週刊映画鑑賞記(2021.3/15~2021.3/21)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
3/15(月)
『ニューヨーク1997』
(ホームシアター:BS4K録画)

<あらすじ>
近未来、巨大な刑務所と化したマンハッタンに大統領専用機が墜落。
元特殊部隊出身で終身刑のスネークは恩赦と引き替えに大統領救出に向かうが、残された時間は24時間しかない。

高校2年生の時、中学時代からの映画・アニメ友達と見に行きました。
当時は映画を見に行くのに電車賃が片道700円も必要だったため、映画館を何軒かハシゴして一日最低でも3本は見て帰るのが当たり前でした。
そんな中にあって、この日見た作品群は内容よりも特にお得感が高かったことでよく覚えています。

見てください!。
このド田舎ならではの超豪華プログラムを!(笑)。
『ニューヨーク1997』の併映はなんとジョー・ダンテ監督の『ハウリング』。
これらは都会ではそれぞれ単独上映だったはずです。
そして同じ建物に入っていた別の映画館ではジャッキー・チェンのモンキーシリーズ『笑拳』『酔拳』『蛇拳』の三本立て!。
この5本をたった2館分の入場料だけで見れてしまったのであります。v(⌒o⌒)v
当日は朝9時頃から15時頃までジャッキー三部作を見て、その後食事を挟んで『ハウリング』『ニューヨーク1997』を見たと記憶しています。
一日に5本も映画を見てしまうとそのうち何本かは記憶から飛んでしまうことも多いですが、この日の5本はどれも満足度が高くてそれぞれの見せ場や印象的なセリフは結構覚えてました。
ただ、ジャッキー映画は3本とも字幕版だったため最初はちょっと微妙な気分で見てました。
当時(いや今も)ジャッキー・チェンの声といえば石丸博也さんの吹き替えのイメージが強くて、初めて聞くジャッキーの肉声に少し戸惑った覚えがあります。
(香港映画はほとんどがアフレコであるため、あれが本当にジャッキー本人の声であったかどうかは分かりませんが・・・)
いつの間にかジャッキーに脱線しそうになりました(汗)。
話を『ニューヨーク1997』に戻します。

主人公は、なぜか出会った者が皆口を揃えて「死んだと聞いたぞ!」と驚かれるスネーク・プリスキン。
これを見た高校時代の私は「なんか寺沢武一の『コブラ』みたいやな」と思った覚えがあります。
プリスキンという苗字(あるいは家系)を嫌っているらしく、自分のことを「スネーク」と呼ばせたがる永遠の中二病男。
かつては何人か仲間もいたみたいですが、仕事の話と「スネークと呼べ」以外ほとんど喋らないので過去に何があったのか分かりません。
でも、それがかえって彼のキャラクターを際立たせている気がします。

今見ると他の出演者もなかなか豪華な顔ぶれだったりします。
アーネスト・ボーグナイン(『ポセイドン・アドベンチャー』で最後まで生き残った刑事)
ハリー・ディーン・スタントン(『エイリアン』の機関士)
リー・ヴァン・クリーフ(『夕陽のガンマン』の相棒)
ドナルド・プレザンス(『007は二度死ぬ』のブロフェルド)
てっきり低予算B級映画だと思ってましたがとんでもない。
良い俳優が揃ってます。

マンハッタン島には今は亡き貿易センタービルが2棟ともそびえ立っていて、ストーリー上でも侵入ポイントという重要な舞台として登場します。
小6のとき見た『キングコング』(ジョン・ギラーミン版)でコングがよじ登ったビルとして強烈に覚えていたビルなので、最初見た時もあのツインビルにばかり目が行ってました。
一応1997年の話なのであってもおかしくはないのですが、今見るとなんだか奇異な感じがしますね。
でもまさか30年後にあんな形で姿を消すことになるとは・・・。
ちなみに、本作にはテロリストにジャックされたエアフォース・ワンが他のビルに激突するというシーンも描かれています。
本作の特撮を担当したのは、監督デビュー前のジェームズ・キャメロンです。
そういえば『ターミネーター』(1&2)で語られた「審判の日(ジャッジメント・デイ)」は1997年8月29日でした。
この映画の世界観が『ターミネーター』にも影響を与えたことは確かです。

このちょうど1年後(’82年)に『ブレードランナー』を観たとき、あの酸性雨が降りしきる未来のロサンゼルスになんとなく既視感のようなものがあったのですが、今になってみるとそれは『ニューヨーク1997』だったのかも知れません。
3/20(土)
『無念』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)

<概要>
3.11地震と津波、そして原発事故。
あの日浪江町に何があったのか?。
そこにいた人々の”声”をアニメーションで伝える、報道よりも真実に近い作品。

元々は震災当時の状況を後世に伝えようと紙芝居作家:いくまさ鉄平氏が描いた作品を50分ほどの映像にまとめたもの。
アニメーション(動く部分)は最小限。
一枚一枚の絵をじっくり見せながら話を進めていきます。
アニメ映画というより「電動紙芝居」といったところでしょうか。
「電動紙芝居」というと口パクばかりでほとんど動かない黎明期のTVアニメを揶揄する言葉であまり良い印象は無いかも知れませんが、私はあえて誉め言葉としてそう呼びたいと思います。
劇場公開はされておらず、3.11を後世に語り継ごうとする団体の自主上映会や、一人でも多く若い人たちに見てもらおうと小中学校にDVDを配布しているだけのマイナー中のマイナー作品です。
こういった作品を全国放送してくれた日本映画専門チャンネルに改めて感謝と敬意を表します。
最近は昔のTVドラマの再放送ばかりになっていて「どこが日本映画専門やねん!?」と解約すら検討していたのですが、時折思い出したようにこうした隠し玉を出してくるので油断ならないチャンネルです(笑)。

声の出演は主演の大地康雄さん以外は全員実際の被災者の方々です。
この方たちの実体験に基づく言葉の重みとネイティブ福島弁とが組み合わさって、当時の喧騒や無念の想いがまるで怨念のようにさえ感じられます。
また、今までもいくまさ氏が作った紙芝居の上演に参加してきた皆さんなので喋りが棒読みになることはありません。
夕方、見終わって一階のリビングに降りてみると母がテレビを食い入るように見ておりました。
私「ん?、何かあった?。」
母「また地震やって、東北で。」

3月20日午後6時10分、宮城県に震度5強の地震。
津波注意報発令中。
シャレにならん・・・。
幸い地震による死者や重傷者はいなかったようでなによりでしたが、あれからちょうど10年目のこの時期に東北でまた地震が頻発してるのが暗示的で何とも・・・。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。