週刊映画鑑賞記(2020.12/14~2020.12/20)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
12/15(火)
『スポックのために』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)

『スター・トレック』シリーズ最大の人気キャラクター:ミスター・スポックを演じた故・レナード・ニモイ氏の半生を描いたドキュメンタリー作品。
・・・かと思いきや、実際の内容は実の息子である監督自身の私小説でした。

1966年開始のオリジナルTVシリーズ(3シーズン)、劇場映画版6作(うち2作は監督も兼任)、リブート版(2009年)と遺作となった『イン・トゥ・ダークネス』まで47年間スポックを演じ続けてきたレナード・ニモイ氏。
序盤では、初期の役作りの苦労話や共演者たちやファンとの交流などの様々なエピソードが語られます。

オリジナルシリーズの共演者たちはもちろん、劇場版『2』『5』のニコラスメイヤー監督やリブート版のJ・J・エイブラムス監督、さらにはスポック役を引き継いだザカリー・クイントをはじめとする新作キャストへのインタビューが中心です。
あと、レナードの実兄夫婦も出てきて子供の頃や若い頃の話も聞かせてくれます。

監督&インタビュアーは実の息子のアダム・ニモイ氏。
幼い頃はこのように仲睦まじい父子でした。

しかし、やがて家族との時間よりも番組とファンを大事にする父レナードに対し徐々に確執を深めていきます。
この誰一人笑っていない家族写真が当時のニモイ家の雰囲気を物語っています。

映画が進むにつれて徐々に客観性が失われていき、やがては亡き父:レナードに対する息子(監督)の愚痴ばかりが目立つようになります。
終盤、サイモン・ペッグに「君はお父さんをどう思っているの?」と逆インタビューされて言葉に詰まる息子(監督)。
おいおい、そこで迷ってどうすんの?。
あんたはこのドキュメンタリー映画で父親の何を描きたいんだ?。

最後は、亡き父からの手紙を読んで「パパは僕を愛してくれてたんだ」と監督が知ったところで強引に終わり・・・。
レナード氏の面白いエピソードがたくさん聞けたのは良かったですが、結局は監督である息子の親離れの話でしかなかったのは残念です。
それにしても、有名人の息子ってなにかと大変なのですね~。
12/18(金)
『生中継!ガンダム動く』🈠
(居間49インチ液晶テレビ:BSプレミアム録画)

横浜の実物大ガンダム起動式をNHKが生中継。
リアルタイム世代の私としては出来ればリアルタイムで見たかったですが、残念ながらこの日は仕事が入っていたため録画しておいたものを帰宅後に視聴と相成りました。

富野監督が挨拶の中で「ガンダムは優しい」という言葉を繰り返し使っていたのが印象的でした。
40年前、モビルスーツのコクピットは「棺桶」と呼ばれていてそれが宇宙戦争のリアルを感じさせてくれていました。
しかし、今の子供たちに対してはガンダムを兵器としてではなく、「揺り籠」の如き宇宙への乗り物として認識してもらおうという意図を感じました。

そしてついにガンダム起動。
もちろん完全な二足歩行ではありませんが、まるで歩いているかのような動きは壮観です。
背景にプロジェクションマッピングで移動する風景を映し出してくれたらもっと気分が上がると思います。
ただ、ガンダムが動くたびにタレントたちが興奮して大声で喋る声が入ってくるのが鬱陶しくて仕方なかったです。
効果音も含めて一つのショーなのに、自分たちが楽しむことを優先して視聴者のことを完全に忘れていたようです。
三人ともガンダムファンとのことなので気持ちは分からなくはないですが、プロのタレントとしてはいかがなものかと思います。
ところで・・・。
私は過去2回、この目で実物大ガンダムを見るためにわざわざ東京と静岡まで足を運んでいます。

11年前のお台場。
前夜から夜行バスに乗って行ったので、早朝から夜暗くなるまで丸一日ガンダムの足元で過ごしました。

そして10年前の静岡も。
こちらへは妻と二人で自分の車で行ったのですが、帰りの東名高速がひどく渋滞して家に帰り着いたのは深夜3時頃でした。
以来、妻は「あんなしんどい思いしてまで行きたいとは思わない」と一緒に県外へ遊びに出る機会が激減しました(笑)。

今回の動くガンダム展示は2022年3月31日までとのこと。
あと2年もありますから焦る必要はありません。
現在のウィルス禍が落ち着いたら、渋滞の心配が少ない平日にでもゆっくり見に行きましょうかね。
12/19(土)
『ゴジラとヒロイン』🈠
(居間49インチ液晶テレビ:BSプレミアム録画)

ここ数年、NHKが特撮ものに注力してきています。
例えば・・・。
紅白でウッチャンを巨大化させた。
3時間越えの「ウルトラマン」特集番組。
ほとんど怪獣映画な時代劇『荒神』を制作。
『ウルトラQ』『ウルトラセブン』を独自に4Kリマスター化して放送中。
特撮ヲタクを主人公にしたドラマ『トクサツガガガ』を制作・放送。(続編熱望!)
等々。
そんなNHKが<ヒロイン>をテーマに1時間半の東宝特撮怪獣映画の特集番組をやってくれました。

メインゲストは水野久美サマ。
確かに、東宝特撮ヒロインを語るうえでこの方をおいて他にいません。
本多猪四郎監督や田中友幸プロデューサーの思い出や、『怪獣大戦争』『フランケンシュタイン対地底怪獣』で共演したニック・アダムス氏とのちょっとキケンで艶っぽい裏話を語っておられました。

『ゴジラXメカゴジラ』(2002年)に主演した釈由美子さんも登壇。
18年前と少しも変っていないことにビックリです。
私は手塚昌明監督のゴジラ作品はどれも好きなのですが、特に『xメカゴジラ』が一番好きだったのでこの人選は嬉しかったです。
どうせなら『メガギラス』の田中美里さんと『ゴジラ2000』の鈴木麻由さんと『GMK』の新山千春さんにも出てもらって「ミレニアム女四人衆」とかやってくれたら良かったのにな~。
あと、平成VSシリーズで6作品連続出演した小高恵美さんと、私が生まれて初めて映画館で見た作品『ゴジラ対へドラ』の麻里圭子さんもVTRで姿を見せてくれました。

今回一番の収穫だったのは、田中友幸プロデューサーが現場で撮ったという8ミリのメイキングフィルムでした。
これは『モスラ対ゴジラ』終盤の岩島か漁港のシーンでしょうか?。
今は亡き星由里子さんの笑顔が眩しいです。

こちらは『士魂魔道 大龍巻』('64)撮影現場の水野さんと星さん。
周囲にはあんなに大勢のギャラリーがいたのですね!。
今回はほんの一部しか見せてくれませんでしたが、そのうち田中友幸氏秘蔵メイキングフィルムの特集番組を放送してくれるものと期待しております。
『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)

第24話「北へ還れ!」

<あらすじ>
母親が病気となったという知らせを受け北海道に帰省したフルハシだったが、それは彼にウルトラ警備隊を辞めさせ実家の牧場を継がせようとする母と妹の嘘だった。
フルハシはすぐに極東基地へ引き返す。
どうしてもフルハシを故郷に連れ帰りたい母親は警備隊基地近くまでやって来るが、フルハシは北極圏で起こった地球防衛軍のパトロール機と民間の航空機の衝突事故の調査のためにホーク3号で北極圏へ向かっていた。
ホーク3号は北極圏で突如操縦不能となり、このままでは300人乗り旅客機と衝突することになってしまう。
脱出も不可能となり、フルハシにはホーク3号を自爆させ、旅客機を救う以外の選択肢はなくなった。
キリヤマは特別の計らいでフルハシの母を作戦司令室に入れ、刻々と死の時が迫るフルハシと無線で会話をさせる。

実は『ウルトラセブン』全48話の中でも五指に入るくらい好きな回です。

実は、この回のフルハシには20年ほど前の自分の姿が重なって見えるのです。
田舎から都会に出て自分の好きな職に着いてからは滅多に帰郷することもなくなり、また30過ぎても結婚もしないでいる息子を心配してくれる母親をうざったく思った時期がありました。
あと地元に残っている妹がいるという点も同じで、この回のフルハシと当時の私とのシンクロ率はほぼ100%でありました。
私は結局35歳のとき父の入院を機にUターンしたのですが、その時の母の喜んだ顔は今でも忘れていません。
こういった年代を越えて見られるエピソードがあることも、『ウルトラセブン』が永く愛され続けている理由の一つなのでしょう。

あと、この回のキリヤマ隊長が最高なのですよ。
旅客機の乗客の命を救うため部下(フルハシ)を犠牲にしなければならないという苦渋の決断。

そして部外者立ち入り厳禁のはずの司令室にフルハシの母を招き入れ、母子の最後の通信をセッティング。

そして無事生還したフルハシに故郷の北海道上空パトロールを命じるという粋な計らい。
この時の他の隊員たちの態度も涙が出るほど素敵で、どんな子供たちもこの回を見ればウルトラ警備隊が好きになるであろうことは間違いありません。

「北極は我々のもの」と一方的に宣言し、この地に人類が近づかないよう姑息な画策を巡らすカナン星人。
北極には彼らが欲っする物資か何かがあるのでしょうか?。
彼らの言動からは、北方領土や尖閣諸島や竹島を「自分たちの領土」と言って憚らないいくつかの不愉快な国家(どことは言いませんが)が思い浮かんでしまいます。
当時(1967~68年)の『ウルトラセブン』制作者が現代の領土問題を予見していたとは思えませんが、こんな見方も出来るというのもまた『セブン』の奥深さの一端です。

この回で唯一残念な点があるとすればそれはセブンの戦闘シーンです。
セブンはカナン星人に電子頭脳を狂わされたウィンダムと戦う羽目になるのですが、フルハシが死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされているというのに、まるで遊んでいるかのようなふざけた戦い方をするのです。
本編演出と特撮パートで意思疎通がうまくいってなかったのかも知れません。
第25話「零下140度の対決」

<あらすじ>
地球防衛軍極東基地周辺を異常寒波が襲い、基地機能が完全に麻痺してしまった。
パトロール中のダンも足止めを食らい自力で帰還しようとするが、人間以上に寒さに弱いため体力を消耗してしまう。
地球を第3氷河時代に陥れようとするポール星人は、目障りな地球防衛軍とウルトラセブンに先制攻撃を仕掛けてきたのだ。

冒頭、猛吹雪のためポインターのホバー機能が停止し雪原の中に立ち往生してしまいます。
この回を見たのは2020年12月17日()だったのですが、私は不謹慎ながらも「なんてタイムリー!」と思わず口にしてしまいました。
なぜならば・・・

ちょうどこの時、新潟・東京間を結ぶ関越自動車道では大雪により1000台以上の車が立ち往生しているというニュースで持ちきりだったからです。
(話が『セブン』から逸れますが)私はこのニュースを見ていて3年前の福井の豪雪のことを思い出しておりました。
あまりにもあの時と状況が似ていたからです。

2017年2月。
未曾有の豪雪のため、福井県北部の国道8号線では1500台もの車両が身動き出来なくなりそのままおよそ3日間立ち往生の状態が続きました。
実はこの道路は私も毎日通勤で通る道で、当初はこの日の朝もここを通るはずだったのです。
幸いにも早い時点で「仕事中止」の連絡があって自宅待機(といっても終日雪かきでしたが・・・)になりましたが、もしあのまま8号線に入っていたら私もあの中の一人になっていたかも知れなかったのです。
関越自動車道関係者は3年前の福井の事案を他人事としてしか見ず、何も参考にしていなかったということなのですね。

話を『セブン』に戻します。
よりによってこんな時に、ダンはまたもやウルトラアイ紛失。
ダンは必死に雪の中を探し回りますが、なぜか彼は前進しながら雪の中を探します。
「おいおい、落とし物を探すんなら普通引き返すだろ。」と突っ込んでみたりなんかして・・・(笑)。
幼い頃は素直に「大変だ、頑張れダン」とか応援していたであろう場面ですが、すでに「ベルトに仕込んでいた遠隔操作機能(17話)」とか「ウルトラアイ無しでも変身出来る(18話)」を見ているため「なんでアレを使わへんの?」とか思ってしまいます。

なんかもう、変身アイテムとしてのウルトラアイの存在感は既に失われている気がします。
でも、このあと「失・ウルトラアイ」系のストーリーとして「盗まれたウルトラ・アイ」(第37話)という大傑作が控えていますので野暮なツッコミはこのくらいにしておきます(笑)。
さて。
今日になって初めて気が付いたのですが・・・

4年前の10月に開設した当ブログも、おかげ様でいつの間にか5万ヒットを越えておりました~。
これまでご来訪いただいた全ての皆様、本当にありがとうございます!。
こんな趣味丸出しブログではありますが、これからも何卒よろしくお願いいたします。
それにしてもいつ5万越えしたんだろう?。
(しかも1000近くオーバーしてた・・・)
キリのいい数字だったのにうっかり見過ごしてしまったことが自分でも残念です。
今週もお付き合いいただきありがとうござました。