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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2021.3/22~2021.3/28)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。



3/23(日)
『透明人間』🈠
(ホームシアター:レンタルBlu-ray)
『透明人間』ポスター画像
<あらすじ>
富豪の天才科学者エイドリアンに束縛される生活を送るセシリアは、ある夜、計画的に脱出を図る。
悲しみに暮れるエイドリアンは手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に残す。
しかし、セシリアは彼の死を疑っていた。
やがて彼女の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、ついには命まで脅かされるように・・・。


※今回の記事にはネタバレが含まれています。閲覧にはご注意願います。


’78年頃、「♪現れないのが透明人間ですぅ~~~~」と実に正鵠を射た歌が流行りましたが、この映画はまさに透明人間というものの怖さを正しく表現した新しい透明人間映画です。

一般的な透明人間のイメージ
従来の透明人間のイメージといえばなんといっても「包帯」でした。
昔の映像作品では大体こんな風に透明な顔に包帯を巻きサングラスをかけて”登場”していました。

透明人間の定番シーン
そして、大勢の目の前でゆっくり勿体ぶりながら包帯を取り、自身が透明であることを明かすのが定番です。
透明人間が引き起こす不思議な現象も、クロマキー合成や吊りもので無人の空間に誰かが居ることを表現しようと努力してきました。

怖がるこの子のほうが怖い
しかし、この映画は透明人間映画の固定概念を根底からひっくり返しました。
透明人間そのものを描くことをやめ、姿の見えないDV元彼につけ狙われる女の子の恐怖にフォーカスしたのです。
序盤はどちらかというと心霊ホラーに近い感じの映画でした。
透明人間になった元カレにつけ狙われているようにも、死んだ男の幽霊にとり憑かれたようにも、あるいは彼女自身の被害妄想に過ぎないようにも見えてくるという心理スリラー的面白さがありました。

背後からの吐息
セシリアの背後、誰もいないはずの空間に誰かの吐く白い息。
透明人間を透明の人間として描く律儀な演出です(笑)。
この他、誰もいない空っぽの空間をじっと写し続けたり、ドアにやたら注意を惹かせるカットがあったり、SFとしてではなく完全にホラー映画の見せ方になっています。
この映画の怖さは、デジカメの顔認識をオンにしているとき誰もない空間に勝手にフォーカスが行ったときのあの不気味さと共通するものです。

あと、最も重要だったのは”音”でした。

軋む床。
背後から微かに聞こえる吐息。

これから『透明人間』を見ようと考えている方には「5.1ch以上のサラウンドシステム」か「オーディオシステムに繋いで可能な限り大音量」で鑑賞することをお薦めします。
サラウンドや大ボリュームがどうしても無理ならばヘッドホンでも良いです。
随所に散りばめられた意味ありげな音をしっかり聴き取れないと、ただの間延びした訳の分からない映画にしか見えなくなってしまう作品だからです

ネット上では「新しい」「面白い」と高評価意見と同時に「つまらない」「意味がわからない」など酷評する意見も結構ありました。
私の推察ですが、この映画を「面白くない」と感じた人は小さいテレビやスマホなど小音量で見ていたのではないでしょうか?。
音の環境次第で評価が大きく分かれる作品です。

『攻殻機動隊』光学迷彩
ただ、元カレが光学分野の天才科学者だと分かった時点で透明化のカラクリが読めてしまうのが残念でした。
要は光学●彩ですね。
日本のアニメや漫画を舐めてもらっては困りますぜ、監督さん。

『Oh!透明人間』
でも服を着たまま透明化出来るというのはいいですね。(何が?)
例えば薬で透明人間になったとしても服は消えませんから、透明化してる間はスッポンポンである必要があります。
冬は寒いし、もし人前で透明化が切れたりなんかしたら大変です。

『ドラえもん』石ころ帽子
物理的に透明化することよりも、『ドラえもん』の石ころ帽子のほうが「他人の目から逃れる」という点では理に適っていると思います。
これなら帽子が脱げない限り絶対に大丈夫ですから。(だから何が?)



『ウルトラマン80』HDリマスター版
『ウルトラマン80』いよいよ登場
先日スカパー契約内容を単品契約からセレクト5に変更し、その一つとして選んだファミリー劇場では『ウルトラマン80』が始まりました。

当時の流行を取り入れてか、なんと普段の姿が中学の先生という新機軸。
しかもそれでいて防衛隊UGMの隊員も兼ねているという公務員法ガン無視の無理設定。
そのUGMはシリーズ最低の非力チーム。
無理な設定が仇となって舌足らずになりがちなストーリー。
その舌足らずなシナリオを補おうとやたら饒舌なナレーター。
そして、とうとう途中から中学教師の設定はなかったことに・・・?。
その後はSF路線に変更するも、再び子供視線にと相次ぐ路線変更。
お坊さんみたいな顔。
スタイルも正直イマイチ。
だが、キレキレのアクションはレオをも凌ぐ?。
特撮映像は往時のウルトラシリーズを凌ぐほどの出来生え。
紅一点、城野エミ隊員衝撃の殉職→そしてなぜか最終回で初登場のメカ城野エミ。(何がしたい?ていうか何をさせたい?)
25年後の平成18年放送『ウルトラマンメビウス』をもってようやく完結をみることになる昭和最後のウルトラマン。

・・・とまあ色々言われてますけど、8対2くらいの割合で否定的な声のほうが多い感じです。
私もナレーションで解説し過ぎなのが鬱陶しかったのは確かで、自分なりに解釈したり想像(妄想)を膨らませる余地が奪われている感じは気になってました。

でも、私はそんな『ウルトラマン80』が好きだったりします。
確かに見る前は「金八先生と熱中時代にあやかろうってかぁ?」と鼻で笑ってましたけど、気合の入った特撮映像とキレキレアクションを見ているうちそんなマイナスエネルギー(笑)はどこかへ吹っ飛び、ふと気が付くと高校生にもなって毎週楽しみに見続けておりました。

録画成功・・・が、しかし
金曜日早朝のHDリマスター版『ウルトラマン80』初回放送は無事に録画出来ました。
ただ残念なことに、ここんとこ連日仕事が深夜にまで及んでいるためまだ見れておりません。_| ̄|○
『80』の感想記事はいずれそのうち数話分づつまとめて書くことにします。



『ウルトラマン』関連でもう一つ。
とても残念な知らせが入りました。

『シン・ウルトラマン』公開延期

『シン・ウルトラマン』公開日調整中
コロナのせいで制作スケジュールに影響が出ているせいとのことです。


特報も最後のテロップを「公開日調整中」に変更して再アップされています。
心なしか以前気になっていたネロンガとガボラのCG臭さが薄まって、着ぐるみ怪獣の質感に近づいた気がします。
公開が延びたことは残念ですが、ここは一つ前向きに捉えてその分の時間を作品の質向上に充てていただきたいです。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

2 Comments

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へろん  

映画『透明人間』にもついにあの技術が取り入れられましたか。
昔から透明人間になったら光が通過してしまって何も見えないじゃないか、とか食べたものはどう見えるんだ、とかしょうもないことを考えていましたが、あの技術だったらとりあえずクリアできますかね。もっともあの技術もいろいろ問題はありそうですが…。

きしみや吐息といった音の効果が分かるように大音量で、というのは、手塚治虫先生が画面が小さすぎるので文庫版には反対していた、というのと似ている気がしますね。
PCを持たず何でもスマフォの画面上で済ます友人がいますが、そんな小さな画面で何が分かるねん、と思ってます。

石ころぼうし、原理は分かりませんが透明人間よりも使い勝手が良さそうで、結構欲しいと思ってました(^^)

2021/03/29 (Mon) 22:24 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

「人間が想像できることは人間が必ず実現できる」<byジュール・ヴェルヌ

へろんさん、コメントありがとうございます。

>『透明人間』にもついにあの技術が

ジュール・ヴェルヌの言葉通り、光学●彩は実際に開発研究が進んでいるみたいですね。
(もっとも、そのほとんど全てが軍用らしいですが)

私、この映画を見て即『攻●機●隊』を連想して「舐めんなよアメリカ」と思いましたが、よく考えると私が『攻●』で初めて光学●彩を知ったときには「これを使えば新しい透明人間の映画が作れる」とは思いつかなかったです。
確かにアイデアそのものは既知のものでしたが、これを透明人間の映画に生かしたことを評価すべきだったと思います。

>石ころ帽子。

ある意味完璧な透明人間化アイテムですね。
例えば薬などで透明人間になった場合にありがちな「透明化してる間は素っ裸にならねばならない」や「いきなり薬の効き目が切れたらどうする?」とかいった制約や不安が一切ないですから。
(流石は藤子・F・不二雄先生!)

でも、「そんな道具が欲しい」なんて考えてしまう私もへろんさんも少し心が疲れているのかも知れないですね~。

2021/03/30 (Tue) 17:11 | EDIT | REPLY |   

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