週刊映画鑑賞記(2021.5/31~2021.6/6)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
5/31(月)
『時をかける少女』
(ホームシアター:BS4K)

ほぼリアルタイムでの視聴でした。(実際は録画しながらの追いかけ再生)
ここ最近、レーザーディスクの映像(正確にはLDをダビングしたDVD)ばかり見ていたせいか、久し振りに4K画質で映画見たらそのあまりの鮮明さに目が醒める思いでした(笑)。

『時をかける少女』は、映画の出来としては正直言って微妙だったりします。
主演の原田知世と高柳良一のセリフがあまりにも棒読みで、見ていて睡魔に襲われることが多いのです。
(ただ、高柳氏の名誉のために付け加えると彼の棒読み演技は大林監督の指示によるものだったらしいです)
それでもこの映画が好きでこうして機会があるたびついつい見てしまうのには理由があります。
この映画、エンディングが最高なのですよ。

ただし、エンディングだけ見てもその良さは決して分からないと思います。
それは新人:原田知世(本作がデビュー作)のたどたどしい・・・もとい、あどけない演技に最後まで耐え抜いた者だけに許されるご褒美なのですから。
『時をかける少女』('83)をまだ一度も見たことがないという、そこの貴方!。
騙されたと思って一度最初から最後まで見てあげて下さい。
貴方が映画好きであればあるほど、あのエンディングに映る全ての人たちの笑顔に幸せになれるはずです。
6/6(日)
『三大怪獣 地球最大の決戦』
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K録画)

ゴジラシリーズ第5作。
4Kリマスター化により、過去のHD映像と比べるとまるでベールが何枚も剥がされたかのような鮮明さです。

見通しがよくなったせいか、全ての場面で空間が広くなったように感じます。

屋外ロケシーンもスケール感がアップしています。
背景の山と手前の人物とで遠近感がはっきりしたことでより立体的な画になりました。

こうした人が密集している場面でもひとりひとりがはっきり見えますし、それでいて人同士の距離感もよく分かります。

あと、怪獣同士の距離感も(笑)。

逆に見通しが良すぎて今回初めて目についた部分もありました。
例えばこの場面。
背景の建物の壁に張られている垂れ幕にご注目!。

「裏切り部隊」って・・・何?(汗)
例えばあの建物は映画館で、「裏切り部隊」とは上映している映画のタイトルとか?。
いや、でも映画の看板にしてはシンプル過ぎますね。
それによく見ると、正面には「ハイシー」の看板があるのでどうやら薬局の建物らしいです。
ということは、あそこに何か映ってはマズいものがあって急遽スタッフが上から垂れ幕で隠したのでしょうか?。
いや、それにしても「裏切り部隊」って・・・。
・・・とまあ、そんな細部のあれやこれやに目を凝らしながら楽しむのもよろしいかと(笑)。

半面、残念な撮影ミスも目につきやすくなったのも確かです。
例えば、世界の異常現象を熱心に語ってくれる宇宙円盤クラブの会長さん(演:松本染升)がピンボケで、なぜか奥の男性にピントが合ってます。
黒澤明監督の『赤ひげ』が大幅に遅れて正月番組に穴が開くのを埋めるために急遽製作が決まったそうなので、撮り直す時間もなかったのかも知れません。

この宇宙円盤クラブ、今見ると実に滑稽な団体に見えますが、実は1964年当時はこのモデルとなった団体が実在してました。
小説家や俳優など著名人も多数入会しており、そのうちの一人だった三島由紀夫が「美しい星」を書いたのもこの頃でした。
当時キューバ危機や東西冷戦などにより世界情勢がかなり不安定だったことが影響していたのかも知れません。

若林映子さんの美しさも、今まで見た『地球最大の決戦』で最高です。
照明さんの気合の入った仕事ぶりと相まって、その美貌と独特の目力に圧倒されました。

一歩間違えば滑稽な『ローマの休日』の劣化コピーになってしまいそうなサルノ王女役も、若林さんの気品高い振る舞いのおかげで少しも陳腐に見えません。
日本映画専門チャンネルさん、今度もまたいい仕事してくれました。
来月の『怪獣大戦争』にも期待大です。
【今週のその他諸々】
■5/31(月)
『ウルトラQ』第10話「地底超特急西へ」
(ホームシアター:BS4K録画)

この最悪の列車暴走事故は誰のせい?。

次から次へと密航者の横行を許してしまう危機管理意識のまるで無いこの主任管理官?。
自動制御装置の正式名称もまともに覚えていない頼りないおっさんです。
社会的責任はまずこの人に行くのでしょうな。

ヘチマと組んで二人羽織で潜り込んだイタチは?。
いや、この二人は巻き添えを食っただけで今回のトラブルに直接関与はしていません。
でも、「こちとら江戸っ子でぃ!」で全てを切り抜けようとするイタチの根性は叩き直す必要がありそうです。

人工生命M1号を開発した相川博士に責任は?
いやいや、この人は何も悪くありません。
むしろ被害者の一人です。

では、M1号の入ったケースとキャメラケースを間違えて密航した一平?。
こいつが諸悪の根源なのか?。
後の惨事を考えると、いつものおっちょこちょいでは済まされません。
星川航空は億単位の損害賠償を請求されて倒産したのではなかろうか・・・。

でも、一番最悪なのはこの大木こだま(漫才師)・・・みたいな顔した新聞記者:川田でしょう。
こいつが勝手にフラッシュ焚いて写真撮ったためにMが成長を始めてしまったのですから。
一平が間違ってMを持ち込んでしまったことは確かですが、この男が由利子の注意を聞きいてフラッシュなど炊かなければあんな惨事は起きなかったはずです。
こういう奴に限って「報道の自由」とか偉そうに言うんですよね~。
まさにマスゴミ!。

ラストでイタチは死んだのでしょうか?
だとしたら彼を殺したのは川田記者です。
この話の最大の欠点は、物語の中で川田に天罰が下らなかったこと、ですかね。
■6/1(火)
『プロジェクトX -挑戦者たち- Vol.2 窓際族が世界規格を作った』
(ホームシアター:BS4K録画)
本放送は2000年4月ですから、もう20年以上も前の番組なのですね。
私もビクター製ビデオデッキ愛用者だったので、当時は誇らしい気持ちで見ていたように思います。

日本で最初にテレビ受像機開発に成功し、さらに家庭用ビデオの世界基準VHSの開発メーカーであった日本ビクター。
しかし・・・。
2021年現在、ビクターは4Kテレビはおろかブルーレイレコーダーすら手掛けていません。
それどころか、デジタル時代に入るいなや経営難に陥ってケンウッドと合併して細々と生き延びているというのが現状です。
この番組には最初家庭用ビデオ開発部門をリストラ対象にしようとしたビクター本社の連中が全く描かれていません。
そいつらはVHSの成功報酬のみを享受して新しいものは何も生み出そうとしていませんでした。
連中はVHSの成功体験にいつまでもしがみつき続け、その結果完全に新しい技術(デジタル)に乗り遅れてしまいました。

高野鎮雄氏と彼の部下たちは確かに「夢中になれる何か」を持っている人たちでした。
高野氏のような方が今のビクターにいらっしゃったら・・・?と、ビクター製品愛用者の一人として哀しいです。

でも、ビクターはまだ生きています。
投射用映像を生成するデバイス(D-ILA素子)を自社開発し、現在プロジェクター業界で確固たる地位を築いているのです。
この日この番組を映し出した我が家のプロジェクター:DLA-X990Rは他ならぬビクター製です。
これを作ったスタッフの中にはかつてVHSや高画質なモニターTVを作ったスタッフもいたはずです。
この機体の中には高野氏が遺した精神が脈々と息づいているのだと信じています。
6/5(土)
■『ウルトラマン80』
第21話「永遠に輝け!! 宇宙Gメン85」/第22話「惑星が並ぶ日なにかが起こる」
(ホームシアター:ファミリー劇場録画)
この時期の『80』は過去の『ウルトラ』シリーズの焼き直しエピソードが多い気がします。
前々回の「はぐれ星爆破命令」は『セブン』の「超兵器R1号」を下敷きにしていましたが、「惑星が並ぶ日なにかが起こる」は「ノンマルトの使者」のセルフリメイクでした。
両者の大きな違いは隊長の行動です。
現場の判断で無抵抗のノンマルトを全滅させてしまったキリヤマ隊長と違い、オオヤマキャップは自ら最高会議に赴いてミサイル発射を思い止まらせます。
(しかし副参謀の暴走で結局はミサイルは発射されてしまう)
ウルトラ警備隊とキリヤマ隊長もこうであって欲しかったなあ。
ノンマルト攻撃は理解のない上からの絶対命令で、中間管理職のキリヤマは従うしかなかった・・・とか。
ただ、最後の猛のセリフにはしっくりきません。
「地球は我々人間だけのものじゃない」
おいおい、彼ら地底人だって「地上に住む人々以上に地球人です」って言ってなかったか?。
これでは結局人間として見ていないということになってしまいます。
6/6(日)
『ゴジラS.P.(シンギュラ・ポイント)』第11話「りふじんながくふ」
(ホームシアター:東映チャンネル録画)
ジェットジャガーが更なる進化を遂げました。
「なるほど、A.I.が自意識を持つとはこういうことか!?」と思わず膝を打つ見事な展開です。
そう言えばタイトルの「シンギュラ・ポイント」は作中でもたびたび語られる怪獣出現の原因であるある特異点のことを指しますが、そのシンギュラリティとは、A.I.が自我を持ちあらゆる面で人間を凌駕する特異点を指す言葉として使われています。
もはやどう考えても本作の真の主役はジェットジャガーであるとしか思えなくなってきました。
ところで・・・。
私は一話からずっとNETFLIXで見ているんですが、ネトフリでは「ここだ!」というポイントで静止画にするのが難しいです。
エンディングイラストに様々な怪獣や映画の登場人物描かれているんですが、それをじっくり見てみたかったのです。
で、あとになって気が付いたんですが、『ゴジラSP』はBS11でも放送していたのですね。(ただし1週遅れ)
そこで放送を録画してエンディングイラストを静止画キャプチャしてみました。

まずはビオランテ第1形態(花獣)。
芦ノ湖に出現したことを報じるニュース映像のようです。

同じくニュース映像に映るアンギラス。
本編に登場したアンギラスと違い映画に登場した巨大怪獣として描かれています。

BSデジタルQの撮影クルーの上空に飛来するヘドラ飛行体。
このあと彼らはその場に倒れたか、目の痛みを訴えたかのどちらだったのでしょうか。
ていうか、このニュースってBSデジタルQの番組?。
見上げているリボンの女の子はあの超能力少女でしょうか?。

戦闘機のコックピットから見たファイヤーラドン。
別に普通のラドンでいいのに・・・。

自衛隊トラックの傍らには湯原博士とその愛娘、そして三式機龍オペレーター家城三尉が談笑しています。

メガヌロンの亡骸。
その手前には白衣を着た眼帯の男が!。
オキシジェンデストロイヤーを作ったあの人でしょうか?。
バリケードテープの外側には、ゴジラ予知ネットの父娘+雑誌記者の姿も。

あと、まさかのショッキラスまで(笑)。
しかも、捕まえたのは金庫破りと浪花節に弱い兄貴と実年齢29歳の村娘ダヨ、そしてダヨのトモダチのヘタレ若造です。

ゴジラ(?)の巨大足跡。
1作目の大戸島のシーンを現代の都会に置き換えた場面のようです。

クモンガを見上げる野次馬の中に何故か防人三兄妹とX星人の波川女史が?。
何?このシチュエーション。
コスプレ?。
それと、このエンディングの絵全てが画面裏焼き状態(看板の文字が鏡文字)になってるのは演出かな?。

成虫モスラと小美人。
この小美人は『東京SOS』の長澤まさみさんと大塚ちひろさんですね。
うん、似てる!。

マンダとキング・シーサー。
誰が「ミヤラビの祈り」フルコーラスを歌ったのでしょうか?(笑)。
手前には怪獣から逃げ惑う人々も描かれています。
高橋監督は少年時代「ゴジラのエキストラ募集記事を見て怪獣から逃げる役をやりたかったが果たせなかった」そうです。
仲間だ!。

ジェットジャガーとメカゴジラ。
メカゴジラは手塚昌明監督版の三式機龍です。
ジェットジャガーが左手に持っているのはメガロの角?。
あと、ジェットジャガーの足元にはあの浮浪者が・・・?。
「でっかい顔して歩くんじゃねえ、この野郎田舎もんが!」

そしてゴジラ。
この絵だけ周囲の男たちの服装が古めかしいです。
右端のおじさんは山根博士かな?。
パイプ咥えてゴジラを見上げてる男性はもしかして円谷英二監督とか?。

あ~楽しかった(笑)。
最終回まで(多分)あと2回。
ここらでもう一度1話から通して見返してみようかな。
(時間があれば・・・ですが)

延期されていた『ゴジラvsコング』の公開日が7月2日に決まりました。
もう再々延期はないだろうな!?。

なにはともあれ、7月上旬は109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターへGO!。
(ただし、その頃大阪の緊急事態宣言が解除されていたらの話ですが・・・。)
今週もお付き合いいただきありがとうございました。