レーザーディスクは永遠に【SIDE 4】

現在シアタールームの壁面に思い出の詰まったLDジャケットを飾りつけています。
すぐに終わるだろうと思っていましたが、いろいろあって気がつくとなんと4週目(【SIDE4】)に突入してしまいました(汗)。

スペースはあと2枚分残っています。
以前壁付けスピーカーを外したときの傷跡(壁紙が破れている)を早く隠したいです(笑)。
【トガジン的LD年代記(’93年~’96年)】

デジタルマスターへの移行によりそれまでのアナログマスターより鮮明な映像を得られるようになったため、シネスコやビスタサイズなどでも十分な画質が得られるようになりました。
そのためこの時期には『ジョーズ』『エイリアン』『2001年宇宙の旅』『地獄の黙示録』『ブレードランナー』『レイダース』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』等それまで4:3トリミング版しかなかった作品が続々オリジナルサイズで再発売されていきました。
これらが発売された時「ついにオリジナルサイズ版を手に入れたぞ!」と本当に嬉しかったものです。
また、新作タイトルは最初からオリジナルサイズ(ビスタorシネスコ)で発売されるのが当たり前になりました。
そんな’90年代前半に購入したLDの中から思い出深いLDタイトルをいくつか列挙してみました。
【七人の侍】(1993年11月発売)

’93年、黒澤明監督作品のほぼ全てが東宝よりLD化されました。
一時期は英語字幕を焼き付けた海外版LDを買おうとさえ考えていたくらい欲しかった作品でしたので、国内版発売を聞いたときは本当に嬉しかったです。
ただ、困ったのは、『姿三四郎』から『影武者』までの東宝作品全てが厚さ2cmのLDボックス仕様だったことです。
(東宝以外から発売された『夢』や『乱』は通常ジャケットタイプ)
私が買ったのは『七人の侍』『蜘蛛巣城』『用心棒』『椿三十郎』『隠し砦の三悪人』『天国と地獄』の6作品だけですが、これだけでLD収納用カラーボックスのスペースが半分埋まってしまいました。
それと、このLD-BOXのディスク仕様には今も腹が立っています。
『七人の侍』は前編●●分(休憩含む)/後編●●分の2部構成になっています。
ならばLDは1枚目に前編・2枚目に後編と2枚組4面構成で収録するのが当然だと思うのですが、このLD-BOXはなぜか3枚組5面という実に中途半端な分割をしています。
物語の真っ最中に何度もディスク反転が来るだけでなく、ディスク交換も2度行わねばなりません。
枚数が増えたことにより当然値段も他の作品より高めです。
ちなみに同じ3時間越えの『赤ひげ』は休憩部分を境に2枚組3面で収めています。
人気作ということでユーザーの足元を見てこんな仕様に決めたとしか思えません。
作品の素晴らしさは文句の付けようがありませんし、ボックスに封入された解説書や復刻ポスターなどのオマケも充実していました。
それでも、無駄に場所を占領するボックス仕様と作品鑑賞にストレスが生じるディスク構成は正直言って迷惑でした。
『ジュラシック・パーク』(1994年11月)

CGを使ったリアルな恐竜の映像はもちろんですが、この映画の音の量感はLDのデジタル音声でなければ絶対に味わえないものでした。
長年映画サウンドと付き合ってきた私の持論ですが、オーディオ機として音を収録する器に余裕があればあるほど表現出来る重量感に差が出ます。
『ジュラシック・パーク』の場合、恐竜の足音と腹に響く咆哮がそれはもう凄かったです。
LDのデジタル音声はCDと全く同じスペックの無圧縮リニアPCM音声であり、それは当時の(良質なアナログレコードの次に)最高音質を誇る音声フォーマットです。
家のシステムで『ジュラシック・パーク』を見たとき、ラストのTレックスの咆哮が腹の底に響いてきて彼(Tレックス)の千両役者ぶりが際立ちました。
LD発売から少し経ってWOWOWで放送されましたが、同じデジタル音声でも放送電波に乗せるため圧縮した音ではLDのような迫力は感じられずもっさりした音になっておりました。
『怪奇大作戦パーフェクトコレクション』(LD-BOX)(1995年2月)

『ウルトラセブン』『ウルトラマン』『帰ってきたウルトラマン』はそれぞれ単品発売のLDを買い集めましたが、『怪奇大作戦』はまずボックスが発表されたため仕方なくこれを予約購入することになりました。
でも、結果的にはこれが良かったのです。
発売直前に第24話「狂気人間」が問題になったため、なんと発売日当日に「発売中止」が決まりその日のうちに店舗から回収されてしまったといういわくつきの商品でした。
しかし、私は予め予約していたので発売日の前日にフライングで受け取っておりました。
現実にこのLD-BOXを手に入れられたのは私のように回収される前に商品を買えた者だけだったのです。
このとき欠番にされた「狂気人間」は、その後再発売されたLDやDVD・BDではもう見ることが出来なくなっていますが、このLD-BOXには当たり前に収録されています。
特撮ファンの間で法外な額で取引されていて、私もオークションで定価の3倍以上の値段がついたときは本当に驚きました。
もちろん、手放す前に全巻DVD-R化したことは言うまでもありません。
『ガメラ-大怪獣空中決戦-』(1995年9月発売)

「こんな怪獣映画が見たかったんだ!」
マンネリ化した平成ゴジラVSシリーズから完全に気持ちが離れつつあったとき、その心の渇きを癒してくれた怪獣映画が『ガメラ 大怪獣空中決戦』でした。
当然LDも発売日に予約購入して毎日サルのように繰り返し見返しておりました。
ストーリーの面白さや特撮映像の見事さもさることながら、大谷幸さんの音楽が聴き心地良くてまるでBGV(環境ビデオ)のようにヘビーローテーションしておりました。
『ガメラ-大怪獣空中決戦-』<特別版>(1996年6月発売)

その約1年後、本編に加えてメイキングを高画質なCAV方式で収録した「特別版」LD-BOXも発売。
もちろん予約して買いました。
発売されたのはなんと続編『ガメラ2 レギオン襲来』公開の3週間前!。
完全に金子・樋口両監督の思惑にハマっていたと思います(笑)。
画質はもちろんCLV版より向上していましたし、メイキングや関係者インタビューなど資料性もあって満足度が高かったです。
『プリンセス・プリンセス/ザ・ラスト・ライヴ』(1996年8月)

映画やアニメだけでなく音楽もののLDを飾ることも考えました。
それは’80年代の半ばから一世を風靡したガールズバンド:プリンセス・プリンセスの解散ライブLDです。
実は私、’89年に「ダイアモンド」で爆発的に売れるずっと前から彼女たちのファンだったのですよ。
ちなみにメンバーのうち二人(ギターの中山加奈子とベースの渡辺敦子)は同い歳です(笑)。
もちろん大阪城ホールでの「解散を遊ぼう」ツアーライブにも行きました。
このLDに収録されているのはツアー最終日の東京公演ですが、一部のトーク内容以外は曲順も衣装も大阪公演とほぼ同じで、あの日この目で見この耳で聴きこの身体で一緒に踊ったあの日の大阪城ホールを追体験出来る内容でした。

現在所有しているDVDも最高音質のリニアPCM方式で収録されてますが、音に関してはやはりLDが圧倒的に上でした。
また、DVDは映像が圧縮されているため激しい光の点滅やカメラの激しい動きなどでブロックノイズが発生することも多いのですがLDは原理的にそれがありません。
THX版『スター・ウォーズ』オリジナル3部作(1995年10月発売)

この頃オリジナルサイズ版として再発売されたLDのうち、最も嬉しかったのは『スター・ウォーズ』オリジナル3部作でした。
ちょうどこの頃、従来の映像をデジタル技術で補正し新しい場面も追加した『特別篇』の製作が始まっていたのですが、その第一段階としてオリジナルネガフィルムに洗浄とレストア(傷消しや色補正)を施し、最良状態の『スター・ウォーズ』オリジナル映像が復元されたのです。
それを収めたのがこのTHX版『スター・ウォーズ』LDでした。
これ以降に発売される『スター・ウォーズ』は全て「特別篇」になってしまったため、このLDは劇場初公開バージョンにこだわるファンにとって必須アイテムでした。
しかも、ルーカスが「初回劇場公開バージョンが市場に出るのはこれが最後」と言ったため、世の中がDVDに移行してもLDプレーヤーとこのLD三部作だけは手放すことが出来なかったのです。

『スター・ウォーズ』の初DVD化は2005年。
そこに収録されていたのはやはり特別篇のみで、この時の失望感は言葉では言い尽くせないほどのものでした。

しかし、ファンの嘆願が届いたのか、翌06年の単品売り版「リミテッド・エディション」に特典ディスク扱いでオリジナル公開バージョンが収録されました。
せっかくのDVDなのに4:3画角にシネスコレターボックスというまるで嫌がらせのような仕様ではありましたが、それでもDVDでオリジナル版を見られるようになったことでようやくLDと決別する決心がついたのでした。
『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1995年10月発売)

我がシアタールームを飾る15枚目のLDジャケットには、THX盤『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』を選びました。
一番最初に買った『スター・ウォーズ』初回盤を最初に飾りましたので、最後まで手放せなかった『スター・ウォーズ』の新バージョンも飾ってもいいでしょう。
一作目(EP4)ではなく『帝国の逆襲』にしたのは、単に『帝国の逆襲』が一番好きで最も見返した回数が多かったからです。
あと、全く同じタイトルを2つ飾るのも芸が無いですし(笑)。
【ドルビーデジタル5.1chの衝撃!】
その後、ゲームや衛星放送にかなり侵食されていた私の気持ちを一気にLDへ引き戻してくれた大革命が起こります。
私にとっての”その革命”は、やはりというか当然というか大好きな怪獣映画の形で現れました。
『ガメラ2-レギオン襲来-』<特別版>(1997年1月発売)

怪獣映画の大傑作『ガメラ2-レギオン襲来-』のLDは、本編+メイキング満載の特別版BOX版が先に発売となりました。
(本編のみの廉価版LDはこの約半年後に発売)
もちろん私は一瞬も迷うことなく予約購入しました。
この『ガメラ2-レギオン襲来-』<特別版>こそ、当時ゲームに浮気して気持ちがLDから離れつつあった私にAV(オーディオビジュアル)の楽しさを思い出させてくれたタイトルだったのです。

そのポイントはドルビーデジタルAC3。
発売当時、樋口真嗣特技監督がこんなコメントを出していました。
『ガメラ2-レギオン襲来-』<特別版>は元々5.1chサラウンド音声で制作したのだが、諸事情によりプリントの際2chにリミックスしたものが上映された。
このLDに収録した『ガメラ2』の本当の音を是非聴いて欲しい・・・と。

その年の春、私はAVアンプをドルビーデジタルAC3入力対応のパイオニア:VSX-09に買い換えました。
「このディスクに収められている全ての映像と音を100%楽しみたい!」という想いにかられてのことでした。
しかし、対応アンプを手に入れてもLDプレーヤーがドルビーデジタル信号を出してくれなければ意味がありません。
AC3出力端子を装備したプレーヤーも必要なのです。
そして、私がこの頃愛用していたCLD-959にはAC3出力端子は付いていませんでした。
パイオニアのサービスセンターに送って有償でAC3端子を増設してもらうという手もあったのですが、当時はちょっとお金に余裕があったので、思い切って最上級クラスのLDプレーヤーを買うことにしました。

私にとって最後のLDプレーヤーとなったパイオニア:HLD-X9です。
定価はなんと35万円!。
CDコンパチブルではないレーザーディスク専用プレーヤーでした。
そしてラストの一枚。
これはもう心に決めていました。
■『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(2000年8月発売)

『ガメラ3邪神<イリス>覚醒』通常(CLV)バージョンです。
これが私が買った最後のレーザーディスクタイトルでした。
前2作の通常版(CLV盤)ジャケットは映画のポスターをそのまま使ったデザインでしたが、『3』のジャケットアートは樋口真嗣特技監督によるこのLDのための撮り下ろしです。
ガメラがギャオスを追うち渋谷を火の海にした衝撃的シーンで、眺めているだけでも映画の場面と音が頭の中に蘇ってきます。

もちろん、5.1chドルビーデジタル音声も収録されていて、HLD-X9とVSX-09のコンビネーションで毎日ヘビーローテーションしておりました。

ちなみに、このLDは末期のタイトルということでプレス数が少なかったらしいです。
そのため入手するのにかなり手間取りましたが、幸い「3枚セットで2千円」でなんとか確保することが出来ました。
あとの2作も出来れば一緒に飾ってあげたいくらい好きな映画なので特に高いとは思いませんでした。

ただ、『平成ガメラ』三部作のDVD発売は意外に早く、なんと『ガメラ3』LD発売からわずか半年後(2001年2月)のことでした。
(この頃のDVDはCDと同じ12cm角のジュエルケースに入ってました)

同じ頃、東宝も『ゴジラ』『ラドン』をはじめとして怪獣映画を続々DVD化し始めました。
ここに至り、1983年からおよそ18年に及ぶ私のLD遍歴もついに終焉を迎えたのです・・・。
(実際にはこのあと6~7年は手放さず大事に持っていましたが・・・)
【最後に】

我がシアタールームをLDジャケットで飾る計画はこれにて完了です。
送料なども合わせると最終的に3万円近く使いましたが悔いはありません(笑)。
妻も「結構いい感じになったね。」と気に入ってくれてるみたいです。

ブラウン管テレビ&VHSビデオ&ラジカセからスタートした私のオーディオ・ビジュアル趣味も早や38年経ちました。
そして今、我が家のホームシアターは4Kプロジェクター&HDR+ドルビーアトモスまでレベルアップしています。
アナログからデジタルへ。
4:3から16:9へ。
そして、ハイビジョンから4Kへ。

この先どこまで進化しようとも、初めてLD『スター・ウォーズ』を手にした時のあの胸のトキメキは決して忘れません。
ご先祖様の写真みたいに飾ったLDジャケットたちには、そんな私の気持ちが込もっています。

趣味100%の話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
LDプレーヤー(ハードウェア)については、そのうち改めて語らせていただきます。
【蛇足】
ところで・・・

壁に飾ったジャケットの中身(ディスクやライナー)と・・・

抱き合わせで買ったその他のLDの扱いをどうしましょうかね~?。
このまま捨ててしまうなんてのはあまりにも勿体ないですし、かと言ってプレーヤーが無いため全く使い道がありません。

・・・で、ある時ふと気が付くと、ヤフオクのLDプレーヤーのページをぼんやり眺めている自分がいました(汗)。
「ほお~、LD-S9(以前使っていたHLD-X9の一つ下の機種)のメンテナス済み完動品が5万5千円かぁ・・・。」
( ゚д゚)ハッ!
いかんいかん!。
レーザーディスクは私の想い出の中で永遠に輝き続けます
それだけで十分です。

今度こそ本当に終わりです(笑)。
最後の最後までお付き合いいただきありがとうございました。