにも戦時下教育を受けた人も多かったはずで、どこかに「大和を映像の中に蘇らせたい」という想いがあったに違いありません。

しかし、(大和の生まれ変わりである)アイアンロックスが砲身を向けたのは、他ならぬ故国日本と日本人同胞たちでした。
この場面は衝撃的でした。
当時、生き残った元乗組員や戦没者のご遺族、さらには右寄りな人たちから抗議などされなかったのでしょうか?。
考えようによっては第12話「遊星より愛をこめて」(現在欠番)より問題視されるべき回のような気がします。

しかもアイアンロックスは、停止15分後に大爆発するという移動爆弾でもあります。
これではまるで大和の沖縄特攻作戦に対する嫌みのようではないですか!。
『セブン』のメインライターである金城哲夫氏と上原正三氏はどちらも沖縄出身であり、作品にも日本本土に対する複雑な想いを込めておられます。
本作の脚本を担当した赤井鬼介氏の出身地は不明ですが、金城・上原両氏とは親しい友人関係にあったそうです。
シナリオ執筆陣の沖縄人としての想いが『セブン』における戦艦大和の扱いをあのようにさせたのではないかと解釈しております。

私の世代としては、「戦艦大和が蘇る」と聞くとアイアンロックスより『宇宙戦艦ヤマト』(昭和49年)が思い浮かびます。
『宇宙戦艦ヤマト』もまた、その根底に戦時教育を受けた人たち(監修の舛田利雄氏や西崎義展プロデューサー)の「現実ではロクに活躍出来なかった大和を存分に暴れさせてやりたい」という想いがあったであろうことは確かです。
しかし、監督の松本零士先生は『宇宙戦艦ヤマト』における旧・戦艦大和の扱い方には細心の注意を払っていたそうです。
プロデューサーが勝手に付けた軍艦マーチのBGMを差し替えさせ、波動砲は直接敵に打ち込ませず特攻もさせませんでした。
それはアメリカの原爆投下や旧・日本軍の特攻作戦に対するアンチテーゼであり、大和を現代に蘇らせることの意味を正しく・・・(中断)
おっとっと、「セブン』から外れて『ヤマト』の話になってしまうとこでした。
『ヤマト』の話はいずれそのうちに・・・

先日、大阪に「医療非常事態宣言」が出されました。
こんな風に禍々しく真っ赤に染まった太陽の塔を見てしまうと、能天気な性格の私でさえさすがに怖さを感じてしまいます。

現在枚方市で開催されている『特撮のDNA ウルトラマン』展を見に行こうと思っていたのですけど、大阪がこんな状況ではかなり難しそうです。
妻が絶対に許してくれそうにありませんし、なにより私自身も人混みの多い都会に出向くことに抵抗を感じているのです。
一昨年の夏に明石市文化博物館で開催された「特撮のDNA~平成に受け継がれた特撮”匠の夢”~」が本当に楽しかったので、なんとかして行きたかったのですがね~。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。